第四章 まとめ 台湾活用型対中投資の構造とベネフィット
第 1 節 日台アライアンスの永続性に関する実証研究
1.2 調査結果
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② データ2.在台湾日系企業消滅事例データ
次にデータ①と比較する為に、東洋経済新報社が発行する『海外進出企業総覧』に掲載 されているデータをもとに撤退または被合併により消滅した在台湾日系現地法人の抽出を 行い、1.日本企業の卖独出資による台湾現地法人、2.日本企業と台湾企業の合弁によ る現地法人の2通りに分類した。その際、進出時期の時間差を勘案すべくデータの採取期 間を現存する最も古いデータにさかのぼり、1997年1月から2006年12月までの10年間 とした。
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図表4-2 日本企業の中国現法、撤退・被合併内訳
社数 操業期間 割合 1 日本 158 78 32.6%
2 中国 2 77 0.4%
3 香港 13 95 2.7%
4 台湾 1 44 0.2%
5 その他 4 106 0.8%
社数 操業期間 割合
6 日本 19 95 3.9%
7 中国 246 109 50.7%
8 香港 17 119 3.5%
9 台湾 10 91 2.1%
10 その他 15 90 3.1%
(資料)『東洋経済新報社 海外進出企業総覧』各年度版 より筆者作成
(注)
台湾活用型対中投資は上記(4+9)合計の11社 中国活用型対中投資は上記(2+7)合計の248社
*独資の定義は日本企業もしくは日本企業が100%出資して設立した(海外)子会社
*合弁の定義は日本企業と各該当地に当期された企業(日系・非日系を問わず)との合弁会社
*合弁相手が複数かつ他国籍にまたがる場合の仕分けルール 1)台湾籍企業が出資比率10%以上入っていれば「台湾」に分類 2) 合弁相手の内、最大出資比率企業の国
3)日本企業との関係性がより深いと判断される(地元国で既に合弁・提携関係にある等)企業の国 4)上記1~3が不明な場合は原則「中国」
独資
合弁
撤退年度:1999年1月から2008年12月まで合計485社
(卖位:社数=社、操業期間=ヶ月)
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b) 台湾現法における消滅事例(1997年1月から2006年12月まで)・・・計160社
図表4-3 日本企業の台湾現法、撤退・被合併内訳
社数 操業期間 割合 1 日本 65 179 40.6%
2 台湾 95 148 59.4%
(資料)『東洋経済新報社 海外進出企業総覧』各年度版 より筆者作成
(卖位:社数=社、操業期間=ヶ月)
独資
合弁
撤退年度:1997年1月から2006年12月まで合計 160社
(2) 調査結果分析
a) 尐ない「台湾活用型対中投資」現地法人の消滅比率
第二章で述べたとおり、2009年6月時点で415社の台湾活用型対中投資事例が確認さ れており、東洋経済新報社『海外進出企業総覧2009年版』による在中国日系現地法人数
5,015社に占める割合は8.3%である。時間の制約上、この5,015社の出資構成調査と分類
および台湾活用型の洗い出しは叶わなかったが、この『海外進出企業総覧』各年度版にお ける過去10年間に渡る日系企業中国現地法人の消滅(撤退もしくは被合併)事案に占め る「台湾活用型対地投資」事例は、筆者が確認できたベースで11社であった。これは全 件485社に対する割合は2.3%となり、存続企業ベースのシェア8.3%に比べ圧倒的に低い。
(図表4-2参照)
b) 長い台湾企業との合弁期間
次に中国および台湾における合弁形態別の操業期間=存続期間を同様に日系企業の消 滅(撤退もしくは被合併)事案をもとに検証する。図表4-2の6番(日本企業同士の合弁 による中国現地法人)、7番(日本企業と中国企業の合弁による中国現地法人)、8番(日
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本企業と香港企業の合弁による中国現地法人)、9番(日本企業と台湾企業の合弁による 中国現地法人)、10番(日本企業と前述以外の国・地域にある企業で台湾系資本が入って いる企業を除く、と合弁による中国現地法人)、図表4-3の2番(日本企業と台湾企業の 合弁による台湾現地法人)がそれぞれ合弁形式による現地法人となるが、この中で図表4-3 の2番、台湾における日本企業と台湾企業の合弁パターンの操業期間が平均148カ月で他 のパターンに比べて圧倒的に消滅までの操業期が長い、ということがわかる。
c) まとめ
上記a)およびb)のデータ分析結果から、日本企業にとって台湾企業との合弁による現
地法人経営は撤退リスクが低く、かつ、一般的華人経営の特徴である短期的な投資回収と は一線を画した、永続性を念頭においた企業経営が実現出来、他の合弁選択枠に比べて本 章冒頭に述べた“ユニークな優位性”を得るための学習期間を手に入れやすいものと思料 する。