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中国外食マーケット

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Ⅰ.中国経済と物価 

1.中国の経済特徴 

中国の経済は、この十数年、改革開放により大きく成長してきた。経済指標のひとつである GDP からみると、2004 年は、対 2003 年比 9.5%の成長を実現し、2005 年は対 2004 比年 9.9%の 成長となり、経済規模は世界 4 位となった(図5−1)。経済成長に伴って中国の個人所得も高ま っている。1993 年、就職者のうち、800 元/月収入の割合は 1%であったが、2002 年には 52%と なった。収入の増加とともに、生活消費支出指数も 1993 年より 60%向上した。都市部住民の可 処分所得は 1985 年の 437 元から 2004 年の 4,552 元まで伸びた(図5−2)。 

 

  (図5−1)

中国の経済成長

  (図5−2)都市部住民の可処分所得推移   

         

出所:『中国統計年鑑』2004 年、2005 年など    

       

0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 140000 160000

78年 82年 88年 89年 90年 91年 92年 95年 97年 98年 99年 00年 01年 02年 03年 04年

(億元)

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

16%

(成長率)

名目GDP額 成長率

803 2,236

2,972

4,552

4,089 3,818 3,609

437 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

85年 90年 95年 98年 01年 02年 03年 04年

消費額(元)

しかし 1 人当たりの GDP をみると、2004 年では 1,272 ドルで、日本の 28 分の 1 という現状に 留まっている。また、中国国内には大きな地域経済格差が存在している(表5−2)。(表5−1)の ように東部地域は、最も経済が発達している地域であり、西部地域の 1 人当たりの GDP を 1 と すれば、東部地域の 1 人当たり GDP は 2.61 となり、約 3 倍の格差が存在している。また、農村 住民の 1 人あたりの所得を 1 とすれば、都市部は実質 5 となり、5 倍の差が存在している。 

(表5−1)中国の地域 

 

地 域  所轄地域 

東部地域  12 の省・市・自治区 

遼寧省、北京市、天津市、河北省、山東省、江蘇省、上海市、浙江省、

福建省、広東省、海南省、広西チワン自治区  中部地域 

 

9 の省・市・自治区 

黒龍江省、吉林省、内モンゴル自治区、山西省、河南省、湖北省、湖南 省、安徽省、江西省 

西部地域  9 の省・市・自治区 

四川省、雲南省、貴州省、陜西省、重慶市、新疆ウイグル自治区、寧夏 回族自治区、青海省、チベット自治区 

 

東部地域には12の省・市・自治区があり、人口は 4 億人以上である(表5−4)。また、GDP は 上海が最も高く 42,768 元、日本の約6分の1である。上海の人口は約 1800 万人であり、2004 年 時点で、香港も含め、上海市には 9 万人の外国人が居住している。 

その他東部沿海地域の GDP は平均して約 23,818 元であり、日本の約11分の1である。これ らの地域にも多くの外資が進出しており、消費力は大きく伸びている。こうした中国経済発展の 不均衡性に鑑みると、現在のところ外国産品の有力な消費市場は、一般的に東部地域と考えら れる。 

         

(表5−2)1 人当たりの GDP(2004 年データ) 

出所:『中国統計年鑑 2004 年』など                  

(表5−3)東部地域の一人あたり GDP(2004 年) 

       

 

※1 ドル=100 円、1元=13円  出所:『中国統計年鑑 2005 年』 

   

(図5−3)中国の経済地域  (表5−4)東部地域の人口と経済   

           

国 額( ドル)

米国 39,752

ドイツ 32,850

日本 36,187

中国 1,272

韓国 14,118

地域 人口

(万人)

1人あたり GDP(元)

上海市 1,742 42,768 北京市 1,493 28,689 天津市 1,024 28,632 浙江省 4,720 23,820 広東省 8,304 19,315 江蘇省 7,433 20,723 福建省 3,511 17,241 遼寧省 4,217 16,297 山東省 9,180 16,874

西

西

1人あたり GDP

日本円換算

(円) 倍率 36,187ドル 3,618,700 東部地域

平均 23,818元 309,634 11.7 上海 42,768元 555,984 6.5 日本

国・地域

中国

2.物価状況 

中国の物価状況について、まず消費者物価指数14でみてみることとする。中国は高い経済成 長率を持続しながら、物価上昇率は 1998 年からマイナスにまで下落した。2000 年でも 0%前後 であり、2002 年再びマイナスに転落した。高成長下の物価低迷はデフレ現象として注目された。

しかし 2004 年から消費者物価指数は上昇し、特に食品は著しく上昇している傾向にある。食品 価格上昇の原因は、近年、耕作面積の縮小によって穀物収穫量が減少したことが原因といわれ ている。 

(表5−5)中国消費者物価指数(CPI)の推移 

-5 0 5 10 15 20 25 30

89年 90年 91年 92年 93年 94年 95年 96年 97年 98年 99年 00年 01年 02年 03年 04年 05年

%

平均(%)

都市部(%)

農村部(%)

  出所:中国情報局、http://searchina.ne.jp/business/012.html 

   

中国の項目別の物価は(表5-6)で示したように、日本の物価価格に比べると安いが、ただし コーヒーなどのような「休閑」消費は高い。もちろん一国の物価水準を見る際に、その住民の可 処分所得と総合的に評価することは重要である。そうした点からみると中国の食品物価は全般 的に中国の消費者からみると決して安いものとはいえない。 

