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リュカ数列に現れる平方数は,1 と 4 だけであることを証明します。

ドキュメント内 Fibonacci_square_pdf (ページ 53-60)

 リュカ数列は,1, 3, 4, 7, 11, 18, … と続きます。

 この中で,1 番目である 1 と,3 番目である 4 だけが,平方数であることを証明していきます。

<n が偶数の場合>

 リュカ数列の偶数番目には,平方数は現れない。

 (証明)  背理法で証明します。

 リュカ数列の偶数番目に,平方数が現れると仮定します。

 この章では,リュカ数列 において, が偶数のときは は平方数にな らず, が 4 で割ると 1 あまる整数のときは のときのみ平方数にな り, が 4 で割ると 3 あまる整数のときは のときのみ平方数になるこ とを証明していきます。

 自然数の平方数は, と,い

つまでも続いていきますが,隣同士の平方数と平方数の間は,

と,どんどん広がっていきます。

 もっとも間がせまいのは, のときです。

 ところで,定理 3-10により,次のことがわかっています。

が整数のとき,

 つまり, 偶数 です。

は平方数ですから, 偶数 も平方数ならば,平方数と平方数の間が 2 し かはなれていないことになり,矛盾します。

 矛盾の原因は,リュカ数列の偶数番目に,平方数が現れると仮定したことで した。

 よって,リュカ数列の偶数番目には,平方数が現れないことが証明できまし た。

(証明終)

<n が 4 で割ると 1 あまる数の場合>

が 4 で割ると 1 あまる数の場合,リュカ数列 が平方数になるのは, のと きだけである。

 (証明) のとき, は,確かに平方数です。

 そこで, ,つまり, のときに, が平方数になったと仮定 し,背理法で矛盾を導きます。

は,4 でわると 1 あまる整数ですから, は 0 より大きい 4 の倍数で す。そこで, とすると, は 0 より大きい偶数です。

 ここで, を素因数分解してみます。

を素因数分解したときに,3 が何回現れるかに注目します。 回現れたと し, とします。ただし,3 が 1 回も現れないこともあるので, は 0  であることも考えられます。

は偶数だったので,素因数分解すると 2 がふくまれています。 を で 割ったときの商が ですが,3 で何回割っても, の中の素因数である 2 は そのまま残っているので, の中にも,素因数 2 は残っています。つまり,

は偶数です。

 また, は を 3 で割れるだけ割った残りですから, の中に,もう 3 は ふくまれていません。つまり, は 3 の倍数ではありません。

で, ですから,

と表せることになります。

 ただし, は 0 以上の整数で, は 0 より大きい偶数でしかも 3 の倍数で はない数です。

 ここで,定理 3-15により,次のことがわかっています。

が整数で, が偶数で 3 の倍数でないとき,

は で割り切れる。

 この式を,何回も利用します。

に を代入して,

は で割り切れる。… 1 回目

に を代入してマイナスにして,

は で割り切れる。… 2 回目 に を代入して,

は で割り切れる。… 3 回目

 このように,i 番目ならば に を代入して,しかも偶数回目のと きはマイナスにして,式をどんどん, 回目まで作っていきます。

回目は奇数回目ですから( のときも, なので奇数で す),マイナスにはせず, に を代入することになり,

は で割り切れる。… 回目  ところで,

でしたから, です。よって, 回目の式の中の,

は になり, は になります。

 よって, 回目の式を書き直すと,

は で割り切れる。… 回目  もう一度,式だけ並べると,次のようになります。

は で割り切れる。… 1 回目 は で割り切れる。… 2 回目 は で割り切れる。… 3 回目

………

………

は で割り切れる。… 回目

 これらの,1 回目の式から 回目の式までを足します。

 すると,1 回目の式の と 2 回目の式の が打ち消し合 い,2 回目の式の と 3 回目の式の が打ち消し合い,と いうように,どんどん打ち消し合って,結局,

は で割り切れる。

となります。

 ところで, です。  また,定理 3-17により

が偶数で 3 の倍数でないとき, は で割ると あまる。

から,

は 4 で割ると 3 あまる数 で割り切れる。

となります。

 ところで,定理 4-4 により,次のことがわかっています。

 ある整数が,4 で割ると 3 あまる整数で割りきれるとき,その整 数を素因数分解すると,必ず 4 で割ると 3 あまる素数がふくまれ る。

 ということから, には,4 で割ると 3 あまる素数がふくまれるは ずです。

 しかし, が平方数なら,定理 4-1によって,

が整数のとき, を素因数分解したときに,4 で割ると 3 あまるような素因数は現れない。

と矛盾します。

 矛盾の原因は, が 4 で割ると 1 あまる数で, のときに, が 平方数であると仮定したことにあります。

 よって, が 4 で割ると 3 あまる数のとき,リュカ数列 が平方数 になるのは, のときだけであることが証明できました。

(証明終)

