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14 15 16 17 18 0

0.5 1 1.5 2 [ 10 8 ]

X-ray photon energy E (keV)

in te n si ty I ( c o u n ts ) Y K Y K

8 6 0

―(1) total intensity

―(2) fluorescent X-ray

(3) diffracted X-ray =(1)-(2)

4-19

蛍光分離後得られた(430)面の回折

X

線のみのスペクトル。

0 5 10 15 20

0 2 4 6 [ 10 7 ] 8

X-ray photon energy (keV)

in te n si ty I ( c o u n ts ) 4 3 0 8 6 0

4-4-4.スピン磁気形状因子の導出

磁気効果からスピン磁気形状因子を導出する。スピン磁気形状因子は以下 の(4-5)式より求める。

       

p

S

γ f

R ) hkl ( ) F hkl μ (

= 2

         

         

(4-5)

本試料における結晶構造因子の算出法については、付録

I

に示した。

(4-5)式で用

いた各パラメーターの値を、表

4-1

に示す。

以上より得られた、(210)反射面のスピン磁気形状因子を図

4-21

に黒丸で示 す。合わせて、

404

逆格子点と

505

逆格子点のスピン磁気形状因子を青丸で示す。

(210)反射面の、測定時間は 28.5

時間であった。一方、旧実験システムによる(101)

反射面の測定時間は

74.4

時間であった。旧実験システムと比較をすると、おお よそ

1/3

の測定時間で、以前と同等の統計精度のスピン磁気形状因子が得られた ことになる。

    今回測定を行なった

13

反射面から、得られた磁気効果

R、スピン磁気形状

因子 S

(hkl)、ならびに、E、 、f

p、F(hkl)の値を、表

4-1

にまとめる。

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2

k (1/A)

sp in m a g n e ti c f o rm f a c to r S ( k ) ( B ) 4 2 0 6 3 0

4 0 4 5 0 5

4-21 (210)面より得られたスピン磁気形状因子(黒色)。

(101)面から得られた磁気形状因子を青色で示す。

h k l E (keV) γ ( 10

-2

)

y

f

p

F(hkl) R ( 10

-4

)

S

(hkl)

( 10

-2

)

