「管きょ工(開削)」の場合を取り上げて、複 合単価のための簡素化条件とそのアウトプット を要約すると以下のとおりである
5−1.施工条件等の検討
(1)施工条件の標準化
積算においては施工条件等の十分な把握が前 提となるが、その条件は多様であり同じ構造物 であっても、その費用はみな異なることがあり 得る。
現行の積上げ積算はこれらの諸条件をある程 度標準化し、一定の施工プロセスでの様々な条 件の組み合わせの基で構成されている。
確かに施工条件の組み合わせによっては、
様々な条件に対応することができ、よりきめ細 かな積算が可能である。
一方、全ての諸条件を網羅することは実際に は困難であり、あくまで想定であり、現実的に は異なる場合が生じるのが多いと思われる。
そこで、今回はこの標準化された施工条件等 の組み合わせからできるだけ一般的な条件を検 討、設定することにした。
また、一般的な条件とするためには、諸条 件の組み合わせをクロスさせることは際限がな く、本目的ではないので条件の固定化を行った。
施工条件と積算条件の概要を示すと以下の通 りである。
(2)積算条件の簡素化
施工条件の標準化を踏まえ、積算条件につい ては積算基準をベースに項目の標準化と範囲の 絞りこみを行った。
標準化については主として運転機械の規格で 一般的な条件を、範囲の絞り込みでは管径につ いて発注の多い規格を選定した。
①管種の設定
管種については現行の積算基準に歩掛設定 がある4種別を採用した。
・鉄筋コンクリート管
・硬質塩化ビニル管
・強化プラスチック複合管
・リブ付硬質塩化ビニル管
②管径の設定
管径については、比較的使用頻度が多い呼 び径 150 〜 600mm の 9 規格を選定した。
「主要資材管径及び管種別発注延長(国土 交通省公表資料)」の資料(図 -3,4)によると、
開削工事で使用される 管種でみると、200
㎜以下が管種合計で全体の 92.3% 占めてお り、450 ㎜まででは 98.4%とほとんどを占め ており、そのうち塩化ビニル管のウエイトが 大きいことがわかる。
表 -3 設定条件
項 目 条 件
1. 施工区分 昼(時間的制約なし)
2. 土質区分 普通地盤砂質土 3. 施工延長 30 m / スパン
4. 掘削方法 機械施工(バックホウ排出ガス対策 型:第1次基準値)
5. 基礎 砂基礎厚 100mm 管底 90°(リブ付 塩ビ管は砕石基礎)
6. 発生土運搬 DID 区間有
図 -3 管径別発注延長割合(平成 17 年度)
(陶管〜その他合成樹脂)
図 -4 管径別管種別発注延長割合(平成 17 年度)
(3)単価の設定の合理化
単価設定は積算基準に準拠するものとし、資 材価格は「積算資料(財団法人経済調査会発 行)」、労務費は「公共事業労務費設計単価(国 土交通省公表)」、機械損料は「建設機械等損料 表(社団法人日本建設機械協会発行)」による。
ただし発生土運搬の場合、現行基準では、積 込機械と運搬機種の組み合わせや DID の有無、
運搬距離別(BH(0.8 ㎥)の場合 16 区分)などに より細分化され、運搬距離では凡そ 0.5Km 〜
1km 単位で、また運搬日数では 0.1 日単位と、
精緻な区分で運搬日数(下表参照)が規程され ており多くの単価表が必要になる。
そこで、これらの基準単価をベースに近似式 を求め、距離をxとした場合の運搬単価 y を求 めることで合理化を図った。
なお、積込機械と運搬機種の組み合せについ ては、発生土量から勘案し BH(0.13 ㎥)→ 2 t 車、BH(0.28 ㎥ )→ 4t 車、BH(0.45 ㎥ ,0.8 ㎥ )
→ 10t 車で標準化した。
5−2 積算の簡素化比較
積算条件等を 7 項目に絞り込んで算出される 複合単価(工種単価)を条件数の設定で現行の
積上げ積算で比較してみると、下表に示すよう に、現行の 34 条件に対して 7 条件と約 8 割、簡 素化される。(軽量鋼矢板の場合)
5−3 複合単価の妥当性
今回の簡素化による複合単価が、現行の積上 げ方式で算定した場合と、どの程度の差が生じ るのか、以下の 3 条件で比較を行った。
条件は、金額への影響が大きい要素である土 被りを変えたもので、結果は以下の通りである。
これによると、「土被り 2.0 m」が 2.72%(757
円)と積上げ方式より高い単価で 3 条件のうち 最も差が大きい。
この差が許容範囲であるかどうかは利用目的 によるところであるが、最近の落札率等を勘案 すると妥当性は確保されていると考えるが、そ の評価は有用性の検討に委ねることとする。
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表 -6 土被り条件の違いによる単価比較