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再販売価格維持の経済的諸問題   ーJ59−  

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販売数景(相対値)   

;. : lこ・−い  

販売数鼠(相対値)  

商品種類・店舗種別   

(ブランド数)   商品種類・店舗種別  

(ブランド数)   

・∴ −,.1・I:;リ  

個 人 店   その他の店   チ ェ−ソ   百 貨 店  

個 人 店   その他の店   チェ ーン   百 貨 店   364r  358  

招  

個 人 店   そ・の他の店   チェ ーン   百 貨 店    個 人 店   その他の店   チェ ーソ   百 貨 店  

個 人 店   その他の店   チ・ェ ー・ン   百 貨 店    個 人 店  

その他の店   チ,エ ー ン   百 貨 店  

マグネレユクム下剤 ㈲  

個人店〜 246′ 292  

267− 276  

個 人 店   その他の店   チ ェ−ン   百 貨 店  

香川大挙経済学部 研究年鞄10  

−−−J6ク ー・・・,   J97(フ   

独立店についてほ,両地域とも同じ動きをした5品目咋すべて売上げを増加   させているが,異なった動きの7品目についてほ,必ずしもA地域のはうが売   上げを増加させたわけでほなく,商品によっては減少させているのもある。い   ずれ紅せよ再販売価格維持が独立店の販売抵抗を除去し,売上げの増加をもた  

らしたとほいえないのである。  

(Ⅴ)その他の影響  

(1)ディーラーのコスト 再販売価格維持は一一腰に・ディーラー?コストを上昇   させる。なぜなら解1に,従来価格・非価格の両面,つまり両者の多様なミッ   クスのもとに展開されていた競争が,費用のかかる非価格面へと強引に押し込   められるからである。その結果,例えばディー一夕一紅よる過剰サーヴィス・過   剰広告の提供が生ずる。aO8)しかも大規模小売商に・おける意図せざる高ヤージン   の実現ほ,これらの高価な競争を,かれらの主導下に展開させるとともに,独   立商を競争戦に.おいて決定的な劣位軋ねく。307)なぜなら,非価格競争の効果は  

−−−−不透明性はあるものの一−−はぼそのために.支出しうる金額に比例するから   である。かくして「一能率的小売商の競争上の優位は〔消失するのでほなく〕た   んに.新たな形態で現出するだけである」。308)しかしながら第2に.,非価格競争   ほその個別的性格のゆえに,不透明な側面を強くもつ。つまり価格競争はそれ   が消費者にもたらす節約を正確に.計測できるが,非価格競争の場合にほ.どのデ  

ィ−ラーが消費者紅とってもっとも有利であるかを判別しがたくし,あるいほ  その判別を遅らす。つまりそれだけ「危険性」が少ないのである。これ紅よっ  

てコスト節約的イノヴエイジヨンは抑制され,したがってまた革新的小売商の   出現。普及もまた抑制され,競争に蔓る既存の非能率小売商の陶汰ほ遅れるで  

あろう。かくしてそれは既存の商業機構の温存と商業生産性向上の鈍化に貢献  

するであろう。3P9)   

〕,p.319;〔1CO二】,p巾205ff。;〔201〕,pp。74,76;〔202〕,pp..12−17;片    f鶴前掲畜,100ぺ一汐。  しかしもちろんこから非価格競争の強度も,根本的には寡占   

企業の価格政策に.よって規定されている。  

307 )〔.66′〕,pp.251,254,273;片岡,前掲苔,102ぺ・−ジ。  

308)〔201〕,p.78。なおp。87 も参周せよ。  

309)Cf。〔100〕,pp小205rO6;1こ′52〕,pp.65,67−68;〔201〕,pp.79−81,86−87;   

McCle】1and,W・G・,OP・Cit,p.276;片銅,前掲乱103,105,115−16ぺ一−・iy。もち   

再販売価格維持の経済的諸問題   −−打り一   

事実これまでの「流通革命_」ほすべて新たなタイプの′J琴南が激しい価格競   争によりつつ引起したのであった。プライス・アピールは,かれらがその地位   を確立するまでに用いうるもっとも有効かつ強力な武器であった。しかるに再  

販売価格維持はそれを不可能にす挙か大きく制限することによって,商業の歴   史的進歩を嘩らやる。ヨ−ロツパ諸国で「流通革命」か遅れた重要な原因の1  

つはまさに.この点に.あったといってよい。310)欝3に,再販売価格維持に・伴なう   参入の増加や異業種ディーラ一による攻扱いの増加が刺激されることに・よっ  

て,官当売上げの相対的・絶対的減少が生じ,その結果単位当りコスナが上昇   する可能性もある。811)  

(2)ディ−うー数 再販売価格維持による,ディ−ラ−・マ一ジンの保証およ  

びときにほ高マ−ジンの保証,そしてさらには価格設定技術の不・安佐が,価格   維持品取扱いディ−ラ−の増加を刺激することは,すでに・指摘したとおりで  

ある。例えばアメリカ食料品配給菜の業界誌PタOg7β5ぶ去びβGγ〝βγによれば,全   食料品店のうらドラッグを販売していた店舗ほ,1950年に70%にも達してい  

た。それは46年にほ51%,41年にほ37%でしかなかったのである。この取扱い   増加ほ,いうまでもなくドラッグの拉供す声高マ−・ジン(といっても相対的な)  

のせいである。すなわち,特許売薬の平均マージンは33%であるが,食料品の  

平均マ−ジンほ16〜17%に.しかすぎない。   

かくして,ドラッグが各食料品店の売上げ総額に占める比率ほ上昇し,した  

がってまたドラッグの売上げ全体の中で食料品店の占める重要性も増大してい  

った。例えばColgate歯みがきの売上げの半分以上は食料品店で実現されてい   るのである。そして,食料品店が充分な収益をあげるかどうかは・,これらsu・p・  

plementarylinesの売上げに依存しているとさえいわれているという。312)   

このような取扱いディ」−ヲ」−数の増加=販路の拡散は,やがては過剰店舗の  

ーーー  〆  

ろん,再販売価格維持下に.おいて,コス†低下へのインセンチ心ヴが消滅するというの    ではない。  

310)【:52二】,p.66.  

