図表
4-20の「独立サンプルの検定」の問
1の欄の「等分散性のための
Levene検定」にある有意確率は.116 で ある。したがって
Levene検定は,.05<.116 から,有意でないとみなせるので,「等分散を仮定する」の行の値を 採用する。その値を確認すると,t 値-1.912,自由度
129,有意確率.058となる。したがって,2 の母平均の検定 は,.05<.058 となり,「情報や知識の不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業 所で,問
1の
CSRについての認識度の平均値には有意差がない,とみなせる結果となった(t=-1.912,df=129,
n.s.)。
次に
ISO26000という用語やその内容の認識の回答についての差の検定結果である。図表
4-20の「独立サン
プルの検定」の問
2の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率を確認すると,その数値は.111 であり,Leve
ne検定は,.05<.111 の結果,有意ではないとみなせる。したがって「等分散を仮定する」の行の値を採用する。
その
t値-1.126,自由度
130,有意確率.262であり,.05<.262 という差の検定値の結果,「情報や知識の不足」
を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業所で,ISO26000 についての認識度につい ての回答の平均値に有意差はない,とみなせる(t=-1.126,df=130,n.s.)。
次は,問
3の
CSR活動についての自己評価度についての回答の平均値に差があるかどうかについてである。
図表
4-20の「独立サンプルの検定」の問
3の欄の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率を確認すると,
その値は.212 であり,Levene 検定は,.05<.212 となるので,有意でないとみなせるので,「等分散を仮定する」の 行の値を採用する。その数値を確認すると,t 値.866,自由度
128,有意確率.388であり,2 つの母平均の差の検 定は,.05<.388 となる結果,「情報や知識の不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでな い事業所で,CSR 活動についての自己評価度の回答の平均値には有意差がない,とみなせる結果となった(t=.
866,df=128,n.s.)。
さて,次に「情報や知識の不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業所の
CSR課題への取組実績の平均値に差があるかどうかをみてみよう。まずは
CSR課題取組総数の平均の差である。図 表
4-20の「独立サンプルの検定」の問
6取組課題数の欄の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率は.050 であり,.05=.050 となる。Levene 検定のための有意確率が基準値とあくまでもイコールであり,以下はないので,
Levene
検定は有意ではないと判断する。したがって,「等分散を仮定する」の行の値を採用することとする。その
数値は,t 値-.208,自由度
130,有意確率.836である。差の検定の結果は.05<.836 となるので,「情報や知識の 不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業所で,CSR 課題の取組実績の平均値 には有意差はない,とみなせる(t=-.208,df=130,n.s.)
30。
領域別にみても,すべての領域において,「情報や知識の不足」を
CSR活動阻害要因
1位に選択している事業
30 因みに.05=.050を有意と判断し,「等分散を仮定しない」の数値を採用した場合は,t値-.245,自由度59.697,有意確率.807であり,
図表4-20:CSR活動阻害要因としての「情報や知識の不足」の影響
グループ統計量問5の1位に⑦を選択 N 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 問1 CSRという用語やその内容
をご存じですか
1.00 選択 29 3.379 1.1776 .2187
.00 未選択 102 3.814 1.0505 .1040
問2 ISO26000の存在やその内容 をご存じですか
1.00 29 2.10 1.145 .213
.00 103 2.40 1.271 .125
問3 CSRという用語やその内容 をご存じですか
1.00 28 3.36 1.193 .225
.00 102 3.12 1.322 .131
問6取組課題数 1.00 29 16.86 6.637 1.232
.00 103 17.23 8.948 .882
組織統治領域取組数 1.00 29 1.97 1.375 .255
