等
ヲ サ
ス
文
、
是 以 下 詞 如
レ
文、
(
五 三 五
a
)
一 四 八
「
恁 麼
の
功 夫
」
と は
南 嶽
の こ
と ば を 指 し
、
「
薬
山
の
会
」
と は
最
初の
「
兀 兀 地
思 量 什
麼
、
思 量 箇 不 思 量
底
」等 を 指 す
の
で
あ
る
。
こ
れ 以 下
の こ
と ば は
文
の
と お
り
。
第 九 段(
7)
仏 祖
の
光 明 に 照 臨
せ ら る る と
い
ふ は、
こ の
坐 禅 を
功
夫参
究 す る な り。
お ろ か な る と も が
ら は、 仏 光 明 を あ や
ま り
て
、
日 月
の 光 明
の
ご と く
、
珠 火
の
光 耀
の ご と く あ ら ん
ず
る、
と お
も
ふ
。
日 月
の
光 耀
は
、
わ つ か に こ
れ 六 道 輪 廻
の
業 相 な り
、
さ ら
に
仏
光 明に
比 す
べ か
ら ず
。
仏 光 明 と
い ふ は、 一 句 を
受
持 聴 聞し
、
一 法
を
保
任 護 持し
、
坐 禅 を 単 伝 す る
な り
。
光 明 に て ら さ る る
に お よ ぼ ざ れ ば
、
こ の
保
任 な し、こ の
信
受
な
ぎ
な り
。
か つ せ つ
し か
あ
れ ば す なは ち、
古 来 な り と
い
へ
ど も、
坐 禅 を 坐
禅
な り と し れ る す く な し。
い
ま 現 在 大 宋 国
の
諸
山 に、 甲
刹
の
主 人 と あ
る も
の
、
坐 禅 を し ら ず
、
学
せ
ざ
る お ほ し
。
あ き ら め
し れ
る
あ り と
い
へ
ど も、
す
く
なし
。
諸 寺
に
も と よ り 坐
禅
の
時 節
さ だ ま れ り
。
住
持
よ り 諸 僧、
と も
に 坐 禅
す
る を 本
分
の
事
と せ
り
。
学
者
を 勧 誘 す る に も
、
坐
禅
を す す む
。
し
か
あ
れ ど も、
し れ
る
住 持 人
は ま れ な り
。
此 坐 禅
ヲ
光 明
ト 云
文、
ト 不
レ
可
二
心 得一
丈
、
日
月 珠 火
等
ノ
光
ヲ
光 明
こ の 坐 禅 を
「
光 明
」
と い
う
の で
あ る
。
理 解
す
べ
き
で は な
い の で
あ
る
。
「
日
月」
「
珠 火
」
等
の
光
を「
光 明
」
と
第
九
段〔)8
こ の
ゆ え
に、
古
来よ り 近 代
に い た る ま で
、
坐 禅 銘 を 記
せ る
老 宿一 両 位 あ
り
、
坐 禅
儀
を 撰
せ る 老 一宿 両 位
あ
り
、
坐 禅 箴 を 記
せ る 老 宿一 両 位 あ る な か に
、
坐 禅 銘、
と も
に
と
る べ
き と
こ
ろ な し
、
坐
禅
儀、
い
ま だ そ
の
行
履
に
く ら し
。
坐
禅
を し ら ず
、
坐 禅 を
単
伝せ
ざ
る と
も
が ら
の
記
せ る と
こ
ろ な り
。
景 徳 伝 燈 録
に
あ
る 坐 禅 箴
、
お よ び 嘉 泰 普 燈
録
に
あ る と
こ ろ の
坐 禅 銘 等 な り
。
き
エ う り や
ぐ
あ
は れ む
べ し
、
十 方
の
叢 林
に
経
歴 し 一て
生 を す ご
す
と
い
へ
ど も、
一 坐
の
功 夫
あ
ら ざ る
こ
と を
。
打 坐
す
で に な ん
ぢ
NII-Electronic Library Service
し よ う け ん
に あ ら ず
、
功 夫 さ ら
に お の
れ と 相 見
せ
ざ る こ と を
。
ろ ざ さ
ず、 倉 卒
に
迷 酔
せ る に よ り て
な り
。
是 等
ハ
皆 不
レ
可
レ
用
ト
被
レ
嫌 丈、
(
五 三
五
b
)
こ
れ 坐 禅
の
、
お の
が 身 心 を
き ら ふ に
あ ら
ず
、 真 箇の
功 夫 を
こ こ こ
れ ら は 皆 用
い
る
べ
き で は な
い
と
斥
け ら れ る の であ る
。
N
工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
第 九 段(
)9
げ ん げ んへ
ん ぽ
ん そ く り よ ぎ よ う じ や く か ん れ ん
く ん じ ゆ(
趾
)
か れ ら が
所
集は、 た だ 還
源
返 本の
様 子 な り
、
い た づ
ら
に
息 慮 凝 寂
の
経 営 な り
。
観 練 薫 修
の
階 級
に お よ ば ず
、
十 地・ 等 覚
の
見 解
に お よ ぽ ず
、
い か で か
仏 仏 祖 祖
の
坐 禅 を
単
伝せ ん
。
宋
朝の
録 者
、
あ や ま り
て
録
せ る な り、 晩 学、 す て て み る
べ か ら ず
。
是
ハ
彼 等
ヵ
所 集
ト
ハ
、
右
二
所 出 之 坐 禅 銘 坐 禅 儀 坐 禅 筬 等
、
伝
燈 普 燈 両 録
二
所 載
ノ
事 文、 彼
ヤメ
ソ グ レ ケ ウ ン ヤ ク
所 集
ノ
心 地
ハ
、
六 塵
ノ
妄
ヲ
止
ヌ レ
ハ
息 慮 凝 寂 怛 然
ト
シ
テ
還 源 返 本
ス ル
丈 ト 云
ヘ
リ
、
此
心 地 ニ
ヲ
被
レ
嫌
文
、
仏 祖
ノ
坐 禅 非
レ .
