の検定結果を示している。対「CSR の認識(問
1)」は{等分散を仮定しない。t=2.282,df=109.335,p=.024,∴p<.05}であり,有意差がある,とみなせる。また対「ISO26000 の認識(問
2)」は{等分散を仮定する。t=.625,df=144,p=.533,∴p>.05,n.s.}であり,有意差はない,とみなせる。そして対「CSR
活動の自己評価(問
3)」に関しては,{等分散を仮定する。t=1.640,df=141,p=.103,∴p>.05,n.s.}であり,有意差はない,とみなせる。
図表
4-21-14:CSR経営統合課題項目の「産学連携共同事業実績」の影響
グループ統計量問6-33 過去5年の間に産官学もしくは 地域の公的,公益,非営利機関などと連 携して実施した事業の実績がある
N 平均値 標準偏差 平均値の標 準誤差
問1 CSRという用語やその 内容をご存じですか
1 44 3.955 .8880 .1339
0 101 3.545 1.2044 .1198
問2 ISO26000の存在やその 内容をご存じですか
1 44 2.45 1.320 .199
0 102 2.31 1.219 .121
問3 CSR活動に取り組んで いますか
1 44 3.43 1.189 .179
0 99 3.04 1.370 .138
独立サンプルの検定 等分散性のための
Levene の検定
2 つの母平均の差の検定
F 値 有意確
率
t 値 自由度 有意確率 (両側)
平均値 の差
差の標 準誤差
差の 95% 信頼区間 下限 上限 問1 等分散を仮定する 12.199 .001 2.029 143 .044 .4100 .2021 .0106 .8094
等分散を仮定しない 2.282 109.335 .024 .4100 .1797 .0539 .7661 問2 等分散を仮定する .386 .535 .625 144 .533 .141 .225 -.305 .586 等分散を仮定しない .605 76.054 .547 .141 .233 -.323 .604 問3 等分散を仮定する 3.308 .071 1.640 141 .103 .391 .239 -.080 .863 等分散を仮定しない 1.732 94.281 .087 .391 .226 -.057 .840
CSR
経営統合課題
14項目それぞれの実施の有無は,CSR や
ISO26000に関する認識や
CSR活動の実施度 に関する回答の多くにおいて,有意差を確認し得た。「有意差はない」という結果は,以下の
4つであり,そのうち
3
つまでが
ISO26000の認識(問
2)との関連においてであった。それらは①「取引業者の製品や製造方法における安全性,公平性などの情報を収集・把握している」×問
2「ISO26000の存在やその内容をご存じですか」,②
「自社において取り扱っている製品の成分,製造方法,安全性などに関する情報を公表している」×問
2,③「過去
5年の間に産官学もしくは地域の公的,公益,非営利機関などと連携して実施した事業の実績がある」×問
2,そして④「過去
5年の間に……連携して実施した事業の実績がある」×問
3「CSR活動に取り組んでいますか」,
である。
4-6
その他の影響要因の分析
CSR
活動の影響要因の分析として行ってきた,平均の差の検定の最後として,以下では回収した質問票のデ
ータを加工,操作して設定した変数と質問票の各回答における平均値の差の検定などを分析した結果を示す。
それらはⅰ)県内資本と県外資本の違い,ⅱ)規模の大小,ⅲ)業種,ⅳ)CSR や
ISO26000に関する認識のパタ ーンの差異,である。ⅳ)については,以下の形の分散分析を試みている。CSR と
ISO26000の両方を知っている グループ,CSR という概念は知っているが
ISO26000については知らないグループ,ISO26000 については知って いるが
CSRについては知らないグループ,そしてどちらも知らないグループという
4つのグループにわけ,それぞ れのグループの
CSR活動に関するパフォーマンスにおける平均差を比較している。
ⅰ) 県内資本と県外資本
図表
4-22は回答事業所を,県内資本の事業所と県外資本の事業所にわけ,それぞれの質問票への各回答に おける平均差を分析した
t検定の結果を示したものである。図表
4-22の「独立サンプルの検定」の問1の欄の「等 分散性のための
Levene検定」の有意確率は.003 であり,.003<.01 であるので,Levene 検定は有意であるとみな せる。したがって,「等分散を仮定しない」の行の値を採用する。それらは
t値-5.674,自由度
70.199,有意確率 .000であるので,母平均n差の検定は,.000<.01 であるので,県内資本と県外資本の事業所では,問
1の
CSRについての認識度の回答の平均値には顕著な有意差がある,とみなせる(t=-5.674,df=70.199,p<.01)。
次に問
2の
ISO26000という用語やその内容の認識に差があるかどうかについてである。図表
4-22の「独立サ
ンプルの検定」の問
2の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率は.040 であり,.040<.05 であるので,Leve
ne検定は有意であるとみなせる。したがって「等分散を仮定しない」の行の値を採用し,t 値-2.334,自由度
