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2 指揮支援部隊長 (福岡市消防局)

ドキュメント内 熊本市消防局活動記録誌 全ページ (ページ 82-89)

消防応援活動調整本部(熊本県庁)での 活動を振り返って

警防部警防課長

消防司令長 牛島徹弥

【はじめに】

私は、大変大きな被害をもたらし、また、

震 度 7 を 2 回 記 録 す る 稀 有 な 地 震 災 害 と な った平成 28 年熊本地震において、その発生 直後から熊本県庁に入り、緊急消防援助隊指 揮支援部隊長として活動し、また、一旦帰福 した後に第三次派遣隊として出動し、再び同 部隊長として活動いたしました。

熊本県庁では、消防応援活動調整本部の運 営を副本部長(注:本部長は県知事)として 行いましたが、本震を活動中に経験するなど 騒然とした環境下、また、情報が大変混乱す る中、大量の調整事項を無我夢中で処理して い っ た こ と を 昨 日 の こ と の よ う に 思 い 出 す こともあります。

指揮支援部隊長の任務は、消防応援活動調 整本部の運営を通じ、大変高い現場対応能力 を有する都道府県大隊を、必要とされる現場 に投入し、国・都道府県・防災機関との意思 疎通をしっかりと保持したうえで、都道府県 大 隊 が 十 分 に 活 動 で き る 体 制 を 整 え る こ と にあります。

これらの活動は、現場の最先端の活動と違 ったスキルが必要であり、そのための訓練を 十分に積んでおかなければなりません。私自 身、緊急消防援助隊九州ブロック訓練や消防 大 学 校 に お け る 研 修 な ど の 4 年 間 に わ た る 訓 練 実 績 を 糧 と し て 本 地 震 災 害 に 出 動 い た

しましたが、以下に記載するように、この活 動内容においては、うまく調整できたところ もあれば、手痛い失敗も経験しました。

このたび、記録誌の発刊にあたり、以下の と お り 私 が 経 験 し た 様 々 な こ と を 失 敗 も 含 め、できる限り分かりやすく記したつもりで すが、指揮支援部隊長の活動を少しでも理解 していただき、次の災害対応に備えるための 参考としていただければ幸いです。

1 出動準備(4月14 日)

21 時 26 分に熊本県で後に前震と呼ばれる 地震が発生しました。

私 は 福 岡 県 宗 像 市 の 自 宅 近 く で 緊 急 地 震 速報を確認した後、強い揺れを感じ、報道機 関の情報を確認した後、すぐに登庁しました。

22 時 10 分には緊急消防援助隊指揮支援部 隊 長 と し て 隊 員 3 人 と と も に 本 部 庁 舎 か ら 出動しましたが、総務省消防庁から本市消防 ヘリでの熊本県入りを指示されたため、福岡 市消防航空隊庁舎へ向かいました。

消防航空隊庁舎に到着後、派遣先である熊 本 県 庁 に 夜 間 着 陸 可 能 な ヘ リ ポ ー ト が な い ことから、総務省消防庁、熊本市消防局等と 着陸するヘリポートの調整を行いましたが 、 その調整が難航し、時間をロスしました。

2 指揮支援部隊長

(福岡市消防局)

2 指揮支援部隊長(福岡市消防局)

消防応援活動調整本部(熊本県庁)での 活動を振り返って

警防部警防課長

消防司令長 牛島徹弥

【はじめに】

私は、大変大きな被害をもたらし、また、

震 度 7 を 2 回 記 録 す る 稀 有 な 地 震 災 害 と な った平成 28 年熊本地震において、その発生 直後から熊本県庁に入り、緊急消防援助隊指 揮支援部隊長として活動し、また、一旦帰福 した後に第三次派遣隊として出動し、再び同 部隊長として活動いたしました。

熊本県庁では、消防応援活動調整本部の運 営を副本部長(注:本部長は県知事)として 行いましたが、本震を活動中に経験するなど 騒然とした環境下、また、情報が大変混乱す る中、大量の調整事項を無我夢中で処理して い っ た こ と を 昨 日 の こ と の よ う に 思 い 出 す こともあります。

指揮支援部隊長の任務は、消防応援活動調 整本部の運営を通じ、大変高い現場対応能力 を有する都道府県大隊を、必要とされる現場 に投入し、国・都道府県・防災機関との意思 疎通をしっかりと保持したうえで、都道府県 大 隊 が 十 分 に 活 動 で き る 体 制 を 整 え る こ と にあります。

これらの活動は、現場の最先端の活動と違 ったスキルが必要であり、そのための訓練を 十分に積んでおかなければなりません。私自 身、緊急消防援助隊九州ブロック訓練や消防 大 学 校 に お け る 研 修 な ど の 4 年 間 に わ た る 訓 練 実 績 を 糧 と し て 本 地 震 災 害 に 出 動 い た

しましたが、以下に記載するように、この活 動内容においては、うまく調整できたところ もあれば、手痛い失敗も経験しました。

このたび、記録誌の発刊にあたり、以下の と お り 私 が 経 験 し た 様 々 な こ と を 失 敗 も 含 め、できる限り分かりやすく記したつもりで すが、指揮支援部隊長の活動を少しでも理解 していただき、次の災害対応に備えるための 参考としていただければ幸いです。

