9-3-1.Concentration series
結合速度定数(ka)あるいは解離速度定数(kd)を算出する場合には、Application
Wizardを使用して実験を行うと便利である。
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Kinetic Analysisを選択し、Start…をクリックする。
↓
Concentration Seriesを選択し、Next>をクリックする。
Control Experimentsは実験条件の検討の項目である。
① Mass Transfer
マストランスファー・リミット効果が現れているか調べるもの
② Linked Reactions
反応が1:1の単純な反応か調べるもの
目的により選択する。
Direct BindingもしくはBinding Using Capturing Moleculeを選択する。
ここではDirect Bindingを選択し、Next>をクリックする。
使用するフローセル、流速(μl/min)、インジェクト時間(分)、解離時間(分)、
アナライト名、アナライトの分子量、サンプルの繰り返し測定回数、濃度を入 力しNext>をクリックする。
注意
次のメッセージが出てくる場合がある。
これは、アナライトの濃度を 5 段階以上で行うことを勧めるものである。必要 がない場合には、Ignoreをクリックする。
これは、アナライトの同一濃度のサンプルを複数回分析することを勧めるもの である。必要がない場合には、Ignoreをクリックする。
↓
サンプルの位置を確認あるいは変更しNext>をクリックする。
↓
バイアルの位置等を再度確認し、Startをクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定後、ファイル名を入力し、Saveをクリックする。
↓ プログラムが動き出す
(実験結果の表示)
実験が終了すると、以下のような実験結果が表示される。
同時に得られたセンサープラムからおよその各種反応速度定数が計算される。
ka:結合速度定数(1/Ms)、kd:解離速度定数(1/s)、KA:親和定数(1/M)
KD:解離定数(M)、Rmax:アナライトの最大結合量(RU)
Baseline Levelをクリックすると各サンプルのベースラインの変動を表示するこ
とができる。
9-3-2. Control experiments (各種のコンロトール実験)
1)Mass transfer control
現在の実験条件で、マストランスポート・リミテーション効果が現れているか 調べることができる。
この効果は、リガンドの固定化量が多すぎるときに発生する効果であり、結合 領域においては、センサー表面デキストラン内のアナライトの濃度が低くなり、
また、解離領域においては、一度解離したアナライトが、さらにリガンドに再 結合する(Rebinding)ことにより、正しい反応速度定数を算出することができ なくなる。
このWizardでは、同一アナライトを同一濃度で使用し、流速を変化させてイン
ジェクトする。マストランスポート・リミテーション条件下では、それぞれの 流速でレスポンス(結合量)に変化が生じる。マストランスポート・リミテー ション条件下で実験を行った場合には、正しい反応速度定数の算出は困難であ り、結合速度定数(ka)および解離速度定数(kd)は誤って算出されることがあ るので十分注意が必要である。この場合には、固定化量を減少させて実験をや り直すか、BIAevaluation 3.0での解析の際に、MODELを1:1(Langmuir) with mass transferを選択する。
Run → Run Application Wizard…をクリックし、Kinetic Analysisをクリックする。
↓
Mass Transferを選択し、Next>をクリックする。
↓
Direct Bindingを選択し、Next>をクリックする。
↓
使用するフローセル、サンプル名等を入力し、Next>をクリックする。
↓
再生条件を設定し、Next>クリックする。
↓
サンプル位置を確認あるいは変更し、Next>をクリックする。
↓
サンプル位置および容量を確認し、Startをクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定し、ファイル名を入力し、Saveをクリックする。
実験が開始される。
↓
上記な実験結果が示される。
実験結果の評価
理想的な実験条件では、固定化したリガンドとインジェクトしたアナライトと の間の相互作用(結合および解離両速度)には、流速は全く影響しない。
しかし、マストランスファー・リミテーション条件下では、相互作用反応は流 速によって大きく変化することになる。表示された重ね書きのセンサーグラム の結合量(レスポンス)に違いがあれば、マストランスファー・リミテーショ ン条件下であると判断することができる。
こ の 場 合 に は 、 リ ガ ン ド の 固 定 化 量 を 減 少 さ せ て 実 験 を や り 直 す か 、 BIAevaluation 3.0での解析の際に、MODELに1:1(Langmuir) with mass transfer を選択する。
2)Linked Reactionのチェック
リガンドとアナライトとの反応が、1:1 なのか、あるいはより複雑な反応かを
Wizardを使って調べることができる。
この実験では、同一アナライトを同一濃度(平衡に達するに十分な濃度)で、
インジェクト時間を変化させて分析し、解離領域のセンサーグラムから反応が 1:1であるかを判断する。
1:1 の反応の場合、アナライトの添加時間が変化しても、解離の仕方に変化は なく、複雑な反応系の場合、解離の仕方に変化が現れる。
