フィボナッチ数列に現れる平方数は,1 と 144 だけであることを 証明します。
いよいよ,フィボナッチ数列には,平方数は 1 と 144 しか現れないことを証明するときがやっ てきました。
まず, が偶数のときを考えます。そして, が奇数のときは,4 で割って 1 あまるときと,4 で割って 3 あまるときに分けて考えます。
<偶数番目の場合>
が偶数の場合, のときに平方数となる。
(証明) なかなか面白い証明内容ですよ。
定理 3-2より,次のことがわかっています。
が整数のとき,
この式の, に を代入すると,
よって,
結局,
となるので, が偶数のとき, とすれば, となります。
ところで,定理 3-8により,次のことがわかっています。
が 3 の倍数でなければ, と は互いに素で,
が 3 の倍数であれば, と の最大公約数は 2 になる。
そこで,まず が 3 の倍数でないときのことを考えてみます。
が 3 の倍数でないとき, ですから, も 3 の倍数でありません。
が平方数であるとすると,素因数分解すると
のようになりますが,たとえば 2 個が, と に 1 個ずつふくまれてし
まうと, と が互いに素という条件に反してしまうので, は 2 個と も, か にふくまれている必要があります。
このように考えると, も も平方数であることがわかります。
が平方数となるのは,第 5 章 で, のときと のときだけ であることが証明されています。すると, , または
となりますが,6 は 3 の倍数なのでダメです。
のときは,確かに は平方数なのでOKです。
これで, が偶数でしかも 3 の倍数でないときは, のみが平方数 であることが証明できました。
次に, が 3 の倍数であるときを考えます。
が 3 の倍数であるとき, ですから, も 3 の倍数です。
このとき, と の最大公約数は 2 ですから,
とすることができます。ただし, と は互いに素です。
このとき, です。
が平方数ならば, とすれば, となり, も 平方数です。
そこで,先ほどの 3 の倍数でないときと同じ考え方により, も も 平方 数になります。
よって, 「 2 ×平方数」, 「 2 ×平方数」なので,
も も,「 2 ×平方数」 であることがわかりました。
ところで, が「 2 ×平方数」となるのは,第 6 章 で, のとき だけであることがわかっています。
したがって, ですから, となり,12 は 3 の倍数なの でOKで,確かに も平方数になっているのでOKです。
これで, が偶数でしかも 3 の倍数のとき, は のときの み平方数になることがわかりました。
結局, が偶数のとき, は のときに平方数にな ることが証明できました。
(証明終)
<n が 4 で割ると 1 あまる数の場合>
が 4 で割ると 1 あまる数の場合, のときに平方数となる。
(証明) 証明は,第 5 章の <n が 4 で割ると 1 あまる数の場合> と非常によく似 ています。
のとき, は,確かに平方数です。
そこで, ,つまり, のときに, が平方数になったと仮定 し,矛盾を導きます。
は,4 でわると 1 あまる整数ですから, は 0 より大きい 4 の倍数で す。そこで, とすると, は 0 より大きい偶数です。
ここで, を素因数分解してみます。
を素因数分解したときに,3 が何回現れるかに注目します。 回現れたと し, とします。ただし,3 が 1 回も現れないこともあるので, は 0 であることも考えられます。
は偶数だったので,素因数分解すると 2 がふくまれています。 を で 割ったときの商が ですが,3 で何回割っても, の中の素因数である 2 は そのまま残っているので, の中にも,素因数 2 は残っています。つまり,
は偶数です。
また, は を 3 で割れるだけ割った残りですから, の中に,もう 3 は ふくまれていません。つまり, は 3 の倍数ではありません。
で, ですから,
と表せることになります。
ただし, は 0 以上の整数で, は 0 より大きい偶数でしかも 3 の倍数で はない数です。
ここで,定理 3-16により,次のことがわかっています。
が整数で, が偶数で 3 の倍数でないとき,
は で割り切れる。
この式を,何回も利用します。
に を代入して,
は で割り切れる。… 1 回目 に を代入してマイナスにして,
は で割り切れる。… 2 回目 に を代入して,
は で割り切れる。… 3 回目
このように,i 番目ならば に を代入して,しかも偶数回目のと きはマイナスにして,式をどんどん, 回目まで作っていきます。
回目は奇数回目ですから( のときも, なので奇数で す),マイナスにはせず, に を代入することになり,
は で割り切れる。… 回目 ところで,
でしたから, です。よって, 回目の式の中の,
は になり, は になります。
よって, 回目の式を書き直すと,
は で割り切れる。… 回目 もう一度,式だけ並べると,次のようになります。
は で割り切れる。… 1 回目 は で割り切れる。… 2 回目 は で割り切れる。… 3 回目