爾、 実
ニ
モ
録
ハ
俗
ア ナ カ チ
ノ
録
ス ル
丈
、
然 者 録
モ
強 不
レ
可
二
決 定一 事 歟
、
(
五 三 六
a
)
こ
れ
は
、
「
か れ ら が 所 集
」
と は
、
右 に
出 し た と
こ
ろ
の
『
坐 禅 銘
』
『
坐 禅 儀
』
『
坐 禅 箴
』
等、
『
景
徳 伝 燈 録』
『
嘉 泰
普
燈録
』の
両 録
に
載
せ た と
こ
ろ
の こ
と で
あ
る
。
そ
の
集
め た と こ ろ の
考 え
は、 六 塵
の
妄
を 止
め た か ら
、
「
息 慮
凝 寂」
坦 然
と し て
「
還 源 返 本
」
す
る の で
あ る と 言
っ
て い る
。
こ の
考 え を 斥 け ら れ る
の で
あ
る
。
仏 祖
の
坐 禅
は
そ う
で は
な
い
。
実
に
も 録
は
俗 人 が 録 す
の で
あ
る
。
そ う
で
あ れ ば
、
録 も 必 ず し も 疑
い
が な い と す
べ
き
で は な
い こ
と か
。
第 十 段(
)1
わ ん
し
ぜ
坐 禅 箴
は
、
大 宋 慶 元 府 太 白
名
山 天 童 景 徳 寺、
宏 智 禅 師 正
覚
和 尚
の
撰
せ る の み
仏
祖な り、 坐
禅 箴
な り、道
得 是
な り。
ひ と り 法 界
の
表 裏
に
光 明 な り
、
古
今
の
仏 祖
に
仏 祖 な り
。
前
仏 後 仏、こ の
箴
に
箴
せ ら れ
も
て
ゆ
き
、
今 祖 古 祖、
こ の 箴
よ り 現 成 す
る な り
。
か の
坐 禅 箴
は
、
す な は ち
こ
れ な り。
坐
禅
箴
勅
諡
宏 智 禅 師正 覚
撰
『
正 法 眼 蔵 聞 書 抄
』
口
語 訳
の
試
み
(
伊 藤
)
一 四 九
『
正 法 眼 蔵 聞 書 抄
』
口
語 訳
の 試 み
(
伊 藤
)
一 五
〇
ノ ノ
ノ
テ レ
ニ
リ ノ テ セ
ニ
ヲ ス
シ テ
レ ニ
ル ノ ヲ ナ リ ノ
テ セ ニ
ラ ス
ノ
ラ ナ リ ノ ラ
仏
仏 要 機、祖
祖 機 要。不
レ
触
レ
事 而 知、
不
レ
対
レ
縁 而 照
。
不
レ
触
レ
事 而 知
、
其 知 自 微
。
不
〆
対
レ
縁
而 照
、
其 照 自 妙
。
其 知 自
ナ ルハ
ァ
ノ
ノ
イ
ノ
ラ ナ ルハ
テ ケ
ハレ ナ
リ
テ
ク
ノ
ィ
ノ
ゥ ノ テ
ス ルコ
ト ナ
リ
テ
ク
ノ
ウ ノ テ
微、 曾 無
二
分 別 之 思
→
其 照
自
妙、
曾 無
二
毫
忽 之 兆→
曾 無一 一 分 別 之 思噛 其 知 無
レ
偶 而 奇
。
曾
無二
毫 忽 之 兆
ハ
其 照 無
レ
告
ト
ナ リ
ウ ノ テ リ
ニ
イ テ
タ リ
ツ ノ テ
ク
リ
ソ
デ
タ
(リ
22)
取
而 了
。
水 清 徹
レ
底 兮
、
魚
行 遅 遅。
空
闊
莫
レ
涯
兮
、鳥 飛 杏
杳
。
じ
ち
お の ず か
び
〈
仏 仏
の
要 機、 祖 祖
の
機 要
。
事
に
触 れ ず し て
知 り、 縁
に
対
せ
ず し て
照 ら す
。
事
に
触 れ ず
し て
知
る
、
其
の
知
、
自 ら 微 な り
。
縁
し よ
う か つ る ん ぺ つ こ う
に
対
せ
ず し
て
照 ら す、 其
の
照 自 ら 妙 な り
。
其
の 知
、
自 ら 微
な る は、 曾 て 分 別
の
思
い
無
し
。
其
