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9月1日(日)11:45~12:45ランチョンセミナー

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抄 録 集

会 長   シ ン ポ ジ ウ ム

このシンポジウムでは地域社会で子どものために活躍している方の話しを聞いてもらい、皆さんが各地域に帰って実践しても らうことを希望しています。

私は福岡市医師会の役員を14年間勤める間に、保育園・幼稚園保健、学校保健、小児救急医療等に関わりながら地域の小児科医、

保育士、教師、行政等の方々とともに子どもたちのために取り組んできたことをお話しします。

学校保健は充実しているとは言えませんが、教育委員会が医師会等と取り組んでおり、各地区及び全国的にも検討されていま す。一方、保育園・幼稚園の保健は行政的には全く手つかずで、現在でも多くの所では、各園あるいは一部の小児科医が独自に 対応しているだけの状態です。16年前に医師会の理事に就任し、保育園・幼稚園の関係者から余りにも多くの問題があることを 教えられました。園で行われている昼の与薬の多さ、発熱や下痢の際の登園基準の曖昧さ、学校安全保健法で決められている疾 患の登園基準のばらつき、園でのアレルギー除去食へ対応等、保育士や保護者に大きな負担がかかっていました。これらを改善 するには医師の関わり、それも小児科医ではなく内科医等の他科の医師の参加も必要ですし、行政の関与も大切でした。これら の問題へどのように対応したのかを話します。

休日夜間の小児医療にも関わりました。福岡市は一般の医療機関が診療していない休日夜間は勤務医と開業医が連携して診療 しています。ただ、小児科医としての経験が短い医師に対して、市民からの苦情や翌日に診療した医師からの「急患センター医 師への要望」等が多く寄せられていました。彼らは外来診療に慣れていませんし、特に急患診療にどのように対処するのか、多 くはノウハウを持っていません。そこで、急患診療の総論・各論を講義するようにしました。その結果、苦情がかなり減少した と感じています。

「こうのとりのゆりかご」に赤ちゃんを預ける行為は、子どもの命を助けて欲しいという母親の切なる一念で遠隔地から預け に来ていると思われる。最近、我国に於いて幼い子供達が大人の虐待により生きる権利を奪われている悲しい現実がある。そう いう意味に於いて「こうのとりのゆりかご」は子どもの命を救うセーフティーネットになっている。

こうのとりのゆりかごに預けられた赤ちゃんは、児童相談所が要保護児童として施設で養護し、その後、里親委託、養子縁組 がなされるが、その期間は1年~2年を要し、愛着形成の時期である乳児期を過ぎてしまっている現状がある。

心の発達のスタートは胎児期から始まっており、おなかの中にいる時から、母子の相互関係が作られている。アタッチメント や愛着等、視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚、これらの全てどれをとっても大事であり、この五感により人として成長していく。こ のことを考えると、乳児期から愛情深く育てられることが大切である。

こうのとりのゆりかごの場合、匿名であるため特別養子縁組を行うには現行制度では難しい。予期せぬ妊娠をした女性から、育 てられないという相談を受け、相談に対応する中で特別養子縁組を選択され、赤ちゃんの命が新しい家庭につながっている、こ の事の意義は大きい。養親は生後間もない赤ちゃんを、我が子として育てておられる。その方々から送られてくる新しい家族の 写真を拝見する時が何よりも心癒されるひと時である。このように少しでも早い時期に、家庭の温かさの中で赤ちゃんを育てる ことができるよう、切に願っており、里親や養子制度の新生児期からの縁組が大切であることを実感する。

慈恵病院には全国から相談が寄せられている、約70%が県外からの相談である。深刻な相談が40%ある、その中でも特に出産 を伴う緊急性の高い相談の対応に苦慮している。全国組織化されている児童相談所、市町村、保健センターとは現在も連携を図 っているとは言うものの、その対応の限界を感じている。特に夜間休日の緊急な対応は民間の方に依頼し、その方の善意に頼っ ているのが現状である。今後、緊急出産を受け入れる拠点作りを行い、ネットワークの構築及びその強化が急務である。

「全ての子どもに、温かい家庭と愛情を」これが、ゆりかごを通して社会に伝えていきたいことであり、ゆりかごの目指す社 会である。

こどものためのコンダクターになろう

総合司会 下村 国寿(下村小児科医院)

「こうのとりのゆりかご」から見えてきたもの

田尻 由貴子(慈恵病院)