………
………
は で割り切れる。… 回目
これらの,1 回目の式から 回目の式までを足します。
すると,1 回目の式の と 2 回目の式の が打ち消し合 い,2 回目の式の と 3 回目の式の が打ち消し合い,と
いうように,どんどん打ち消し合って,結局,
は で割り切れる。
となります。
ところで, です。 また,定理 3-17により
が偶数で 3 の倍数でないとき, は で割ると あまる。
から,
は 4 で割ると 3 あまる数 で割り切れる。
となります。
ところで,定理 4-4 により,次のことがわかっています。
ある整数が,4 で割ると 3 あまる整数で割りきれるとき,その整 数を素因数分解すると,必ず 4 で割ると 3 あまる素数がふくまれ る。
ということから, には,4 で割ると 3 あまる素数がふくまれる はずです。
しかし, が平方数なら,定理 4-1によって,
が整数のとき, を素因数分解したときに,4 で割ると 3 あまるような素因数は現れない。
と矛盾します。
矛盾の原因は, のときに が平方数であると仮定したことに あります。
よって, が 4 で割ると 1 あまる数の場合, のときのみ平方数 になることが証明できました。
(証明終)
<n が 4 で割ると 3 あまる数の場合>
が 4 で割ると 3 あまる数の場合, に平方数は現れない。
(証明) 証明は,第 6 章の <n が 8 で割ると 2 あまる数の場合> と非常によく似 ています。
が 4 で割ると 3 あまる数のときに, が平方数になったと仮定し,矛盾 を導きます。
拡張フィボナッチ数列の定理により,次のことがわかっています。
が 0 以上の整数のとき, が成り立つ。
のとき, ですから,
となります。
よって, に平方数は現れないことを証明する代わりに, に平方数は 現れないことを証明してもOKです。
ところで, が 4 で割ると 3 あまる数のとき, です。こ
のとき, となり,たとえば
のように, は,4 で割ると 1 あまる数です。
もっときちんと説明すると,
なので, は,4 で 割ると 1 あまる数です。 したがって,
が 4 で割ると 1 あまるマイナスの数の場合,平方数は現れない。
ということを証明することになります。(この章の 「n が 4 で割ると1 あまる数 の場合」と似ています)
そこで, で, は,4 でわると 1 あまる整数ですから,「 -4の倍数
+1」 とできます。そこで, とすると, は 0 より大きい偶数です。
ここで, を素因数分解してみます。
を素因数分解したときに,3 が何回現れるかに注目します。 回現れたと し, とします。ただし,3 が 1 回も現れないこともあるので, は 0 であることも考えられます。
は偶数だったので,素因数分解すると 2 がふくまれています。 を で
割ったときの商が ですが,3 で何回割っても, の中の素因数である 2 はそのまま残っているので, の中にも,素因数 2 は残っています。つま り, は偶数です。
また, は を 3 で割れるだけ割った残りですから, の中に,もう 3 はふくまれていません。つまり, は 3 の倍数ではありません。
で, ですから,
と表せることになります。
ただし, は 0 以上の整数で, は 0 より大きい偶数でしかも 3 の倍数 ではない数です。
ここで,定理 3-16により,次のことがわかっています。
が整数で, が偶数で 3 の倍数でないとき,
は で割り切れる。
この式を,何回も利用します。
1 回目はそのままで,
は で割り切れる。… 1 回目 に を代入してマイナスにして,
は で割り切れる。… 2 回目 に を代入して,
は で割り切れる。… 3 回目
このように,i 番目ならば に を代入して,しかも偶数回 目のときはマイナスにして,式をどんどん, 回目まで作っていきます。
回目は奇数回目ですから( のときも, なので奇数で す),マイナスにはせず, に を代入することになり,
は で割り切れる。… 回目 ところで,
でしたから, です。よって, 回目の式の中の,
は になり, は になります。
よって, 回目の式を書き直すと,
は で割り切れる。… 回目 もう一度,式だけ並べると,次のようになります。
は で割り切れる。… 1 回目 は で割り切れる。… 2 回目 は で割り切れる。… 3 回目
………
………
は で割り切れる。… 回目
これらの,1 回目の式から 回目の式までを足します。
すると,1 回目の式の と 2 回目の式の が打ち消し 合い,2 回目の式の と 3 回目の式の が打ち消し合 い,というように,どんどん打ち消し合って,結局,
は で割り切れる。
となります。
ところで, です。 また,定理 3-17により
が偶数で 3 の倍数でないとき, は で割ると あまる。
から,
は 4 で割ると 3 あまる数 で割り切れる。
となります。
ところで,定理 4-4 により,次のことがわかっています。
ある整数が,4 で割ると 3 あまる整数で割りきれるとき,その整 数を素因数分解すると,必ず 4 で割ると 3 あまる素数がふくまれ る。