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1 企業の概要

1-1 創業:Ⅲ-1社の創業は1951年、設立は1956年である。

現在の製造拠点は、本社工場の他に地方工場1カ所がある。

1-2 主な製品:自動車用内外装部品、自動車用ドア構成部品、衛星放送アンテナ用金具、

複層ガラス取付用アタッチメント、自動車、電機、建築用部品等。

1-3 従業員数:63名。

1-4 主な取引先:AH社、S工業、TS社、S電機のほか、自動車部品、電機部品、建 築部品関連の企業である。

2 属性別従業員構成

従業員の男女比はほぼ同じで、男性30名、女性33名となっている。従業員のほぼ半数の32 名がパート社員で、そのうち男性は6名、女性が26名である。

従業員の平均年齢は43~44歳である。最高齢は63歳、もっとも若い従業員は20歳代。仕事 の上では40歳代の経験15~20年くらいの従業員が中心になる。

同社の定年年齢は60歳で、最高齢(63歳)の従業員は定年後に再雇用され、準社員として 働いている。本来であれば再雇用は2年間(62歳まで)であるが、その後も働いてもらって いる。仕事内容は定年前と同じである。

近年の従業員数の変化は若干の変動はあるが、60人くらいで推移している。過去数ヶ月に 自己都合による退職者が3名出たとのことである。

直接雇用の従業員を採用するときは、ハローワークや求人雑誌、新聞の折り込みなどを利 用している。同社で行う作業は単純作業が多く、難しい作業ではないので、募集の際に条件 をつけず、「年齢・経験不問」で募集している。応募してくる人には「よい人、使える人、

仕事上の役割をきちんとこなせる人」がなかなかいないということである。

従業員の過不足状況については、やや過剰で、もう少し減らしたいということである。

直接雇用の従業員の他に、生産量にあわせて1~3人の間接雇用(請負社員)を活用して いる。いずれも30歳代の男性である。間接雇用を利用する理由は、コストが安いからである。

同社の直接雇用従業員に比べて2割程度コストが低いという。また、生産量にあわせて人数 の増減が容易であることも間接雇用を利用する理由である。請負会社は従来から同じ会社を 使っている。請負会社からおくられてくる人材の能力、経歴等について条件を付けることは ない。ただ、2名の人は固定的とのことである。

3 外国人労働者の雇用について 3-1 最近の外国人労働者の雇用状況

Ⅲ-1社の本社工場では最近まで2名の外国人労働者を雇用していた。2名とも女性で、

配偶者が日本人であった。

2名の外国人労働者の採用に当たっては、履歴書の職歴と面接をした。在留資格を確認し、

パートタイマーとして雇用した。両者ともまじめに仕事をしてくれそうだったし、Ⅲ-1社 の近所に住んでいたことも採用した。

日本語能力は、流暢というわけではなかったが、日常生活や簡単な仕事をこなす上では問 題ない程度だった。

主な仕事の内容はいわゆる単純作業である。日本人社員が仕事の仕方を指導した。難しい 作業ではないので、すぐに(仕事を)おぼえ、日本人に混じって仕事をこなした。

賃金や労働時間など、日本人のパートタイマーと同じに処遇した。残業もこなしてくれた し、日本人社員の評判もよかった。

2名の外国人労働者の健康保険については、配偶者の保険か国民健康保険に加入していた のではないかとのことである(同社のパートタイマーは日本人も保険に加入していない)。 彼女たちは6カ月くらい働いたが、現在は退職した。退職の理由は「家庭の事情」とのこ とである。

3-2 以前の外国人労働者の雇用について

Ⅲ-1社のある地域では外国人労働者が比較的多いとのことであった。最近は以前ほどで はなくなったが、数年前までは男性の外国人労働者がたびたび応募してきた。中には「飛び 込み」で仕事をさせてほしいという外国人労働者もいた。しかし、不法滞在の外国人労働者 だったらしく、資格が確認できなかったので、採用しなかった。

外国人労働者が多くなったのは20年くらい前。20~30歳くらいの男性の外国人労働者が周 辺の企業にも多くいた。同社でも、上記の2名の女性以外に何人か外国人労働者を雇用した ことがある。ある外国人労働者を採用した時には、会社がアパートを借り上げ、外国人労働 者を住まわせた。カタコトの日本語しか話せなかったが、まじめに仕事をしてくれた。しか し、しばらくすると「悪い」友人(出身国が同じらしい)がアパートに何人も集まって暮ら すようになり、その後仕事を辞めた。

これまで雇用した外国人労働者には2~3年働いていた人もいるが、まじめに仕事をしな い人はすぐに辞めてもらったこともある。

外国人労働者を雇用すると、仕事の仕方を教えたり、安全に注意したり、現場の日本人の負 担が重い。

なお、地方工場では外国人労働者を雇用した経験はない。また、間接雇用で外国人労働者が きたことはない。

4 研修生・技能実習生の受け入れについて

同社では本社、地方工場ともにこれまでに研修生・技能実習生を受け入れたことはない。

時々受け入れの照会があるが、研修生・技能実習生を受け入れるとなると研修などの指導で 負担が重いので、受け入れを考えたことがない。

5 今後の外国人労働者の受け入れについて

今後、外国人労働者を雇用するとしてもせいぜい2~3人までで、配偶者が日本人の外国 人労働者に限って対応する。これまでの経験から、外国人労働者は就業の継続性がなく、不 安定なので雇用する人数も限度があるとのことである。

日系人、技能実習生は比較的少ないがものづくり現場が集積する地域の製造業

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