(1) はじめに
西消防署は昭和62年開設、現在は熊本市西区と中央区の一部を管轄し、日夜消防業務にあた っている。組織としては本署及び池田庁舎、並びに田崎、小島、島崎及び河内の4出張所で構 成し、職員は震災時、総員151人だった。
管内の地形は、中央部から北部にかけて金峰山系の山地が連ね、南部には平野部が広がって いる。平野部には東西に阿蘇山を源とする白川や北区の改寄町付近を源とする坪井川・井芹川 が貫流し、それは日本最大の干潟を有する有明海に注いでいる。また、本署界隈は、古い町並 みの先に中心市街地が広がり、桜町や熊本駅と大型再開発事業が現在進行中で、鹿児島本線及 び九州新幹線が縦断し、西端の有明海には熊本港が開港している。
成28年熊本地震に対して、この広大な管内で署、庁舎、出張所が連携し、4月14日の前震、
平
4月16日の本震、その後の地震に起因する長期にわたる災害活動に際し、どのような活動を実 施したか、主だった活動を振り返る。
(2) 対応状況
ア 前震発生からの初動対応
4月14日午後9時26分発生したマグニチュード6.5熊本市震度6弱の前震の激しい揺れが 発生した。強い余震が続く中、当務職員はまず庁舎と車両、ライフラインの確認を実施した。
幸いにも庁舎及び車両に大した被害はなかったが、庁舎の自家用発電機が稼動し、薄暗闇 の中、恐れていた西署で最初の指令が流れた。
建物閉じ込めによる救助要請であったが、その後は言うまでもなく、地震に伴う各種災害 が頻発する中で、自主参集した職員と連携し、災害活動、情報収集と管内一円にわたる災害 対応を実施するとともに、市民に対して広報活動を実施した。
前震発生とともに西消防署初動体制として、非常災害基本計画に基づき、4月14日の前震 では147人が自主参集し、参集率は100%であった。
前震直後から、市民が西消防署玄関に詰めかけたため、停電や断水が続く中、急きょ3階 屋内訓練場を開放し、受入れを始めた。
対応には女性職員を担当させ、避難所の運営を始めたが、強い余震が続く中、避難者は増 え続け、翌日までに300人程を受け入れた。
避難者に対し、切羽詰った状況の下、近隣の小学校等が指定避難所としての運営を始めた にも関わらず、継続して避難者が来署したため、本来の業務ができなくなることを懸念し、
その後の避難者の受入れを一切お断りするとともに、すでに避難されている避難者全員には 近隣の指定避難所を紹介した。その後、逐次全員が退署され、職員をより災害対応へ集中さ せることができた。なお、西消防署への避難者の延べ人員は415人にも達した。
前震から16日の本震発生までに、出場関係は西消防署管内では火災2件、警戒7件、救助 9件及び救急56件で、非常災害での対応は16件にものぼった。
10 西消防署
10 西消防署
(1) はじめに
西消防署は昭和62年開設、現在は熊本市西区と中央区の一部を管轄し、日夜消防業務にあた っている。組織としては本署及び池田庁舎、並びに田崎、小島、島崎及び河内の4出張所で構 成し、職員は震災時、総員151人だった。
管内の地形は、中央部から北部にかけて金峰山系の山地が連ね、南部には平野部が広がって いる。平野部には東西に阿蘇山を源とする白川や北区の改寄町付近を源とする坪井川・井芹川 が貫流し、それは日本最大の干潟を有する有明海に注いでいる。また、本署界隈は、古い町並 みの先に中心市街地が広がり、桜町や熊本駅と大型再開発事業が現在進行中で、鹿児島本線及 び九州新幹線が縦断し、西端の有明海には熊本港が開港している。
成28年熊本地震に対して、この広大な管内で署、庁舎、出張所が連携し、4月14日の前震、
平
4月16日の本震、その後の地震に起因する長期にわたる災害活動に際し、どのような活動を実 施したか、主だった活動を振り返る。
(2) 対応状況
ア 前震発生からの初動対応
4月14日午後9時26分発生したマグニチュード6.5熊本市震度6弱の前震の激しい揺れが 発生した。強い余震が続く中、当務職員はまず庁舎と車両、ライフラインの確認を実施した。
幸いにも庁舎及び車両に大した被害はなかったが、庁舎の自家用発電機が稼動し、薄暗闇 の中、恐れていた西署で最初の指令が流れた。
建物閉じ込めによる救助要請であったが、その後は言うまでもなく、地震に伴う各種災害 が頻発する中で、自主参集した職員と連携し、災害活動、情報収集と管内一円にわたる災害 対応を実施するとともに、市民に対して広報活動を実施した。
前震発生とともに西消防署初動体制として、非常災害基本計画に基づき、4月14日の前震 では147人が自主参集し、参集率は100%であった。