0 4 0 6.17 1.21 11.98 10.01 30.77 5.14 1.85 4.59 1.65

0 6 0 9.26 1.81 11.98 9.75 27.09 2.74 0.49 1.48 0.26

0 8 0 12.35 2.42 11.98 9.58 44.06 0.06 0.32 -0.04 0.21

0 10 0 15.44 3.02 11.98 9.48 22.93 1.43 0.49 0.40 0.14

0 12 0 18.52 3.63 11.98 9.42 44.31 1.95 0.96 0.90 0.44

0 14 0 21.61 4.23 11.98 9.39 44.77 2.73 1.32 1.09 0.53

0 16 0 24.70 4.83 11.98 9.37 36.96 0.30 2.87 -0.09 0.83

6 2 0 10.37 2.03 11.98 9.56 56.00 1.89 0.25 1.93 0.26

9 3 0 15.55 3.04 11.98 9.36 22.41 0.56 0.83 0.16 0.23

3 2 0 5.83 1.14 17.09 7.02 44.98 1.0 0.87 1.98 1.73

6 4 0 11.66 2.28 17.09 6.67 17.58 4.23 0.41 -1.73 0.17

8 2 0 13.55 2.65 11.98 9.42 60.14 0.93 0.41 0.79 0.34

4 3 0 8.06 1.58 17.09 6.82 32.40 5.40 0.42 -5.74 0.44

8 6 0 16.12 3.16 17.09 6.58 6.02 18.32 1.01 1.88 0.10

5 1 0 8.39 1.64 11.98 9.70 35.95 8.41 0.56 -6.71 0.44

10 2 0 16.78 3.28 11.98 9.34 25.55 0.58 0.78 0.17 0.23

5 3 0 9.46 1.85 11.98 9.62 32.52 1.35 0.35 -0.87 0.22

10 6 0 18.91 3.70 11.98 9.30 16.93 4.29 2.09 -0.75 0.36

5 4 0 10.30 2.02 17.09 6.71 34.48 2.68 0.24 2.41 0.21

0 4 4 7.70 1.51 11.98 9.77 23.03 2.80 1.20 1.55 0.66

0 4 2 6.59 1.29 11.98 9.91 65.27 1.42 0.34 2.57 0.61

0 6 3 9.89 1.94 11.98 9.59 32.10 6.46 0.36 -3.95 0.22

0 8 4 13.18 2.58 11.98 9.43 30.02 0.80 0.52 0.35 0.23

0 10 5 16.48 3.22 11.98 9.34 44.88 8.11 0.47 -4.27 0.25

0 12 6 19.77 3.87 11.98 9.29 0.66 15.85 0.96 0.10 0.01

0 2 5 6.54 1.28 17.09 6.94 52.56 3.61 0.82 7.55 1.71

0 4 10 13.07 2.56 17.09 6.63 39.65 4.49 0.42 -3.71 0.35

0 2 7 8.63 1.69 17.09 6.79 67.71 1.35 0.40 2.81 0.83

0 4 14 17.27 3.38 17.09 6.57 32.77 0.11 2.11 -0.06 1.10

4 2 0 7.28 1.43 11.98 6.88 78.70 1.83 0.39 5.19 1.11

6 3 0 10.93 2.14 11.98 6.69 59.39 3.21 0.27 -4.71 0.39

    以前の測定で得られた、h00、00l、h0l シリーズのスピン磁気形状因子を表

4-2

に示す。導出の詳細については、文献

56

および

57

を参照されたい。

h k l

S

(hkl) ( 10

-2

) h k l

S

(hkl) ( 10

-2

)

4 0 0 10.46 1.62 3 0 15 0.17 0.37

6 0 0 6.12 0.62 4 0 20 -1.52 0.62

8 0 0 4.45 0.71 1 0 9 -0.08 0.09

10 0 0 1.77 0.38 2 0 18 -0.89 0.48

0 0 6 1.12 1.05 3 0 1 -2.16 0.79

0 0 8 -2.50 0.73 6 0 2 9.52 0.35

0 0 10 -5.75 0.66 9 0 3 0.31 0.25

0 0 12 -5.09 0.68 12 0 4 0.73 0.39

4 0 4 14.35 1.27 15 0 5 0.08 0.54

5 0 5 6.54 0.76 3 0 7 2.14 0.19

6 0 6 7.95 0.83 6 0 14 0.31 0.13

7 0 7 2.05 0.65 9 0 21 -1.27 0.47

8 0 8 4.45 0.72 5 0 1 0.44 0.46

9 0 9 2.60 1.39 10 0 2 0.66 0.14

4 0 2 19.59 0.88 15 0 3 0.29 0.84

8 0 4 3.57 0.31 5 0 3 3.54 0.39

12 0 6 1.84 0.61 7 0 1 -0.10 0.20

2 0 6 2.45 0.59 14 0 2 0.90 0.59

3 0 9 0.98 0.27 7 0 3 -1.02 0.06

4 0 12 0.47 0.30 14 0 6 -0.39 0.26

5 0 15 -0.58 0.51 2 0 4 10.98 2.89

1 0 5 0.80 0.85 4 0 8 1.81 0.33

2 0 10 -3.48 0.25 6 0 12 -1.76 0.87

4-1

スピン磁気形状因子 Sの導出に用いたパラメーターと、得られた S

1 0 7 0.19 0.18 3 0 21 -0.28 0.18

2 0 14 -3.94 0.23 4 0 28 0.89 0.84

本実験にて得られたスピン磁気形状因子を図

4-22

にまとめる。

13

反射面に 対して計

31

個のスピン磁気形状因子が得られた。これらのスピン磁気形状因子

XMD

実験システムの高度化により初めて得られたものである。これらのスピ ン磁気形状因子に以前測定した

h0l

シリーズのデータ18, 21, 22, 56 57)を加えた結果を 図

4-23

に示す。

 

4-22 hk0

および

0kl

シリーズのスピン磁気形状因子。

4-2  以前の測定で得られたスピン磁気形状因子

S

( hkl )

56, 57)

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

-0.1 -0.05 0 0.05

0.1

0 k 0

0 2k k 3h h 0 4h h 0 5h h 0 5h 3h 0 3h 2h 0 0 2k 5k 2h h 0 0 2k 7k 5h 4h 0 4h 3h 0 0 k k

(k=4,6,8,10,12 14,16) (k=2,3,4,5,6) (h=2,3) (h=2) (h=1,2) (h=1,2) (h=1,2) (k=1,2) (h=2,3) (k=1,2) (h=1) (h=1,2) (k=4)

k (1/A)

sp in m a g n e ti c f o rm f a ct o r

S

( k ) (

B

)

