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店舗出店・施設・衛生条件

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Ⅰ.オフィス・店舗の確保 

  店舗の取得にあたって賃貸と使用権の購入の2つの方式がある。中国では、外国人及び外資 企業が営業所、事務所、商店及び工場などのビジネス用途ための土地賃借・使用権の購入を認 めている。 

1.土地使用権購入の場合 

  中国では土地は公有のものである。このため個人や企業による土地の所有権は認められない。

外資企業は一般的に以下の方法で土地使用権を取得している。 

①外資系企業は直接区から土地の払下げを受け、自ら直接土地使用権を取得する 

②土地使用権のある者から賃借する 

③合弁企業の場合は、中国側出資者によって現物出資により取得する 

土地の使用権期間は住宅用地、工業用地などの用途によって異なる。外資企業の土地使 用期限は一般的に経営期限までとされる。使用期限後には、政府により無償回収される(表3

−1)。 

(表3−1)用途別土地の使用可能期間 

用途  使用可能期間 

住宅用地  70 年 

工業用地  50 年 

教育・科学技術、文化、衛生、体育用地  40 年  商業、観光、娯楽用地(飲食店を含む)  40 年 

総合またはその他用地  50 年 

   

「中華人民共和国土地管理法」及び「中華人民共和国土地管理法実施条例」に基づき、外資 企業は自ら直接土地使用権を取得する場合は土地登録手続を行い、国家国土資源局から『土 地登記証』、『土地使用権証書』を取得しなければならない。中国側の出資者が土地使用権を現 物として出資する場合は、国家国土資源局から許可を受けることが必要である。審査許可後、外 資企業は関係部門から『土地使用権証書』を受領する。 

 

2.賃貸の場合  1)賃貸手続 

  理想的な物件を見つけたら正式な賃貸手続に入る前に、まず物件所有権を確認することが大 切である。一般的に持ち主の『土地使用権』または『房産証』(建物所有権利書)を確認する。問 題がなければ借り側が手付け金を支払う。一般的には、この段階では、会社設立の手続が済ん でいないことが多く、通常合弁の場合は中国側が立替で支払いを行う(図3−1)。 

 

(図3−1)賃貸の手続   

                 

物件所有権の確認

物件の仮契約

賃貸契約

契約書の認証

・『土地使用権』『房産証』を詳細に確認する

・手付金を支払う。

・賃貸契約を締結する

・房地産管理局にて契約書の認証を受ける

2)賃貸相場と期間 

賃貸物件の相場と期間は地域によって異なるが、一般的に、1㎡当たり 1 日の賃料が表示さ れ、管理費は1㎡当たり1ヶ月として計算されることが多く、25 元〜35 元が相場である。 

日本のような礼金などのものは存在しないが、保証金は「家賃+管理費」×3 ヶ月分が必要と なる。また、前払家賃の慣行(2ヶ月)が存在する。 

上海、北京、広州中心地の物件は非常に高い。また同じ都市でもストリートごとに相場も違う。

例えば上海の一級地である「淮海路」は多くの高級レストランやデパートが進出しているため、こ の地域の賃貸物件は他の地域に比べると高く、10〜30 万元/月・200〜300 ㎡と桁違いの高さで ある。賃料は一概には言えないが、参考までに上海市地域別のオフィス賃料相場は以下の通り である(表3−2)。 

 

(表3−2)上海のオフィス賃料目安(元/㎡・日) 

グレード  A 級  B 級  C 級 

9〜12  6〜8  4〜5 

賃  料 

(㎡・日)  森ビル・国際貿易中心  遠東国際大厦  新華聯商厦 

※ 出所:スターツ株式会社  http://www.starts.co.jp/taiwan   

  外食店舗の展開にあたって、賃貸期間に対する協議は重要である。賃貸期間が短すぎると、

契約更新にあたって家賃料金がすぐ引き上げられる可能性がある。とくに中国の場合は、人気 のある地域では貸し出し側は短くする傾向がある。一般的な賃貸期間は2〜3年となる。 

  以下、中国で順調に展開しているある日系外食企業の場合であるが、同じ上海でも場所によっ て賃貸金額はかなりの格差が出ていることがわかる。 

(表3−3)場所別賃料の格差  店名  虹橋上海城店(1 号店)2005  年 5 月

9 日オープン 

浦東新上海商業城店(2 号店)2005 年 7 月 オープン 

所在地  上海市長寧区遵義路 100 号  上海城 外囲街 A7 

上海市浦東新区張揚路 579 号  (上海第一 八佰伴すぐ隣) 

店舗面積  230m2  (1F+ロフト+2F)  240m2  (1F+2F) 

座席数  92 席  (+テラス 12 席)  100 席 

営業時間  11:00〜23:00  10:00〜22:00 

賃料  48,000 人民元/月(約 72 万円/月) 120,000 人民元/月(約 162 万円/月) 

