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第 3 節 本研究の 調査・方法及び 論文構成

4. 論文中の表記について…

第 1章 民俗フットボールの消滅と存続 第 1節 消滅した民俗フットボール

1. 近代化以前の民俗フットボール

1) 近代化以前の民俗フットボールを取り巻く社会生活の状況及び変化 2) 近代化以前の民俗フットボールの姿

2. 近代化以後に消滅した民俗フットボール 1) 消滅の社会的背景

2) 消滅した民俗フットボールの姿 第 2節 英国に存続する民俗フットボールの実態 1. 存続が確認された民俗フットボール

2. スコットランドに存続する民俗フットボールの実態 1) スコットランドに存続する民俗フットボールの 特徴 2) スコットランドの存続するゲームの多様性と類似性

3. イングランドの存続するゲームの実態 1) イングランドの存続するゲームの特徴

2) イングランドに存続するゲームの多様性と類似性 第3節 消滅、存続する民俗フットボールの多様性の意味

第 2章 存続する民俗フットボールの変容 第1 節 存続する民俗フットボールの変容内容

1. 人口動態とゲームの淘汰 2. ゲーム空間の移動や制限

3. ゲーム時間の制限とゲームの複数化 4. 近代化が生んだ委員会組織

5. 審判制、ルールの導入

6. ボールの変化と付与された社会的意味

32 7. 賞金制の導入

8. メディアの露出と観光産業化

第2 節 存続する民俗フットボールをめぐる状況の変化 1. ここ約1世紀間にみられる民俗フットボールの変容

2. Alnwickのゲームにみるゲームの変容とゲームの 担い手の交代

1) 近代化を最も受容したゲームの姿 2) ゲームのパトロン、権限の変遷 3. 住民の「伝統」継承の意識とその啓蒙

第3 節 存続する民俗フットボールの歩んだ変容の方向性 1. 社会変化に基づくゲームの文脈化

2. チーム区分の変化 3. 競技性と祝祭性 4. 暴力性の意味の変化

5. 存続する民俗フットボールと近代スポーツの関係性

1) 近代スポーツとの鬩ぎ合い-アソシエイション・フットボールとの対立と共

存-

2) 近代スポーツと民俗フットボールの 並存

第 3章 Kirkwallの Ba’ゲームの民族誌

第1節 Kirkwallの概要(ロケーション、歴史 、人口と産業、政治、教育、暮らし)

第2 節 Kirkwallの Ba’の起源と歴史 第3 節 Kirkwallの Ba’のゲーム概要

1. ゲームの概要 2. ゲームの展開

1) Men’s Ba’(メンズ・バー)観戦録 2) 地元新聞によるゲーム報道

3. ゲーム前に開催される Ba’ミーティング

4. ゲームに見られる戦術的行動

第4 節 Kirkwallの Ba’にみる伝統の継承と発展 1. チーム区分とコミュニティ形成

2. 担い手の役割

1) キー・パーソンの存在 2) プレーヤーの役割

3) ボール・メイカーの地位と役割 4) 女性のゲーム参加と役割

3. 勝者(winner)の決定の仕方とその栄誉 4. Ba’委員会の設置とその貢献

第5 節 Kirkwallの Ba’の意味変容-伝統行事からコミュニティ統合の活動へ-

1. ゲームの社会的意味の変 化

2. コミュニティの変容と Ba’ゲーム

3. ゲームの担い手の意識変容 第6 節 Kirkwallの Ba’の存続

1. 存続の危機とその回避 2. 存続を支える取り組み 3. ゲームの存続の意味

第 4章 民俗フットボールの存続・継承の現代的意義

第1 節 民俗フットボールの存続・継承の文化・社会的解釈 1. 民俗フットボールの「野蛮さ」の解釈

2. 暴力と自己抑制・自己規律性

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3. ルールの縛りからの解放 4. 祝祭性と非日常性の取り戻し