の 照、
自 ら 妙 な る は、 曾
て 毫
ニ つ
ち よ う
の
忽
の
兆 無 け れ ば な り
。
曾
て
分 別
の
思
い
無 く
、
其
の
知
、
偶 す
る こ と 無
う
し て 奇 な り
。
曾
て
毫 忽
の
兆 無 く
、
其
の 照 取
る こ
と 無
り よ う き よ と お う お ち ぢ く う ひ ろ か ゑ よ う よ う
う し て 了 な り
。
水 清 う し て 底 に
徹
り、 魚 行
い
て 遅 遅
た
り
。
空 闊 う し て
涯 り な
く、 鳥 飛
ん で
杏 杏 た
り
。
〉
只 宏 智
ノ
坐 禅 箴
ヲ
被
二
讃 嘆一
ナ リ
、
た だ 宏 智
の
坐 禅
箴
を 讃 嘆 さ れ る
の で
あ
る
。
第
+ 段(
)2
だ い ゆ う
ノ
ぼ う
い は ゆ る 坐
禅
箴の
箴 は、 大 用 現 前 な り、 声
色 向 上 威 儀 な り
、
父 母 未 生 前
の
節 目 な
り。
莫 謗 仏 祖 好
〈
仏 祖
を 謗 ず る
こ
と
な
( 23)
莫 く
ん ば 好 し
〉
な り、
未
免 喪 身 失 命〈
未 だ 免 れ
ず 喪 身 失 命 す る
こ
と を
〉
な り
、
頭 長
三
尺 頸 長 二
寸
な り。
ソ
ム ィ ウ タ イ
坐 禅
箴
ノ
箴
ノ 心
地
ハ
如
二
右 注
→
用
ト
云
ハ
水 体 ヲ
ィ
ヲ
置
テ ア タ
・
カ ナ ル
ハ
用 文 ト 云
フ、 今
ノ
用 非
レ
爾、 今
ノ
用
ハ
(
五 三 六b
)
以
二
坐 禅一 為
レ
用
カ ウ
故
、
大 用 現 前
ト
云 文
、
声 色 向 上
ノ
威
儀
ト
云
ヘ ハ
ト テ
、
声
色
ノ
上
二
又 別
ノ ヰ
キ ア
ル
ヘ
シ ト 云
ハ
ス、
ヤ カ テ
声 色
ヲ
以
テ
向 上
ノ
ヰ キ ト
・
ル
ヘ
シ
、
父 母 未 生 前
ノ
節 目
ト 云
ハ
全 生
ノ
姿 是 丈、 則 今
ノ
坐 禅
ノ
姿 父 母 未 生 前
ナ
ル
ヘ
シ
、
莫 謗 仏 二
(
/42
ツ) 祖
好
モ
坐 禅
ノ
姿
ヲ
指
ナ リ、 未
二
免 喪 身 失 命肖 今
『
坐 禅
』箴
の
「
箴
」
の
意 味 あ
い は
右
の
注
の
と
お り
。
「
用
」
(
は た ら き
)
と
い
う
の は
、
水
の
体 を お い て
、
温
か で あ る
の は 用 で あ る と
い
う
。
今
の
用 は そ う
で は
な
い
。
今
の
「
用
」
は 坐
禅
を
「
用
」
と
す
る の で
あ る か
ら、
「
大 用 現 前
」
と
い
う
の で
あ
る
。
「
声 色 向 上
の
威
儀
」
と
い
う
か
ら と
い
っ
て
、
声 色
の
上
に べ
つ
の
威 儀 が あ る は
ず
で
あ
る と は 言 わ な
い
。
そ
の
ま ま
「
声 色
」
を
「
向 上
の
威 儀
」
と 取
る
べ
ぎ
で あ る
。
「
父 母 未 生 前
の
節 目
」
と い
う
の は、 全
生
の
姿 が
こ
れ で
あ る
。
す な わ ち
、
今
の
坐 禅
の
姿 が
「
父 母 未 生 前
」
で
あ
ろ
う
。
「
莫
謗 仏 祖 好」
(
莫 謗
の
仏 祖
)
も 坐 禅
の
姿 を 指 す
の で
あ る
。
「
未 免 喪 身 失
命
」
は
、
今
の
坐 禅 が
「
喪 身 失 命
」
(
凡 夫
の
