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高橋の定理

ドキュメント内 II I Riemann 2003 (ページ 93-96)

第 4 章 Riemann 部分多様体 79

4.3 高橋の定理

定理 4.2.9 MRn+r内のコンパクトn次元Riemann部分多様体とする。Mの 各点pの接ベクトル空間TpMk次元部分ベクトル空間Tp0が存在し、Tp0 内の任 意の2次元部分空間σの断面曲率Kσが、Kσ 0を満たすと仮定する。このとき、

r≥kが成り立つ。

証明 MRn+rへの挿入をx:M Rn+rで表す。M 上のC級関数ff(p) =hx(p), x(p)i (p∈M)

で定める。M はコンパクトだから、fはMのある点p0で最大値をとる。Rn+rの Levi-Civita接続を˜で表すことにすると、任意の接ベクトルX ∈Tp0Mに対して、

0 =Xf = 2h∇˜Xx, x(p0)i= 2hX, x(p0)i

が成り立つ。これより、x(p0)はMの法ベクトルになる。Mの第二基本形式をh で表すことにすると、

X2f = 2h∇˜XX, x(p0)i+ 2hX, Xi=hh(X, X), x(p0)i+ 2hX, Xi. fp0で最大値をとるので、X2f 0が成り立つ。よって、X 6= 0に対して

0≥ −hX, Xi ≥ hh(X, X), x(p0)i となり、特に、h(X, X)6= 0となる。

M の断面曲率に関する仮定とGaussの方程式を使うと、X, Y ∈Tp00に対して、

0≤ −hR(X, Y)Y, Xi=hh(X, Y), h(Y, X)i − hh(X, X), h(Y, Y)i となり、

hh(X, X), h(Y, Y)i ≤ hh(X, Y), h(Y, X)i

を得る。以上より、h:Tp00 ×Tp00 →Tp0Mは補題4.2.8の仮定を満たすので、r≥k が成り立つ。

4.2.10 非正断面曲率を持つコンパクトn 次元Riemann多様体は、R2n1

Riemann部分多様体にはなり得ない。

4.3. 高橋の定理 91 補題 4.3.2 MRN 内のRiemann部分多様体とし、その挿入をx:M RN で 表わす。Mの第二基本形式と平均曲率ベクトルをそれぞれhHで表わす。Mの Levi-Civita接続とLaplacianをそれぞれと∆とすると、

h=2x, ∆x=−H

が成り立つ。特に、M が極小部分多様体になるための必要十分条件は、xが調和 関数になることである。

証明 RNのLevi-Civita接続を˜ で表す。例3.5.7より、M上のベクトル場X, Y に対して

(2x)(Y, X) =Y Xx−(YX)x=Y X − ∇YX = ˜YX− ∇YX =h(Y, X) となるので、xのHessian 2xMの第二基本形式に一致する。

∆x=tr(2x) = tr(h) = −H

となるので、xのLaplacian ∆xは−Hに一致する。Mが極小部分多様体になると いうことはH = 0ということであり、xが調和関数になるということは∆x= 0と いうことだから、Mが極小部分多様体になることとxが調和関数になることは同 値になる。

定理 4.3.3 (高橋) MRN 内のn次元Riemann部分多様体とし、その挿入を x : M RN で表わす。ある0でない定数λが存在し、xが∆x = λxを満たす と仮定すると、λは正の定数になり、M はRN内の原点中心で半径p

n/λの球面 SN1(p

n/λ)の極小部分多様体になる。逆に、MがRN 内の原点中心で半径aの 球面SN1(a)の極小部分多様体ならば、λ = n/a2とおくと、xは∆x = λxを満 たす。

証明 まず、ある0でない定数λが存在し、xが∆x=λxを満たすと仮定する。

補題4.3.2より、

−H = ∆x=λx

となる。λ 6= 0だから、Mの各点でベクトルxMの法ベクトルになる。よって、

M の任意のベクトル場Xに対して、hX, xi= 0となり、

Xhx, xi= 2h∇˜Xx, xi= 2hX, xi= 0.

よって、関数hx, xiは局所的に定数になる。そこで、局所的にhx, xi=r2とする。

−λx = H =D H,x

r Ex

r = 1 r2

X

i

hh(ei, ei), xix= 1 r2

X

i

h∇˜eiei, xix

= 1 r2

X

i

hei,∇˜eixix=1 r2

X

i

hei, eiix=−n r2x.

これより、λ =n/r2となり、λは正の定数であって、r =p

n/λが成り立つ。特に、

hx, xiM全体で一定値n/λをとる。したがって、挿入xの像は球面SN1(p n/λ) に含まれる。

Mの球面SN1(p

n/λ)内の第二基本形式をh0とし、平均曲率ベクトルをH0で 表わす。さらに、球面SN1(p

n/λ)RN内の第二基本形式を˜hで表わすことに すると、Mの接ベクトル空間上でh=h0 + ˜hが成り立つ。よって、

H =X

i

h(ei, ei) = X

i

h0(ei, ei) +X

i

h(e˜ i, ei) =H0+X

i

˜h(ei, ei).

Hxに比例しているので、特にSN1(p

n/λ)に接する成分は0になる。よって H0 = 0が成り立つ。つまり、Mは球面SN1(p

n/λ)内の極小部分多様体になる。

逆に、MはRN内の原点中心で半径aの球面SN1(a)の極小部分多様体である と仮定する。

H =X

i

h(ei, ei) =X

i

h0(ei, ei) +X

i

˜h(ei, ei) =X

i

h(e˜ i, ei)

より、Hはxに比例する。よって、

∆x = H =D H,x

a Ex

a = 1 a2

X

i

hh(ei, ei), xix= 1 a2

X

i

h∇˜eiei, xix

= 1 a2

X

i

hei,∇˜eixix=1 a2

X

i

hei, eiix=−n a2x.

そこで、λ=n/a2とおくと、∆x=λxが成り立つ。

定理 4.3.4 (高橋) コンパクト等質Riemann多様体Mの線形イソトロピー表現が 既約のとき、M は球面の極小部分多様体になり得る。

証明 MはコンパクトRiemann多様体なので、∆の0でない固有値はすべて正 で可算個存在し、各固有値の固有空間は有限次元になることが、楕円型偏微分作 用素の理論から知られている。そこで、∆の0でない固有値λを一つとり、Vλを その固有空間とする。すなわち、

Vλ ={f ∈C(M)|∆f =λf}.

Mの等長変換群の単位連結成分をGで表すと、Gはコンパクト連結Lie群になり、

Mに等長推移的に作用する。さらに、GはC(M)にL2内積に関して等長的に作 用し、Gの作用は∆の作用と可換になるので、固有空間Vλを不変にする。Vλの 正規直交基底f1, . . . , fNをとり、

˜

x(p) = (f1(p), . . . , fN(p)) (p∈M)

4.4. Simonsの不等式 93

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