感染
+
+
3~4週間後に WB陽性を確認する
+ 急性感染 保留
+
-
HIV-2WBを実施 HIV-2感染疑い
- 保留
-
-
2週間後スクリーニング検査
から再検査を推奨 (-) ▲ 非感染
▲
(-)または保留 HIV-2WB
*感染リスクがある、急性感染期を疑う症状がある場合は確認検査の実施 を推奨し、陰性の場合でも感染リスクがある場合は期間をあけて再検査
WB:ウエスタンブロット法 HIV-1/2感染症の診断ガイドライン2008を参照
(+)または保留
(+)
▼ HIV-2感染
▼
病理診断領域での安全対策 151
・HIV感染検体と明示する
・ホルマリン固定(大きなものには割を入れる)
1) 迅速凍結診断
・技師は手袋・マスク着用のもと HIV汚染用クライオトームを使用して切片を作製する
・切片作製後はホルマリン噴霧にてクライオトームを消毒する
・迅速診断(ゲフリール)に使用した組織の残りはすみやかにホルマリンにいれて1週間程 度放置し、通常の過程を経て廃棄する
2) 生検病理診断
・ホルマリン固定が充分になった後プロセスする (1週間程度 )
・通常のプロセスに準じて行う
・ホルマリンの浸透をよくするために大きな臓器では割を入れる 3) 細胞診
・技師は手袋・マスクを着用し、慎重に遠心機・サイト スピンを使用して細胞診プレパラー トを作製する
・使用済みの容器類はオートクレーブして通常通り廃棄する
(1) 一般的事項
臨床サイドからは必ず HIV感染検体であることを院内感染対策マニュアルに従って事前に 通知されるはずであるが、仮に徹底されなかった場合にはその旨要望を行う。検体そのものは 赤マジック HIVと大書きする。一方、細胞診・迅速診断(ゲフリール)以外の通常の組織検体 については基本的にホルマリンにつけて提出する。
(2) 細胞診
遠心機・サイト スピンは使用後充分消毒する。操作は手袋・マスクを着用し慎重に行う。
(3) 迅速診断 (ゲフリール )
クライオトームは通常業務とは別途のものを使用する。操作は手袋・マスクを着用し慎重に 行う。
(4) ホルマリン固定臓器
原則的に通常の操作で安全であるが、ホルマリン固定を1週間程度かけ充分に行った後に病 理学的検索を開始する。大きな臓器の場合はホルマリン中で適当な割を入れ固定時間の短縮を はかるのが良い。
(5) 汚染容器などの消毒・廃棄
細胞診・組織診のプロセスに用いられた容器などはまとめてオートクレーブして廃棄する。
このためにオートクレーブは AIDS用のクライオトームと近傍の場所に設置する。オートクレ ーブ後は一般の廃棄としてよい。
(6) 万一事故が起こった場合の対処(「20.汚染事故時の対応」参照)
最も重大な行為は誤って深い切り傷をつけてしまった時である。このような時は受傷者は速 やかに業務から離れ落ち着いて消毒する。血液を極力押し出し、創部を70%アルコールや
病理診断領域での安全対策
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AI DS患者病理材料の取り扱い上の注意事項
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病理診断領域での安全対策 152
0.5%次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液で消毒し、専門医師に連絡して指示を仰ぐ。感染対 策マネージャーにも連絡する。特に細胞診プレパラート作製時には針刺し事故に注意する。万 が一針刺し事故が発生したときも切り傷と同様落ち着いて対処する。
不幸にして感染してしまう事態に対処するため事故直後の受傷者血清と1、2、3、… 6ヶ月 後の血清をペアーにして保存しておき、生検業務による感染の証拠とすることは後の保障・労 災の適用などに重要である。
誤って感染の恐れのある行為をした場合は速やかに AZTなどを服用し初期ウイルス量増加 のピークを極力抑える努力が必要である。このような努力によって、万が一感染が成立した場 合でも発症時期を遅らせることが期待できるからである。感染成立のチェックは抗 HIV抗体 に加え HIV特異的な RT-PCRを用いる。後者は鋭敏な検査法であるが、現在感度は75%であ るので注意を要する。この時は患者の HIV型が既知であればそれを参考にしたプラ イマー設 定を行う。
(1) 一般的事項
病理解剖従事者が扱う患者血量は一般的に臨床従事者の扱う血液量にくらべ著しく多い。従 って AIDS患者の病理解剖では一般の臨床的処置に比べ病原体の周囲への汚染・病理解剖従事 者への感染機会は多い。このような危険性をはらんだ病理解剖を行うにあたって主治医は解剖 により明らかにしたい疑問点を明示し、病理側はそれらに重点をおいた簡潔・明快な病理解剖 を行うべきである。この時病理解剖を遂行する者は通常の病理解剖にも増して一層の慎重な対 応が必要であることはいうまでもない。AIDS患者の病理解剖に際しては次の一般的事項を遵 守して行う。
病理解剖は業務時間内に限定して行う。解剖遂行者が充分注意力を保ちながら丁寧な業務を 行うことを可能にするためである。また必要な人員を確保できるからである。また患者が死亡 した直後の解剖を避け、少なくとも死後数時間の経過のあるものについて剖検を行う。HIV感 染者の病理解剖は病理学講座・病理部のスタッフで行う。二講座・一部門のスタッフは当番月 に関わらず協力して解剖を遂行する。