前震直後から、市民が西消防署玄関に詰めかけたため、停電や断水が続く中、急きょ3階 屋内訓練場を開放し、受入れを始めた。
対応には女性職員を担当させ、避難所の運営を始めたが、強い余震が続く中、避難者は増 え続け、翌日までに300人程を受け入れた。
避難者に対し、切羽詰った状況の下、近隣の小学校等が指定避難所としての運営を始めた にも関わらず、継続して避難者が来署したため、本来の業務ができなくなることを懸念し、
その後の避難者の受入れを一切お断りするとともに、すでに避難されている避難者全員には 近隣の指定避難所を紹介した。その後、逐次全員が退署され、職員をより災害対応へ集中さ せることができた。なお、西消防署への避難者の延べ人員は415人にも達した。
前震から16日の本震発生までに、出場関係は西消防署管内では火災2件、警戒7件、救助 9件及び救急56件で、非常災害での対応は16件にものぼった。
西署地区隊運用 西署3階屋内訓練場 避難所風景
イ 本震発生からの対応
15日午前中に警防課非番員を帰宅させ、夕方には日勤者が帰宅、まだ余震は継続している ものの、通常モードに今後はゆっくり移行するのかと予想したそのとき、16日午前1時25分、
前震以上の強い揺れが発生した。マグニチュード7.3熊本市震度6強の熊本地震本震が発生し た瞬間であった。
停電や断水が継続する中、非常災害での各種災害が前震時以上に相次ぎ、自主参集の職員 が勤務地に到着するやいなや班を編成、車両に分乗し、災害現場へと出場した。
自主参集は150人、参集率は100%で職員の意識の高さを改めて感じた。
本震による庁舎の被害については、河内出張所を除いた全ての庁舎に壁や床、敷地内の舗 装に亀裂や段差が生じた。田崎出張所では、ポンプ車と水槽車が車輪止めをしていたにも関 わらず、車庫前後のオーバースライダーに激突し、建物及び車両ともに被害が出た。
車両への被害については、田崎車両以外にも本署の指揮車、化学車及び救急車に資機材の 落下によるへこみ等の被害が出た。
また、駆け込みによる出場要請も相次いだ。
西消防署界隈は、古い町並みが続く城下町風情で、多くの寺院等も点在しているため建物 の倒壊が多く発生し、閉じ込めによる救助及び救急要請が多発した。
田崎、小島、河内出張所管内では土砂・崖崩れも発生したが、幸い人的被害はなかった。
西区二本木3丁目 寺院倒壊 西区松尾町上松尾 崖崩れ
非常災害で特に出場が多かったのは、ベル鳴動に伴なう警戒出場であった。
原因の多くは、建物屋上に設置されている貯水槽が破損し、漏水したことにより自動火災 報知設備の感知器内へ水が浸入して発報したためで、火災に起因するベル鳴動は皆無であっ た。また、ベル停止後にも再発報で出場する事案が続出したため、出場時には受信機横に急 きょ「お知らせ」を貼り付け、再鳴動に関する注意について関係者に周知させた。
ホテルでは少量危険物の漏洩も発生し、ベル鳴動事案とともに指導課員も現地対応を行っ た。
ベル再鳴動に対する周知用張り紙
本震が発生した16日の出場は、西署管内では火災4件、警戒6件、救助10件及び救急63件 で、非常災害での対応は15件にものぼった。
16日午後には警防課非番員を帰宅させたものの、16時02分熊本市で震度5弱の地震が発生 したことにより、135人が再度自主参集した。
その後、災害については日が経つにつれて、少しずつ落ち着いてはきたものの、救急出場 については一向に減らず、特に避難所への出場等で管内の救急隊員はかなり疲弊していった。
特異な事案としては、熊本駅近くのホテル立体駐車場内で、駐車中の車両数台が地上に落下 したことによるガソリン漏洩に対する処置のみで幸い怪我人も出ず、出火にも至らなかった。
また、水道管破損に伴う断水により、消火栓の使用不能状態が続いたため、田崎出張所配 備の水槽車は、水道が通水する4月末まで当局管内一円の火災に出場した。
消防団については、西区第5~7方面隊が副団長の傘下で地域の災害活動はもとより、広
入居者・関係者の方へ
この建物は、自動火災報知設備が故障している可能性があります。
ベルが鳴った場合、火災ではないことが確認できたら、 次の要領でベルを停止してください。
※主音響・・・ 受信機のブザー
※地区音響・・・ビル全体の火災ベル
すみやかに管理会社に連絡をして、自動火災報知設備の点検をお願いします。
管理会社での対応が完了しましたら、西消防署指導課(096-353-5028)
まで連絡してください。
平成 28年 月 日 時 分
熊本市西消防署
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