40.589,有意確率.025であり,.025<.05
であるので,県内資本と県外資本の事業所で,ISO26000 についての認識度
の平均値に有意差がある,とみなせる(t=-2.334,df=40.589,p<.025)。
次は,問
3,CSR活動についての自己評価度に差があるかどうかについてである。図表
4-22の「独立サンプル
の検定」の問
3の欄の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率は.000 である。したがって
Levene検定は.0
00<.01
であるので,有意であるとみなせる。故に「等分散を仮定しない」の行の値を採用し,それらを確認すると,
t
値-7.958,自由度
65.217,有意確率.000であり,.000<.01 となるので,県内資本と県外資本の事業所の
CSR活動に関する自己評価についての回答の平均値には顕著な有意差がある,とみなせる(t=-7.958,df=65.217,
p<.01)。
さて,次に県内資本と県外資本の事業所で,CSR 課題への取組実績に関する差異をみてみよう。まずは
CSR課題取組総数の平均の差についてである。図表
4-22の「独立サンプルの検定」の問
6取組課題数の欄の「等分
散性のための
Levene検定」の有意確率は.548 であり,.05<.548 であるので,Levene 検定は有意ではないとみ
なせる。したがって,「等分散を仮定する」の行の値を採用する。それらは
t値-8.032,自由度
144,有意確率.0 00である。.000<.05 となるので,平均の差の検定の結果,県内資本と県外資本の事業所で,CSR 課題の取組実績
の平均値には顕著に有意差がある,とみなせる(t=-8.032,df=144,p<.01)。
図表
4-22:県内資本と県外資本の差異による回答への影響グループ統計量
県内外資本事業所 N 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 問1 CSRという用語やその内容
をご存じですか(5段階評価)
県内資本事業所 115 3.470 1.1342 .1058 県外資本事業所 30 4.433 .7279 .1329 問2 ISO26000の存在やその内容
をご存じですか(5段階評価)
県内資本事業所 116 2.22 1.180 .110
県外資本事業所 30 2.87 1.383 .252 問3 CSR活動に取り組んでいま
すか(5段階評価)
県内資本事業所 114 2.85 1.250 .117 県外資本事業所 29 4.38 .820 .152 問6取組課題数 県内資本事業所 116 14.64 7.189 .667 県外資本事業所 30 26.43 7.094 1.295
組織統治領域取組数 県内資本事業所 116 1.58 1.224 .114
県外資本事業所 30 3.80 1.324 .242
人権領域取組課題数 県内資本事業所 116 2.53 1.145 .106
県外資本事業所 30 3.97 1.159 .212
労働領域取組課題数 県内資本事業所 116 4.80 2.432 .226
県外資本事業所 30 7.53 1.961 .358
環境領域取組課題数 県内資本事業所 116 1.09 1.361 .126
県外資本事業所 30 2.77 1.547 .282
事業慣行領域取組課題数 県内資本事業所 116 .87 .870 .081
県外資本事業所 30 1.80 .805 .147
消費者課題領域取組数 県内資本事業所 116 1.10 1.114 .103
県外資本事業所 30 2.67 1.155 .211
コミュニティー参加領域取組課題数 県内資本事業所 116 2.66 1.532 .142
県外資本事業所 30 3.90 1.398 .255
CSR経営統合課題項目 県内資本事業所 116 3.8707 3.05751 .28388
県外資本事業所 30 9.5333 3.72997 .68100
独立サンプルの検定 等分散性のため
の Levene の検定
2 つの母平均の差の検定
F 値 有意確
率
t 値 自由度 有意確率 (両側)
平均値の 差
差の標 準誤差
差の 95% 信頼区間 下限 上限 問1 等分散を仮定する 9.043 .003 -4.417 143 .000 -.9638 .2182 -1.3951 -.5324
等分散を仮定しない -5.674 70.199 .000 -.9638 .1698 -1.3025 -.6250 問2 等分散を仮定する 4.307 .040 -2.563 144 .011 -.643 .251 -1.138 -.147 等分散を仮定しない -2.334 40.589 .025 -.643 .275 -1.199 -.086 問3 等分散を仮定する 15.038 .000 -6.244 141 .000 -1.528 .245 -2.012 -1.045 等分散を仮定しない -7.958 65.217 .000 -1.528 .192 -1.912 -1.145 問6取組課題数 等分散を仮定する .363 .548 -8.032 144 .000 -11.795 1.469 -14.698 -8.893 等分散を仮定しない -8.096 45.637 .000 -11.795 1.457 -14.729 -8.862 