YS1000 は異常を検出した場合、計器前面上部にあるランプ(FAIL、ALM)を点灯させます。
・FAIL ランプ(赤色):調節計が動作できない重大な異常の発生の場合に点灯します。
・ALM ランプ(黄色):継続して動作できる程度の軽い異常の発生の場合に点灯します。
ALM ランプ点灯時の対処
・. ALM ランプ点灯時はアラーム画面でアラーム項目を確認できます。
・. アラーム種類には、STC アラーム、プロセスアラーム、システムアラームがあります。
・. 停電前に発生した STC アラーム、プロセスアラームはメモリに記憶され、HOT スタート時再表示されます。(アラーム 発生状態で電源を切り、制御モジュールを使用しない機能で再使用する場合でも、HOT スタートするとアラームランプ が点灯します。1 度 COLD スタートに設定し、電源を投入すると、アラーム表示は解除されます。)
表 10.1 要因一覧 種 類 アラーム
表示 内 容 発生原因、診断内容 処理など
システム アラーム
X1,.X2,.X3,.X4,.
X5,.X6,.X7,.X8 入力オーバレンジ 入力値が -6.3% 未満または +106.3% より大 きい
ア ラ ー ム 発 生 時 に 運 転 モ ー ド
(C,A,M)は変更なし 配線確認、接続機器確認 Y1,Y3 電流出力配線オープンまた
は出力リードバック異常 *
第 1 出力(Y1)、第 3 出力(Y3)の出力オープン または出力リードバック値が異常 *
配線確認、接続機器確認または配 線のノイズを除去
CALC 演算オーバフロー
YS1700 プ ロ グ ラ マ ブ ル モ ー ド に お い て、
ユーザプログラムの演算実行時に演算途中 で結果が無限大、非数になる場合
リミット値(正または負の最大値)で演算 ユーザプログラム修正後、再度ダ ウンロード
OVER 制御周期オーバ YS1700 プ ロ グ ラ マ ブ ル モ ー ド に お い て、
ユーザプログラムの制御演算が制御周期を 超える
通常 RUN 時:制御周期超過 2 回 目に演算停止.
テスト RUN 時:演算停止 ユーザプログラム修正後、再度ダ ウンロード
PROG ユーザプログラムエラー END 命令なし 機番範囲外 RTN 命令エラー
ユーザプログラム中断
ユーザプログラム修正後、再度ダ ウンロード
DATA YSS1000 からの書込
み未完了 YSS1000 からのデータ書込みが完了してい
ない YSS1000 から再度ダウンロード
COMM
RS-485 通信エラー
フレーミング ・ パリティエラー バッファオーバフロー 文字間タイムアウト
エラー検出(チェックサム、CRC、LRC)
通信接続(配線と通信条件)確認
DCS-LCS 通信エラー
フレーミング ・ パリティエラー バッファオーバフロー ヘッダー ・ 受信データエラー フレーミング ・ パリティエラー エラー検出(BCC)
通信未検出 通信時間超過 通信状態エラー
通信接続(配線と通信条件)確認 相手先確認
機器間通信エラー
フレーミング ・ パリティエラー バッファオーバフロー 受信データエラー
エラー検出(チェックサム)
通信接続確認
ETHER Ethernet 通信エラー Ethernet 通信デバイス応答なし
[ALM.CLR] ソフトキーを押して ETHER アラームを確認操作してく ださい。何度も上記動作を繰り返 す場合は故障と判断します。
PTOP 機器間通信エラー ユーザプログラムで使用している機器間通
信用レジスタが更新されない 通信接続確認
相手先確認
CALR 調整検査エラー 当社へご連絡ください。
*. 出力リードバック異常は、パラメータ SCOCD の設定が ALARM のときです。(P.62 参照)
トラブルシューティング 要因一覧続き
表 10.2
種 類 アラーム
表示 内 容 発生原因、診断内容 処理など
プロセス アラーム
PH1,.PH2 測定値上限警報 プロセスの異常
PV1、PV2 が上限警報設定値以上
プロセスを正常に戻してください。
PL1,.PL2 測定値下限警報 プロセスの異常
PV1、PV2 が下限警報設定値以下 HH1,.HH2 測定値上上限警報 プロセスの異常
PV1、PV2 が上上警報設定値以上 LL1,.LL2 測定値下下限警報 プロセスの異常
PV1、PV2 が下下警報設定値以下 DL1,.DL2 偏差警報
プロセス偏差の異常
| PV1-SV1 |、| PV2-SV2 |が偏差警報 設定値以上
VL1,.VL2 測定値変化率警報
プロセスの急変
PV1、PV2 の変化率が変化率警報変化設定 値/変化率警報設定時間設定値以上 要因一覧続き
表 10.3 種 類 アラーム
表示 内 容 発生原因、診断内容 処理など 解除方法
STC アラーム
SYS-ALM システム異常
組合せ禁止制御要素の実行 制御機能が正しく実行されていない 電流出力がオープン
STC 停止(オートス タートアップは不可 または停止)
STC 継 続( オ ー ト スタートアップは 不可または停止)
PVOVR PV 警報 PV 値が -6.3% 未満または 106.3% より大きい
STC 継続(オートス タートアップは不可 または停止)
MVLMT MV 警報
MV 値が出力リミッタにかかっている オートスタートアップ開始前に MV 印加信号 幅が不適切
オートスタートアップ開始後に MV 値が変更 またはリミットされた
OPERR オ ペ レ ー シ ョ