.00 103 2.02 1.590 .157
人権領域取組課題数 1.00 29 2.79 .861 .160
.00 103 2.83 1.346 .133
労働領域取組課題数 1.00 29 5.66 2.349 .436
.00 103 5.36 2.562 .252
環境領域取組課題数 1.00 29 1.10 1.145 .213
.00 103 1.55 1.637 .161
事業慣行領域取組課題数 1.00 29 1.10 .860 .160
.00 103 1.05 .954 .094
消費者課題領域取組数 1.00 29 1.24 1.154 .214
.00 103 1.48 1.335 .132
コミュニティー参加領域取組課題数 1.00 29 3.00 1.282 .238
.00 103 2.95 1.671 .165
CSR経営項目 1.00 29 4.5517 3.27966 .60902
.00 103 5.1165 4.13095 .40703
独立サンプルの検定 等分散性のため
の Levene の検定
2 つの母平均の差の検定
F 値 有意確
率
t 値 自由度 有意確率 (両側)
平均値 の差
差の標 準誤差
差の 95% 信頼区間 下限 上限 問1 等分散を仮定する 2.501 .116 -1.912 129 .058 -.4344 .2271 -.8838 .0150
等分散を仮定しない -1.794 41.515 .080 -.4344 .2421 -.9233 .0544 問2 等分散を仮定する 2.579 .111 -1.126 130 .262 -.295 .262 -.812 .223 等分散を仮定しない -1.194 49.172 .238 -.295 .247 -.790 .201 問3 等分散を仮定する 1.570 .212 .866 128 .388 .239 .277 -.308 .787 等分散を仮定しない .919 46.856 .363 .239 .261 -.285 .764 問6取組課題数 等分散を仮定する 3.917 .050 -.208 130 .836 -.371 1.788 -3.907 3.166 等分散を仮定しない -.245 59.697 .807 -.371 1.515 -3.402 2.661
組織統治領域取組数 等分散を仮定する 2.059 .154 -.166 130 .869 -.054 .325 -.697 .589
等分散を仮定しない -.180 51.061 .858 -.054 .300 -.655 .548
人権領域 〃 等分散を仮定する 6.489 .012 -.122 130 .903 -.032 .264 -.555 .491
等分散を仮定しない -.155 70.622 .877 -.032 .208 -.446 .382
労働領域 〃 等分散を仮定する .335 .564 .559 130 .577 .296 .529 -.751 1.343
等分散を仮定しない .587 48.405 .560 .296 .504 -.717 1.309
環境領域 〃 等分散を仮定する 18.725 .000 -1.386 130 .168 -.450 .325 -1.092 .192
等分散を仮定しない -1.686 63.744 .097 -.450 .267 -.983 .083
事業慣行領域 〃 等分散を仮定する 1.706 .194 .280 130 .780 .055 .196 -.334 .443
等分散を仮定しない .296 49.146 .768 .055 .185 -.317 .427
消費者課題領域 〃 等分散を仮定する 2.206 .140 -.859 130 .392 -.234 .273 -.774 .305
等分散を仮定しない -.932 51.058 .356 -.234 .251 -.739 .271
コミュニティー参加領域 〃 等分散を仮定する 2.352 .128 .145 130 .885 .049 .335 -.615 .712
等分散を仮定しない .168 57.584 .867 .049 .289 -.531 .628 CSR経営項目 等分散を仮定する 2.233 .137 -.678 130 .499 -.56478 .83311 -2.21299 1.08342 等分散を仮定しない -.771 55.558 .444 -.56478 .73252 -2.03244 .90288
所とそうでない事業所の間で,回答の平均値に有意差はない,とみなせる結果となった。それぞれの数値は以下
の通りである。組織統治(等分散を仮定。t=-.166,df=130,n.s.),人権(等分散を仮定しない。t=-.155,df=7
0.622,n.s.),労働(等分散を仮定。t=.559,df=130,n.s.),環境(等分散を仮定しない。t=-1.686,df=63.744,
n.s.),
事業慣行(等分散を仮定。t=.280,df=130,n.s.),消費者課題 (等分散を仮定。t=-.859,df=130,n.