311)Cf..〔201〕,pp.75−76.  

312)Cf.1二51〕,pp…19卜92.なお負金同の分野でも−より小規模ではあるが一同    様の事凄が発生して‥いる。   

香川大学経済学部 研究年報10  

−J62−−   J97(フ  

存在,したがって.また資源の不適正な配分をもたらすであろう。313)それと同時   に部門間および部門内の(俳価格面の)競争を激化させ,収益率の悪化を招来   するであろう。それゆえ「価格とマ−ジンの安定は,新来者の参入が容易な商   業部門では充分な所得とその安定を何ら保証しない」314)のである。こ.こに,当  

該部門以外での価格維感畠の取扱いを阻止したり,参入阻止の企てがなされる  

理由がある。このような試鼻はイギリスでほけっして珍しいことではなく,自   転尊,モ−ダー・サイクル,書籍・新聞,文具,タイヤ,写真器材,ドラッグ   等で行なわれた。315〉また,アメリカではアルコール飲料の分野で−一笑現ほし   なかったが】−試みられようとしたことがある。  

(3)プライグェート・ブランド 再販売価格維持がプライグェート・ブランド   に.あたえる影響紅ついてほ見解が分れる。繹1は,それが価格競争の外部的規   制であるがゆえに.,価格競争の発現を主としてプライヴェ、−ト・ブランドに求   めさせ,その開発と積極的プッシュを刺激するという見解である。第2の見解   によれば,逆に有名品の価格競争が白由に展開されている場合のはうが,むし   ろそれに傭なう有名品、の低マー汐ンを補償するための,プライグ云−ト・ブラ   ンドの開発と推進を刺激される,という。   

まず自明の点ほ,再販売価格維持が行なわれている場合,価格競争を展開し   ようとする大規模商ほ,その手段を非価格維持品とりわけプライヴ.ェ−ト・ブ   ランドに求める以外に.ない,という点である。この場合,それは保証マー汐ン   の高低に関係なく行なわれる。316)なぜならこの場合,プライヴュL−ト・ブラン  

ドの開発・推進がもっぱら大規模商の価格競争展開意欲に依存しているからで   ある(その意欲を規定するのは,基本的にほ業界編成=競争状況である)。しか   し,有名品において低マ−ジンしかえ.られない場合,それよりも高マ−ジン・  

低価格のプライヴニートJブランドがよりいっそう利用されることは確実であ   る。事実,再販売価格維持の行なわれていない時期のプライグェ−ト・ブラン  

ドの利用ほ,主としてかかる動機によるものである。その限りにおいて「第    313)片岡,前掲書,114−15ページ。  

314)TNEC,Monograph No.17,p.201.また〔67.),pp.319−20 もみよ。典型的な例    としてはアメリカでは給油所がある。  

315)〔178〕,pp。555−56;〔67〕,pp.319−22.  

316)〔176■〕,pり155.   

再販売価格維持の経済的諸問題   伽J6β−  

2」の見解が正しいし,それほまた価格維持下の低マージン保証にも妥当す   る。しかし他面,高マ−ジン保証=高価格の場合,プライヴェート・ブランド   の利用は.きわめて容易となろう。   

だが根本的に.,もし与えられた産業分野のはとんどの企業が再販売価格維持   を行なっている場合,プライグェート・ブランドの利用ほ∴−【ディ−ラ」一自ら   が製造部面へ進出しない限り−一大きく制約される飢7)ことに注意しなければ  

ぷ ならない。しかもディ−・ラー・の製造部面への進出ほ〜一参入障壁の高さ如何に 

よるが膚・一・般に,けっして容易ではない。   

以上より,再販売価格維持がプライグェー・ト・ブランドの利用に与える影響   に/ついて,明確な結論を下すことほ容易ではないことがわかるであろう。しか   し一腰には可能な限り自立性を保持しようとする商業資本(それは二戯凪大規   模商であるが)は,自由な価格設定のできるプライヴュート・ブランドの利用   をとく紅刺激されると考えてよい。   

さて,それでほ現実に再販売価格維持によってニプライグェート・ブランドの  

利用ほいかなる変化を示したであろうか。こ.の点の実証的データを入手するこ  

とはできなかったが,Ⅹelleyに.よれば,36年後半にチェーンの利用するプラ   イヴェ、−ト・ブランドは20〜30%増加したといわれる。318)他方,プライグェー  

●● ト・ブランドの利用状況に関しては.若干のデ一夕がある。例えば,5通ゎぶ肋乃−  

αgβ沼¢〝才1958年7月号によれば,SearSの舞上げ総額中98%ほプライヴェ−ト.  

プラントで占められて−おり,その他Ward80%,WooIworth25%,Grant50  

%,A&P20γ25%となっている。319)またある推計によれは大手小売業者20社   のプライヴューート・ブランドだけで,消費者支出15ドル中1ドルを占めるとい   われる。82))このような広範な利用状況ほ再販売価格維持と何らかの関係がある   かもしれない。(1971.1.30・)  

¢  

317)イギリスではドラッグ,書籍,タバコ製品がそうである(〔201〕,p.77)。  

318)〔105〕,p.51..もっともこの増加の原因を再販売価格維持のみ.に求めることにほ疑    問がある。  

319)〔186〕,p.403;弓:184  320)〔1二l,pい421 

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