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環境基準を超過する騒音が発生しないという評価は信用に足るものではな

⑴ 瑕疵の内容

以上の位置通報点、場周経路、施設間移動等の検討が不十分であることに 加えて、騒音の発生に大きな影響を生じ得る飛行回数の予測についても十分 な検討が行われてなく、風向きによる音の伝播への影響について環境保全図 書資料編によれば、主に夏季の東向きの風の際には、騒音発生区域が住民の 生 活区 域で ある 陸地 側 に 大きく 拡 大して い るこ とが明白 であるに もかか わ らず、何ら検討をしていない。加えて、環境影響評価手続きの最終段階に至 って突如現れたMV-22オスプレイに関しては、騒音の検証に必要なデータが 環境保全図書に示されていない。

これらの問題を踏まえて、名護市の観測データと大きな乖離を示している ことを踏まえれば、環境基準を超過する航空機騒音が発生しないという評価 は適切に検討した結果とはいえない。

すなわち、名護市が平成22年10月から平成26年3月にかけて実施し た調査結果によれば、普天間飛行場が供用されている現状においてすら、事 業 実 施 区 域 に ほ ど 近 い 辺 野 古 地 区 に お け る96.7dbを は じ め と し て 豊 原 地 区 や久志、瀬嵩、安部地区においても概ね95dbあるいはこれに近い数値が観測 されている(「航空機等騒音測定値・月別最大値(ピーク騒音レベル)」)

*

これに対して、沖縄防衛局が実施した騒音の予測においては、最も高い数 値を示している安部集落ですら、最大78.3dbにとどまり、極めて大きな乖離 を示している(環境保全図書資料編6-3-26)。

キャンプ・シュワブと距離的に離れており、施設間移動に際しても十分な

高度を確保し得る普天間飛行場との関係においてすら、95㏈を超える極めて 高い騒音値が出ているにもかかわらず、キャンプ・シュワブと極めて距離的 に 近 接 す る 辺 野 古 新 基 地 供 用 時 の ピ ー ク 騒 音 レ ベ ル が 、 最 低47.5db、 最 大

78.3dbということは凡そ考え難い。

この様な測定結果は、端的に、沖縄防衛局が環境保全図書において使用し た数値や数値に基づく測定方法が不当であることを実証するものである。

(2) 原告の主張に対する反論

〔原告の主張〕

風向きを考慮した予測については、標準飛行回数を北東、南西方向に振り 分けて、風向きを考慮した予測を行ったのであり、風向に応じた離発着の方 向を設定することで気象条件を加味するのが一般的である。他方、知事意見 を踏まえ、騒音レベル(LA)予測コンターを参考として環境保全図書資料

編(同6-3-85~93)に、エンジンテスト時とホバリング時で試算したものを記

載した。騒音伝播に関する風向きによる影響は季節により正負両方あること が示された。モニタリングによって騒音範囲の移動が恒常的になっている場 合には、飛行場の運用者に運航方法の変更を要請する。したがって、風向き に よる 音 の伝 播の 影響 は 十分検 討 して い る(原 告第2準 備書面 44~ 4 5 頁)。

〔反論〕

風向きにより音の伝播への影響が騒音被害との関係において極めて重要 な意味を持つことは明らかである以上、環境保全図書においてもその影響 を加味した予測・評価をしなければならない。

知事意見及び環境生活部意見において、この点を指摘し、風向きを考慮 した上での予測・評価を実施するよう求めたが、沖縄防衛局は、他の空港 において実施されている方法を履行しているといった回答に終始した。し かし、風向の影響は、離発着の方向の設定と音の伝播の双方にあるのだか

ら、前者を考慮したというだけで不十分なことは明らかである。

そして、原告が指摘する環境保全図書資料編に記載された予測コンター は、風向や騒音発生源を特定した単発騒音の騒音レベルのコンターに過ぎ ず、年間を通して風向の変化がどのように影響してくるのかについては考 慮されていない。

この資料によっても、主に夏季の東向きの風の際には、騒音発生区域が 住民の生活区域である陸地側に拡大していることが容易に把握できること から、風向の影響も考慮した予測をすることは重要である。

本件埋立対象地域は、沖縄県の中でも特に静謐な地域であるとともに、

本件埋立は普天間の危険性を辺野古に移転するものであってはならないの であるから、他の空港での方式がどうあれ、風向きによって騒音の発生に 大 きな影 響が生ずること が環境保 全図書資料編6-3-86以 下から明 らかで あ る以上、評価及び環境保全措置の検討においては、そうしたことも考慮す べきである。

この様な、検討を全くすることなく、風向きによる影響を捨象した予測・

評価は現況を的確に把握したものとはいえない。

第9 低周波音

(被告第1準備書面98~100頁、被告第2準備書面163~170頁)

1 瑕疵の内容

沖縄防衛局は、環境省が発行する手引き「低周波音問題対応の手引書」(平 成16年発行)を物的影響の基準となる閾値

*

と して採 用したも のの, 心理的影 響に関しては同手引書を利用することなく、「低周波音に対する感覚と評価に 関する基礎研究(昭和55年度文部省科学研究費「環境科学」)」に基づいて得 られた閾値を基準値として評価を実施している。

低 周波 音は 比較 的新 し い 研究報 告 に基づ い てそ の心身や 物体への 影響が 把

握されてきたものである以上、そこで採用すべきはより新しい基準とすべきこ とはもちろんのこと、普天間飛行場における騒音被害の現状や事業者として厳 格 な数値 を採用 し て環境 保全措 置 につい て検討 す ると いう 沖縄 防 衛局 の姿 勢 に鑑みれば、なおのこと、より新しい基準値を採用せず、古い研究報告に基づ く高い(緩い)基準との適合性のみを判断していることは不当である。

ましてや、物的影響については環境省の手引書を利用しておきながら、心理 的・生理的影響については何らの理由もなくこれを利用しなかったことは極め て不適当である。

MV-22オスプレイは、100Hz以下の低周波音が極めて強いという音響的特徴

が報告されている機体であるにもかかわらず、同機は環境影響評価手続きの最 終段階、評価書段階まで予測・評価の対象とはされていない。この様な事前の 検討が不十分であることを反映して、心理的影響については、自ら設定した高 い(緩い)閾値との関係ですら基準値を超過し、環境省の手引書によるならば 全ての測定地点において基準値を超過する。物的影響に関しては全ての予測地 点において基準値を超過し自らの予測・評価の整合性すら取れない状況に陥り、

環境保全図書においても、「事業者として実施可能な限りの対策」を実施して いるのか否か、及び、「国または地方公共団体による環境保全の基準又は目標 との整合 性」が あるか否 かにつ いて明言 できて いない( 環境保全 図書6-5-69、 6-5-73、6-5-78)。

2 原告の主張に対する反論

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