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食材及び資材調達流通システムの構築

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Ⅰ.食材の仕入れ 

  日系の外食企業が中国現地の店舗で使用する食材の仕入れは、主に①中国現地から調達す る、②日本を含む海外から輸入するという2つの方法がある。とくに野菜、果物などの生鮮農産 物に関しては輸入規制、輸入手続きの煩雑さ、国際輸送コストも含めたコスト問題、鮮度維持な どの問題から直接現地の卸売市場または卸売業者経由で調達することが多い、一方で、日本か らの輸入食材は日本酒、焼酎などのアルコール類が最も多く、その他に日本料理の基本である 調味料が多い。 

   

Ⅱ.中国現地の調達ルートと特徴 

進出している日系外食企業の現地調達は一般的に以下のルートがある。 

1.ローカルの小売・卸売市場 

とくに生鮮食料品は現地の「露天市場」(青空市場)、スーパーマーケット、「農貿市場」(「自由 市場」)、卸売市場から調達されている。 

◆  「露天市場」(青空市場) 

中国伝統的な販売方法である。販売されている生鮮産品は比較的新鮮で、かつ経営手段が 柔軟性に富み、回転も速い。ただし最近は縮小する傾向にある。 

◆スーパーマーケット 

  経済の発展にともなって、中国国内は近年ローカル系、外資系のスーパーマーケットが急速 に増えている。スーパーマーケットはサプライヤーに対して事前確認をする以外に、実際に納品 される際、全量チェックまたはサンプリングチェックを行うなどの品質管理が行われている。 

 

◆  「農貿市場」(自由市場) 

「農貿市場」は、従来から消費者が農産品を購入する場所であり、多くの消費者から多大な支 持を受けているが、最近は、スーパーの売り場に移行しつつある。一般的に、価格はスーパーよ り安い。 

(図4−1)中国農産品の流通経路 

   

◆卸売市場 

中国では北京市、上海市をはじめとする主要都市及び地方都市には多くの卸売市場が設置 され、各地の生鮮食品流通の中で重要な位置を占めている。例えば、上海市には、食材、副食 材、魚、肉、果物の卸売市場が多く存在している(表4−1を参照)。これらの卸売市場では膨大 な数量の生鮮食品を集荷し、出荷者ごと、品目ごとの価格を決め、迅速・確実な代金決済を可能 にする場として高く評価されている。しかし、仕入れの際には、食材の品質、鮮度、価格にばらつ きがあり、特に注意が必要である。 

また、卸市場は一般的に朝市(2:00〜5:00)、昼市(13:00〜18:00)、夜市(20:00〜18:00)の 3回取引が行われる。 

 

◆その他 

高級食材は高級食材取扱スーパー、専門店からの調達ルートもある。 

  (表4−1)上海主要食材卸売市場 

取扱食材の主要種類 名称 所在地

食材 真新市場 曹安路1501号

食材 大場市場 宝山区真大路559号

食材 曹安路市場 武寧路2255号

食材 華江市場 江橋鎮華江路1115号

食材 農中心市場 沪南路2000号

食材 十六鋪市場 老太平弄189弄

食材 高湖市場 成山路958号

食材 嫩原市場 嫩江路1185-1187号

食材 七宝市場 江陽北路88号

副食材 上海中山副食品卸有限公司 上海市古宜路170弄1号   副食材 江陽農副産品交易市場 上海市宝山区江杨路 88 号

魚 上海銅川路海鮮市場 銅川路185号

肉 上海呉淞肉類卸市場 上海市宝山区吴淞安达路241号

果物 普陀山華水果卸市場 上海市闵行区龍吴路 3188 号 果物 上海共和水果物土特産卸市場 上海市纪蕴路288号

果物 上海寧国水果卸交易市場 上海市黄興路1515号  

 

2.ローカルの日系卸売業者 

卸売市場からの調達ルート以外に、ローカルの卸売業者や進出している日系卸売業者からの 調達も多い。 

中国の卸売業者は、カテゴリーごとの零細専門業者が多いという特徴から、数多くの卸売業 者と取引する必要がある。このため管理費用が高まる。ただしこれは一極集中リスクを回避でき るとも言われている。地元の卸売業者を見つける方法は、さまざまあるが、卸売市場でダイレクト に見つけるのもひとつの手法である。 

 また、進出している日系卸売業者(輸入業者)からの調達も可能である。日系卸売業者は中国 の流通領域の規制緩和によって進出が加速している。例えば上海、北京に進出している「石橋 水産品有限公司」は日本から食品を輸入するのみならず、中国国内の食材の調達も行っている。

日系卸売業者から調達すると日系外食企業のニーズについて熟知しているため、より高品質の サービスを提供してもらえる。 

3.食品加工企業 

 日本市場は例えばうなぎのタレと一緒にパックされたうなぎが容易に入手できる。中国の市場 では加工済み食材は現地ではまだ少ない。このため外食企業は自らか調理する必要がある。こ れだけ手間がかかることである。セントラルキッチンのように自社工場をつくるという方法も検討 できるが、規模条件の関係からセントラルキッチンを設置する日系外食企業はまだ少ない。選択 肢として現地の食品加工企業に依頼する。この場合は、詳細な仕様を説明し、引き渡す必要が ある。 

 中国には多くの日系食品企業が進出し、日本向けの食材(例えば魚肉練りの製品など)を生産 している。これらの加工食品企業は中国に進出している日系外食企業にも供給している。 