s.),そしてコミュニティー参加(等分散を仮定。t=.145,df=130,n.s.),である。
最後に「情報や知識の不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業所の
CSR経 営統合項目の取組実績の回答における平均に差があるかどうかを確認する。図表
4-20の「独立サンプルの検定」
の
CSR経営統合項目の欄の「等分散性のための
Levene検定」の有意確率を確認すると,.137 である。
Levene検定は,.05<.137 から,有意ではなく,したがって「等分散を仮定する」の行の値を採用する。その数値は,t 値
-.678,自由度130,有意確率.499であり,差の検定は.05<.499 であるので,「情報や知識の不足」を
CSR活動 の阻害要因
1位に選択している事業所とそうでない事業所の
CSR経営統合項目における回答の平均値には有 意差はない,とみなせる(t=-.678,df=130,n.s.)。
この「情報や知識の不足」は,CSR 活動の阻害要因の総合で順位
3位の阻害要因として指摘されていた(図表
3-18参照)。しかしすべての項目において,「情報や知識の不足」を
CSR活動の阻害要因
1位に選択していよう といまいと,CSR 関連の事柄についての認識も,CSR 活動の実施状況についての回答に統計的に有意な差はみ られず,この
CSR活動の阻害要因も,阻害要因総合順位
1位の「本業の忙しさ」,総合順位
2位の「人材の不足」
と同様,CSR 関連の用語の認識や実際の
CSRへの取り組みに対する影響を確認することはできなかった。
この「情報や知識の不足」も,質問票に回答してくれた和歌山県下の事業所における
CSRへの取り組みにおい て,阻害要因として作用しているとは判断しにくいという結果となった。
4-5 CSR
経営統合課題項目の影響
ここでは,図表
2-7で示した
CSR経営統合課題
14項目の影響を分析する。問
6の
36項目の
CSR課題の内,
組織統治領域だけではなく,その他の領域にも分散している,CSR 課題を統合し,実施するには,特定のシステ ムや手順などを備える必要のある
CSR課題の有無(実施しているか,いないか)で,とりわけ問
1,問2の
CSRや
ISO26000
に関する認識度に対する回答や問
3の
CSR活動に対する自己評価度についての回答に差があるか
どうかを確認する。
まず問
6-1「CSR課題を担当する役員や委員会,部署などが存在する」に「はい」と回答した事業所とそうでない
事業所の,問
1,問2,問3の回答における平均値の差の分析である。図表
4-21-1はこの結果を示す。独立サン
プルの検定の問
1の欄の「等分散性のための
Levene検定」にある有意確率は.000 である。したがって,Levene
検定は,.000<.05 であるから,有意であるとみなせ,「等分散を仮定しない」の行の値を採用することになる。そ
の
2つの母平均の差の検定欄における当該値を確認すると,t 値
7.648,自由度74.255,有意確率.000となる。
したがって,2 の母平均の差の検定は.000<.01 となり,CSR 関連の専門部署・担当者の有無に〇をつけた事業 所とそうでない事業所の,問
1の
CSRについての認識度についての平均値の差には,顕著な有意差がある,と みなせる結果となった(t=7.648,df=74.255,p<.01)。
図表
4-21-1:CSR経営統合課題項目の「CSR 業務担当の専門部署・担当者」の影響
グループ統計量問6-1.CSR課題を担当する役員や委 員会,部署などが存在する
N 平均値 標準偏
差
平均値の標準 誤差 問1 CSRという用語やその
内容をご存じですか
1.はい 30 4.633 .6687 .1221
0.いいえ 115 3.417 1.0921 .1018
問2 ISO26000の存在やそ の内容をご存じですか
1.はい 30 3.03 1.402 .256
0.いいえ 116 2.18 1.147 .106
問3 CSR活動に取り組ん でいますか
1.はい 30 4.47 .819 .150
0.いいえ 113 2.81 1.214 .114
独立サンプルの検定 等分散性のための
Levene の検定
2 つの母平均の差の検定 F 値 有意確率 t 値 自由度 有意確率
(両側)
平均値 の差
差の標準 誤差
差の 95% 信頼区間 下限 上限 問1 等分散を仮定する 14.135 .000 5.812 143 .000 1.2159 .2092 .8024 1.6295
等分散を仮定しない 7.648 74.255 .000 1.2159 .1590 .8992 1.5327 問2 等分散を仮定する 4.751 .031 3.461 144 .001 .852 .246 .366 1.339 等分散を仮定しない 3.075 39.609 .004 .852 .277 .292 1.413 問3 等分散を仮定する 15.617 .000 7.033 141 .000 1.653 .235 1.188 2.117 等分散を仮定しない 8.780 66.793 .000 1.653 .188 1.277 2.028
この点は,問
2,問3に関しても同じであった。問
2の欄の「等分散性のための
Levene検定」にある有意確率 は.031 であり,.031<.05 であるので,「等分散を仮定しない」の行の数値をみると,t 値
3.075,自由度39.609,有意確率.004 である。したがって.004<.01 であり,CSR 担当の部署がある事業所とそうでない事業所との間で,問
1の
CSRの認識度について,顕著な有意差がある,とみなせる(t=3.075,df=39.609,p<.01)。問
3の欄の「等 分散性のための
Levene検定」にある有意確率は.000 であり,.000<.05 であるので,「等分散を仮定しない」の行 の数値を採用する。それらは t 値
8.780,自由度66.793で,有意確率.000 となる。したがって.000<.01 であり,
CSR