ン異常 オートスタートアップ時に操作異常があった
IDERR 同定不可能 オートスタートアップにおいて PV 変化が小 さすぎる
PBLMT PB 警報 比例帯が上下限リミットを超えた
STC 継続(オートス タートアップ実行中 は発生しない)
発生原因の除去 STC=OFF
オ ー ト ス タ ー ト アップ実行 TILMT TI 警報 積分時間が上下限リミットを超えた
TDLMT TD 警報 微分時間が上下限リミットを超えた RTALM RT 警報 信号分散比(RT)> 2 または RT < 0.5
FAIL ランプ点灯時の対処
FAIL ランプ点灯時は、FAIL 画面が表示されます。(メインプロセッサ(MCU)と表示プロセッサ(DCU)のどちらも異常な場合、
およびゲートアレイ(GA)が異常な場合は表示できません)
表 10.4 要因一覧
FAIL 表示 内 容 処 理(異常時動作)
なし メインクロック停止、メインプロセッサ
と表示プロセッサの両方が異常
制御演算停止
・FAIL 接点開
・Mランプ点灯
・出力 HOLD(Y1 ~ Y4、DO1 ~ DO10)
・MV 操作キー(<、SHIFT、>)による Y1 出力 操作可能
・ハードマニュアルで Y1 出力操作可能
・通信(RS-485、DCS-LCS、Ethernet)停止 SCLK サブクロック停止
MCU メインプロセッサ(MCU)異常 DCU 表示プロセッサ(DCU)異常 A/D A/D 変換部異常
D/A D/A 変換部異常 RAM MCU-RAM 異常 ROM MCU-ROM 異常 FRAM FRAM 異常 FLASH FLASH メモリ異常 OPT 通信/拡張 IO 異常 SYS システムデータ異常
EMPFR FRAM データ未初期化、FRAM データ消失 EMPFL FLASH 未初期化、FLASH データ消失 FAIL 時の表示と操作
YS1000 は、制御演算回路(メインプロセッサ MCU)と表示操作回路(表示プロセッサ DCU)を独立させ、さらに電流出力バッ クアップ回路を備えています。
制御演算回路異常時には、制御演算を停止して出力(Y1 ~ Y4、DO1 ~ DO10)はホールド状態に移行します。通信機能も 停止します。このとき表示操作回路で FAIL 画面が表示されます。表示操作回路でアナログ入力データ(X1)を測定、表示 し出力操作キーによる電流出力信号(Y1)の操作が可能です。画面展開は行えません。
表示操作回路異常時には、正常な表示、操作ができないため制御演算を停止して出力(Y1 ~ Y4、DO1 ~ DO10)はホール ド状態に移行します。通信機能も停止します。このとき制御演算回路で FAIL 画面が表示されます。制御演算回路でアナロ グ入力データ(X1)を測定、表示し出力操作キーによる電流出力信号(Y1)の操作が可能です。画面展開は行えません。
FAIL 発生有無にかかわらず計器前面をスイングアップさせ、ハードマニュアル操作ホイールで電流出力信号(Y1)の操作 が可能です。(ハードマニュアル付き(基本仕様コード -1 □□の場合))
また、YS110 携帯用手動操作器を使うことにより調節計内器を出力無瞬断で交換することができます。.
表示操作回路
(ディスプレイ プロセッサ:DCU)
制御演算回路
(メインプロセッサ:MCU)
MCU異常時
表示操作部 DCU異常時
ハードマニュアル 操作回路
異常
正常
OFF ON
X1入力信号
(PV入力)
出力HOLD 正常 回路
DCU異常時
MV操作 Y1電流出力
(MV出力)
1001.ai
図 10.1 出力バックアップ方式
トラブルシューティング FAIL 時の画面
メインプロセッサ(MCU)と表示プロセッサ(DCU)のどちらも異常な場合、およびゲートアレイ(GA)が異常な場合は 表示できません。
警 告
FAIL ランプ点灯かつ LCD 表示が動作しないときは、メインプロセッサ(MCU)と表示プロセッサ(DCU)のどちら も異常な場合でも MV 操作キーは有効ですが、MV の表示が見えないため MV 操作しないでください。
1002.ai
タグナンバ
FAIL表示
FAIL要因
ハードマニュアル指針
MVバルブ方向 スケール0%値 X1入力バー Mランプ点灯 スケール100%値 工業量単位 ALMランプ消灯 FAILランプ点灯 H.MAN選択状態
SV指針
MVバルブ方向
図 10.2 表 10.5
図中の名称 内 容
X1 入力バー アナログ入力 1(X1)の 1 ~ 5VDC を 0 ~ 100% で表示 Y1 出力バー Y1 出力の値を表示(FAIL 発生時は発生直前の操作出力値 1)
ハードマニュアル指針 ハードマニュアル出力値に連動して表示(基本仕様コード -2 □□の場合は表示されません)
H.MAN 選択状態 ハードマニュアル選択時に表示(基本仕様コード -2 □□の場合は表示されません)
FAIL 要因 要因を表示、複数発生の場合は複数表示。ただし、要因不明の場合は表示なし
FAIL/ALM ランプ FAIL ランプ点灯、ALM ランプ消灯
SV 指針 不定
タグナンバ FAIL 直前のタグナンバを表示
バルブ方向 FAIL 直前の C-O、O-C を表示 スケール 無条件に 0 ~ 100%、FAIL 直前の分割
C、A、M ランプ Mランプ点灯
MH、ML 指針 なし
PH、PL、HH、LL 指針 なし PV、SV、MV ディジタル表示 なし
キー入力 MV 操作キー(< ,SHIFT, >)を除きすべて無効