身 命 が な く な る こ と
)
で
あ
る
。
「
頭
NII-Electronic Library Service
ノ
坐 禅
ロ
ソ
喪 身「 失 命
ナ
レ
、
頭 長
三 尺 頸 長
二
寸
ナ
ム
ト云
ヘ ハ
、
サ
ル
異 形
ナ
ル モ
ノ・
ア ラ
ム ス ル
様
二
聞
ユ
、
非
二
其 儀
ハ
今
ノ
坐 禅
ノ
上
ノ
頸 長
イ
何カ
程
ナ
ル ヘ
キ ソ、 三 尺
二
寸
ノ
(
五
三 七
)a 詞 非
二
尺 寸「 無 縫 塔
ノ
高
サ
七 尺 八 尺 ト イ
ヒ
、
世 界
ノ ヒ
ロサ一 丈
ナ
ム
ト イ
ヒ
シ程
ノ
丈 尺
ナ リ
、
凡 見
ノ
寸 尺
二
不
レ
拘 尺 寸 道 理 ナ リ
、
長 三 尺 頸 長 二
寸
L
な ど と
い
え ば
、
そ
の よ
う な 異 形 で
あ
る
も
の
が あ
る よ う に
受 け 取 ら れ る
。
そ
の こ と
で は
な
い
。
今
の
坐 禅
の
上 の
頸
の
長 さ は ど れ
ほ
ど
で
あ
ろ う か
。
「
三
尺
」
「
二
寸
」
の こ
と ば
は 尺 寸
(
長
さ
)
で は な い
。
「
無 縫 塔
の
高 さ 七
尺 八 尺
」
と
い ( 25) い
、
「
世 界
の ひ ろ 一さ
丈
」
な ど と 言
っ
た ほ
ど
の
丈 尺 で
あ
る
。
凡 夫
の
見
方の
丈
尺
に か か わ ら な い
尺 寸
の
道 理
で
あ る
。
N
工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
第
+ 段(
)3
仏
仏 要 機。仏 仏
は か
な ら ず 仏 仏 を 要 機 と
せ る
、
そ の
要 機
現 成せ
り
、
こ
れ 坐 禅 な り
。
機
ハ
可 発
ノ
義 丈 ト 云、 機
ト 云
ハ
、
仏
二
成
ヘ
キ 機
ヲ
置
テ、 此 機 万 行 万 善
ヲ
修
ス
レ
ハ
成 仏
ス ト
心
得
文
、
祖 門
二
機
ヲ
談
ス
ル
ニ
ハ、
ヤ カ テ 以
レ
仏 為レ
機 文、 故 仏
≧
ハ
仏
≧ ヲ
要 機
ト
セ
リ トハ
ア
ル
文
、
(
五 三 七
b
)
其 要 機 又 坐 禅
ナ リ ト
云 文
、
「
機
」
は 可 発
の
意 味
で
あ
る と
い
う
。
「
機
」
と
い
う
の
は
、
仏
に
成
る
べ
ぎ
「
機
」
を お
い て
、
こ の
機
が 万 行 万 善
を 修
す
る か ら 成 仏 す
る と 理
解
す るの で
あ
る
。
祖 門
で
機
を 説
く 時
に は
、
そ
の
ま ま 仏
を
機
と する
の で
あ
る
。
だ か ら
「
仏
仏
は
〔
か な ら ず
〕
仏 仏
を 要 機 と せ
り
」
と あ
る
の で
あ
る
。
そ
の
「
要 機
」
は ま た
「
坐
禅
な り」
と
い う
の で
あ
る
。
第 十 段
(4
) 祖 祖 機 要
。
( 26
)
先 師 無 此 語 な り
、
こ の
道 理
、
こ
れ 祖 祖 な り
。
法 伝・ 衣 伝 あ り
。
三 世 諸 仏 六 代 祖 師 不
レ
云
詞
ア リ
ト テ
、
如
三
世
『
正 法 眼 蔵 聞 書 抄
』
口
語 訳
の
試 み
(
伊 藤
)
「
三
世 諸 仏
・
六 代 祖 師
、
言 わ ざ
る 詞 あ り
」
と
い
っ
て
、
「
如
三
世 諸 仏 説 法 之 儀
式
、一 一五