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1990- 1990-2004年

ドキュメント内 第1章 製薬産業を取り巻く環境変化 (ページ 167-170)

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(%)

21.5

▲17.2

13.7 13.3

16.6 36.5

▲14.5

23.5 11.8 27.4 16.1 13.2 49.8 12.5

4.8 11.1 6.7 12.1 16.5 4.6 100.0

48,737 112,563 67,767 123,663 167,473 46,623 1,017,921

金額(億円)

鉄鋼

一般機械器具 化学

自動車・同附属品 電気機械器具 医薬品 製造業計

図表 3-4-7 は、経済産業省工業統計調査(平成 16 年)による 2004 年の業種別の付加価 値額を示している。製薬産業の生み出す付加価値額の製造業全体に占めるシェアは 4.6%と 必ずしも高くないが、1990 年との対比でみると製造業全体で付加価値額が 14.5%減少して いる中で、製薬産業の付加価値額は大幅に増加(36.5%増)している。また、出荷額に対す る付加価値額の比率は 64.6%と、製造業の中で最も高い。さらに、製薬産業の従業員一人当 たりの付加価値額は 49.8 百万円と、製造業の中で一際高い水準にある。 

 

図表 3-4-7  業種別にみた付加価値(2004 年実績)2)

出所:経済産業省工業統計調査(平成 16 年)より作成 

図表 3-4-8 は、主要国における製造業の付加価値合計額に対する製薬産業のシェアの推 移をみたものである。米国や、政策的に製薬産業育成に注力してきたイギリス、フランス では、製薬産業の付加価値額シェアが、この間傾向的に上昇し、2003 年には全体の 4〜5%

を占めるに至っている。これに対し、日本とドイツの場合、若干の変動はあるものの、2003 年時点で 3%弱にとどまっている3)。 

 

2) 次の工業統計表産業分類番号に基づく⇒医薬品:1760、電気機械器具:2700(電気機械器具)、2800(情 報通信機械器具)、2900(電子部品・デバイス)の合計、自動車・同附属部品:3010、化学:1700(医薬品

(1760)除く)、一般機械器具:2600、鉄鋼:2300 

経済産業省工業統計表では下記算式(控除法)により付加価値額を算出している。 

付加価値額=生産額−(消費税を除く内国消費税額+推計消費税額)−原材料使用額等−減価償却費 

〔従業者 29 人以下の事業者については、粗付加価値額(=生産額−(消費税を除く内国消費税額+推計消 費税額)−原材料使用額等)を使用〕 

3) 図表 3-4-8 に用いた日本の付加価値額については、前出の経済産業省工業統計表と集計対象や集計方法 が一致するとは限らず、数値が異なる場合がある。

0.0%

1.0%

2.0%

3.0%

4.0%

5.0%

6.0%

1980 1985 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

日本 米国 イギリス フランス ドイツ

図表 3-4-8  主要国における製薬産業の付加価値額シェア(対製造業全体) 

出所:NSF(米国科学技術財団)発表の S&E Indicators 2006 

(3)進む国際化

医薬品は、基本的には一つの有効成分で決定づけられ、特許の対象となる。従って、原 則特許を保有する企業やその提携先企業のみが、その商業化の権利を有し、国際的に展開 する機会を持つこととなる。こうした製薬産業の特色は、研究開発活動の国際化にも表れ ている。 

「平成 17 年度 民間企業の研究活動に関する調査報告(文部科学省)」によれば、資本関 係のある海外の企業へ研究開発費を支出している企業の割合は、製薬産業で 79%(19/24 社)

に上る。製造業全体で 22%(154/716 社)、国際競争力を有する代表的な産業である電気機 械器具工業や自動車工業においてさえも、それぞれ 32%(32/100 社)、37%(14/38 社)であ り、多くの製薬企業がグローバル市場を見据えた研究開発活動を行っていることがみてと れる。 

技術貿易からみた国際競争力 

創出された知的財産が、いかに世界的なニーズに応えた国際競争力を有するものである かを測る指標として、特許等使用料に関する受取・支払の状況を示す技術貿易収支がある。

図表 3-4-9 は、2005 年の技術貿易収支の状況を、縦軸に技術貿易収支(親子間取引を除い た値)、横軸に研究費をとり、業種間で比較している。製薬産業は、輸送用機械工業と並び、

多額の研究費を投入し大幅な技術貿易黒字を得ている。その技術貿易黒字額は 676 億円と、

輸送用機械工業と並び、日本の製造業でトップクラスに位置している。 

また、図表 3-4-10 は、日本の医薬品の技術貿易収支の推移(親子間取引を含む)を示し ている。1990 年代半ば以降の技術輸出の拡大に伴い、黒字幅は増大し、2005 年には約 1,500 億円に達している。 

食品

繊維

医薬品 化学

石油・石炭製品 プラスチック製品

鉄鋼

非鉄金属 金属製品

機械 電気機械器具

情報通信機械器具 電子部品・ディバイス

輸送用機械

精密機械

1 10 100 1,000 10,000

100 1,000 10,000 100,000

研究費(億円)

技術貿易収支(億円)

技術貿易収支(億円)

   プラス    マイナス

 

図表 3-4-9  研究費と技術貿易額の関係(産業間比較)(2005 年度実績)

注:技術貿易収支は親子間取引を除いた値である。 

出所:科学技術研究調査報告(平成 18 年)より作成     

図表 3-4-10  医薬品技術貿易収支の推移 

-50,000 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000

1980 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

百万円

技術輸出 技術輸入 収支

出所:科学技術研究調査報告より作成  

   

グローバル新薬の創出力 

日本企業によって創出された新薬の世界市場での売上規模は、日本の製薬産業の国際競 争力を測るもう 1 つの指標である。図表 3-4-11 では、日本オリジンで世界売上高が 5 億ド ル以上の大型新薬の数と売上高を、1997 年と 2005 年とで比較している。日本オリジン大型 新薬の数は、8 年間で 5 から 22 へと増加しており、日本の製薬産業により競争力をもつ新 薬が着実に創出されてきていることが読みとれる。2005 年現在、売上 5 億ドル以上の製品 の 13%(22/175)は日本で創出されたものである。 

図表 3-4-11  日本オリジンの大型製品(5 億ドル以上) 

ドキュメント内 第1章 製薬産業を取り巻く環境変化 (ページ 167-170)

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