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1 企業概要

1-1 創業:1961年。

1-2 業種:金型部品製造業。耐摩耗性に優れた超硬合金(タングステン、コバルトから 作る)をはじめ、コンパックス、セラミックス、鉄、非鉄金属、樹脂等の材料に、主に自動 車部品製造のためのゲージ、治具、工具、電子部品製造のための精密金型部品を扱っている。

特に、同社のミクロン単位の精度に対応する研磨技術を活かした製品が多い。

1-3 従業員数:8名。

1-4 主な取引先:自動車関連メーカーや電機通信関連メーカーをはじめとする取引実績 がある(現在は自動車部品メーカーが主)。自社製品がないので、業績にはユーザー企業の 影響が大きい。海外企業との競争の影響はあまりない。同社で扱っている製品の納期が短く、

少量多品種だからである。

2 従業員構成

従業員数8名のうち女性は5名、そのほか役員2名である。従業員数の推移は若干減少傾 向で推移している。

従業員(役員を含む)のうち、5名が研磨を担当しており、残り5名が検査、梱包、営業 を担当している。

従業員のうち最年長の人が46歳、一番若い人が19歳、平均年齢は約35歳である。

同社の従業員の主な経歴は、研磨、加工を担当している2名は他社での就業経験を有する が、3名は同社内で育成した。

従業員の過不足状況は、あと3名くらいほしい。若年者が望ましい。「年配者でも全く同 じ仕事を経験してきた人ならばいいが、社内をかき回したり、先輩風を吹かしたりするよう なことがあると困る」

派遣社員、業務請負は受け入れていない。技術を必要とする仕事なので、派遣や請負では 対応できない。

3 外国人雇用について

同社では現在、ベトナム出身者(難民)を1名雇用している。また、過去にはこの社員の 家族を雇用していた経験がある。

外国人労働者を雇用した経緯は、現在の社員の兄弟(自動車関連メーカーで溶接の仕事経 験あり)が同社で仕事をしていたが、その後、家族を呼び寄せたので、家族計5人を雇用す るようになった。両親は50歳前後、子供は20歳代、10歳代が2名。雇用形態は、両親がパー

ト、子供3人は正規従業員。

日本語能力は多少わかる程度でそれほど高くなかった。

仕事内容は、父親が周辺業務と補助作業、母親と子供(女性)が検査、子供(男性)2名 は研磨加工を担当した。

仕事の指導は、検査については女性従業員が指導した。当時は電子部品関係の仕事があり、

子供(女性)は視力がよかったので、顕微鏡を使い製品の寸法を測定する仕事を担当しても らった。また、子供(男性)が就いた研磨加工の仕事指導は男性従業員がおこなった。その 後、母親と子供(女性)は電子部品関連の仕事がなくなるまで約4年働いてもらった。また、

子供(男性)は家庭内の事情で他社に移った。

外国人労働者を雇用するにあたり、はじめは社内にも抵抗があった。また、仕事上の安全 指導が理解されず、外国人社員との間で小トラブルになったこともあった。

外国人労働者の処遇(賃金、賞与、社会保険等)は日本人と同じ。ただし、住宅は会社が 費用負担して借り上げた。

現在働いている子供(男性)は同社の中心の1人になって働いている。仕事については、

工場長が図面の読み方を教え、C A Dと

Wi r

は講習に行かせた。外国人社員が「給料を上げ てもらうにはどうすればいいか」質問してきたので、「技術を身につけること」とこたえた。

勉強が好きで、技術向上につながることは積極的に取り組み、仕事をがんばる。仕事のスケ ジュールを伝えて日本人従業員はダメというときでも、外国人社員は(結果がだめなことも あるが)トライする。

雇用管理上気をつけていることは、仕事上の指示を復唱させるようにしている。

外国人社員は結婚し、小学生の子供がいる。既に日本に定着している。

研修生・技能実習生の受け入れ経験はない。

4 人的資源管理 4-1 採用

最近の採用状況は、一昨年、従業員に2名退職したが、高校新卒者(普通高校出身)1名 を採用した。現在研磨の仕事に就いている。若年者を採用したいが、今年は採用できなかっ た。

現在、募集を行っている。募集経路はハローワーク。募集の要件は、若い人であれば未経 験者でもかまわないが、経験者の場合は5~6年以上の経験がある即戦力が望ましい。その 他、職業訓練校へも募集を行っている。

4-2 教育訓練・能力開発

入社後の教育訓練は、最初は工場長が基本的なことを教え、その後、各担当者が機械のお おまかな操作を教える(1か月単位くらい)。1つの機械についてはそこそこ使えるように なる。作業では簡単な作業からスタートし、仕上げはベテランの従業員が行う。しかし、全

体的な仕事の流れを読めるようになるまではかなり時間がかかる。先の作業を読まないと仕 事の流れがスムーズにいかない。

研磨の仕事は、未経験者が仕事に就いてから一人前になるまでには器用な人でも数年、ふ つうは10年程度かかる。研磨以外の検査等の仕事でも図面を読めなくてはらないので、1~

2年の経験が必要。

5 ものづくりの状況と今後について

技術の継承については、社長の息子と甥に期待している。自社製品をもって会社を運営し てくれることを期待している。

以前は外国人労働者から「雇ってくれ」と電話がかかってきた。しかし、同社の仕事が技 術を必要とする特別なものであるので断った。また、在留資格をたずねると電話が切れると いうこともあった。工業団地の看板をみて電話連絡をするらしい。

今後の外国人受け入れについては、仕事に真剣に取り組み、定着して長期的に働いてくれ るならば可能性がないわけではない。短期的な就労ではダメ。ベトナム人ならば今の従業員 が通訳をしてくれるので、受け入れやすいかもしれない。

なお、同社では研究開発を行う上でコストと人材がかかり、現状では対応が難しいことを 考え、海外(ベトナム)への進出を考えている。ベトナム人社員ががんばっていてくれるの で、海外進出しても企業の設立がスムーズにいくと思われること、ベトナム人の勤勉さを活 用したいからである。

また、同社のユーザーが海外生産を行っているので、仕事を受注できるメリットもある。

日系人、技能実習生は比較的少ないがものづくり現場が集積する地域の企業

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