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36 2)「模索期」1973 年-1980 年

ドキュメント内 韓国における食農教育に関する研究 (ページ 38-42)

1977 年 9 月に製造後 4 日過ぎたパンを給食として出したため、食中毒事件が起きた。

ソウル市内の 52 校の 7,800 人の生徒が、嘔吐や下痢を発病するという事件になり、パン 給食は中止された。その後 1978 年 1 月にソウル市教育委員会は、ソウルの小学校 16 校 を給食モデル学校として指定して、学校給食を再開し、主食(パン、ご飯、麺)と副食(汁、

おかず)と牛乳を有料提供した。8 月には学校に栄養士が配属され、専門的な観点から給 食管理や栄養指導が行なわれるようになった。1980 年 9 月からは大統領令によって、全 国 413 校をモデル小学校として、国の補助金 3 億 5 千万ウォンで牛乳給食が実施された。

3)「確立期」1981 年-1988 年

1981 年 1 月には、学校給食法が制定・公布(法律第 3356 号)された。主管官庁は教育 科学技術部(日本の文部科学省)である。学校給食法は、次の 10 の条項で構成されてい る。内容は、第 1 条、目的、第 2 条、定義、第 3 条、国家地方自治体の任務、第 4 条、

学校給食の対象[①小学校、中学校、高等学校、大学、②師範学校、師範大学、③技術学 校、高等技術学校、④公民学校、高等公民学校、⑤特殊学校、⑥幼稚園、⑦各種学校を 対象とする。]、第 5 条、給食施設や設備、第 6 条、学校給食の運営原則および管理基準、

第 7 条、専門担当職員の配置、第 8 条、経費負担、第 9 条、生産品の直接使用など、第 10 条、施行令、である。

学校給食法の制定に伴い、牛乳給食も再開された。この時期以前は昼食時に提供され ていた牛乳を、午前 10 時頃に提供するようになったと見られる。10 時に提供されるよう になった時期と理由に関する具体的な文献は見つからなかったが、現場で牛乳給食業務 を担当した関係者へのインタビューから推定した(注1)。京畿道(キョンギド)教育 庁の事務官の話では、1981 年に牛乳給食を再び始める際に様々な方法(牛乳給食時間で)

で実施した結果、昼食時に牛乳給食を行った場合は、満腹のため牛乳の飲み残しが多か

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ったため、1限目(10 時頃)が終わった後に牛乳を提供することに決定したとのことで あった。

また、主管官庁は、農林水産部(現在:農林水産食品部)となった。このように分離 された理由について、文書での確認はできなかったが、農林水産部が主管する酪農振興 のための補助金が、牛乳給食に利用できるようになったためと推測される。例えば、1988 年 4 月には畜産振興基金(注2)からの 5 億ウォンの補助金による牛乳給食拡大事業の推 進が決定された。モデル校には市販価格が 130 ウォンの 180ml 牛乳が 85 ウォンで提供さ れた。非モデル校にも 90 ウォンで提供された。その後も小学生に対する政府の一部支援 による牛乳給食が実施された。1986 年には小・中・高校の希望者まで拡大され、また、

それまでは 180ml であった牛乳が 200ml に変更された。供給価格 122 ウォンのうち畜産 振興基金が 5.5 ウォン、牛乳業者 6.5 ウォンの総額 35 億 5 千 4 百万ウォンの補助金が支 払われた。1987 年には中・高校生に対しても補助金が支給され、小学生のうち生活保護 対象世帯の子供は、全額政府予算で牛乳給食が受けられるようになった。中・高等学校 にも牛乳給食が拡大実施され、補助金として畜産振興基金が 9 億 1 千万ウォン、牛乳業 者が 10 億 8 千万ウォンを支援し、200ml 牛乳が 110 ウォンで提供された。

4)「発展期」1989 年-1995 年

1989 年 2 月に大統領選挙公約実践計画の一環として、学校給食拡大発展法案が発表さ れた。これによって学校給食を小学校は 1997 年、中学校は 2002 年、高等学校は 1999 年 までに年次的に拡大することとなった。これに伴い牛乳給食は同年 9 月に、200ml 牛乳が 130 ウォンに値上げされた。1990 年には学校給食拡大のために、国から 162 億ウォンが 支援された。牛乳給食の場合、小学生のうち低所得世帯の子供は、全額国庫負担で牛乳 給食を受けられるようなった。1990 年代からは、学校給食は教育部(現在:教育科学技 術部)で管理されることになった。1991 年当時、牛乳給食の 200ml 牛乳は市販価格 200

~250 ウォンに対して、146 ウォンで提供された。1995 年には牛乳給食の 200ml 牛乳は市

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販価格 300 ウォンに対して 180 ウォンであったが、1996 年には 195 ウォンに、1998 年に は 235 ウォンにまで順次値上げされた。

5)「充実期」1996 年-現在

1996 年には日本の学校給食で O-157 食中毒事件が起き、韓国においても学校給食の安 全性について関心が高まった。その影響もあり1996 年12月30日に学校給食法 (法律5236 号)が改正され、専門担当職員の配置や経費負担について決められたが、さらに 1997 年 4 月 29 日には学校給食法施行令(大統領令第 15361 号)によって専門担当職員の資格・業務 および配置について、①献立作成および衛生管理、②食品材料の選定および検収、③食 品の調理指導および検食、④栄養および食生活改善に関する生徒指導と保護者の相談、

⑤調理室従事者の指導・監督が決められた。

また同年に酪農振興法が改正・公布され、1999 年に農林水産食品部の傘下に酪農振興 会が設立され、酪農発展および牛乳消費拡大事業が推進され,牛乳学校給食事業を取り 巻く制度的環境が一層整備された。酪農振興会の設立目的は、生乳と牛乳・乳製品の需 給調整、価格安定、流通構造改善および品質向上等を通して、国内酪農業と関連産業の 発展に寄与することである。主要業務は、生乳と牛乳・乳製品の需給計画樹立、需給調 整と生乳購入または、販売、生乳の品質向上、酪農総合情報システムの構築、牛乳およ び乳製品の消費促進広報市場開拓に関してである。

2005 年には中学生のうち低所得世帯の子供が、全額政府予算で牛乳給食を受けられる ようになった。2006 年には高校生にまで対象が拡大された。また 2008 年には中・高等学 校で、牛乳の価格と容量の規制が廃止されるなど、多様化の動きが見られるようになっ ている。

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表 8.韓国の学校給食と牛乳給食の経過

出所:京鄕新聞、東亞日報、毎日經濟を基に筆者が作成

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