6-1. メンテナンス
Biacoreのメンテナンスは、Working Tools(Tools → Working Tools…)中のコマ ンドを用いて行う。
実験を行う前に Prime
新しいセンサーチップをDockしたときやランニング緩衝液を交換したときに行 う操作である。ポンプやIFC(マイクロ流路系)、オートサンプラー等をランニ ング緩衝液で置換洗浄する。(所要時間約6分20秒間)
Primeはランニング緩衝液でシステムを初期化する操作である。大きく塩濃度
が変化する緩衝液や粘性の異なる緩衝液に交換する場合には、Primeを2~3 回繰り返すことをお勧めする。
ランニング緩衝液で洗浄したい場合に Flush
IFCとフローセルをランニング緩衝液で簡単に洗浄する。(所要時間約2分20秒 間)
Rinse
IFC、フローセル、回収カップをランニング緩衝液で高流速にて洗浄する。(所要 時間約3分間)
通常の洗浄は実験の各段階で自動的に行われるが、粘性の高いサンプルや非常 にクルードなサンプルを用いたときなどに使用する。
定期的な洗浄
Desorb(毎週1回が目安)
IFCやフローセル等に付着したタンパク質や脂質を洗浄する操作である。
BIAメンテナンスキット中のBIAdesorb solution 1(0.5 % SDS溶液)および BIAdesorb solution 2(50 mM Gly-NaOH、pH 9.5)を使用する。
Thermorack Aをラックポジション2(右側)にセットし、R2F3に 3mlのBIAdesorb solution 1を、R2F4に3 mlのBIAdesorb solution 2をセットして行う。(所要時間 約22分間)
・BIACOREのメンテナンスにおいてDesorbは非常に重要である。
・BIAdesorb solution 1は4℃で保存すると結晶が析出するので、室温におくこと。
・センサーチップに固定してあるリガンドは失活するので、必ず洗浄用のセン サーチップと入れ替えて行う。
・設定温度を20℃以下で行わない。
Sanitize(毎月1回が目安)
IFCやフローセルを殺菌する操作である。BIAdisinfectant solution(次亜塩素酸 ナトリウム溶液)と超純水を使用する。
ステップ1:1.5 ml のBIAdisinfectant solutionをBIAメンテナンスキット内の専 用の容器に入れ、20 mlの超純水で希釈し、ランニング緩衝液の位置に置き実行 する。
ステップ2:超純水15 mlをランニング緩衝液の位置に置き実行する。
・センサーチップに固定してあるリガンドは失活するので、必ず洗浄用のセン サーチップと入れ替えて行う。
・Sanitize終了後、ランニング緩衝液あるいは超純水でPrimeを1~2回行う。
・病原性があるサンプル等を使用したときには、適時Sanitizeを実行する。
6-2. Air の除去
脱気していない緩衝液を使用したり、Airをインジェクトすると、Airが流路系内 に留まってしまうことがある。
このような場合には、以下の操作を順次行い、Airの除去を確認する。
① Tools → Working Tools… → Prime、Flush、あるいはRinseを組み合わせて 数回行う。
② Tools → Service Tools… → Uncloggingを行う。
③ 充分脱気した
......
ランニング緩衝液をセットし、Primeを数回繰り返す。
上記のような乱れが解決しない場合には、IFC(マイクロ流路系)の劣化の可能 性も考えられるので、システムチェックを行って機械の状態を把握する(59ペ ージ参照)。
6-3. 流路系に詰まりがあるとき
不溶性のサンプルや吸着性の高いサンプルを使用した場合には、流路が詰まる 場合がある。このような場合には、センサーグラムに乱れが発生したりする。
22270 22290 22310 22330 22350 22370
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450
Rabbit IgG 1.25µg/ml
Tim e s
RU
Response
Uncloggingを行って、詰まりを除去する。
Tools → Service Tools… のUncloggingを行う。
これは、ランニング緩衝液を高流速で流すことにより、詰まりを除去するもの である。
6-4. システムチェック
ベースラインがドリフトするなど機械の調子が思わしくない場合には、以下の 方法でシステムチェックを行う。
使用するもの
① 新しいセンサーチップCM5(使用しているチップは使用できない)
② HBS-EP緩衝液
③ 9mmガラスバイアル
④ BIAtest soluton(BIA maintenance kit)
(方法)
BIA maintenance kit中のBIAtest solution 1 mlを9 mmのガラスバイアルに入れ、
R2F1にセットする(あらかじめ、ラック2にThermo_Aをセットしておく)。
↓
空の9mmのガラスバイアル4本をR2E1からR2E4にセットする。
↓
Tools → Test tools → System checkをクリックする。
(所要時間:約40分)
Start…をクリックする。
(結果の表示)
10000 13000 16000 19000 22000 25000 28000 31000 34000 37000 40000
0 500 1000 1500 2000 2500
Tim e s
Response
RU
(システムの評価)
約40分間のシステムチェック終了後、上記のようなボックスが表示される。
↓ Evaluateをクリックする。
RESULTS
A. IFC
Serial Sequential Clip
Fc 1: 22292 OK 21278 OK -5 OK Fc 2: 22330 OK 21130 OK 7 OK Fc 3: 22336 OK 21055 OK 45 OK Fc 4: 22319 OK 21066 OK 37 OK
Fc 1-2: 13385 OK 10 OK
Fc 3-4: 13467 OK 17 OK
Fc 1-2-3-4: 22326 OK 45 OK
Leaks: 23 OK B. Refractometer test
15% Sucrose Baseline level
Fc 1: 22287 Fc 1: 19752
Fc 2: 22338 Fc 2: 19758
Fc 3: 22348 Fc 3: 19764
Fc 4: 22331 Fc 4: 19816
Average: 22326 ( 22000 - 23000 ) Average: 19773 Stdev: 27 ( < 200 ) Stdev: 29 ( < 300 ) C. Mixing
Mix 1: 13385 Mix 2: 13467 Average: 13426 Difference (%): 1.2 OK Dilution factor: -0.20 Check!
D. Noise
Short term Stdev Long term Slope
Fc 1: 0.08 ( < 0.2 RU ) Fc 1: 0.01 ( < 0.05 RU/s) Fc 2: 0.05 ( < 0.2 RU ) Fc 2: 0.00 ( < 0.05 RU/s) Fc 3: 0.06 ( < 0.2 RU ) Fc 3: 0.00 ( < 0.05 RU/s) Fc 4: 0.08 ( < 0.2 RU ) Fc 4: 0.01 ( < 0.05 RU/s)
エラーがある場合には赤色で表示される。次ページの解説にしたがって対処す る。それでもシステムの調子が思わしくない場合には、機械の故障が考えられ る。
システムチェックはできるだけ定期的に実施する。