5. 勝利と勝者の意味

6. 継承・発展の担い手 第2 節 現在スポーツへの発展的提起

1. スポーツとしての民俗フットボール 2. スポーツ本来のおもしろさへの回帰 3. 勝利至上主義の克服への示唆

4. スポーツの変革・創造の主体者 の具体像 第3 節 民俗フットボールの存続・継承の教育的意義

1. 民俗フットボールの生涯学習への 還元の可能性 2. 民俗フットボールの学校教育への還元の可能性

1) 民俗フットボールと文化研究

2) 日本におけるスポーツの主体者形成の系譜 3) 民俗フットボールの教材としての可能性

終 章

第1 節 研究の再確認 1. 研究の成果 2. 研究成果の貢献

1) 学術的貢献

2) 民族誌としての価値 3) 発展的な提言 3. 研究の課題

第2 節 研究の今後の展望 謝 辞

文 献

インタビュイー及びインタビュー日程 資 料

3. 各章における検討内容

上述の目次に基づき、各章において記述する内容は、以下のとおりである。

第1章 民俗フットボールの消滅と存続

本章では、まず、先行研究をたよりに民俗フットボールが産業革命を経て消滅、存続 の岐路に立たされる状況を、近代化以前、以後の時代に分けて整理し、民俗フットボー ルの歴史的変遷について概括する。また、英国においてその存続が確認できた 17箇所 の民俗フットボールのフィールドワークによって得られた情報をもとに、現存する民 俗フットボールの特徴についてゲームの形態を中心に整理する。そこでは、ひとまずス コットランドとイングランド に区分して整理し、消滅したゲームにも言及しながら存 続しているゲームがどのように多様性と類似性を有しているかについて検討する。

34 第2章 存続する民俗フットボールの変容

民俗フットボールは、過去の形態や意味を踏襲して存続しているのではなく、時代の 変化に応じ、時代が要請する変容を受け入れ、あるいは積極的に適応させながら、現在 に至っている。本章では、現存するゲームに関して残され、また語り継がれてきた限ら れた資料や情報をたよりに、存続する民俗フットボールが産業革命 による近代化の進 展に伴い、人のものの考え方や社会の変化に対応し、どのように変容・存続してきたか について考察する。そこでは、変容内容の整理のみならず、ゲームの社会的機能に着目 してゲームの変容の多様性、方向性について検討し、近代スポーツの誕生と民俗フット ボールの関係性についても言及する。

第3章 Kirkwallの Ba’ゲームの民族誌

本章では、調査した民俗フットボールのなかで、英国のみならず海外のメディアから も取材されているスコットランドのオークニー諸島中心の町である Kirkwall の Ba’ゲ ームを取り上げ、民族誌的に記述する。筆者はこれまでKirkwallへは何度も足を運び、

ゲームを観察し、ゲームの識者へのインタビュー、住民へのアンケートを実施し、貴重 な資料も入手してきた。ここでは、それらによって得られた情報をもとに、ゲームの 担 い手の役割、ゲームを支える仕組み、なかでも幾度か存続の危機に立たされながら死守 しゲームの存続を支えた委員会 の貢献、そして住民たちの存続に向けた知恵や工夫に ついて記述する。辺境にありながら、存続するゲームのなかでも大規模なゲームが行わ れているのにはどのような歴史や背景があり、 そのゲーム存続のために住民たちは現 在までどのような取り組みをしてきたのか描き出すことで、民俗フットボールの存続 意義を見出すことができる。

第4章 民俗フットボール存続と現代的意義

民俗フットボールの多くが消滅するなかで、存続を確認した 17箇所ではその形態の 変容はじめ、ゲームに付与された意味や今後の存続の可能性に差異があるものの、それ らが存続してきた、また存続していることにこそ現代的意義がある。そこで本章では、

これまでの章で検討し整理されたことをもとに、民俗フットボール に見出し得る固有 のおもしろさについて考察する。また、これまでゲームが継承・発展、さらには創造さ れてきたことから見出せる文化的、社会的意義を整理し、民俗フットボールの 教育的意

35 義として、教育還元の可能性について検討する。

4. 論文中の表記について

本論文における文章表記及び写真や資料の扱いについては、以下のように取り計らう。

1) 筆者によって撮影された写真の掲載について以下のように取り扱う。2018 年以前 のもので、口頭ながら掲載確認が取れているものは、そのまま掲載し、拙著及び掲載 済み論文中に挿入された写真もそのまま掲載する。ただし、確認が取れていないもの については、本人が特定されないように本文の記述に配慮する。なお、筆者が撮影し た写真には「筆者撮影」などの注は付けず、また掲載許可を取って掲載するものはそ の旨を注として付記する。

2) 地名・人名等については、存続する17箇所のゲームの地名及びKirkwallにおける インタビュイーについては、英語表記を用いる。その他は、基本的には日本語(カタ カナ)表記とし、初出のみ両方を併記する。なお、他に英語表記を用いる場合は、本 文中にその旨を記す。

3) 本論の内容を補う資料等は、巻末にまとめて掲載する。

4) インタビュイーについては、その人物の紹介を巻末に掲載しているが、その掲載内 容については本人に確認済みである。

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