3.稼動分析 3.稼動分析と
3.稼動分析と T/ T / S(タイムスタディー)の違い S (タイムスタディー)の違い
1.1 分析可能範囲 1.2 定量化可能範囲
・・・人
非サイクル
サイクル作業 作業 不稼動
T
/S
W
/S
:連続稼動分析W
/S
:瞬間稼動分析トラブル対応 不良処理 長サイクル作業 長所として、少ない工程で、広い対象について、時間 のかかる作業や発生タイミングの判らない作業の定量化 を比較的簡単に行うことができる。また上図のように、
T
/S
では把握しにくい部分が定量可能というメリットがある。弱点として、瞬間観測の為質的な内容を把握しにくい。
つまり、作業ペース、作業順序、無効な作業の見分けが 難しい、作業目的が把握しにくい,個別の作業の時間 的大きさが掴み難い、個別作業改善が検討できない 等の問題がある。
よって、WSにより全体の概要を定量化し、重点的に 改善するべきポイントを見極め、そこには
TS
等対象作業 種類に適した分析・改善手法を用いるのが良い。W
/S
(ワークサンプリング)が特に有効なのは、不特定性が多い場合→上図のように不特定エリアを人が渡り歩く場合
→不特定発生サイクル作業がある場合
→作業分担が不特定な場合
時間がかかる作業を行っている場合
→作業サイクルが長い
T
/S
(タイムスタディー)が有効なのは、上図四角枠内のように一定エリア・一定サイクルの作業であり、人も固定的な工程の分析に有効である。
T/Sでは撮影したものしか分析できない(不稼動は掴み難い、非サイクル
作業も把握しにくい)が、方法・時間の関係(時間を決める条件、バラツキ)が明確になる。
4.工程分析 4.工程分析
1-1 工程分析とは
製造現場において、材料や製品がどのような手順・経路で作られるかを工程の系列で とらえ、決められた記号で表し、現状を明らかにして改善の着想を得る方法である。
1-2 工程分析の種類と目的
分析の方法は改善の目的により、
○ フロープロセスチャート (加工工程分析)
○ アッセンブリーチャート (組立工程分析)
○ 経路分析 (類似工程分析)
○ フローダイアグラム ( 流れ分析 ) などから適切なものを選び、これにより
・ 工程の構成や各工程の相互関係を明らかにすること。
・ 工程の不必要な部分を見つけ出し、改善検討対象を明らかにすること。
・ 工程の種類や順番について問題を見つけ出し、改善検討対象を明らかにすること。
が可能となり、以下の目的につなげることができる。
・ 工程系列の概要把握
・ 生産期間の短縮
・ 仕掛りの削減
・ 工数の低減
・ レイアウト改善
4.工程分析 4.工程分析
1-3 工程とは
1人の作業者、一つの設備、または一つの作業域で、ある仕事(目的)を達成するために分担している作業
範囲を工程という。工程単位への分割の考え方を以下に示す。
図表
1
工程分析の大きさ分割の大きさ程度 分割内容 具体的な例
普通(一般的)の分割
粗い分割
細かい分割
1人の作業者が、決まった作業場所
で、ある仕事を達成する為に分割 している作業範囲。「普通の分割」の
2
つ以上の工程を1
工程にまとめて一区切りとする 分析。・一般的な工程改善の場合はこの 分割は用いない。
「普通の分割」をさらにいくつかに 分割し、それぞれを
1
工程と区切っ て分析する。作業者(1人)が1台の設備を使用して 外径を切削しをロット作業で行う。
・材料取付け
・外径削り
・材料取り外し
を繰返すが、その全体を
1
工程と分析 する。本体AにB,C,Dの部品を1人の作業 者が1作業場所で組立てるが
・AにBを組付ける
・CとDを組付ける
・AにCとDを組んだものを組付ける の
3
工程に区分して分析する。熱 組立 外注
機械
材料 倉庫
上図のように大きな分割をする。
4.工程分析 4.工程分析
一般的に作業の構成・まとまりの単位の大きさを(レベル)をワークユニットといい、下図のような 段階がある。図表
1
での工程の普通の分割(青い部分)は図表2
のレベル4
にあたる。図表
2
ワークユニットのレベル例レベル ワークユニット 説 明 例
6
5
4
3
2
1
最終製品 業務 中間製品 大工程 課題 工程 単位作業
要素作業
動作
目的(完成)を果たすのに必要な 作業・業務のまとまった単位。各工程 の集結からなる最終アウトプット
いくつかの工程を経た、中間段階での 作業系列のまとまった完成状態。
決まった作業域での
1
つのまとまった 作業で、作業のサイクルとして完結を見る 単位。作業として完結する最小単位で作業 の努力度合や作業結果を具体的に 評価できる最小単位
いくつかの動作の組合せによって構成 される
1
