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⑴ 瑕疵の内容

航空 機 の航 行に 重大 な 影響を 与 える 位 置通報 点が考慮 されて いない 飛 行 経路を前提とした予測結果は不確実性が高い。

有視界飛行での場周経路はA滑走路のみを使用する条件を設定し、B滑走 路を利用した場周経路が示されておらず、各滑走路での標準非行回数が不明 であることについて、沖縄防衛局は、周辺地域上空を回避するという地元要 請を受けての設定なので妥当性に問題はないとする。しかし、「運用上の所 要」を理由に協定に違反する米軍機の飛行形態が恒常化しているのは普天間 飛行場において明らかなので、規制が実効性を有することを示すか、想定外 の飛行経路で運用した場合の予測・評価も示すべきである。

施設間移動の予測・評価について、MV-22がコンター内では飛行経路に従 って飛行し、その後1000ftの高度、飛行回数21.24回により直上を飛行すると いう条件設定は現実性に乏しい。

以上のとおり、環境保全図書における騒音評価においては、騒音の評価や 周 辺住 民 の生 活の 安全 に とって 極 めて 重 要であ る飛行経 路につ いての 検 討 が極めて不十分である。この様な事情を考慮せず、漫然と「飛行経路は周辺 地域上空を基本的に回避する」ことによる距離減衰が見込めると評価をする ことは不可能である。

⑵ 原告の主張に対する反論 ア 飛行経路

〔原告の主張〕

位置通報点について、飛行経路が重要であって位置通報点については重 要ではない(訴状124頁)。

〔反論〕

航 空 機が位 置通 報 点上空を 飛行する こ とは 普天間 飛 行場の例 をとっ て も明白である。したがって、位置通報点の設定が加味されていない場合、

設定 された飛 行経路 に沿っ て 実際に 飛 行する かど うか の予 測は 不確実 性 が高くならざるを得ない。特に本件では飛行経路は当初の台形型から突如 として楕円形に変更されている(環境保全図書2-12、2-13)のであるか ら、なおのことその様に言える。

この様な事情を前提とすれば、位置通報点の考慮がなされていないこと は、原告が自ら重要と述べる飛行経路の妥当性について重大な疑義が生ぜ しめる事実というべきであり、そうであるからこそ検証結果報告書も本件 環境 保全図書 におい て位置 通 報点が 加 味され てい ない こと を指 摘して い るのであって、原告の主張は全く当を得ないものである。

イ 場周経路の設定

〔原告の主張〕

場周経路の設定は、米軍との必要な協議を実施し、米側から理解を得ら れていると考えられるので、それを前提として予測することは不合理では ない。想定外の飛行経路を運用した場合も含めて騒音予測することは、考 えうるあらゆる飛行経路を想定しなければならなくなり、不可能な措置を 強いることになる(訴状125~126頁)。

〔反論〕

そもそも、滑走路があるにもかかわらず場周経路が設定されないという 事態は通常あり得ず、国の主張は余りにも不自然である。また、A滑走路 が主たる滑走路として使用されない場合として示された②の条件は、気象、

管制官の指示、安全、パイロットの判断等必ずしも特異な状況とは言い難 い。何よりも、「運用上の所要から必要とされるとき」との漠然とした無 制限の留保が付されているのだから、B滑走路も一定程度A滑走路と同様 の運用がなされることは当然想定できるはずである。

環境保全図書2-13等から見ても明らかな様に、B滑走路はA滑走路に比 べて、滑走路が陸地側を向いていることから、A滑走路と同様に場周経路 を設定した場合、より周辺地域に近接して航空機が飛行することが考えら れ、騒音被害が増大する可能性は極めて高いのであって、国の見解は不当 である。

被告が指摘しているのは、およそあらゆる飛行経路を想定して予測評価 せよ、というのではなく、普天間飛行場における飛行実態、米軍による協 定遵守状況を踏まえて、B滑走路での場周経路の利用を想定するように、

ということであり、無限に不可能を強いるものでないものであることは明 らかである。

ウ 施設間移動

〔原告の主張〕

航空機騒音の予測・評価は年間を通じた標準的な飛行回数を設定すると されており、施設間移動に関しては、「MV-22の普天間飛行場配備及び日 本での運用に関する環境レビュー最終版(仮訳)」及びその付録に基づい て飛行回数21.24回を設定しており、十分合理性がある(訴状126頁)。

〔反論〕

ここで言う「飛行回数」とは、着陸帯使用回数(ソーティー)を意味し

「運用回数」とは区別される*とこ ろ、環境レビューにおいては 運用回数 は明らかにされているものの、飛行回数は何ら示されておらず、どの様な 算出過程を経て21.24回が設定されたのかはまったく不明である。

また、1000ftの飛行高度についても、沖縄防衛局は、何らの検討もなく

「 施設間移動の飛行高度 は十分上昇した 後に移 動すると仮定し 、場周経 路内の水平飛行高度の高いものを採用している」(環境保全図書・12-1 -13)という。

これに対して、前記環境レビューには「MV-22乗員のための実際の低 高度訓練は、主に着陸帯間の移動や展開時に実施される。」と記載され ており(甲A第94号証の1、11頁、14行目)、また、施設間移動におい て「巡 航高度は 地上300か ら1,000フィー トまで 変化する 」(環境レビュ ー46頁)と記載されている。

巡航高度とは、出発地から目的までの飛行において上昇と降下を除い た定常的な飛行状態における高度を意味するのであって、米軍自ら作成 した環 境レビュ ーにおいて施設間移動 の巡航高度が300ftから1000ftま で 変化するとされておきながら、その上限いっぱいの1000ftで常に飛行する ことを前提とした予測は「非現実的」以外なにものでない。特に本件施 設と現に離着陸訓練が行われているキャンプ・シュワブのLZフェニック スは極めて近接しており、低空飛行による往来の危険性は十分想定され る。

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