アナライト濃度は速やか(2~3 分間)に平衡に達するに十分な濃度のアナライ トを用意する必要がある。
Run → Run Application Wizard…をクリックし、Kinetic Analysisをクリックする。
↓
Linked Reactionを選択し、Next>をクリックする。
↓
Direct Bindingを選択し、Next>をクリックする。
↓
使用するフローセルおよびアナライト名等を入力し、Next>をクリックする。
↓
再生条件を入力し、Next>をクリックする。
↓
サンプル位置を確認あるいは変更しNext>をクリックする。
↓
サンプル位置および容量を確認し、Startをクリックする。
↓
保存先のフォルダーを指定して、ファイル名を入力し、Saveをクリックする。
実験が開始される。
↓
(実験結果の評価)
相互作用が1:1の反応の場合、サンプルの添加時間に関係なく、解離のし方は 一定となるはずである。解離のし方に差がある場合には反応は1:1でなく、よ り複雑な反応系の場合が多い。また、アナライトが1量体や2量体の混合物で あったりした場合にも、このような現象が起こる場合がある。このような場合 に1:1の反応系で分析を行うと、実際の速度定数と異なる値として算出される 場合があるので注意が必要である。
9-4 . Customized Application
プログラムを自分で自由に組み立てるたるためのWizardである。
サンプルのインジェクト、再生溶液のインジェクト、レポートポイントの作成 等の条件を含むプログラムを簡単に作成することができる。
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Customer Applicationを指定し、Start…をクリックする。
↓
アイコンを使用し操作を入力し、実験を組み立てる。
9-4-1.アイコンの説明
① DETECTIONモード 検出セルおよび測定温度を設定する。
② Keyword レポートポイントテーブル中にサンプル名、濃
度等の任意のコメントを表示させるコマンド。
③ 流速の設定 流速の設定を行うコマンド。
④ インジェクト 試料のインジェクトを行うコマンド。
⑤ レポートポイント センサーグラム上の任意の点のデータをレポー の作成 トポートポイントテーブル上に表示させるコマ
ンド。
⑥ Transfer サンプルをバイアル間で移動させるためのコマ
ンド。
⑦ Mix バイアル中の試料を混合するコマンド。通常は
Transferとセットで使用する。
⑧ Wash ニードルやIFCをランニング緩衝液で洗浄する
コマンド。
⑨ Wait ランニング緩衝液を流した状態で待機させるコ
マンド。秒単位で待機させることができる。
⑩ Comment プログラム画面中にコメントを入力するための
コマンド。!より右側の言語は、コメントとし て操作に関係ないものと認識する。
⑪ If/Then 途中の実験結果から以降の操作を選択するため
のコマンド。例えば、一定量の結合量がない場 合には、再生操作を行わずに、次のサイクルに 移動する場合等に利用する。結合物質のスクリ ーニング等に有効である。
9-4-2. 基本操作
ここでは、基本的なWizard作成方法を習得することを目的に、ステップを踏ん で説明する。
ステップ1.1個のアナライトについての分析 以下の実験を行う場合を想定する。
リガンド :Protein A(フローセル2に固定化済み)
測定温度 :25℃
流速 :20μl/min
Detectionモード :2-1
(フローセル1はリファレンスとして使用)
アナライト :IgG(1濃度)
アナライト位置 :R2A1
インジェクト : INJECT使用、40μl(2分間)
再生溶液 :10mM Gly-HCl(pH2)、20μl(1分間) 再生溶液位置 :R2F3
レポートポイント :IgG添加10秒前 IgG添加後20秒後 再生溶液添加後60秒後
Run → Run Application Wizard…をクリックする。
↓
Customized Applicationを選択し、Start…をクリックする。
↓
通常、流速を20μl/minで実験を行うように設定されている。
↓
をクリックし、Detectionモードおよび測定温度を設定する。
(検出モードの設定)
Detectionを選択する。
以下から選択することができる。
・Fc1 ・Fc2 ・Fc3
・Fc4
・Fc1,2 Ref 2-1
・Fc3,4 Ref 4-3
・Fc1,2
・Fc3,4 ・Fc1,2,3,4
・Fc1,2,3,4 Ref 2-1,4-3 ・Fc1,2,3,4 Ref 2-1,3-1,4-1
ここでは、Fc1,2 Ref 2-1を設定する。
(リファレンス差し引き機能については、46ページ参照)
(測定温度の設定)
検出部位の温度を設定する。4~40℃の範囲で設定できる。
Set Temperatureにマークをいれ、温度を入力する。
設定後、OKをクリックする。
↓ 以下のように設定される。
(流速の変更)
をダブルクリックする。
流速を入力しOKをクリックする。
↓
(アナライトのインジェクト)
をクリックする。
アナライト(この場合には IgG)の名前およびインジェクト容量を入力し、OK をクリックする。
Injection Mode:の▼をクリックすると、インジェクトモードを変更することがで
きる。
インジェクトモードについては、42ページ参照。
(注意)コマンドを入力するときは入力したい位置をハイライトにする必要が ある。この場合、インジェクトコマンドは、FLOW 20 の後に入力したいので、
FLOW 20の後をハイライトにする。
ここをハイライトにする。