 

4.日本からの調達状況と品目 

 日本からの食材輸入は清酒や鮭などの他、保管が容易な燻製の海産品、調味料の輸入はみ られる。一部のホテルに入居している日系飲食企業にヒアリングを行ったところ色が鮮やかでサ イズが大きい日本産りんごを輸入したいと試みたが、高価格のため仕入れを断念したとのことで あった。 

 

Ⅲ.食器、調理設備など資材の調達 

厨房設備や備品について、日本国内でチェーン展開する店舗には自社専用の調理設備を使 用するが、中国において特に同様の設備が必要ということではないため、中国現地で調達する ケースが最近増えてきている。 

日本で厨房設備を発注すれば、厨房設備メーカーが厨房の仕様などを決めるが、中国メーカ ーでは、こうしたサービスがないところが多い。そうした場合は、外食企業は自分の必要な設備 を考えながら現地で調達できる厨房設備を当てはめていくという作業を行うことは必要である。ま た、日系の現地メーカーから調達する方法もある。 

 

食器に自社店舗のロゴや模様を印刷する必要があれば、必要な仕様で発注して仕入れてい ることもできる。 

ある会社の場合は、厨房設備はローカルメーカーの設備を調達したが、餃子焼き機について は日本から輸入していた。その他、備品等も現地で調達していた。 

 

Ⅳ.日本産品への輸入規制 

 日本では、BSE、鳥インフルエンザ、スクレピー、豚コレラの発生があったため、日本からの牛 肉、家きん肉、羊肉、豚肉及びそれらの加工品は 2007 年 3 月現在輸入禁止となっている。生鮮 植物(野菜、果実)の場合は、輸入できる品目は、以下のものである。 

①  輸入実績のあるもので、現在は、りんご、なしのみである。 

② 有害生物のリスク評価を受けたものである。輸入実績のない植物は、まず有害生物のリス ク評価を受ける必要がある。現在、日中間政府では、米(2007 年 4 月より解禁)、かき、もも、

ぶどう、いちご、さくらんぼ、キウイフルーツ、すいか、メロン、かんきつ類、長いもの 11 品目 について協議中である。 

ヒトの食用に供する水産動物(活水産動物及び繁殖材料を除く)及び藻類など水生植物並び にこれらの加工品については、中国に輸出する際には、日本の公的機関発行の衛生証明が必 要である。この証明書は、都道府県の保健所、保健所所在市及び特別区の保健所で発行され る。 

 

Ⅴ.食材の輸入検疫・衛生検査・通関 

 中国で農林水産物・食品を輸入する際には、動植物検疫、商品検査、衛生検査という『三検』を 受けなければならない。これらの業務は検験検疫局が実施する。 

1.輸入検疫・衛生検査・通関手続 

1)各種動物性産品、水産品の輸入検疫と通関 

輸入する際には、輸入検疫が行われる。輸入者は、検疫申請書とともに、検疫局に対して輸

出国である日本の農林水産省などの監督機関が発行した『動物検疫証明書』、『原産地証明書』、

中国検疫局が発行した『進境動植物検疫許可証』を提出しなければならない。すべての必要書 類を揃え申請すれば、5〜13 営業日で判定が出る。ただし、実験室検査が求められる場合は、さ らに 5〜10 営業日がかかる。 

検査結果が合格であれば、検疫局から『衛生証書』または『入境貨物検験検疫証明書』が発 行される。(表4−2)を参照されたい。 

(表4−2)動物性産品及び水産品の輸入検疫手続の流れ 

業務の流れ 管轄機関 必要とする書類および検査内容 所要日数

・貿易契約書または協議書

・領収書

・送り状、受領書

・梱包明細

・『検疫証明書』の正本

 (日本の農林水産省などの関連官庁機関が発行)

・『原産地証明書』

・『中国進境動植物検疫許可証』など

・『入境貨物調離通知単』

※輸入港検疫局から受け取る

・貨物と申請書記入の相違有無、包装検査、腐敗変質の 有無など

・産品の色、光沢、粘度、弾力性、組織状態、臭いなど

・理化指標、微生物指標

『進境動植物検疫許可証』を発行した際に、定めた加工 工場での生産・保存について検疫監督を行なう

検査必要期間 は普通の場合 5〜13営業日 実験室検査が 必要な場合は さらに5〜10営 合格の場合 業日延長

  『衛生証書』あるいは『入境貨物検験検疫証明』

不合格の場合

  『検験証書』(積戻し用、返品用)あるいは   『入境検験検疫処理通知書』(廃棄処分用)

輸入港検疫局 動検処産品科 申請事前準備

検験検疫申請

検査実施 現場検査 官能検査 実験室検査 検査結果通知

合格の場合 不合格の場合 検疫監督管理

 

2)生鮮植物及びその製品の輸入検疫と通関 

輸入者は、『入境貨物報検単』(『検疫申請書』)とともに、検疫局に対して日本の農林水産省 などの監督機関が発行した『植物検疫証明書』の原本、『原産地証明書』、『衛生証明書』、さらに 中国の検疫許可証管理品目に該当した場合は、中国検疫局が発行した『進境動植物検疫許可 証』を提出しなければならない。(表4−3)を参照されたい。 

 書類検査を経て試験室検査が必要とされる場合、主な検査内容は次のとおりである。 

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