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頑健性テストと追加分析

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 46-50)

5.1 頑健性テスト

本研究は5つの頑健性テストを行った。

本研究のデザインは、先行研究に基づいて、全上場企業を研究対象としている。し かし、欧米諸国と違い、女性役員がいる日本企業は全サンプルの中での比率が低い。

表16は2016年から2019における日本企業の女性役員の登用状況である。

女性役員がいる企業割合

サンプル数 女性役員がいる企業 比率

2016 1926 687 36%

2017 1906 723 38%

2018 1605 708 44%

2019 1715 915 53%

表16 女性役員がいる企業割合

表16から見ると、女性役員が登用されている企業は2016年の36%から2019年の 53%に上昇しているが、半分または半分以上の企業は女性登用していないので、サン プルの偏りがありうる。よって、頑健性テスト1は、女性役員が0の企業を外してか ら分析を行う。付録3における頑健性テスト1の結果が示したように、メイン研究と 同じ結果、仮説1と仮説3が支持された。仮説2の場合は、2017年と2019年におけ るボードモニタリングと企業パフォーマンスの間には有意な負の関係が見られる。し かし、2016年と2018年では有意な結果が見つかってない。よって、女性役員が登用 していない企業を外した場合、仮説2は支持されないものの、一定の有意性があるこ とがわかる。

金融企業における財務諸表の開示方法は非金融企業と違うところがあると考えられ るが、本研究の中では特に関連変数を使っていないので、金融企業を含んで研究を行 った。しかし、類似分野の研究の中は、金融企業を外した先行研究が多いので、頑健 性テスト2はサンプル中の金融企業を外して分析を行う。付録4における頑健性テス ト2の結果が示したように、メイン研究と同じ結果、仮説1と仮説3が支持され、仮 説2が支持されなかった。

本研究の従属変数、企業パフォーマンスは潜在変数として、ROA、ROEとTobin’q を使い、分析を行った。これらの変数の中で、先行研究で企業パフォーマンスの代理 変数として一番使われているいのはROAである。よって、頑健性テスト3は他の独立 変数を保留した上で、ROEとTobin’s qを外し、ROAを企業パフォーマンスとして分 析する。付録5における結果が示したように、メイン研究と同じ結果、仮説1と仮説 3が支持され、仮説2が支持されなかった。

企業パフォーマンスは取締役会の行動に影響されるが、同じ年の結果に反応される かどうかが明らかでないので、頑健性テスト4は企業パフォーマンスの年のラグをと って分析を行う。先行研究により、ラグの取る年数は一定ではないので、ここではデ ータの制限により、1年のラグを取る。付録6は頑健性テスト4の結果を示してい る。2016年と2018年はメインの研究と同じく、仮説1と仮説3が支持され、仮説2 が支持されなかった。2017年は仮説1のみ支持された。仮説3は有意な結果が得てい ないが、p値は0.156なので、一定の関係があると考える。

メインの研究では、記述統計における標準偏差に基づいて判断し、全サンプルを使 って研究した。頑健性テスト5は、Tobin’q と女性役員割合の外れ値をそれぞれ外し て分析する。付録7と8は頑健性テスト5の結果を示している。付録7と8の結果か ら見ると、2016年、2017年と2019年における分析結果はメインの研究と同じく、仮 説1と仮説3が支持され、仮説2が支持されなかった。2018年は仮説1のみ支持され た。仮説3は有意な結果が得ていないが、p値は0.165と0.109ので、一定の関係があ ると考える。

頑健性テストの全体的な結果から見ると、基本メイン研究と同じ結果になってい る。頑健性テスト4と頑健性テスト5の結果は少しの異同があるが、これは本研究の 限界であり、将来のより深い研究が必要である。

5.2 追加分析

前章はSEMにおける分析結果を示した。しかし、本研究の研究分野の中では、OLS が最も使用されてきた研究手法である。先述のように、SEMは会計学の研究では、頻 繁には使われてない研究手法である。よって、本章は追加分析として、OLSの分析結 果を示す。

本研究におけるOLSの分析は仮説1:ボードジェンダーダイバーシティと企業パフ

分析する。OLS分析はSEMと同じ一つのモデルで分析することはできないので、そ れぞれのモデルを立て分析を行う。データについては、2016年から2019年のパネル データを使い、研究を行う。

仮説1の場合、OLSにおける従属変数は先行研究でよく使われたROAを使用す る。独立変数については基本的にSEMと同じ変数を使うが、表11の相関性分析によ り、本節は相関が高い変数:女性役員割合、BLAU指数とSHANNON指数の中で、先 行研究で一番使われている女性役員割合を使用する。

表14と表15はOLSの分析結果を示している。執行役員と取締役の兼任比率、社外 取締役比率と女性役員割合はそれぞれとROAの間には有意の正の関係がある。

回帰分析-A

Multiple R 0.106

R Square 0.011

Adjusted R Square 0.010 Standard Error 0.068

Sample 7152

F 16.102

表14 回帰分析

ROA-A

Intercept 0.050 12.244***

KENNIN 0.016 6.751***

FLAG 0.003 1.480

INDRTO 0.014 1.807*

ATTAVG 0.007 1.538

WOMRTO 0.070 5.210***

表15 ROA-A

仮説2の場合、従属変数はROAで、独立変数はジェンダーダイバーシティの要因を 除いて、ボードモニタリングの関連変数を使う。表16と表17はOLSの分析結果を示 している。執行役員と取締役の兼任比率、社外取締役割合と社外取締役の出席率はそ れぞれとROAの間には有意の正の関係がある。

回帰分析-B

Multiple R 0.086

R Square 0.007

Adjusted R Square 0.006 Standard Error 0.068

Sample 7152

F 13.294

表16 回帰分析-B

ROA-B

Coefficients t Stat Intercept 0.050 12.222***

KENNIN 0.016 6.637***

FLAG 0.002 1.164

INDRTO 0.023 2.937***

ATTAVG 0.008 1.846*

表17 ROA-B

OLSにおける2つの分析結果はSEMの分析結果と異なっている。SEMで支持され なかった仮説2は、OLSの分析で有意な結果が出て、帰無仮説が棄却された。その原 因を考えると、OLSは複雑な関係を一つのモデルで同時に測定できないため、誤った 結果を出した可能性がある。

ドキュメント内 修 士 論 文 (ページ 46-50)

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