出所:『日系企業の中国外食市場参入手法と戦略分析』、株式会社矢野経済研究所   

3)面積表示・内装・設備 

  中国の面積表示は一般的に㎡で表示されるが、日本と異なり公共部分を含んでいることに注 意が必要であり、このため、専用面積は一般的に3〜4割程度を差し引いたものとなる。また、内 装・設備及びそのメンテナンスはテナント側の負担が原則である。内装がない状態で引き渡され た物件では、原則的に退去時に現状復元する必要がある。 

工事費は、ケース by ケースではあるが、ある会社の上海虹橋の店舗(70 坪)の店舗工事費用 は約 2,000 万円を使用したとのことであった。単純計算で坪単価では約 30 万円となる。なお施工 の品質は、日本よりも相当に劣るといわれるが、施工管理自体は日本の会社に依頼すれば問 題はないとしている。 

4)店舗の探し方 

  中国で店舗を探す場合、不動産会社の仲介によるケースが最近増えてきてはいるが、直接持 ち主に交渉するといった方法も相変わらず少なくない。オーナーは個人と法人の両方がある。 

   

3.不動産にかかわる税金 

  不動産に関わる税金は大きく分けると①都市不動産税、②契約税、③土地増値税の3種類が ある。 

  ①都市不動産税 

不動産に関わる税金として都市郷鎮土地使用税、不動産税、都市不動産税がある。いずれも

日本の固定資産税のようなものであるが、外資系に対しては都市不動産税のみが適用されてい る。課税対象地域内家屋の所有及び貸与によって税率は異なる。所有の場合は 1.2%、貸与の 場合は 12%である。 

②契約税 

土地使用権及び建物の売買、贈与、交換等を行うときに契約税がかかる。つまり不動産取得 税に近い税金である。最近は税金の徴収が確実になってきている。税率は3%〜5%である。 

③土地増値税 

国有土地使用権及び建物・付属設備の譲渡として土地増値税がかかる。土地増値税は不動 産の譲渡から得られた課税標準額に規定税率を乗じて計算される。  土地増値税の税率は、3 0%から60%となる。 

これらの不動産関係の税金は、将来、不動産税制として整理されて統一した税制となることが 予定されている。 

 

Ⅱ.店舗環境基準・衛生基準 

会社設立がされていても、実際に外食店舗展開の条件を満たさないと営業許可証を取得する ことができない。また、営業許可証取得後に、日頃の営業活動において環境保護、消防、衛生、

税務の基準などに一致しない場合、罰則または営業停止といったことが起きる可能性がある。 

『飯館(餐庁)衛生標準(GB16153−1996)』に基づき、飲食店の営業開始に対して、店舗環境 基準の視点から①シンクなど一般の厨房基本設備、②食器消毒機、冷蔵冷凍庫、③空調、④浄 水設備、⑤油煙浄化装置、⑥隔油槽、⑦防蝿ファンまたは蝿よけライト、⑧防音装置、⑨消防安 全設備などの設備の整備が必要である。 

1.店舗環境基準 

  店舗の環境基準は各地域が条例を作り、管理している。上海市の場合は『上海市飲食服務業 環境汚染防止管理規定』において、①飲食店舗の出店場所に関する規制、②油煙排出方式、浄 化設備の設置に関する規定、③廃水排出規定、④騒音その他の汚染防止などを定めている。 

1)飲食店舗の出店場所に関する規制 

  市内中心部、新興地区及び繁華街における飲食サービスの開業に際しては、以下の事項に沿 って行う。 

  ①住宅地より相当距離を確保するものとする。油煙放出口は病院または学校より 10m以上離 れていること 

  ②建物の設備構造に関して、専用の排煙設備など汚染防止設備を有する 

  ③建物の高さが 24m以下の場合、建物の高さより油煙口は低く設置すること。建物の高さが 24m以上の場合、環境汚染対策上好ましい高さに油煙口を設置すること。 

2)油煙排出と油煙の浄化規定 

『中華人民共和国国家基準飲食業油煙排出基準(GB18483-2001)』に基づき、すべての飲食 業企業は油煙浄化設備を設置しなければならない。また、経営規模に相当する設備が条件付け られており、油煙排出方式についても規定されている。油煙の浄化設備の稼動記録が必要であ る。所在地域の環境保護部門からの監督検査或いは簡易検査に協力しなければならない。検 査基準に合致していなければ期限内に是正し、2000 元〜30000 元の過料が科される。期間が過 ぎても改善されない場合は、業務停止、閉鎖が命じられる場合もある。 

  さらに上海市は『上海市飲食服務業環境汚染防止管理規定(2004 年 1 月 1 日施行)』を制定し ている。飲食店の入居できる建物に対して、建物の建築構造として専用の排煙設備、汚染防止 設備の設置を規定している。具体的な設定範囲は上海市環境保護局が公布している。 

3)ゴミ処理の規定 

  各地域には、飲食店、レストランのゴミ処理について管理弁法を策定されている。 

上海地域は『上海市レストラン厨房ゴミ処理管理弁法』に基づき、飲食業者が排出生ゴミの処 理に関して規定している。主に以下の内容である。 

・飲食業者は年度ごとに衛生局に生ゴミの種類と産出量を報告することを義務つげられている。

また、その処理方法にも禁止事項がある。違反した場合、行政勧告、罰金などの処罰規定が適 用される。 

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