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近似大規模電磁場解析

第 6 章 背景散乱光と表面形状の相関

6.3 近似大規模電磁場解析

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格子高さH = 1500 nm,格子幅L = 2500 nmとした.偏光はTE偏光とし,その他の計

算条件は4.2節と同様とした.前述の方法により,単一格子に対する電磁場解析結果 を用いて近似散乱光強度を計算した.単一格子の計算領域D’ = 100 μmとした.解析 領域の中央に単一格子がある構造に対する電磁場解析の結果を図 43に示す.格子か ら離れた位置において振幅と位相はともに一定となっているix.このため振幅と位相 の分布をより大きな横幅に延長することが可能である.これは近似的に大規模な電磁 場解析結果を得られることを意味する.例としてD’ を100 μmから500 μmに延長し た.この延長後の複素振幅をフーリエ変換し,散乱複素振幅を求め,式 13 を用いて 格子が横にシフトした形状(99パターン)に対する散乱複素振幅を計算した.これら を足し合わせることで,格子が欠けた欠陥(欠陥の周期D = 500 μm)が発する近似背 景散乱光強度(近似解)を計算した.結果を図 45(a)に水色の○で示す.比較として,

欠陥の周期D = 500 μmの物体モデル(格子99個)に対して電磁場計算を行った結果

(FDTD)を黒色の□で示した.近接相互作用を無視している影響で,|sin θ | > 0.7の 散乱角度領域で一致精度が低い.近接相互作用を考慮するために,単一格子のかわり に2つの格子に対して電磁場解析した.式13におけるPを2Pとし2つの格子の組が 横にシフトした形状(49パターン)に対する散乱複素振幅を得た.これと単一格子の 結果(1パターン)の散乱複素振幅を足すことで99個の格子形状に対する結果を得た.

これを図 45(b)に示す.隣り合う格子の近接相互作用が考慮されることで|sin θ | > 0.7

の散乱角度領域で一致精度が向上している.

格子周期Pが小さいほど,近接相互作用は大きくなり,近似精度が悪化することが 予想される.格子周期を3 μmと1 μmとした場合の結果を図 46に示す.どちらも単

ix 粒子散乱の場合には粒子から遠い位置においても複素振幅の振動変化が大きく,本節の近似計算 法を用いることは困難である.

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一格子に対する電磁場解析結果を用いて計算した.格子周期Pが小さいほど近似精度 が悪化し,格子周期1 μmにおいては,散乱角度全域においてFDTDと不一致が認め られる.また,周期5 μmに対する近似解の回折強度は,FDTDに比べ回折光強度が 一様に低くなったものの,異なる次数の回折光強度間の大小関係はFDTDの結果と同 様であった.これに対し,周期3 μmでは0次回折光強度に加え,最大次数である±4 次の回折光強度の不一致が大きい.周期1 μmでは回折光強度の不一致はさらに大き くなり,0次と±1次の回折光強度の大小関係が逆転している.本近似手法を用いる際 には,波長636.3 nm,格子高さ1500 nm,格子幅2500 nmのモデルにおいて,回折光 強度の大小関係と背景散乱光強度分布を正確に把握するためには格子周期が5 μm以 上であることが望ましい.

42. 格子位置が異なる単一格子構造

D’

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図 43. 単一格子の透過電磁場(振幅と位相)

位置[μm]

0 20 40 60 80 100

0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8

Magnitude

0 20 40 60 80 100

-2 -1.8 -1.6 -1.4 -1.2 -1

Phase

位相振幅

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図 44. 2つの格子の透過電磁場(振幅と位相)

0 20 40 60 80 100

-2 -1.5 -1 -0.5

Phase

0 20 40 60 80 100

0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

Magnitude

位置 [μm]

位相振幅

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図 45. 近似背景散乱光強度とFDTD計算値との比較;

(a)単一格子の透過電磁場を足し合わせて得た近似解,

(b)2つの格子の透過電磁場を足し合わせて得た近似解

sinθ

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

-8 -6 -4 -2 0

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

-8 -6 -4 -2 0

lo g

10

(i n te n si ty) lo g

10

(i n te n si ty)

(a)

(b)

○ 近似解

□FDTD

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図 46. 周期Pの変化に伴う近似精度の変化(単一格子の和);

(a)P = 3 μm (H = 1 μm, L = 1.5 μm), (b) P = 1μm (H = 0.8 μm, L = 0.5 μm).

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

-8 -6 -4 -2 0

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0

-8 -6 -4 -2 0

sinθ lo g

10

(i n te n si ty) lo g

10

(i n te n si ty)

(a)

(b)

○ 近似解

□FDTD

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