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インドは 12 億人を超える人口を抱えることから,多くの日系企業が進出している一方,

⑴ UAE

UAEは模倣品の経由地として,日本企業の被害が多発しており,特に中東地域の一大 物流中継拠点であるドバイは,サウジアラビア等の中近東の近隣諸国にとどまらず,アフ リカ,中南米,欧州,ロシア等への模倣品の経由地となっています。

こうした状況を背景に,国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)との官民合同中東 訪問団の派遣や日本への招聘を通して,フリーゾーンでの模倣品問題や罰金問題に関する 議論を行っています。

⑵ サウジアラビア

模倣品の一大消費地とされるサウジアラビアでの模倣品対策は極めて重要です。日本と サウジアラビアの模倣品対策協力は主に官民体制で 2009 年以降継続して実施されており,

サウジアラビア商業投資省と日本側との関係が構築されてきたこともあり,2016 年9月に 経済産業省と商業投資省との間で模倣品対策に関する協力覚書に署名がされました。

今後,日本への招聘,現地当局に対する真贋判定セミナー等のキャパシティビルディン グの両面から取り組みを進めていきます。

4.最後に

模倣品・海賊版の国際的な流通が一層進んでいることから,中国からASEAN,中東 等の第三国での対策に力を入れる必要性が生じています。しかし,ASEAN諸国のよう な途上国ではエンフォースメントに関する制度はあるものの,運用面では様々な問題によ り必ずしも機能的でないという実情があります。そういった国々に対しては,エンフォー スメントを強化するように働きかけるだけでは不十分であり,日本側より模倣品・海賊版 対策の重要性や摘発のための実務上のノウハウ等をキャパシティビルディングとして続け ていく必要があります。

模倣品対策室は執行機関でも, 知的財産権関連法を所管しているわけでもありませんが,

模倣品・海賊版対策に関して一元的な機能を持っていますので,今後も関係省庁と連携し ながら,各種取り組みを進めてまいりたいと思います。

この場をお借りし,ご協力・ご支援いただいている関係省庁の皆様に御礼を申し上げさ

せていただくとともに,今後も一層のご協力・ご支援をお願い申し上げます。

日本弁護士連合会国際交流委員会との連携

~国際交流委員会委員長及び副委員長との意見交換~

国際協力部教官 伊 藤 淳

1 はじめに

法務省法務総合研究所国際協力部は,2017(平成 29)年1月 26 日午後,日本弁護士連 合会国際交流委員会(以下,単に, 「日弁連」 , 「国際交流委員会」などということもある。 ) 委員長の外山太士弁護士及び同副委員長の村上幸隆弁護士を当部にお招きして,当部教官 との意見交換を実施した。

本誌

ICD NEWS

においても繰り返し述べているとおり,当部は,今後の法整備支援にお

いて,他機関との連携と協調が不可欠であると感じている。そうした連携と協調の一環と して,日弁連国際交流委員会の外山委員長に対し,当部職員との意見交換を申し入れたと ころ,外山委員長から快諾を得たことから,本意見交換が実現した。

本稿では,本意見交換の概要を紹介しつつ,当部と日弁連国際交流委員会の連携に関す る展望について述べていきたい。

2 本意見交換実施の背景

法務省は,1994 年にベトナムに対する法整備支援を開始したが,その後,支援対象国,

支援活動内容の拡大に伴い,2001 年4月,法整備支援を主に行う部署として,当部が設置 されることとなった。当部設立後も,法整備支援活動の対象国は増加していき,2017 年現 在,検事(裁判官からの転官者を含む。 )をJICAの長期派遣専門家として派遣している 国だけでも,ベトナム・ラオス・カンボジア・インドネシア・ミャンマーと5か国にのぼ り

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,支援対象法令や支援方法も,基本法の起草支援にとどまらず,投資環境整備という観 点からの倒産法や知的財産関連法等の特別法の整備,法・司法制度の運用支援や人材育成 なども行うようになっている。 このような法整備支援の対象の拡大や内容の複雑化に伴い,

法整備支援活動は,当部所属職員のみで対応することが困難な状況となっている。

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一方,日弁連は,

ICD NEWS

69 号の国際交流委員会前委員長の矢吹公敏弁護士による

「日本の法整備支援に対する期待」 (巻頭言) ,同 70 号の外山委員長による「日弁連の法整 備支援(国際司法支援)活動」 (特集)において既報のとおり,国際交流委員会を中心とし

1 これら以外の国でも,中国,韓国,ネパール,バングラデシュなどに対する支援も行っている。

2 当部は,JICAが実施している法整備支援プロジェクトの本邦研修の実施機関であり,同研修のア レンジをしているところ,同研修においても当部教官や専門官のみで実施することは困難で,大学の研 究者等のリソースを利用している。

て,20 年以上にわたり,アジア諸国に対する法整備支援活動

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を行っている。

当部と日弁連がそれぞれ行っている法整備支援活動は,支援対象国,支援対象法令や方法 において,重なる部分が少なくない。

しかしながら,当部と日弁連との連携は,当部が主宰する研修において日弁連所属の弁 護士に講師を依頼することなどに留まっており,日弁連が得てきた知見やリソース等につ いて,担当者レベルでの共有がなされるのみであった。また,日弁連が行っている法整備 支援活動の動向や状況を把握しないまま,当部の担当者が各国における法整備支援活動に ついて検討を進めるということがまま行われていた。

当部と日弁連との間での連携や協調を図ることは,法整備支援活動の重複や,支援内容 の相違がもたらす支援対象国内での無用な混乱を避けることにつながる。こうした観点か ら,より効率的かつ効果的な法整備支援活動の実施をするために,日弁連との情報の共有 等を目的として,外山弁護士に対し,当部職員との意見交換を申し入れたものである。

