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80 〜100   60 〜 79   40 ′} 59   20 ′− 39   1〜 19  

0  

19・ト44l23・37  

(注)*1939年についての比率  

(出所)〔178〕,p.8071・  

は.,第1に.,34〜38年全体を通じ,非価格維持企業(グループⅥ)よりも価格   維持企業(同Ⅰ〜Ⅴ)のはうが明らかに高投資収益率を実現していることであ  

る。257)第2に,価格維持企業の中でも売上げ高のうち価格維持品の売上げ比が    257) この点については〔66二,pり259も参照せよ。   

香川大学経済学部 研究年報10  

−JJご −   エ97()  

高い企業ほど,−・般に高収益率である。しかし算3紅,これら高収益率が再販  

●●●  

売価格維持の結果であるとほ単純に.いえない。なぜなら,ミラ−・タイディン   グズ法施行後満1年を鐘過した38年の収益率ほ.,一・般に.前年より低し1からであ   る。むしろこの事実からストレーートに結論を引出すならば,再販売価格維持ほ   収益率の低下をもたらすとさえいえるのである。しかし,じっさいにはその低  

下の主たる原因は同年のリセッレヨンにあった0   

したがって算4に汗これらの〔価格維持〕製造企業ほ,その商品を再販売価格   維持契約下に.おく以前も以後も,高収益率をあげていた」258)わけである。この   事実ほ,高収益率の原因が再販売価格維持よりもむしろ強力な消費者受容を独   得した有名品の独占的性格紅あることを示しているように.みえる。2印 しかし,  

この見解を単純に.支持することはできない。もちろんわれわれもー・般に有名品   を生産する寡占企業が,再販売価格維持の有額に関係なく高収益率を実現しう   ることを認める。しかし,この調査に関してこその点を全面的に.持出すことに.ほ   疑問がある。なぜなら−一首TCほ,調査対象企業が37年8月以前に再販売価  

格維持をはとんど採用していなかったことを「とくに強調」しているのである  

が26り  ・【¶①F王C白身,若干の企業がたんなる価格推奨に.よって事実上それを実   現して㌧、たことを認めている。ノ′む†寸ヱRA期には再販売価格維持が忘範に行なわ   れたし,26 )その崩壊後も価格維持のための同業組合活動が活発に行なわれた。  

したがって,34()37年の高収益率が再販売価格維持とまったく無関係とはいえ   ないのである。   

昔て,寛5に一一−W・「第4」と関連して−−この調査でほ,価格維持企柴が叫  

●00●● 

● 般に相対的に高収益率を実現しているこ・とは明らか紅されても,再販売価格雉  

●●●●● 特によってそれを実現したかどうかは不明ぁまま残されているということに・な   る。282)   

良谷川民は,この調査結黒 −−それほたん紅表17のみでほ.ないが−−につい    258):178ノ】,pnL工、  

259)後述のごとく長/を川l氏はかかる見紛である。  

250)/178二.pノノ804.  

261)中野安「N王RA期の小売共について」『香川大学 研究科剋 5乳1ウ65軋 な参増    せよ。  

262)、ユ78∴ p..LI,80ま・   

再販売価格維持の経済的諸問題   ーーJ33一   

て,なお若干の独自の分析を試みている。㍑)そのうち重要な諸点を∴一∵既述の   点は除き⊥Ⅶ紹介し,検討しておこう。ま・ず氏の主な論点は次のとおりである。  

①高収益率を実現している企業が独占的地位にあったり,「共同実施」をする   ものではないことは,「アメリカにおいてほ自由な競争が存在する場合のみ反   トラスト法の適用除外として認められることから明らかであろう」㊤高収益率   グループの企業規模は,一そ・れはど大きくない。⑨宣伝費の多いほど収益率も高   くなってし、る。このことは製品差別化に成功している企業はど収益率が高いこ   とを示している。④それゆえ高収益率は,再販売価格維持の影響というよりも   製品差別化紅成功して−いるがゆえに,競争者の価格をあまり考慮することなく   高価格を設定できるためである。㊥しかし,再販売価格維持は生産者の利益と   無関係ではなく,収益率の上昇の原因をなす製品差別化を強化する。   

さて,論点①の誤まりについては,これまでに繰り返し強調しておいたから   こ.こではとくにふれない。氏の論理は「刑法があるから泥棒はいない」という    ロジックと大差ほない。   

④は,表17のグル−プ別にコ 祉平均売上げ高を算出し,それに・基づいて引出   された結論であるが,そのさい氏は各グル−プを業種別グル丁プと想定してい   る。そして各グループに閲しまったく勝手な予想を企て,例えばグル−プⅤな   どは「−ぁまり宣伝を必要としない生童財の生壁を主とし,・−・部再販売価格維持   に適する消費財の生産も行なうものと考えられ」ているのである。だが,このよ  

うな業種別売上げ規模の単純な比較にいったい」、かなる意味があるというので  

あろうか。それだけではない。この想定目体が完全な誤まりなのである。各グ   ==…●○●○●○●●●  

ル−プはけっ′して業種別のそ・れでほない。そ・れは再販売価格維持品の売上げ比   をもとに編成したものであって−,同一・業種の企業が各グル−プに分類されてい   るのである。それゆえ,例えばグル プⅤほ,じつほ製薬,権語食品,石鹸,  

タイプライタ−・,電気カミソリ,男子用服飾品等の製造企業よりなり,261)グル   ープⅠは化粧品,製腰,電遍一カミソリ等の製造企業によって構成される(その   小他は略)。265)このような異業種構成のグル−プ別売上げ規模と収益率との相関関   

263)長谷川,前掲吉,95−99ぺ一汐。  

264)〔178〕,p.834.  

