第 5 章 流水式円筒形光反応器の直径及び単純な照射場における流動状態による性能への
5.5 考察
5.5.2 各反応器の流れ挙動
流動特性として考えられるモデルには槽列モデルと栓流モデルがある。そこで、ここで は各反応器に対していくつかの段数の槽列モデル、栓流モデル、及び第 4 章で示した層流 栓流モデルを用いて実験結果と比較した。ここで求めた不活化速度式は本実験期間中の大 腸菌群すべてに適用できると仮定した。
槽列モデルでは段数を1~5段の中から4つを選び、各槽のUV照度を平均して次式から 生残率を求めた。槽列モデルの1段とは連続完全混合流モデルを意味する。
) 29 (
) 28 (
) 27 (
(26) d 1 exp
exp
1
0 0
0 0
nQ V
S S
D I
D
t t D
t S I
n i
i avi
avi i
ここで、Iaviはi段目の平均UV照度[mW/cm²]、S iはi段目の生残率[-]、τは1段分の平均滞 留時間[s]、n は段数[-]である。栓流モデルでは槽列モデルと同様に段数nを101として計 算した。UV透過率は表5-2、5-3に示したそれぞれの反応器での値を用いた。
5.5.2.1 ランプ1本タイプ反応器での計算結果
計算結果を反応器ごとに図5-6から図5-10に示した。すべての反応器が層流栓流モデル に一致するとはいえなかった。反応器50Aと80Aを除いて、それら以外の反応器について 実験結果と計算結果を比較すると、反応器100Aは5段以上の槽列モデルに近似する可能性 があり、150Aは5段の槽列モデルに一致したが、ともに層流栓流モデルとは一致しなった。
反応器250Aでは1段の連続完全混合流モデルと層流栓流モデルの中間に実験結果があった。
計算結果だけを比較すると、以下のことが考察される。いずれの反応器においても流れ 挙動が栓流モデルの場合に、最も不活化性能が高くなっている。不活化性能が高いことを 最適とするなら、栓流モデルでは反応器径が大きいほど最適で、槽列モデルでは同じ段数 で比較すると反応器径が大きいほど最適となった。層流栓流モデルでは水の透過率の影響 を受けているので図示された結果をそのまま考察できないが、反応器径が50Aより大きく、
150Aより小さいところに最適が存在している。
65 0.0001
0.001 0.01 0.1 1
0 0.1 0.2 0.3
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 3 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-6 反応器50Aの実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
0 0.1 0.2 0.3
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 3 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-7 反応器80Aの実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
66 0.0001
0.001 0.01 0.1 1
0 0.1 0.2 0.3
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 3 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-8 反応器100Aの実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
0 0.1 0.2 0.3
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 3 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-9 反応器150Aの実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
67
5.2.2 ランプ4本タイプ反応器での計算結果
計算結果を反応器ごとに図5-11と5-12に示した。実験結果と計算結果を比較すると、両 反応器とも層流栓流モデルとは一致しなかった。また、ランプ 1 本タイプ反応器での結果 と異なり、反応器150A-4では横軸の値が大きくなるとともに栓流モデルから右へ外れてい く傾向を示し、反応器250A-4では実験結果が3段の槽列モデルに一致する結果となった。
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
0 0.1 0.2 0.3
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 3 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-10 反応器250Aの実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
0 0.02 0.04 0.06
生残率[-]
1/Q [hr/m³]
Data n = 1 n = 2 n = 4 n = 5
層流栓流モデル 栓流モデル
図5-11 反応器150A-4の実験結果と各流動特性で算出した計算結果比較
68