であった。
※ レーダー、船舶感応装置などにより情 報を収集し、ラジオ、テレビ、掲示板、
灯光などにより情報提供する方法。
※ 反射鏡の設置。
※ 汽笛や探照灯と反射物などと組合せた 湾曲部信号の設置。
※ カメラとテレビとの組合せなど。
報告書では、反航船のわかるシステムの 有効性、必要性については認められたもの の、諸般の状況から呉海上保安部の指導(右 側通航の原則、速力・並航・追越しの規制
など)のほか、その他の対策の早期実現に は至らなかった。
③呉海上保安部のライブカメラ運用開始
(平成15年4月)
ライブカメラの設置と運用は、カメラ〜
パソコン〜携帯電話〜パソコンのルートで、
多数の通航船に瀬戸南北の実況を視覚情報 として伝えるもので、当時革新的なもので あった。来春で運用開始9年を迎える。
音戸ノ瀬戸の安全対策の流れ
上記①〜③はそれぞれ直接の関係はない
図 音戸瀬戸の航行に係る場所別の問題点
平成5年度 「狭水道における航行安全対策の開発に関する調査研究」完了報告書より
のかも知れないが、筆者には同じ流れの中 にあるように感じられる。
①は音戸ノ瀬戸の通航の困難性をあらた めて浮き彫りにし、②の委員会が対象モデ ルとして音戸瀬戸を選んだことへ影響があ ったのではないか。
②の報告書はライブカメラへと進む大き な支えとなったのではないか。
また、「報告書」からライブカメラまで の10年近く、ただ無為に時が流れたのでは なく、関係者の懸命の模索があったと考え られる。そして時を同じくして、パソコン と携帯電話の急速な普及がライブカメラの 実現を可能にしたものと、正に時代の流れ を実感させられる。
一方、通航船にとっては待望久しかった 対策であり、「瀬戸通航の際は必ず映像を 見る」という船長の言もあるように、実況 映像に対する現場サイドの期待は非常に強 く、ライブカメラ運用の瀬戸通航の安全へ の寄与は非常に大きなものと考えられる。
なお、音戸ノ瀬戸では平成22年7月、海 上交通安全法の経路指定がなされ、北口、
南口灯浮標をそれぞれ左に見て航行するこ ととなった。これも「報告書」の提言が実 現に至った一例かとも考えられる。
今、音戸ノ瀬戸は
平成23年4月、第2音戸大橋(仮称)が 建設された。
これまで、瀬戸南口に「音戸大橋」が架 設され、島しょ部との陸上交通路となって いたが、広島県において北口に新たな交通 路として架橋工事が進められ、本年4月、
第2音戸大橋(仮称)が架設された。
第2音戸大橋(仮称)が供用開始されるの は2013年春の見込みとなっている。
なお、架設作業は海陸多数の見物者に囲 まれ厳重な警戒態勢のもと、一時海陸の交 通を差止めて、長さ192m、重量約3,500 トンの大ブロックを、海上から起重機台船 により一括架設する方式で、陸上側の「受 け」に2〜3cm の余裕で嵌合させる作業 は、日本の架橋技術の水準の高さを実感さ せるものであった。
吊下げ開始から約3時間、無事作業終了 の際、現場で期せずして万歳と拍手が沸き 起こったのも、作業の緊張度と達成感がも たらしたものであろう。
地元では現在、「音戸大橋」の供用開始 を機に音戸ノ瀬戸と世界遺産宮島(厳島)
を結んで、様々な企画が練られている。
海上の安全を祈念して
水中翼船の事故から20年、ライブカメラ の運用開始から9年、痛ましい事故発生と 印象的な「報告書」の結末をお伝えする意 味も含めて記しました。
一度ライブカメラにアクセスして、音戸 瀬戸の現況と、カメラの海上安全への寄与 を見て頂いては如何と考えています。
船長以下、乗組員の労苦をしのびつつ、
海上の安全を祈念してやみません。
(呉海上保安部のライブカメラ)
http : //www6.kaiho.mlit.go.jp/kure/
livecamera/index.html
当社では瀬戸内海の島嶼部に電気を供給するため、特別高圧送電線(以下、送電線という)
の海底ケーブルおよび海上横断電力線を施設しております。過去にクレーン船の接触による 電力線の切断、船舶の錨による海底ケーブル損傷などにより、広範囲にわたって停電が発生 しました。送電線とこれに起因する事故経歴、事故防止について紹介します。
海峡部を横断する送電設備
当社は島嶼部(小豆島、豊島、直島)に、
電圧6万6,000万ボルトの送電線により電力 を供給しております。送電線の経由地は小 豆島へは岡山県玉野市から井島(石島)、
豊島、小豊島、小豆島。直島へは岡山県玉 野市から荒神島、直島となっています。
小豆島、豊島、直島は香川県に属します が、過去の経緯から岡山県からの供給とな っています。
この送電線の海峡部には海底ケーブルお よび海上横断電力線を施設してあり、小豆 島への海底部には、直径20センチ程度の海 底ケーブルを2本、3カ所に亘り布設し、
1カ所当たりの延長が1.7km。直島には 同等の海底ケーブルを1本、1.4kmに亘 り1カ所に、最高深度はいずれも40m〜60 mと浅く布設されています。
布設箇所は四国へのフェリー航路および 備讃瀬戸航路付近を経過しており、大小さま ざまな船舶が航行している区域であります。
事故経歴と事故防止活動
別表1、2にある通り、布設以来、数年
に1度の割合で、クレーン船や大型船舶に よる錨が、海峡横断電力線や海底ケーブル に接触あるいは引っかかり、送電線が停止 する事態が発生しています。
小豆島、直島への電力供給は40数年の歴 史があり、送電線との接触防止の注意・喚 起のために、玉野および高松海上保安部に もご協力をいただき、専用のパンフレット を作成し、岡山県内の海運会社、漁協組合 に配布して広報活動を実施しています。
※パンフレットは四カ国語を作成(日本語、英語、中国語、韓国語)
また、海底ケーブル布設箇所には海岸部 に三角陸標を設置し、航行する船舶に海底 ケーブルがあることを目に見える形でお知 らせしています。
全国規模で見れば、瀬戸内海域のわずか な領域ではありますが、当社は岡山県から 山口県、香川県、愛媛県の瀬戸内海にある 島々に電気を供給する義務を持っており、
送電線ルートが遮断されますと、社会的影 響が大きく、広範囲にわたる停電の発生に より、お客さまに多大なご迷惑をおかけし ます。また当社送電線のほか、他社の通信 ケーブルなども布設されております。
停電事故などに至ったときには、すでに
瀬戸内海を航行する船舶は海底ケーブル 海上横断電力線に注意を!
