第 3 章 配光特性の検証と反応器性能への影響
3.2 気中での配光特性
3.2.2 高圧水銀灯
3.2.2.1 実験装置及び方法
図3-10に紫外線強度計を用いて測定した高圧水銀灯(日本フォトサイエンス製:H-400、
発光長:75 mm)のUV照度の測定範囲を示した。ランプは室温25℃一定の条件で、ラン プは水平に点灯し、UV照度が安定したことを確認してからUV照度の測定を行った。測定 には紫外線強度計トプコンUVR-2(受光部:UD-25)を用いた。電源電圧は定電源装置を 用いて、一定の電圧とした。内部照射型流水式 UV 照射反応器の形状として、高圧水銀灯 を用いた反応器の場合、一般的には円筒形の流路に対してランプ軸が円筒軸と直行してい
0.1 1 10
100 1000
UV照度[mW/cm²]
ランプ中心から直角方向の距離:r [mm]
z=700mm z=400mm z=200mm z=0mm
拡散光 z=700mm 拡散光 z=400mm 拡散光 z=200mm 拡散光 z=0mm 拡散光 z=700mm 拡散光 z=400mm 拡散光 z=200mm 拡散光 z=0mm
図3-9 低圧水銀灯のUV照度測定結果と拡散光モデルとの比較
26
る。そこで、図に示したように発光長Lに対して測定範囲は概ねzが-2LからL/2まで、r が2Lから11Lまでとした。
図 3-10 紫外線強度計を用いた高圧水銀灯の UV 照度測定範囲
3.2.2.2 実験結果
測定結果を図3-11に示した。横軸はランプ中心から直角方向の距離、縦軸はUV照度、
各キーはランプ端部からz軸方向の受光点の位置である。図中の直線は点光源モデルである 距離の二乗に反比例した場合の傾きを示すが、rが発光長の約10倍である700 mm以上に なるとzの位置に依らずこの直線に一致していることがわかる。
L
2 L~11 L -2 L~1/2 L
0.1 1 10
100 1000
UV照度[mW/cm²]
ランプ中心から直角方向の距離:r [mm]
z=37.5mm z=0mm z=-75mm z=-150mm
図3-11 高圧水銀灯のUV照度測定結果 点光源モデル
27 3.2.2.3 各モデルとの照合
測定した実験結果の内の1つを用いて、式(2)、式(7)、式(8)からそれぞれに含まれている 定数を求めた。角度特性の影響が最も少ないr = 862.5mm、z = 37.5 mmと、最も測定位置 がランプに近いr = 162.5 mm、z = 37.5 mmを選んで、kP、kS、kDを求めた。その結果を表 3-2に示した。
表3-2 照度測定に使用した高圧水銀灯の測定位置rが異なる場合の各配光特性内の定数
UV照度測定位置 kP kS kD
r = 862.5 mm、z = 700 mm 19.3 mW/cm 220 mW/cm 220 mW/cm r = 162.5 mm、z = 700 mm 99.9 mW/cm 220 mW/cm 222 mW/cm
異なるrの位置によって半径光モデルの定数は大きく異なったが、透明光と拡散光のモデ ルではその値がほぼ一致した。この値を用いて各モデルの計算結果と測定結果を比較した。
その結果を図3-12~3-14に示す。計算結果は**光 z=***mmで、測定結果のキーで 示した。透明光と拡散光のモデルでは、kS、kDに220 mW/cmを用いた。
半径光モデルではrによってkPが異なったので、r = 862.5mmの場合に求めた定数を使 用して計算した結果を実線で、r = 162.5 mmの場合を点線で図3-12に示した。図中の計算 結果と測定値とを比較すると、zがランプ中心もしくはランプ端部の場合はrの変化に対す るUV照度の変化が計算より測定値の方が大きかった。
28
図3-13に示した透明光モデルでは、zが37.5 mmと0 mmでは測定値と概ね一致した。
zが-75 mmと-150 mmでrが600 mmを越えた付近から測定値の概ね一致した。zが-75 mm と-150 mmでrがランプ近傍では一致しなかった。
0.1 1 10
100 1000
UV照度[mW/cm²]
ランプ中心から直角方向の距離:r [mm]
z=37.5mm z=0mm z=-75mm z=-150mm P-Calc.
P-Calc.
図3-12 高圧水銀灯のUV照度測定結果と半径光モデルとの比較
◆ ■ ▲● r=162.5mm
r=862.5mm
29
図3-14に示した拡散光モデルでは測定値と概ね一致しており、特に、透明光モデルでは 一致しなかったランプ近傍で発光長方向に中心から離れた位置でも良好に一致した。よっ て、本実験条件においても高圧水銀灯の配光特性を算出するには、拡散光モデルが適当で あることがわかった。本実験では波長254 nm付近に受光感度があるセンサーを使用し、低 圧水銀灯のような輝線ではないが高圧水銀灯にもこの波長に発光分布のピークがある。こ の波長は低圧水銀灯のところで示したように、水銀による自己吸収があるため、配光特性 が拡散光に近似できたものと考えられる。式(3)と式(4)はcosθが1であれば、両者は同じ 式である。ゆえに、cosθがほとんど1となる条件では透明光と拡散光の両モデルは概ね同 じ計算結果となった。
0.1 1 10
100 1000
UV照度[mW/cm²]
ランプ中心から直角方向の距離:r [mm]
z=37.5mm z=0mm z=-75mm z=-150mm
透明光 z=37.5mm 透明光 z=0mm 透明光 z=-75mm 透明光 z=-150mm
図3-13 高圧水銀灯のUV照度測定結果と透明光モデルとの比較
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