265)詳しくは二178二j,pp.810,8ユ6,822,828,841参照。   

香川大学経済学部 研究年報10  

〜Jβ4−   J。97()  

係を析出することはあまり意味がない。   

なお,④の論点に関連していえば,われわれは同一・業種に.おいてさえ寡占企  

業がつねに中小企業より高収益率を実現しうるなどとほ考えない。収益率を規  

定する複雑な諸要因を考えればそれは.当然である。   

⑧④⑨に.関しては,すでに「璃販売価格維持の諸形態」(4)に.おいて,その誤   まりを指摘しておいた。再販売価格維持の行なわれる有名品は,たとえそれが   行なあれなくてもー…すでに述べた非有名品との大きい価格格差からも明らか   なように∵「−−・−・般に.高価格・高マー・ジンなのである。したがってそれは寡占企   業の収益率を支える畳要な基礎をなす。そして一再販売価格維持ほ,寡占企業が   すでに獲得している高収益をいっそ・う保証し,さらにはその上昇に.貢献するの   である。長谷川氏は生産者の「独占的地位」と再販売価格維持との関係を必死   に/否定し?それ紅代えて,じつにスマー・ト紅も製品差別化と再販売価格維持と   の関係を強調するのであるが,経済的に有意義な製品差別化ほ,まさに寡占企   業によって行なわれるそれに限定されるのである。摘)  

r3)ディ−ラー・・マ岬・ジン上昇説 再販売価格維持がディーラーー・マ」−ジンに   与え.る影響に.関しては,反対論者の問でその上昇説が支配的である。その論拠   ほ多様であるが,だいたい次の3つ紀要約することができる。第1に,価格維   持企業は可能な限り広範な販路を獲得するため,非能率的小売商の存続をも許   すような高マージン(したがってまた高価格)を,そしてとき紅は異常な高マ   一汐ン(sky−bigh ma柑ins)さえ認める傾向がある,といわれる。卿)販凝拡   大はとくに.衝動買いが重要な意味をもつ商品種類においてほ効果的であろう。   

しかし,かかる論拠に対してほ,主としてその支持者から次のような批判が   なされている。すなわち,保証ディーラ−・・マージンはいわば「限界ディ−ラ  

・−」を基準に.設定されるのでほなく.,例えばドラッグ店にみられるごとく,「平   均的ディ−ラー・」の平均的経費に基づいて設定される,と。しかもその平均的   266)Bainの実証的研究によれば,製品差別化ほ,高儀または極高位.集中型寡占ほどそ   

の度合いが高くなる(前掲書,250−51ぺ一汐)。それは理論的に.も当然予想されること    である。  

267)片岡氏は「如何なる抗弁にもかかわらず,このことほ事美」だという(前掲乱 87    ぺ一汐。なお100,136ぺ一一汐も参隠せよ)。   

再販売価格維持の経済的諸問題   −一ノこ〉5・一一  

経費は大規模商のそれよりも低いとさえいわれるのである。2¢8)それによれば独   立商の経費ほ27.5〜28.5%であるのに対し,大規模チェーンのそれは,つね紅   30%以上である。26))   

この批判紅ついてほ,まずこの「平均的」なるものがしばしばきわめて慈忠   的に決定され,したがって高マL−ジン保証要求となることに・注意しなければな  

らない。さらに.,独立店と大規模店の経費の単純な比較にも問題がある。なぜ   なら,後者ほメー前者と異なり−卸機能をも同時に遂行して−いることが多い   が,単純な比靡ではこのような機能の相違が無視される0 したがって経費のみ   を能率の指標とみなすことには疑問がある。最後に.,大規模チェ−ンが高経費   だとすれば,そのことが逆にかれらを再販売価格維持賛成ノ\転換させた原因の  

1つになったといえないであろうか。   

だがたとえ文字どおり平均ディ−・ラーの平均的経費に基づいて保証マ」−ジン   が決定されたとしても,それによって一生ずるエントリーの増加と他業種のデ  

ィー・ラーによる当該ブランド品の取扱いは,やがてほ売上げの相対的あるいは   絶対的な低下をもたらし,そのコストを相対的に増加させる。しかもさらに再   販売価格維持による競争形態の変化は,高価な非価格的競争手段の採用を刺激   し,コスト引上げ競争を発生させる可能性がある。したがってこの面からもマ  

ー汐ン引上げ圧力が強化されるといってよい。そ・してその結果としてのより高  

いマージンの保証ほ,同じ悪循環を繰り返させるであろう。   

さてこの論拠に閲し,GammelgaardほⅧ・−一後述の割引競争のゆえに∵叫∵そ  

●●●  

れを保証マージン設定のさいの決定的原因とみなすことはできないとしてい   る。270)この指摘は−その理由ほ.ともかく→−【正しい。しかしそれにもかかわ   らず,それが保証マージンの水準を規定する1要因であることほたしかであ   る。   

第2の論拠は.,ディーーラ一同業照合の圧力によって不当な高マ−・汐ンが設定   されるというものである。たしかに・その傾向はある。しかし現実にはけっして  

−・般的とはいえない。例えばNARDのような最強の同業組合でさえ,創設以    268)Cf.ノニ186二ノ,pp.112−13,140=182こj,p。431♪β,5タ∠軌   269)Newcombによれほ,それは約30%対38〜40%という(二138:,p84)c   270)〔52二【,p..75 

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