0.5 1 1.5 2 -0.1

0 0.1 0.2

0 k 0

0 2k k 3h h 0 4h h 0 5h h 0 5h 3h 0 3h 2h 0 0 2k 5k 2h h 0 0 2k 7k 5h 4h 0 4h 3h 0 0 k k

(k=4,6,8,10,12 14,16) (k=2,3,4,5,6) (h=2,3) (h=2) (h=1,2) (h=1,2) (h=1,2) (k=1,2) (h=2,3) (k=1,2) (h=1) (h=1,2) (k=4)

k (1/A) sp in m a g n e ti c f o rm f a ct o r

S

( k ) (

B

)

h 0 l

 

現在まで計

81

点のスピン磁気形状因子が得られた。得られたスピン磁気形状因 子の分布には、結晶方位異方性があることがわかる。これは実空間におけるス ピン密度分布が異方的な分布をしていることを示唆している。

4-4-5

.偏極中性子磁気回折実験との比較

XMD

実験より得られたスピン磁気形状因子を偏極中性子回折法より得ら れた磁気形状因子 30-32)と比較した。偏極中性子回折実験により得られる磁気形 状因子は、スピン成分と軌道成分を含んだ全磁気形状因子であるが、YTiO3

Ti-3d

電子の軌道モーメントは凍結している18, 21, 22, 36)ため、全磁気モーメントと

スピン磁気モーメントは等しいと考えることができる。

105, 025, 430, 501, 027,

503, 505, 540

の計

8

点の逆格子点において、本

XMD

実験のスピン磁気形状因子

と偏極中性子回折実験の全磁気形状因子を比較した。その結果を図

4-24

に示す。

4-24

から

XMD

実験により得られたスピン磁気形状因子は、偏極中性子回折 法により得られた磁気形状因子と概ね一致している。この結果から、XMD実験 によりスピン磁気形状因子が偏極中性子回折実験と同等の精度で測定できるこ とが示された。

4-23 XMD

実験より得られた計

81

点のスピン磁気形状因子。白抜きは、

h0l

シリーズのデータである。

4-5 .最大エントロピー法を用いた YTiO 3 の 3 次元スピン密 度分布の可視化

    逆格子空間におけるスピン磁気形状因子をフーリエ変換することで実空間 のスピン密度分布が得られる。正確な実空間分布を得るためには、原理的には、

無限個の形状因子データを必要とする。しかし、実際に実験で得られるのは有 限個のデータである。本研究でスピン磁気形状因子データは

81

個であった。そ のため、最大エントロピー法(Maximum Entropy Method: MEM)58, 59)を採用した。

4-5-1

.最大エントロピー法

(MEM)

の原理

    最大エントロピー法とは情報理論より発達した逆問題に対する一種の推定 法である。その推定とは、エントロピーの概念を導入し、実験で得られた不完 全なデータを基に、観測値とは誤差の範囲内で一致し、未観測のデータに対し ては最もバイアスをかけない方法で解を推定する。MEMの原理は、全ての測定

4-24 XMD

より得られたスピン磁気形状因子と偏極中性子回折法により得られ

たスピン磁気形状因子との比較。

0.3 0.4 0.5 0.6

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2

k (1/A) sp in m a g n e ti c f o rm f a c to r S ( k ) ( B )

XMD neutron

1 0 5 0 2 5 4 3 0 5 0 1 0 2 7 5 0 3 5 0 5 5 4 0

値に誤差の範囲内で合致する無数の密度分布の内、エントロピーの最も大きい ものを解とする。エントロピーの最も大きいものを解とすることにより、出来 る限り平坦な密度分布を選択したことになる。それにより、測定値に含まれる 情報以外は出来る限り、密度分布内に構造を作らないようにすることが出来る。

MEM

を用いてスピン密度分布を導出する過程を以下で簡単に説明する。導 出は、以下の(i)~(iii)の手順になる。(i) 初期状態として、平坦なスピン磁気モー メント密度分布

(r)を仮定する。これはエントロピーが最も大きい状態である。

(ii)

仮定した

(r)を用いて、以下の(4-6)式よりスピン磁気モーメント密度分布を

計算する。

   

( ) ( ) ( ) exp( 2 )]

) ( ) 1

(

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