組織統治領域 等分散を仮定する .674 .413 -8.717 144 .000 -2.222 .255 -2.726 -1.718 等分散を仮定しない -8.323 42.722 .000 -2.222 .267 -2.761 -1.684 人権領域 等分散を仮定する .802 .372 -6.090 144 .000 -1.432 .235 -1.897 -.967 等分散を仮定しない -6.047 44.774 .000 -1.432 .237 -1.909 -.955 労働領域 等分散を仮定する 5.947 .016 -5.687 144 .000 -2.732 .480 -3.681 -1.782 等分散を仮定しない -6.454 54.508 .000 -2.732 .423 -3.580 -1.883 環境領域 等分散を仮定する 2.082 .151 -5.857 144 .000 -1.680 .287 -2.248 -1.113 等分散を仮定しない -5.432 41.368 .000 -1.680 .309 -2.305 -1.056 事業慣行領域 等分散を仮定する .265 .607 -5.292 144 .000 -.929 .176 -1.276 -.582 等分散を仮定しない -5.540 48.057 .000 -.929 .168 -1.267 -.592 消費者課題領域 等分散を仮定する .907 .342 -6.799 144 .000 -1.563 .230 -2.018 -1.109 等分散を仮定しない -6.657 44.004 .000 -1.563 .235 -2.036 -1.090 コミュニティー参加領域 等分散を仮定する 2.124 .147 -4.008 144 .000 -1.236 .308 -1.846 -.627 等分散を仮定しない -4.230 48.618 .000 -1.236 .292 -1.824 -.649 CSR経営統合項目 等分散を仮定する 3.557 .061 -8.628 144 .000 -5.66264 .65633 -6.95992 -4.36536 等分散を仮定しない -7.675 39.653 .000 -5.66264 .73780 -7.15419 -4.17109
領域別にみても,すべての領域において,県内資本事業所と県外資本事業所の回答における平均値に有意差 がある,とみなすことができる。それらの値を示すと以下のようになる。組織統治(等分散を仮定。t=-8.717,df=
144,p=.000,p<.01),人権(等分散を仮定。t=-6.090,df=144,p=.000,p<.01),労働(等分散を仮定しない。t
=-6.454,df=54.508,p=.000,p<.01),環境(等分散を仮定。t=-5.432,df=144,p=.000,p<.01),事業慣行
(等分散を仮定。t=-5.292,df=144,p=.000,p<.01),消費者課題(等分散を仮定。t=-6.799,df=144,p=.0
00,p<.01),そしてコミュニティー参加(等分散を仮定。t=-4.008,df=144,p=.000,p<.01),である。最後に県内資本と県外資本の事業所の
CSR経営統合課題項目に関する取組実績における平均の差をみて みよう。図表
4-22の「独立サンプルの検定」の
CSR経営統合項目の欄の「等分散性のための
Levene検定」の有 意確率は.061 であり,.05<.061 となるので, Levene 検定は有意ではなく,したがって「等分散を仮定する」の行 の値を採用する。それらを確認すると,t 値-8.628,自由度
144,有意確率.000である。したがって,平均の差の検定は.000<.01 となり,県内資本と県外資本の事業所における
CSR経営統合項目に関する回答の平均値には顕 著な有意差がある,とみなせる結果となった(t=-8.628,df=144,p<.01)。
この県内/県外資本による差の分析によって,明らかとなった結果は,4-3 以降で行ってきた,平均の差の検定 における分析数値の中でも,きわめて顕著な有意差を示している。グループ統計量の平均値や標準偏差を確認 しても,県内資本と県外資本の事業所ではあきらかに
CSRの認識,そして
CSR活動の自己評価,そして何より
CSR経営統合課題項目を含む,CSR 課題への取組実績において,大きな差異がみられる。圧倒的に県外資本 の事業所のパフォーマンスが優れている。CSR 課題の取組実績では,県内資本事業所の平均値は
14.64である のに対して県外資本事業所のそれは
26.43である。にもかかわらず標準偏差にほとんど違いはない。14.64 という 取組課題数は全体平均の取組課題数
17を下回る。CSR 経営統合課題の取組実績においても同様である。県内 資本事業所が
3.87であるのに対して,県外資本事業所は
9.5333の平均値となっている。
県外資本の和歌山事業所は単に
CSR課題に個々に取り組んでいるというレベルを凌駕し,CSR のマネジメント の域には達していると推測し得るが,県内資本の事業所は
CSR課題取組総数
14.64と平均取組課題数以下では,
CSR
課題にある程度取り組んでいるとかろうじていえる程度かもしれない。ましてや
CSR経営統合課題取組数の 平均値が
3.8では,到底
CSRのマネジメントの域に達しているとは判断し得ない。
ⅱ) 規模:従業員と資本金