 

14 消費者物価指数とは、消費者が実際に購入する段階での、家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物

価の変動を表す指数で、略称CPI(Consumer Price Index)。全国の世帯の平均的な消費基準を100とし、

それらの消費価格水準がどう変化しているかを指数値で示すものである。

(表5−6)中国の物価(2006 年) 

中国元 日本円

タクシー 5〜10(初乗り) 75〜150 ミネラルウォーター500ml 1〜2 15〜30

牛乳250ml 1〜1.5 15〜45

肉豚バラ500g 5〜6 75〜90

青島ビール(大瓶) 3〜2.5 45〜53 喫茶店のコーヒー一杯 15〜30 225〜450          出所:現地調査データ 

 

Ⅱ.中国の食文化 

1.豊富な食材を生かした中国料理 

中国は土地が広く、気候は変化に富み、多種多様な動植物がある。「四つの足のものは机以 外、跳ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外なら何でも食べる。」と言われるほど、食 材の種類は豊富である。例えばニワトリは、冷凍のものもあれば、いろいろな種類の生きたニワ トリも売られている。また生きている蛇やカエルやウナギ、昆虫も生きたままで売られている。 

 

2.8 大料理体系―料理の特徴 

中国料理は中原地方(中華文化の発祥地である黄河中下流域にある平原のこと。主に河南 省を中心として山東省の西部から、河北省・山西省の南部、陝西省の東部にわたる平原地域を 指す)の料理と外部文化の料理が相互に融合しながら創り上げられたために、地域差が大きく、

それぞれの地方ごとに食材・調理法などに特色がある。 

現在、中国料理は、山東料理、四川料理、湖南料理、揚州料理、浙江料理、安徽料理、福建 料理、広東料理の8大料理体系に大きく分類されており、さらに地方ごとに細分化されている(表 5―7)。 

例えば日本人がなじみの北京料理は山東料理体系から発展してきたものと言われている。寒 冷の北方地域であるゆえに料理自体も高カロリーとなり、炒め、揚げ物など強い火力をもって短 時間で調理でき、脂肪分が多い特徴がある。また米より小麦の生産が発達している地域である

ことから、主食は自然に麺類、饅頭が中心となる。一方、上海料理の源流は、揚州の料理であり、

酒、醤油、黒酢などの醸造物がふんだんに使われるため、甘く濃厚な味が特徴。特に小籠包、

上海蟹は代表的料理といえる。 

全体的にいえば、南方の米に対し、北方では包子・餅・饅頭・麺などの小麦粉などの粉食が常 食となっている。また四川系はトウガラシを多用する。福建料理は清淡で、広東料理は、各種の 肉から果物にいたるまで素材の多さで有名である。また、地域区分とは別に、仏教徒の精進料 理、及び豚肉を食せぬ回教徒の清真菜がある。 

 

(表5−7)中国料理の体系  小体系 北京料理 官廷料理 東北料理 河南料理 山西料理 雲南料理 貴州料理 3 湖南料理

上海料理 淮安料理 5 浙江料理

6 安徽料理

台湾料理 海南料理 潮州料理 客家料理 順徳料理 大体系

広東料理 1

2 4

7 8

山東料理

四川料理

揚州料理

福建料理

   

3.「医食同源」のコンセプト 

中国の長い歴史の間で、「飲食道楽」の風習が定着し、特に権力を握っている階級の人々は 贅沢三昧の生活を送りながら、不老長寿の道を懸命に求め続けた。これが中国料理の発展につ ながったといえよう。 

日本人と中国人の「食」に対する考え方の異なる点は、日本人は「医」と「食」を明確に分けて いて、「医」と「食」の接点は「健康食品」であるのに対して、中国人は、すべての食べ物が身体に

どう作用するのかということが念頭に置かれて考えられている。例えばご飯に塩をまぶせば「塩 はご飯を固くする。固いご飯は消化不良」と自然に考える。こうした考え方から、中国人がフカヒ レ、ツバメの巣、スッポン、ニワトリの手、ブタのアキレス腱、東北地方では、熊の手、雲南では象 の鼻など特に栄養がある食材を料理にして摂る。また、一般的に温かい食事を摂ることが重視さ れるため、火を加えない食品を摂ることは忌避されており、生野菜の使用や冷たい料理は少な い。 

一方、食材の栄養を流出しないように、例えば野菜を炒める際は、高温でできるだけ短時間に 処理することによって、ビタミン C の破壊を防止するなどの調理法を取り入れている。炒め方ひと つとっても干炒、滑炒、清炒、生炒、爆炒など調理技法や時間の長短により 10 種類近くある。 

 

4.囲んで食事する文化 

丸いテーブルを囲み、大皿から料理を取り分けて皆で食べるというスタイルが一般的であり、

家庭内に限らず、フォーマルな会食の場になればなるほど、その傾向は強まる。中国人はしゃべ りながら食事する、一般的に賑やかな場面を好むといった傾向がある。 

外食する際に、日本と異なって明確にホスト・ゲストの区別が行われ、ホストが全額負担する のが常識であり、「割り勘」という習慣はほとんど存在しない。ただし最近、改革開放経済のもと で生まれた若い層は必ずしも伝統的な習慣に従っておらず、昔の「ホスト・ゲスト」という関係が 成立せず、個々に食べ、個々に支払いをする「個食」が増えており、この傾向は今後拡大してゆ くと考えられる。 

           

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