<n が 4 で割ると 3 あまる数の場合>

が 4 で割ると 3 あまる数の場合,リュカ数列 が平方数になるのは, のと きだけである。

 (証明)  証明は,<n が 4 で割ると 1 あまる数の場合> と非常によく似ています。

のとき, は,確かに平方数です。

 そこで, ,つまり, のときに が平方数になったと仮定し,背 理法で矛盾を導きます。

は,4 でわると 3 あまる整数ですから, は 0 より大きい 4 の倍数で す。そこで, とすると, は 0 より大きい偶数です。

 ここで, を素因数分解してみます。

を素因数分解したときに,3 が何回現れるかに注目します。 回現れたと し, とします。ただし,3 が 1 回も現れないこともあるので, は 0  であることも考えられます。

は偶数だったので,素因数分解すると 2 がふくまれています。 を で 割ったときの商が ですが,3 で何回割っても, の中の素因数である 2 は そのまま残っているので, の中にも,素因数 2 は残っています。つまり,

は偶数です。

 また, は を 3 で割れるだけ割った残りですから, の中に,もう 3 は ふくまれていません。つまり, は 3 の倍数ではありません。

で, ですから,

と表せることになります。

 ただし, は 0 以上の整数で, は 0 より大きい偶数でしかも 3 の倍数で はない数です。

 ここで,定理 3-15により,次のことがわかっています。

が整数で, が偶数で 3 の倍数でないとき,

は で割り切れる。

 この式を,何回も利用します。

に を代入して,

は で割り切れる。… 1 回目 に を代入してマイナスにして,

は で割り切れる。… 2 回目 に を代入して,

は で割り切れる。… 3 回目

 このように,i 番目ならば に を代入して,しかも偶数回目のと きはマイナスにして,式をどんどん, 回目まで作っていきます。

回目は奇数回目ですから( のときも なので奇数で す),マイナスにはせず, に を代入することになり,

は で割り切れる。… 回目  ところで,

でしたから, です。よって, 回目の式の中の,

は になり, は になります。

 よって, 回目の式を書き直すと,

は で割り切れる。… 回目  もう一度,式だけ並べると,次のようになります。

は で割り切れる。… 1 回目 は で割り切れる。… 2 回目 は で割り切れる。… 3 回目

………

………

は で割り切れる。… 回目

 これらの,1 回目の式から 回目の式までを足します。

 すると,1 回目の式の と 2 回目の式の が打ち消し合 い,2 回目の式の と 3 回目の式の が打ち消し合い,と いうように,どんどん打ち消し合って,結局,

は で割り切れる。

となります。

 ところで, です。  また,定理 3-17により

が偶数で 3 の倍数でないとき, は で割ると あまる。

から,

は 4 で割ると 3 あまる数 で割り切れる。

となります。

 ところで,定理 4-4 により,次のことがわかっています。

 ある整数が,4 で割ると 3 あまる整数で割りきれるとき,その整 数を素因数分解すると,必ず 4 で割ると 3 あまる素数がふくまれ る。

 ということから, には,4 で割ると 3 あまる素数がふくまれる はずです。

 しかし, が平方数なら,定理 4-2によって,

が整数のとき, を素因数分解したときに,4 で割ると 3 あまるような素因数は現れない。

と矛盾します。

 矛盾の原因は, が 4 で割ると 3 あまる数で, のときに が 平方数であると仮定したことにあります。

 よって, が 4 で割ると 3 あまる数のとき,リュカ数列 が平方数 になるのは, のときだけであることが証明できました。

(証明終)

 以上のことから,リュカ数列の偶数番目には平方数は現れず, が 4 で割ると 1 あまる数の ときは,1 番目の 1 のみ, が 4 で割ると 3 あまる数のときは,3 番目の 4 のみが平方数であ ることがわかりました。

 結局,リュカ数列に現れる平方数は,( 1 番目の)1 と,( 3 番目の)4 だけであることが証明 できました。

 第 6 章 リュカ数列に現れる「 2 ×平方数」は,18 だけであることを証明しま

ドキュメント内 Fibonacci_square_pdf (ページ 53-60)