中国電力株式会社 岡山電力所送電課
海上横断線接触事故例 (別表1)
発生日時 発生場所 事故状況 停電時間
昭和58年7月 岡山県玉野市日比犬戻鼻〜荒神島 クレーン船接触 電線1条断線 15時間 昭和61年2月 広島県福山市(福山港) 杭打船接触 電線6条断線 6時間 平成3年2月 広島県呉市棚田町〜倉橋島
(音戸の瀬戸) サルベージ船接触 電線2条断線 15時間 平成12年8月 山口県下関市大和〜日子島(運河) クレーン船接触 電線1条断線 2時間 平成18年7月 山口県宇部市(厚東川) クレーン船接触 電線1条断線 18時間
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海底ケーブル接触事故例 (別表2)
発生日時 発生場所 事故状況 停電時間
昭和57年7月 広島県竹原市西ヶ先〜契島 船舶の錨によるケーブルの損傷 367時間
(15日間)
平成8年6月 岡山県玉野市日比犬戻鼻〜荒神島 船舶の錨によるケーブルの損傷 6時間 平成21年5月 岡山県玉野市日比犬戻鼻〜荒神島 船舶の錨によるケーブルの損傷 停電事故には至らず
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船舶は事故発生地点に停泊していることは なく、原因者を特定できるところまでに至 ったケースはほとんどありません。
このため、船舶関係に携わる皆様には広 くこのことを知っていただき、瀬戸内海を
航行される際は、まず海図で海底ケーブル および海上横断電力線を確認していただき、
送電線の電気事故防止に、ご理解とご協力 をお願いします。
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事故防止用配布パンフレット(四カ国語作成:日本語,英語,中国語,韓国語)
図1 防波堤灯台復旧のイメージ
平成23年3月11日14時50分頃、東京の本 庁舎内においても大きな揺れを感じ、これ が未曾有の被害をもたらした東北地方太平 洋沖地震でした。この地震は宮城県牡鹿半 島沖を震源として大津波を発生させ、リア ス式の三陸海岸を呑み込み、港湾、漁港な どの防波堤・防潮堤を崩落させたばかりか、
海岸の市街地を壊滅的被害に追い込んだ東 日本大震災になりました。
この震災では、灯台などの航路標識も数 多く被害を受け、倒壊、傾斜などが58基、
被害総数も156基になっています。
震災直後は、被災地のライフラインの機 能が麻痺していたことに加え、津波で被災 した官署もあって、被害の全容を把握する には時間を要しました。
震災から1週間後には被災地支援のため の緊急物資の輸送計画が打ち出され、仙台 塩釜港の石油タンカー輸送を皮切りに主要 港を優先した啓開作業が急ピッチで進めら
れることとなり、当初港内は漂流物で埋め 尽くされ、海底地形も変化しておりました が、安全の確認できた港から順次、応急復 旧ブイを設置しました。
この時はまだ、市街地に明かりはなく、
星空の中で点滅する太陽電池式の灯台の灯 り、港の入り口で点滅する応急復旧ブイの 灯りは、被災者にとっても希望の灯りであ るとして感謝されました。
しかし、応急復旧ブイは形が小さく昼間 は見つけにくいので、改善するため東京湾 などに設置している航路ブイを被害の受け た灯台付近に設置することにしました。理 想は早急に灯台を復旧することが望ましい のですが、灯台の復旧には、防波堤の復旧 が前提となり時間がかかるので、それまで のつなぎとして、緊急物資拠点港の主要港 湾を優先して作業を開始しました。(図1)
航路ブイは全国の浮標基地に保管してあ る予備の標体を整備して被災地に輸送する
東日本大震災で被災した航路標識の復旧に向けた取り組み
〜倒壊した防波堤灯台近傍に灯浮標を設置し、船舶交通の安全を図る〜