第 6 章 UV による微生物不活化に与える濁度の影響と流水式放射光反応器による不活化性
6.1 緒言
6.2.1 事前調査
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第 6 章 UV による微生物不活化に与える濁度の影響と流水式放射光反応器によ
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心に、ランプ電力16 W発光長276 mmの低圧水銀灯1本が外径25 mmのランプスリーブ 内に入っている。出入口管の内径は15.7 mmで反応器と直角に位置し、その軸の中心は反 応器の両端部より30 mmにある。この反応器の概略図を図6-1に示す。
図 6-1 実験に使用した流水式反応器の概略図 6.2.1.2 実験方法
10 m³のタンクに水道水を約3m³貯水し、チオ硫酸ナトリウムで次亜塩素酸ナトリウムを 中和した後、MS2ファージを10⁶ PFU/ml程度になるように調整した。この水にネスレ日 本製ネスカフェゴールドブレンドインスタントコーヒーを加えて水の透過率を変化させた。
反応器が温まらない程度に少量を通水しながら点灯したランプが安定するまでの時間が経 過した後、所定の流量を通水して反応器の容積の3回以上を放流した後採取した。このMS2 ファージの UV による不活化速度を調べるためにペトリ皿を用いて回分系での不活化実験 を行った。その結果を図6-2に示した。MS2の定量は環境微生物工学研究法に準じ、プラ ーク数を測定した。
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この回分系の不活化実験用反応器に用いたペトリ皿は液深さ18mm で、上部液面を石英 ガラス板で封じて満水にしてスターラーで被照射液を撹拌した。図に示した UV 照射量は 照射時間と水のUV透過率を考慮した平均UV照度の積である。UV照度は液面位置で石英 ガラス板がある場合とない場合を UV 照度計(ウシオ電機製紫外線積算光量計 UIT-250、
受光部UVD-S254)を用いて測定し、その平均値を用いた。図より1次反応であることか
ら、次式で示される不活化速度定数D₀をその傾きから求めた。その結果、この不活化速度
定数は8.55 mJ/cm²であった。
) 94 ( exp
0
B11
D
S It
ここで、SB11は回分系の不活化実験でのMS2ファージの生残率、IはUV照度、tは照射 時間である。
6.2.1.3 実験結果
水の透過率は調整の結果、波長254 nm液厚さ1 cmで96.8%、89.9%、75.0%となった。
各透過率での生残率を反応器内の平均滞留時間で整理して図6-3に示した。
-4 -3 -2 -1 0
0 20 40 60 80
Log(MS2生残率)[-]
UV照射量 [mJ/cm²]
図6-2 1回目事前実験でのMS2を用いた回分系不活化実験結果
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図中のCalc. 数値%は各水の透過率における計算の結果であり、これ以上も同様に表記し
た。本章の実験条件はランプ1本タイプであることから、5章で定義した式(34)のhPに1.5 sを代入してηPを算出した結果、0.99以上 であった。よって、計算には流れモデルは図 6-1に示したAゾーンとCゾーンは栓流モデル、Bゾーンは層流栓流モデルとし、配光特 性は拡散光モデルを採用し、x、y、z軸方向を100等分して計算した。式(8)のkDは17.0
mW/cmであった。計算では反応器の形状を両端にキャップのない円筒型とした。
栓流モデルでの生残率SP1は次式となる。
) 95 101 (
0 av
/
00
P1
n
i
I
iD
S D
ここで、Iaviは円筒軸に直角方向断面でのUV照度計算結果の平均値、nはAゾーンもし くはCゾーンのx軸方向に100等分したうちの数で本反応器では13である。層流栓流モデ ルでの生残率SLP1と、全体の生残率S1は次式となる。
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0
0 5 10 15 20
Log (MS2生残率)[-]
平均滞留時間 [sec]
UVT=96.8% UVT=89.9% UVT=75.0%
Calc. 96.8% Calc. 89.9% Calc. 75.0%
図6-3 1回目事前調査でのMS2を用いた通水実験結果
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) 97 (
) 96 ( 2
101 2 exp
101 1
LP1 2 P1 1
0 100
1 av 0
10
1 LP1
S
S S
D n n I
S
n n j
j n
n j
ここで、Iavjは図6-1で示したBゾーン流れ方向に対する断面のUV照度の平均値である。
計算結果は実験結果と概ね一致した。ゆえに、5章で示した流動モデルは本反応器におい て、1つの検証を確認できた。