3 意見交換概要

当日は,まず,外山委員長から,日弁連の機構図(日弁連における国際交流委員会の位 置付けやその役割等) ,日弁連における国際司法支援活動の歴史や概要の説明とともに,今 後,国際交流委員会と当部において連携や協調をしていくべき活動に関する提案などがな された。その後,当部教官から,各担当国

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における活動の歴史や現在の活動状況に関する 説明を行い,最後に,各国における法整備支援について,国際交流委員会と当部との間の 連携及び協調をテーマに意見交換(質疑応答)を行った。

意見交換の中では,ラオスやベトナムに対する支援について具体的な言及があった。

例えば,ラオスにおいて,当部は,JICAの法整備支援プロジェクトである「ラオス 法律人材育成強化プロジェクト(フェーズ2) 」における活動の1つとして,教育・研修改 善サブワーキンググループ(SWG)が行っているラオス国立司法研修所を中心としたラ オス国内の法学教育機関におけるカリキュラム改善及び教材作成並びに教授方法の指導な どに対する支援を行っている

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。他方,日弁連も,現在,日弁連のカウンターパート機関と も言えるラオス弁護士会に対する支援を通じて,ラオス弁護士会所属のラオス国立司法研 修所の弁護士教官に対し,弁護科目の教授法に関する支援を行っている。このように,当 部及び日弁連の活動内容には重複した部分がある上,ラオス弁護士会が日弁連の活動では 実質的なカウンターパートになっている

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ことなどお互いの活動を補完する関係になって

3 日弁連では,通常「国際司法支援活動」と呼んでいるが,混乱を避けるために,本稿では,断りのない 限り,「法整備支援活動」という言葉を使用する。

4 当部が本邦研修等を行っている,インドネシア,ミャンマー,ベトナム,カンボジア,ラオス,ネパー ル,韓国・東ティモールでの活動について説明を行った。

5 ICD NEWS 65 号「ラオス法律人材育成強化プロジェクト(フェーズ2)『法曹養成』本邦研修」,ICD

NEWS 67 号「ラオス現地セミナー(教育・研修改善)」,同号「ラオスの法曹養成に対する日本の支援体

制の確立等について」,ICD NEWS 71 号「第 10 回ラオス法律人材育成強化プロジェクト(フェーズ2)

『教育・研修改善』本邦研修」参照。

6 JICAの法整備支援プロジェクトのカウンターパートは,①司法省,②最高人民裁判所,③最高人

いる。それにもかかわらず,これまでこれらの点が当部及び日弁連の間で十分に議論され てこなかったため,重複を避けつつ,お互いの活動を利用し合うという効率的かつ効果的 な支援体制の構築が十分ではなかったことが改めて確認された。

また,ベトナムにおいても,当部は,JICAの法整備支援プロジェクトである「ベト ナム 2020 年を目標とする法・司法改革支援プロジェクト」の実施機関として,同プロジェ クトのカウンターパートである司法省,最高人民裁判所及び首相府に対する支援を実施し ている。他方,日弁連も,同プロジェクトの実施機関として,同プロジェクトのカウンタ ーパートであるベトナム弁護士会に対する支援を実施している。それにも関わらず,当部 と日弁連との間での連携が十分に行われているとは言いがたい状況が確認された。

このような意見交換を踏まえて,今後は,支援対象国ごとに,国際交流委員会と当部の 担当者で連絡を密にとり,お互いの活動内容を理解するとともに,本邦研修や現地セミナ ー等においては,準備段階から意見交換をするなどして活動内容の重複や矛盾を避け,さ らには,オブザーバーとしての参加を通じて相互の活動を補い合うなど,これまで以上に 有機的に連携していくことを確認した。

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4 今後の予定

上記意見交換後,日弁連と当部における支援対象国の担当者同士で連絡先を交換するな どして連絡を密に取り合うこととなった。そして,ラオスにおいては,本年4月中旬,日 弁連におけるラオス担当者と当部のラオス担当者(小職)とJICA本部のラオス担当者 の三者で意見交換を実施し,本年6月実施予定の教育・研修改善SWGの現地セミナーや,

本年年末に実施予定の教育研修改善SWGに関する本邦研修等において,JICA本部や 現地プロジェクト等とも緊密に連絡を取りながら,講師派遣やオブザーバー参加などの形 で当部と日弁連が協力できる体制を作っていくことを確認した。

今後,ラオス以外の支援対象国においても担当者同士で密に連絡を取り合う機会を作る べく,現在

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,本年6月中旬頃に,当部と東京のJICA本部をテレビ会議でつなぎ,日弁 連,当部,JICAの各担当者が集まり,今後の連携の在り方について協議する準備を行 っている。

5 おわりに

これまでも繰り返し述べてきたとおり,現在,法整備支援活動は,対象国の増加,支援 分野の複雑化に伴い,一つの機関だけでは対応が困難になっており,当部や日弁連の活動

民検察院,④ラオス国立大学であり,ラオス弁護士会は含まれていない。しかしながら,JICAプロ ジェクトの活動においても,例えば,本邦研修や現地セミナー等の際に,ラオス弁護士会執行部の弁護 士等に参加してもらうなどして,ラオス弁護士会が実質的にJICAプロジェクトの活動にかかわるよ うにしている。

7 その一環として,村上副委員長が,本意見交換後に実施されたラオス教育・研修改善SWGの本邦研 修のカリキュラムの一つである模擬裁判を傍聴された。

8 本稿の執筆を行っている平成 29 年4月末現在。

ドキュメント内 ■第71号 2017年06月号 法務省:ICD NEWS (ページ 35-42)