保育園・幼稚園保健への取り組み

下村 国寿(下村小児科医院)

会長シンポジウム

8月31日(土)14:00~16:45 福岡国際会議場 3F メインホール

会 長   シ ン ポ ジ ウ ム

■福岡市における里親普及と「子どもの村福岡」(http://www.soscvj.org)

子ども虐待の増加は、いまや国民的課題になってきた。一方、社会的養護の子どもたちの増加と課題は、小児科医にも十分知 られていない。

福岡市では、2005年から市民と児童相談所が協働で里親普及・支援活動「新しい絆プロジェクト(ファミリーシップふくおか)」

を行い、約30%の子どもが里親で育つという成果をあげて来た。その中から、国際NGO「SOS子どもの村」(http://www.sos-childrensvillages.org)の子どもの権利尊重を基本としたプログラムを知り、里親制度を活用して、我が国の「新しい家庭養護 のモデル」をめざして、2010年、福岡市西区に「子どもの村福岡」を開村した。多くの個人・企業、「子どもの村福岡を支える 小児科医の会」などに、建設、運営ともに支えられて、3周年を迎えた。また、震災を機に、昨年、「(特)子どもの村東北」が 設立され、さらに、日本支部の役割を担う「(特)日本SOS子どもの村」がたちあがった。

■これからの社会的養護の課題

我が国は、里親で育つ子は13.5%に過ぎない。国連は2009年、「子どもの代替養育に関するガイドライン」を採択し、世界 の子どもたちが「家庭的環境で」育つよう示した。我が国においても2011年、「里親委託ガイドライン」や「社会的養護の課題 と将来像」により、里親推進と施設の小規模化、地域化など、「家庭的養護」へと大きく舵を切り変えた。

■社会的養護と小児科医

社会的養護の子どもたちのために、小児科医が果たしている役割は、大きくはなかった。しかし、福岡における2つの活動、さ らに子どもの村東北、日本SOS子どもの村は、小児科医が中心的役割を担い、建設資金、運営資金を支えている。

今後、小児科医が子どもたちのために果たす役割はますます大きい。①乳児院の嘱託医の役割強化とその支援、②子どもの健 康課題の調査研究、③かかりつけ小児科医の役割、③愛着障害や子どもの心のケアについての教育、そして、我が国の子どもた ちのための「家庭養護推進」のためのコンダクターとしての役割である。

小児科開業医のアウトリーチは、市町村行政における母子保健(こんにちは赤ちゃん・乳幼児健診・予防接種など)、児童福 祉(要保護児童対策地域協議会など)、発達障害(特別支援教育総合推進事業など)、学校(園医・校医・就学指導・不登校な ど)などいろいろな機会があります。また、小児科医としての自分の専門分野の知識と経験を活かし、地域の基幹病院などで診 療やスーパーバイズを行ったり、地域で研究会や事例検討会を開催し、多職種連携のためのつなぐ仕事も重要であります。今回 のテーマであるコンダクターには、いくつかの意味がありますが、指揮者であると同時に、意識改革を行う教育者であると考え、

上記のような様々な事業のリーダーを側面から支える仕事が重要となります。当日は、小規模市町村での取組を紹介しながら、小 児科開業医のアウトリーチ実践のために必要なアイデアを提供したいと思います。

社会的養護の課題と小児科医−子どもの村の取り組みから−

坂本 雅子(子どもの村福岡)

小規模市町村小児科診療所からの提言

井上 登生(井上小児科医院/福岡大学小児科)

特 別   シ ン ポ ジ ウ ム

小児喘息の治療管理はこの10~15年で大きく変化し、発作入院や喘息死の減少も顕著である。今や喘息の治療の場は専門病院

→一般病院→開業医→患者(家族)となりつつある。

これに寄与した要因は、①吸入ステロイド薬(ICS)やロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)等の長期管理薬の多用、②早期 治療介入、③夜間救急体制の整備、④定期的な治療管理ガイドライン(GL)の改訂と普及、⑤開業医の能力アップ、⑥物理的環 境改善、等々、多くのことが考えられる。

