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第四章  アンケート調査について

第2節 項目について

 アンケートは何度も修正を繰り返して作成した。その中で、様々な問題が起こった。本 節ではそのことについて、(A)回答者の基礎情報、(B)回答欄、(C)アンケートの項目 の3つに分け、それぞれ修正したり工夫したりした箇所を具体的に記述することとする。

(A)回答者の基礎情報

 まず回答者の基礎情報として、以下の項目を用意した。

①性別

②教職経験の有無

③年齢

④音楽関係の習い事や活動歴の有無と具体的な年数

 年齢については、指導要領改訂の時期と照らし合わせて考察することができる。しか し具体的な数字を書くことに抵抗を感じる人がいるであろうということが予想される。

その点に配慮して、記述式ではなく、例えば「21歳〜25歳」、「26歳〜30歳」、…  と いうように5歳分割の選択肢をあらかじめ用意し、該当の部分に○をつけてもらうとい

う形式にした。このことによって、年齢についてより多くの回答を得ることができると

思われる。

 また音楽関係の習い事や活動が、歌唱行動や自身の歌声に対する関心に影響している のではないかという観点から、④の項目を設けることとした。

(B)回答欄

 アンケート項目は基本的に疑問形ではなく言い切りの形とし、その項目に記述されて

いる事柄に対して「5・4・3・2・1」の5段階で評価をする、あるいは「はい・い

いえ」の2段階で評価をする。そしてそのあてはまる数字や言葉にOをつけるという回

答形式にした。5段階評価については次のように段階分けし、アンケート用紙に記入例 として明記しておいた。

   5…  かなりあてはまる    4…  ややあてはまる    3…  ξちらともいえない    2…  ややあてはまらない    1…  かなりあ七はまらない

 また、回答が記述式になる項目はアンケート項目全体の中で3項目のみとし、できる 限り簡素化させて回答しやすいものとなるよう配慮した。

(C)アンケートの項目

 アンケートの項目は、以下のように大きく3つに分類することができる。

I.

1I.

皿.

現在の自分の歌声に関する質問 過去の自分の歌声に関する質問 現職教員に対する質問

【Iについて】

 Iでは、現在の自分の歌声に関する質問を10項目設けた。

I.現在のご自身についてお答え下さい。

  (1)日常生活の中で、好んで音楽を聴く。

  (2)歌うことが好きだ。

  (3)歌うことが得意だ。

  (4) 「裏声」を知っている。

  (5)裏声で歌うことができる。

  (6)裏声で歌うことに抵抗はない。

  (7) 「歌声」と「話し声」を使い分けている。

  (8)歌った後に声がかれることがよくある。

  (9)よくカラオケに行く。

(10)男性だけでなく、女性にも声変わりがあることを知っている。

 特に説明が必要なところについて、以下に挙げる。

 (4)について…  岡山市立K小学校コーラス部の活動観察に行った際、裏声とい       う用語は教育の現場ではあまり用いられないのではないかとい

      う指摘があった。そのため、裏声という用語に馴染みのない人       がいるであろうということに考慮して、(4)に裏声を知ってい       るか否かを質問する項目を設けた。

 (9)について… 今日ではカラオケが全国的に普及し、歌う機会の大部分がカラ       オケであるという人も少なくない。しかしカラオケでポピュラ

      一音楽を歌うときの発声法と一、学校教育で使われている発声法       とでは、同一のものではない場合が多い。そのため(9)にカ       ラオケに行く頻度についての設問をすることとした。

(10)について…  Ilの中で変声についての設問があるのだが、女性は自身の変声

に気づかない場合が多く、変声について間う項目に違和感を覚 える人が多くいるであろうと考えられる。そのため、(10)に 女性にも変声があるという項目を設けて、この事実を暗に示し て前置きしておくこととした。

【1Iについて】

  ■では、過去の自分の歌声に関する質問を16項目設けた。

lI.過去のご自身についてお答え下さい。

【i.小学校低学年(1〜3年生)の頃】

 (1) 日常生活の中で音楽に接することを好んでいた。

 (2) 音楽科の授業が好きだった。

 (3) 歌うことが好きだった。

 (4) 音楽科の授業で歌唱する時、教師は裏声に関する指導をしていた。

【五.小学校高学年(4〜6年生)の頃】

 (5) 日常生活の申で音楽に接することを好んでいた。

 (6) 音楽科の授業が好きだった。

 (7) 歌うことが好きだった。

 (8) 音楽科の授業で歌唱する時、教師は裏声に関する指導をしていた。

【血.中学生の頃】

 (9) 日常生活の中で音楽に接することを好んでいた。

(10) 音楽科の授業が好きだった。

(11) 歌うことが好きだった。

(12) 音楽科の授業で歌唱する時、教師は裏声に関する指導をしていた。

【iV.声変わり(変声)した頃】

(13) 声変わり(変声)が起こったことに気づいた。

     →それはいつ頃でしたか?

(14) 変声期以前に裏声で歌うことができた。

(15) 変声期に歌唱する際、裏声で歌うことを意識していた。

(16) 変声期やその前後に困ったこと等、記億に残っていることを自由に      記入して下さい。

特に説明が必要なところについて、以下に挙げる。

(1)〜(4)、(5)〜(8)、(9)〜(12)について

       …  これらはそれぞれ同一の質問内容となっていて、「小学校低学年        (1〜3年生)の頃」、r小学校高学年(4〜6年生)の頃」、「中       学生の頃」の3つの時期に分けて回答できるようにした。これ       は、変声期とその前後を明確に区別するためである。そうする       ことによって、過去の自分の歌声に関する意識の変化と変声期       との関連性が、把握しやすくなるのではないかと考えられる。

(13)について… 用語としてr声変わり」=r変声」ということを知らない人や、

      どちらか一方の用語しか知らない人がいるとし)うことが予想さ       れる。また、(14)以降ではr変声期」という用語も用いる。

      用語の統一性をはかるために、(13〉では「声変わり(変声)」

      という書き方をし、これら二つの用語が同一の事象を指してい       ることを示した。

(16)について…  当初はr変声期に困ったこと等、記憶に残っていることを自由       に記入してください。」という質間内容にしていた。しかし変声

      期の最中だけでなくその前後の時期においても、歌唱や発声に       困難を覚える可能性はある。そのため「変声期とその前後に困       ったこと等、…  (以下同文)」という内容に修正して、質問の       封家となる時期の幅を広げることにした。

【皿について】

 皿では、現職教員の人のみを対象として質問を3項目設けた。

 歌唱指導や子どもたちの歌唱行動の現状について、フィールドワークで得た情報だ けでなく、少しでも多くの教育現場の声を聞くことを目的としている。

皿.現職教員の方のみ以下の質問にお答え下さい。

 (1)歌唱指導をする機会がありますか?

 (2)【→皿一1で「はい」と回答の方】

   児童・生徒に裏声による歌唱の指導をしている。

 (3)赴任されている学校の子どもたちはどのような声で歌っていますか?

   (自由記述)

特に説明が必要なところについて、以下に挙げる。

(2)について・ ・・ 柾奄虫剴カ・生徒に裏声で歌うことを教えることができる」と  いう質問内容にしていたが、現在実際に行っているのかどうか  という意味合いを強めるために、r児童・生徒に裏声による歌唱  の指導をしている」という内容に変更した。また、歌唱指導を  する機会のない教師もいることが予想される。より正確なデ]

 タをとるために、(1)に「歌唱指導をする機会がありますか?」

 という質問を設問することとし、(1)の質問にrはい」と答え  た人にだけ(2)の質問に答えてもらうこととした。

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