1 出動準備(4月14 日)

21 時 26 分に熊本県で後に前震と呼ばれる 地震が発生しました。

私 は 福 岡 県 宗 像 市 の 自 宅 近 く で 緊 急 地 震 速報を確認した後、強い揺れを感じ、報道機 関の情報を確認した後、すぐに登庁しました。

22 時 10 分には緊急消防援助隊指揮支援部 隊 長 と し て 隊 員 3 人 と と も に 本 部 庁 舎 か ら 出動しましたが、総務省消防庁から本市消防 ヘリでの熊本県入りを指示されたため、福岡 市消防航空隊庁舎へ向かいました。

消防航空隊庁舎に到着後、派遣先である熊 本 県 庁 に 夜 間 着 陸 可 能 な ヘ リ ポ ー ト が な い ことから、総務省消防庁、熊本市消防局等と 着陸するヘリポートの調整を行いましたが 、 その調整が難航し、時間をロスしました。

2 活動内容(第一次派遣)

(1) 4月 15 日

総 務 省 消 防 庁 の 手 配 に よ り 熊 本 県 庁 に 近い(緊急走行で 10 分程度)医療機関の ヘリポートを確保できたため、福岡市消防 ヘリで出動しました。

医 療 機 関 の ヘ リ ポ ー ト か ら 熊 本 市 消 防 局の緊急車で熊本県庁に向かい、前震発生 から4時間9分後の1時 35分に熊本県庁 に到着しました。

早速、熊本県庁内に設置する消防応援活 動 調 整 本 部 に お い て 指 揮 支 援 部 隊 長 と し ての任務に着手し、消防応援活動調整本部 に詰めていた熊本市消防局や、後に同局の 庁 舎 に 入 っ た 北 九 州 市 消 防 局 指 揮 支 援 隊 から情報収集を試みるも、混乱しているた め 思 う よ う な 情 報 が 取 得 で き ま せ ん で し た。

県庁内で情報収集に奔走した結果、熊本 県警察から 110 番通報が益城町に集中し ていること、同町で警察機関も救助活動を 行っていることなどを聴取し、その後、熊 本 市 消 防 局 等 か ら 熊 本 県 内 の 消 防 相 互 応 援 に よ っ て 各 被 災 地 で 救 出 活 動 を 行 っ て いることを聴取したことから、宇城広域消 防 本 部 に 待 機 し て い る 別 の 福 岡 市 指 揮 支 援隊に対して益城町に入るよう指示し、情 報収集を依頼しました。

消 防 応 援 活 動 調 整 本 部 の 隣 に 設 置 さ れ た航空調整本部(消防、警察、自衛隊、海 上保安庁の航空機の運用を調整する機関)

と調整を行い、夜明けからは、消防・防災 ヘリによる上空からの調査を開始し、益城 町 周 辺 に 被 害 が 集 中 し て い る こ と を 県 庁 職員とともに確認しました。

その後、被災地を管轄する熊本市消防局 に入っている北九州市消防局指揮支援隊、

益 城 町 役 場 に 入 っ て い る 福 岡 市 消 防 局 指

揮支援隊のほかに、岡山市消防局指揮支援 隊、広島市消防局指揮支援隊等が次々と被 災地入り(本来、熊本市消防局に入り、指 揮 支 援 本 部 を 設 置 す る 北 九 州 市 消 防 局 指 揮 支 援 隊 の ほ か に 指 揮 支 援 隊 が 入 る こ と は想定されていない。)し、これらの隊の 活 動 を 調 整 す る 消 防 応 援 活 動 調 整 本 部 の 活動が更に煩雑化することとなりました。

益 城 町 周 辺 で は 捜 索 救 助 活 動 が 継 続 実 施され、逃げ遅れた方がいないかどうか確 認するため、緊急消防援助隊、自衛隊及び 警 察 機 関 が 共 同 で ロ ー ラ ー 調 査 を 実 施 し ていました。

この活動について、県庁内に設置された 内閣府、各省庁等で構成する現地調整所に 対し、その進捗を説明すると、評価の声が 上がるとともに、災害対応が収束に向かう 雰囲気がありました。

夜に入り、熊本県庁に設置されていたD MAT調整本部から、ダメージが大きい病 院の入院患者を救出し、安全な病院に搬送 させてほしいとの依頼があり、その対応の ための活動調整を行いました。

この調整では、安全管理に関するアドバ イスを得ようと、国土交通省及び熊本県建 築関係部局に対し、建物のダメージの状況 を 分 析 で き る 専 門 家 の 派 遣 を 依 頼 し ま し たが、夜間であることから必要な照度が足 り な い こ と や 遠 方 か ら の 出 動 に な る こ と な ど の 理 由 に よ っ て こ の 依 頼 が 叶 わ な か ったことは大変残念でありました。当該対 応は、国際消防救助隊登録隊員にお願いす ることとし、熊本市消防局と緊急消防援助 隊が合同して救出・転院搬送対応にあたり ました。

(2) 4月 16 日

1時 25 分に本震が発生。

ドキュメント内 熊本市消防局活動記録誌 全ページ (ページ 82-89)