つの作業の区切り。ストップウォッチ で測定できる最小単位作業の最も小さな単位の区分 要素作業を構成する測定可能な
・自動車組立
・製造
・エンジン組立
・機械加工
・ギア加工
・車体溶接
・材料加工
・穴あけ
・材料を取る
・ハンマーで叩く
・手を伸ばす
・つかむ
4.工程分析 4.工程分析
1-4 工程の種類
(1)
加工工程材料
,
半製品,
部品,
副資材などが「目的(完成)」に向かって変化している状態。その内容は変質・変更・変色・組立・分解からなる。
(2)
運搬工程物が1つの作業域から他の作業域へ移動する為,積込み・移動・荷卸しされている状態。
(3)
検査工程物が、その数量や品質を評価されている状態。
(4)
停滞工程物が停滞または貯蔵されている状態。
前後の工程の処理能力差などで、計画とは反して停滞している状態を滞留、計画的なもの を貯蔵とする。
4.工程分析 4.工程分析
2-1 フロープロセスチャートとは
加工工程分析とも言われ、機械加工職場で材料・部品が加工される場合などの分析で使われる。
1
つの材料や部品が各工程を通って変化していく状態を、加工される順に工程記号で上から下へ 表したものである。また同時に工程内容,
距離,
時間,
作業者の分担などの条件を明確に併記していく。素材置場(
1~4
日間)Aラインへ
30m
荒加工
1
日B
ラインへ10m
仕上加工組立職場へ
120m
加工完了品置場( 日間)
図表3
フロープロセスチャート例
(1)
〈機械加工職場〉
4.工程分析 4.工程分析
図表
4
工程分析記号記号
総時間
1単位にかかる時間×分析単位の数量 総運搬距離
1回の運搬距離×運搬回数 検査
停滞 運搬 工程分類
加工
滞留 貯蔵 管理区分 担当区分
加工 運搬 数量検査 品質検査
省略 廃却 補助記号
運搬距離・時間の表示
時間
材料,半製品,部品に変化を与える過程を表す
材料,半製品,部品の位置に変化を与える過程を表 す(直径は加工記号の1/2〜1/3)
材料,半製品,部品の量または個数を測って、基準 と比較して差異を知る過程を表す
材料,半製品,部品の品質特性を試験し、基準と比 較して差異を知る過程を表す
材料,半製品,部品が滞っている状態を表す
材料,半製品,部品が計画により貯えている過程を 表す 管理部門または責任区分を表す
工程系列の一部の省略を表す
材料,半製品,部品の一部を廃却する場合 意味
運搬距離 記号名称
担当者または作業者の責任区分を表す
4.工程分析 4.工程分析
2-2 分析の手順
① 目的・対象範囲の確認 分析の目的を明確にし、目的にあった分析の粗さ、調査項目を決定する。
また対象製品
,
分析する範囲についても決めておく。このときに多品種の場合は、
P-Q
分析、P-MH
分析により代表品種を選定 する。② 製品・工程の概要把握 分析にムダのないよう予め工程を予測しておくため、
現物見本、設計図、部品表、手順表などの資料や現場での聞き取りにより 概要をつかむ。
工程の順序に従って、
1
工程ごとに作業状況を観察し、内容を理解した上、分析表を作成する。
この際の留意点は、
・実際の現場では予測とは違う事が多いが、必ず現状を観察すること。
・作業内容、作業条件を漏らさず調べる事。
・各工程ごとにロットが違うときは明記する事。
③ 調査・分析
④ 総括表の作成 調査項目に異常がないことを確認した上、まとめとして各工程別の 工程数、時間、距離の合計を算出しておく。
2-3
参照⑤ 改善案検討
4.工程分析 4.工程分析
2-3 改善案検討
改善案の出し方として「改善の
4
原則」を着眼することが役に立つ。●
E(Eliminate:排除)
・・・ その工程をなくせないか●
C(Combine:結合)
・・・ 他の工程と 組み合わせられないか●
R(Rearrange:入替)
・・・ 工程順序を分離、入替て容易にできないか●
S
(Simplify
:簡素化) ・・・ 工程そのものを単純化できないか これにより工程数削減、時間・距離を短縮させる改善案を検討する。<改善案例>
工程
加工
運搬
検査
滞留
・ 貯蔵
工程数削減 時間短縮 距離短縮
・製品設計の変更(VE)
・材料仕様の変更
・包装仕様の変更
・他の工程と同時に行う
・待ち時間に他の作業を行う
・同時加工数を増やす
・動作のムダをなくす
・設備能力向上、自動化
・工程間距離の短縮
・自主検査の実施
・不良原因を排除し 検査をなくす
・前工程と同期化
・ライン化
・サブ組立のインライン化
・工程管理レベル向上
・運搬手段変更
・運搬ロットを増やす
・運搬容器の変更
・運搬手段の動力化
・検査用具の変更
・抜取り検査の実施
・加工の小ロット化
・部品の小ロット納入
・運搬の小ロット化
・工程の不安定要因排除
・レイアウトの変更