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体重減少は HIV感染者でよく見られる症状である(30%程度といわれている)。ここでは、合 併する日和見感染や悪性腫瘍によらない、10%以上の不自然な体重減少、30日以上続く慢性の発 熱、30日以上続く1日2回以上の下痢症状を呈することを HIV-1消耗性症候群と定義する。ま たは、過去において HIV感染症によると考えられる体重減少が認められ、BMIが20未満の患者 を指す。

合併する感染症や腫瘍の否定:特に鑑別を要する疾患として、クリプト スポリジウム、MAC 感染症、結核、ヒストプラズマ、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫などが挙げられる。

経腸栄養剤:エレンタール6~8袋 /日 エンシュアリキッド 6~9缶 /日 止 痢 剤:タンニン酸アルブミン3~4g/日

ロペラミド塩酸塩2C/日(6Cぐらいまで増量して有効な症例もある)

遺伝子組み換え型ヒト成長ホルモン製剤:セロスティム5mg/日 連日皮下注12週間 作 用 機 序:窒素バランスの改善、蛋白同化作用、脂肪異化作用

臨 床 成 績:除脂肪体重の増加、体脂肪の減少による患者 QOLの改善

臨床的意義:治療後の体重及び除脂肪体重増加とエイズ発症率・死亡率との関連は不明 副 作 用:体液・Na貯留により浮腫・関節痛・筋肉痛・高血圧が見られることがある。

欧米ではこれら以外に、合成プロジェスティン・アナボリックステロイドやサリドマイドも試 みられている。

参考文献

1) AnnInternMed 1998;129:18 2) AIDS 1999;13:1195

3) ClinInfectDis 2003;36:S69 4) ClinInfectDis 2003;36:S74

5)2005-2006 MedicalmanagementofHIVinfection

6) TheSanfordguidetoHIV/AIDStherapy 2006-2007(2006.7)

(第三内科 橋野 聡 2009.08)

HI V- 1消耗性症候群

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1 臨床症状

2 診断方法

3 治療方法

原発性リンパ腫 70

HIV感染後に起こる原発性リンパ腫は AIDS関連リンパ腫といわれ、持続性全身性リンパ節腫 脹(PGL)との鑑別が必要で、種々の画像診断と病理組織診断が重要である。HIV感染それ自体 は直接的な発癌性はないと考えられているので、EBV、HHV8など種々のウイルス再活性化やサ イトカインの産生異常、あるいは癌遺伝子の活性化が、病因の一つに考えられている。AIDS関 連非ホジキンリンパ腫の発生頻度は、HIV感染者では一般人に比較して200~600倍高いとさ れ、AIDS患者の生涯で約5~20%に合併するため、患者の長期予後を規定する最重要因子とい える。他の日和見疾患は HAART採用後その発症頻度が減少してきたが、非ホジキンリンパ腫の 発症は減少していないとする報告が多い。HIV感染の診断がされておらず AIDS関連リンパ腫で 発症して病院を訪れる「いきなりエイズ」症例もあるが、施設当たりの症例経験数が少なく、難 治性かつ再発性で、エイズ特有の合併症も多く、標準的治療の早期確立が望まれている。

(1) 臨床的特徴

1) 悪性リンパ腫で頻用される AnnArber分類の、B症状(発熱、盗汗、体重減少)を呈する ことが多く(75~85%)、同時多発性のものが多い。

2) 節外性リンパ腫(中枢神経系、消化器系、骨髄浸潤など)の形態をとるものが多く、診断 時に stageIVのものが多い。

3) CNSリンパ腫が高頻度にみられ、しかも無症状のものも多い。また、画像上トキソプラズ マ症との鑑別が困難である。

(2) 病理学的特徴

1) リンパ腫細胞の帰属が、B細胞性のものが多い。

2) 組織学的には、immunoblastic、diffuselarge、Burkittに分類される、悪性度の高いもの が70~90%と多い。

画像診断(X-P、CT、MRI、GIS、CS、67Ga-Scinti、FDG-PETなど)と病理組織診断(生 検、骨髄穿刺、腰椎穿刺など)が主体となる。

(1) 治療の原則

1) 治療することによる骨髄抑制、免疫不全の進行が原疾患に与える影響と、治療困難な CNS 原発が多いことが問題となる。

2) 多剤併用化学療法を施行する場合、doseattenuationや G-CSFの使用などに工夫が必要で ある。

3) 日和見感染予防対策を、十分に並行して施行する必要がある。

4) HAART:HAART導入により化学療法後の骨髄抑制や日和見感染症がコントロールしや

原発性リンパ腫

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臨床症状(AI DS関連リンパ腫の特徴)

1

2 診断方法

3 治療方法

原発性リンパ腫 71 すくなり、結果として AIDS関連リンパ腫の完全寛解率が有意に上昇した。化学療法併用時 の HAART薬剤選択には、抗腫瘍薬の血中濃度に影響を与える CYP3A阻害作用が少なく、

骨髄障害の弱いものを組み合わせるとよい。

(2) 治療の実際

CHOP療法(3~4週間毎に 4~6サイクル)

CY750mg/㎡ ivday1 ADM50mg/㎡ ivday1 VCR1.4mg/㎡ ivday1 PSL60mg/㎡ poday1~5

1) CHOP療法がスタンダードレジメンと考えられるが、HIV非感染者と異なり、高度免疫不 全状態では潜在的な骨髄機能が低下しており、上記の薬剤をそのまま使用できないことが多 い。CDE、EPOCH療法で良好な成績を得たとする報告もある。

2) non-AIDSで CD4陽性細胞が200/μ渥以上であれば通常量を、AIDSの状態もしくは CD4 陽性細胞が100/μ渥以下であれば減量を考慮し、日和見感染の既往歴のあるものは、さらに減 量する。

3) 非 HIV感染者における R-CHOPといった標準的治療が確立しておらず、rituximabは CD4 陽性細胞が50/μ渥以下の場合には治療関連死亡が生じやすくなるので使用しない場合が多い。

4) CNS原発のものは、40Gy程度の放射線照射がファーストチョイスのことも多い。

HAART時代に入って、AIDS関連リンパ腫の予後は幾分改善し、平均生存期間の中央値は 2年となった(HAART導入以前は1年以内)。治療抵抗性あるいは再発症例に対しても、自 家末梢血幹細胞移植により長期寛解を得られる症例がある。

参考文献

1)治療学 HIV感染症(2001.1)

2)BrJHaematol2001;112:863 3)JClinOncol2004;22:1491

4)HIV感染症とその合併症:診断と治療のハンドブック.HIV研究班(2005.3)

5)医学のあゆみ AIDS治療:2005-2006(2005.6.4)

6)2005-2006 MedicalmanagementofHIVinfection

7)エイズ関連非ホジキンリンパ腫(ARNHL)治療の手引き ver0.9.HIV研究班(2008.11)

(第三内科 橋野 聡 2009.08)

予 後

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