MOSTの特徴
• 経済性 :分析時間が短い ( ペーパーワークが少ない ) 習得が早い
• 十分な正確性:適応誤差 ( 分析者によるミス ) が少ない 一貫性がある ( レイティング不要、主観が入らない )
• メソッドに敏感 :分析結果を改善に直結できる
• 広い適用範囲:マルチレベル ( 多品種、少量~量産、直接~間接 ) 追加データ開発が可能
• 実作業前に標準時間設定が可能
標準時間の設定
従来の作業測定方法との比較
MOST 従来のPTS法 タイムスタディー法 分析時間
精度(一貫性) 変動要因 分析用紙 使用枚数 (3分の作業で)
適用範囲
分析単位
1
適用誤差 5%以内 少なく、わりやすい
1枚
多品種少量生産・量産 間接作業に広く適用 作業単位のシーケンス
30~50倍
← 多くて複雑
16枚
多品種少量生産が困難
基本動作の積上げ
時間観測のみ2倍 10~20%
(個人でバラツキあり) つかめない
1枚
-
多品種少量生産・量産 間接作業に適用可能
標準時間の設定
MOSTの考え方
仕事とは、人や物の移動である場合が多い。能率的で、スムーズで価値を生 み出す仕事は基本動作のパターンがうまくアレンジされ、方法工学(メソッドエ ンジニアリング
)
によって見つけ出される。MOSTは、
人や物の移動に注目し、移動を一連の動作の並び ( シー ケンス ) として認識する。この動作の並びは、一貫性を持った繰り 返しのパターンである。
たとえば、
といった流れである。
このようなシーケンスについて「モデル」を作り、対称物の移動の分析の標準ガ イドとして使用する。そのシーケンス個々の中身は、実際の動作内容では一つ 一つ異なってくる。
手を伸ばす( Reach) つかむ( Grasp)
運ぶ( Move)
対象物を位置決める( Position)
標準時間の設定
-ある対象物を他のものの表面上を移動するとか、他 の対象物に接したまま移動する。
-ある対象物を空間の制限なく、適当な所へ移動する。
3つのシーケンスモデル
②制限移動シーケンス (Controlled Move Sequence)
①普通移動シーケンス (General Move Sequence)
③工具使用シーケンス (Tool Use Sequence)
標準時間の設定
普通移動シーケンス
•
ある対象物を空間の制限なく移動するときに適用する。•
身体部位のコントロールの下で、その対象物を空間の制限のない経路 に従って動かす場合である。•
普通移動は、次のサブアクティビティーの一定のシーケンスが起こる場 合に適用する。•
シーケンスモデルは、上記のサブアクティビティーのそれぞれの頭文字 を取った一定の文字列で表現されている。(1) 離れた場所にある対象物に、直接又は胴体の動作・
歩行と連動して移動し、片手又は両手を伸ばす。
(2) 対象物を身体部位のコントロール下に置く。
(3) 対称物をある位置まで、直接又は胴体の動作・歩行 と連動して移動する。
(4) その対象物を一時的あるいは最終的な位置に置く。
標準時間の設定
普通移動シーケンスのサブアクティビティー
アクティビ ティー
シーケンス モデル
普通移動
ABGABPA
サブ アクティビ
ティー
A:アクション距離(Action distance)
手あるいは足のすべての空中移動およびアクションの分析に用いる。
B:胴体の動作(Body motion)
縦方向(上下)の胴体の動作、あるいは胴体の動作のための障害・損傷 に打ち勝つために必要なアクションの分析に用いる。
G:コントロール下に置く(Gain control)
すべての身体部位(主として指・手・足)が1つあるいは複数の対象物を 取り上げてコントロール下に置き、それに続く必要なコントロールを 行う動作の分析に用いる。
ABG / ABP / A 取る / 置く / 戻る Get / Put / Return
標準時間の設定
普通移動シーケンスの分析例
それぞれ該当するインデックスをデータカードから当てはめ、そのイン デックス値の合計を10倍することで時間値の計算ができる。
例題)
レストランで、3歩あるいて棚の下段からトレーを1枚取り、配膳台の上に置く
A
6B
6G
1A
1B
0P
3A
0A6
B6 G1
A1 B0 P3
A0
=対称物の位置へ3~4歩あるく
=胴体を曲げて、もとへ戻る
=軽い対象物(トレー)を1つ取る。
=手を伸ばせる距離へ対象物を移動する。
=胴体の動作なし
=対称物を調整して位置決めする。
=戻りなし
6+6+1+1+0+3+0=17 17×10=170TMU =6.12秒
※1TMU (Time Measurement Units)
=0.036秒標準時間の設定
普通移動シーケンスのデータカード
■普通移動シーケンスのデータカード A
アクション距離
B
胴体の動作
G
コントロール下に置く
P
インデックス 位置決め 0 1
6
10
2in 5cm
手に持つ 軽く投げる 手を伸ばせば届く範
囲
軽い対象物
軽い対象物(同時)
横に置く
ゆるい組み合わせ 軽い対象物(非同時)
(障害がある、絡まった) 重いまたは集める
かさばる 3 1~2歩 かがむおよび立ち上
がる(発生率50%)
調整 軽く押す 2回調整
3~4歩 かがむおよび立ち上 がる
注意、正確
見えない傷害がある 強く押す
途中で移動 5~7歩 座るまたは立つ
ドアを通りぬける
標準時間の設定
アクション距離(A)の拡張表 インデックス値 歩数 距離(m)
24 11-15 12
32 16-20 15
普通移動シーケンスの分析例
1.5歩離れた床に落ちている