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本稿では駆動領域の拡大やトルクの増加や効率改善を明らかにしたが,未着手である 4)〜7)番の事項 を明らかにする必要がある。また更なる高性能化を達成するために,今後は下記に示す項目を検討してい く必要がある。

モータインテグレーションの検討およびインバータを含めた総合効率の測定

モータ駆動中における巻線切り替えの実施および,トルクショックレスを達成するための電流指令 値の決定方法の検討

数十kWクラスの大型モデルによる実機検証およびモード走行時の効率特性の取得

実機実験において周方向エアギャップ磁束密度のオンライン観測,および制御

エアギャップ磁束密度の制御から派生した低トルク脈動制御および低振動・低騒音制御の提案

(MATRIXモータが実現する付加価値で挙げた6)と7)番に相当)

鉄損抑制制御から派生した局所的な弱め磁束制御による耐減磁性能の向上,および瞬時の電圧振幅 を減少することによる駆動領域を拡大する弱め磁束制御の提案(MATRIXモータが実現する付加 価値で挙げた4)と5)番に相当)

駆動相数よりも高い次数の高調波制御方法の検討

ゲートドライブ回路の増加に伴って複数の絶縁電源が必要となる問題の解決

付録 A

原理検証機のモータモデルの仕様

本研究に使用した原理検証機のモータモデルの詳細を表A.1にまとめる。電機子巻線は図A.1に示す ような波巻構造をしており,各相の巻線は1スロットあたり6 turnである。また,FEAに用いたモデ ルは図A.2に示す1/8モデルであり,要素数は7441,節点数は4401を用いる。電機子巻線の抵抗を表 A.2 に電磁鋼鈑と磁石材料を表A.3にそれぞれまとめる。

回転数2000 min1時における誘起電圧波形とそのFFT結果を図A.3にまとめる。図A.3(a)はA相 電機子巻線のFEAとの比較を示しており,図A.3(b)では全相とFEAの比較を示している。図A.3(b) より実機実験における誘起電圧は電機子巻線抵抗と同様にばらつきがあることがわかる。基本波成分を比

較するとFEAでは19.1 Vであるのに対し,実験結果の平均値は18.8 Vと約2.3 % 程度減少している

ことがわかる。また高調波成分に関しても3次,9次高調波成分以外は全体的に実験結果では減少してい ることがわかる。

A.1 原理検証機のモータモデルの仕様

Parameters Value Unit

Number of Poles 8 [-]

Number of Slots 48 [-]

Stack lenght 66.6 [mm]

Stator outer diameter 164.6 [mm]

Rotor outer diameter 116 [mm]

Air gap length 0.5 [mm]

Turn number per slot 6 [turn]

Stator core Rotor core

Permanent magnet

Armature winding

A.1 電機子巻線の構造

A.2 電機子巻線抵抗

Armature winding A B C D E F

Resistance [mΩ] (20℃) 47.9 50.0 52.3 50.3 52.5 55.2

A.2 原理検証機のメッシュモデル

-30 -20 -10 0 10 20 30

0 1.5 3 4.5 6 7.5

Back-EMF [V]

Time [ms]

FEA Experiment

(a)誘起電圧波形

0 5 10 15 20

1st 3rd 5th 7th 9th 11th 13th 15th

Back-EMF [V]

Harmonic order

FEA A B C D E F

(b) FFT結果

A.3 実験とFEAの誘起電圧の比較(回転数2000 min−1)

A.3 原理検証機の材料

Component Material

Stator core 35H230

Rotor core 35H230

Permanent magnet NEOMAX-P11

(Remanent flux densityBr = 0.71 [T])

回転数を変化した際の無負荷時における損失を図A.4にまとめる。同図には比較として,磁石を取り付 けた状態の実験結果(Exp. with magnet),磁石を取り除いた状態の実験結果(Exp. without magnet), 磁石を取り付けた状態のFEA結果(FEA with magnet)の3種類を記載する。FEAでは機械損を考慮 に入れていないため,FEA with magnetは無負荷鉄損を示している。また,Exp. without magnetは 磁石がないため,機械損と風損の和を示している。Exp. with magnetでは無負荷鉄損,機械損と風損の 総和を示している。同図よりFEA with magnetとExp. without magnetはほぼ同等の損失を示してい

るが,Exp. with magnetではこれらの約2倍の損失が発生していることがわかる。

0 50 100 150 200 250

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

Loss [W]

Speed [min-1] Exp. with magnet

Exp. without magnet FEA with magnet

A.4 無負荷時の損失の比較

付録 B

実験機器