(2) 病理解剖方法
1) 病理解剖従事者の準備
剖検を行う者は通常の解剖時に使用する術衣に着替えたうえ、ディスポーザブルのフード 付きガウンを重ね着する。肘までの手袋を付ける。メスを用いる者は金属メッシュ製の手袋 をその上に付ける。術場の長靴を履き、その上にディスポーザブルの長靴カバーを付ける。
粘膜を露出してはならない。解剖見学者もウイルス汚染を受ける恐れがあるため主治医およ び最低限数の医師が解剖従事者と同様の装備で作業領域外周で待機し必要に応じて作業領域 に入る。この時見学者は剖検従事者の作業を妨害することがあってはならない。通常の服装 での剖検の見学は原則として許可しない。エアロゾール感染や万が一の血液・体液飛沫によ る感染の危惧があるからである。
2) 剖検室の準備
簡易剖検はいわゆる乾式で行い、ウイルス汚染された体液を未消毒のまま一般排水に流さ ないようにする。この目的を実現するため、解剖室の作業領域にはオートクレーブ可能な防 水シート (実験台用作業紙 )を敷き詰める。大量の70%アルコールまたは2~5%次亜塩素
AI DS患者の簡易剖検マニュアル
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病理診断領域での安全対策 153 酸水を搬入しておく。解剖後のオートクレーブのためにあらかじめ脱イオン水など必要なも のを搬入しておく。HIV感染者解剖用の解剖器具が一セット揃えてあるのでそれらを使用 し、通常解剖の器具と混合しない。なお、剖検は感染対策剖検室を使用する。
3) 剖検手技
剖検従事者がなるべ く大量の血液に 接し ないように するために病理解剖をい わゆる Virchow方式にて行う。この方法は Rokitansky方式に比べ臓器相互の位置関係の把握がや や難しいという欠点がある一方、血液に暴露する機会を最小限にできるという利点をもって いる。メスによる切開時に流出する血液はできるだけ消毒液の充分染み込んだガーゼ等によ って拭き取りながら剖検を行う。消毒液を満たした容器を用意しその時点で使用していない 解剖器具を浸しておく。解剖器具を必要に応じてその容器から取り出し使用する。臓器重量 は原則的に測定しない。また剖検室での臓器の肉眼写真は撮影しない。これは器具への不必 要な汚染を避けること、及び作業領域を不必要に拡大しないためである。臓器のサンプリン グは最少量に抑える。肺は全て灌流固定し割をいれない。骨削りはウイルス汚染体液がエア ロゾール状態で飛散し剖検従事者・見学者・周囲環境への影響が少なくないのでこれも最小 限度に止める。骨削りが避けられない場合はカバーをかぶせて削るが、慎重に行う必要があ る。サンプリング等で取り出した臓器は不必要に放置せず、速やかに充分量の10%ホルマリ ン液に入れて固定する。
4) 剖検後処理
剖検終了後の遺体の修復は通常通り病理技官が縫合を含めて慎重に行う。この時遺体周辺 にメス刃やハサミが絶対残っていてはいけない。遺体の修復にあたっては特に体液の漏出の 予防に留意する。このため切開創にはテーピングを行う。遺体の切開創のある部分をテーピ ング後ビニールで覆う。装束は医師・技官が協力して着用させる。葬儀係りはディスポーザ ブルの手袋を装着して、以降の処置を行う。解剖器具及び金属メッシュ手袋はメス刃・はさ みなどで傷を受けないように留意して小型のオートクレーブに入れ完全に消毒し、規定の部 位に保存する。オートクレーブの終わった刃などは通常通り破棄してよい。血液成分は過剰 量の次亜塩素酸に入れ最低一週間後排水する。次亜塩素酸の最終濃度が0.5%を割らないよ うに留意すれば HIVに対する消毒効果は万全である。この時血液成分の入った次亜塩素酸 のバケツは剖検室から出してはならない。床に敷き詰めた防水シートは大型のオートクレー ブにいれて消毒し廃棄する。同様にディスポーザブルの術衣も大型のオートクレーブで消毒 後廃棄する。これに続いて長靴カバー・手袋も消毒する。
(3) 感染の恐れのある事態が起きてしまった時の対処(「20.汚染事故時の対応」の項参照)
最も重大な行為は誤って深い切り傷をつけてしまった時である。このような時は受傷者は速 やかに病理解剖から離れ落ち着いて消毒する。血液を極力押し出し、70%アルコールや0.5%
次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液で消毒する。針刺し事故を予防するために剖検室には注射 針を入れない。注射針は金属メッシュ製の手袋を容易に突き抜けるからである。万が一針刺し 事故が発生したときも切り傷と同様落ち着いて対処する。不幸にして感染してしまう事態に対 処するため事故直後の受傷者血清と1、2、3、…6ヶ月後の血清をペアーにして保存しておき、
病理解剖業務による感染の証拠とすることは後の保障・労災の適用などに重要である。誤って 感染の恐れのある行為をした場合は速やかに AZTなどを服用し初期ウイルス量増加のピーク を極力抑える努力が必要である。このような努力によって、万が一感染が成立した場合でも発 症時期を遅らせることが期待できるからである。感染成立のチェックは抗 HIV抗体に加え HIV特異的な RT-PCRを用いる。後者は鋭敏な検査法であるが、現在感度は75%であるので