いずれ一つが欠けても隔世の感がある現在の状況までは至らなかったとみられる一方で、以下の課題も表出しつつある。①推奨される ICSの使用量は果たして長期投与して安全なのか、間欠投与や on demand の投与法はどうなのか、LTRAは安全であるが故に汎用されて いるがこのままでよいのか、ICS/LABA の合剤の位置付けは、そしてLABAの量は、②早期治療介入は自然歴を変えているのか、気道感 染も深く関わるヘテロな乳幼児の喘鳴に画一的に喘息の治療を行なうことの長期的効果と功罪はどうなのか、③喘息の専門医のいない夜 間救急受診の患者のその後の継続治療システムはどう作っていくのか、④GLに準拠すると over treatment にならないか、逆にGLを理解 せず従来の対症療法に終始している医師にどうアプローチすればよいか、最も数の多い間欠型や軽症持続型喘息に対する治療管理の記述 が絶対的に不足しているのではないか、⑤病院勤務医の相対的な力量不足との調整、病と診の相互乗入れや共同作業が必要ではないか、⑥ 室内ペット抗原の増加への対応はどうするか、抗原除去・回避への適確で簡便な指導法はないか、⑦その他、社会心理的な面への配慮が軽 視されていないか、内科への移行の問題が放置されたままではないか、AR・AD・FAなどの合併例の総合的治療はどうするか、など。

このように、発作入院や喘息死の多発などの荒れた時代から、一見、落ち着いたように見える今も、根にある解決すべき問題 は多い。本シンポジウムでは立場や意見が異なる練達の小児科医から、いわば360度の角度から、中心点の「あるべき喘息の治 療管理」に向けた歯に衣を着せぬ忌憚ない議論をしたい。フロアの会員諸氏諸嬢も積極的に議論に加わっていただき“白熱”した メモリアルなシンポジウムになることを期待している。

会場の参加者にも討論に参加していただくため、発言希望者の優先席を最前列の中央付近に確保します。先着順となりますの でご了承ください。

なお、長時間の討論会となるため、軽食は準備しますが大食の方は昼食の持参をお願いします。

【はじめに】

乳幼児喘息発作の多くはウイルス感染が引き金となる。ライノウイルス・RSウイルス(RSV)・ヒトメタニューモウイルス が挙げられるが、いずれも鼻汁や痰の気道分泌物が多量に生じる。乳幼児の喘息発作は発作性の気道収縮のみではなく、気道分 泌物による病態が加わっている。収縮に対する対応と同時に気道分泌物のアプローチが重要である。

【その喘鳴は本物か?】

「RSV感染症は乳幼児には喘鳴が生じやすい」というのは事実であるが、臨床的にその喘鳴が問題である。上気道に由来し主 に分泌物に起因する吸気性の喘鳴のStridor、下気道に由来する呼気性の喘鳴のWheezingと分類するのが分かりやすいが、臨床 の実際は複雑である。乳幼児喘息発作の場合、ウイルス感染が基礎にあれば、StridorとWheezingが混在しているのが通常であ る。例えばStridor>Wheezingの時、Wheezingを見逃してしまう可能性がある。RSV感染症によくみられる鼻性喘鳴は上気 道由来であるが、呼気性喘鳴のことがある。ガイドラインには鑑別を要する疾患に「鼻炎・副鼻腔炎に基づく喘鳴」が挙げられ ている。鑑別には鼻汁吸引を行いその後にも聴診することが重要と思われる。

【RSV感染症での問題点】

RSV感染症は鼻汁や痰の気道分泌物が粘稠・多量・長期間続く。この事実は副鼻腔炎を合併していることを意味する。RSV感 染症から考えれば、喘鳴を呈する乳幼児は、全て鼻汁吸引を行い、咳嗽反射を誘発し奥にある痰まで吸引し、病態理解のため、も う一度聴診する必要がある。

当院で経験した6か月未満のRSV感染症で喘鳴を呈した患児は、その後喘鳴を繰り返すが3年以内に軽快している。RSV感染 症後に喘息を発症するか否かは報告の多くは、RSV感染症でも入院を要する細気管支炎患児が対象である。しかし開業医外来に おいては拡大解釈され、RSV感染症であれば年齢や重症度に関係なく、感染症後で喘鳴がなくても咳嗽が持続すれば、容易に喘

【乳幼児喘息−ウイルス感染と喘息−】

特別シンポジウム

9月1日(日)9:00~12:45 福岡国際会議場 3F メインホール

西間三馨の喘息白熱討論会

総合司会 西間 三馨(国立病院機構福岡病院/福岡女学院看護大学)

乳幼児喘息とウイルス感染症−RSV感染が喘息のリスクとなるのか?−

植村 幹二郎(うえむら小児科内科クリニック)

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