一 課 税 標 準
1 不動産取得税の課税標準
不動産取得税の課税標準は、不動産を取得した時における不動産の価格とする。(法73の13①)
2 家屋の改築の場合の課税標準
家屋の改築をもって家屋の取得とみなした場合に課する不動産取得税の課税標準は、当該改築に因り増加した価格とす る。(法73の13②)
3 不動産の価格
① 固定資産課税台帳に登録されている不動産の価格
道府県知事は、固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については、当該価格により当該不動産に 係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする。ただし、当該不動産について増築、改築、損かい、
地目の変換その他特別の事情がある場合において当該固定資産の価格により難いときは、この限りでない。(法73の21①)
② 固定資産課税台帳に登録されていない不動産の価格等
道府県知事は、固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は①ただし書の規定に該当する不動産 については、固定資産税の固定資産評価基準によって、当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定 するものとする。(法73の21②)
(注) ②の規定により道府県知事が不動産の価格を決定する場合において、当該不動産が第三編第三章第六節二《平成22年度又は平成23年度にお ける土地の価格の特例》の1又は2の規定の適用を受ける土地であるときにおける②の規定の適用については、②の規定中「固定資産評価基 準」とあるのは、「固定資産評価基準及び第三編第三章第六節二の1の修正基準」と読み替えるものとする。(法附11の6)
(増築、改築等による評価替え)
(1) 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産及び増築、改築、損壊、地目の変換その他特別の 事情がある不動産については、道府県知事が自ら不動産の価格を決定することができるが、次の諸点に留意するもの であること。(県通5-20)
(一) ①ただし書に規定する「その他特別の事情」とは、増築、改築、損壊、地目の変換等当該家屋又は土地自体の 物理的変動があった場合はもとより、都市的諸施設の整備等地帯として環境に著しい変動があった場合、さらに固 定資産税の賦課期日後に生じた地価の著しい変動といった事情も含まれ得るものであること。
ただし、固定資産税の賦課期日後に生じた地価の著しい変動によって①ただし書を適用することができるのは、
当該地価変動により固定資産課税台帳に登録されている価格が当該不動産の適正な時価を示しているといえない程 度に達した場合に限られるものであること。
また、農地について農地法第5条第1項《転用許可》の規定による道府県知事の許可を受けた場合も特別の事情 に該当するものであること。
(二) 道府県知事が自ら不動産の価格を決定する場合において必要があるときは、市町村長の評価見込額その他当該 不動産の価格の決定について参考となるべき事項を市町村長から徴するものとすること。
(決定価格の市町村への通知)
(2) 道府県知事は、②の規定によって不動産の価格を決定した場合においては、直ちに、当該価格その他必要な事項
を当該不動産の所在地の市町村長に通知しなければならない。(法73の21③)
(価格の不均衡の是正についての助言)
(3) 道府県知事は、不動産取得税の課税標準となるべき価格の決定を行った結果、固定資産課税台帳に登録されてい る不動産の価格について、市町村間に不均衡を認めた場合においては、理由を附けて、関係市町村の長に対し、固定 資産税の課税標準となるべき価格の決定について助言をするものとする。(法73の21④)
(留意事項)
(4) 道府県知事が自ら価格を決定した場合において当該価格の決定を通じ、市町村間に評価の不均衡を認めたときは 関係市町村の長に対し、固定資産税の課税標準となるべき価格の決定について助言をするものとされているのである が、この助言を行うに当たっては相当多数の実例を通じて慎重に検討して行うべきものであること。(県通5-21)
③ 市町村長が申告書等を送付する際の不動産の価格等の通知
市町村長は、第三節三の(2)の規定によって送付又は通知をする場合においては、道府県の条例の定めるところによっ て、当該不動産の価格その他当該不動産の価格の決定について参考となるべき事項をあわせて道府県知事に通知するもの とする。(法73の22)
④ 道府県職員への固定資産課税台帳等の供覧
道府県知事が市町村長に対し、固定資産課税台帳その他不動産取得税の課税標準となるべき不動産の価格の決定につい て参考となるべき帳簿書類を閲覧し、又は記録することを請求した場合においては、市町村長は、関係帳簿書類を道府県 知事又はその指定する職員に閲覧させ、又は記録させるものとする。(法73の23)
4 課税標準の特例
① 住宅の取得に係る特例
イ 新築住宅に係る1,200万円控除
住宅の建築(新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入を含むものとし、(1)で定めるもの に限る。)をした場合における当該住宅の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の算定については、1戸につき1,200 万円(共同住宅、寄宿舎その他これらに類する多数の人の居住の用に供する住宅(以下「共同住宅等」という。)にあって は、居住の用に供するために独立的に区画された一の部分で(2)で定めるものにつき1,200万円)を価格から控除するもの とする。(法73の14①)
(特例の対象となる住宅の建築)
(1) イに規定する特例の対象となる住宅の建築は、次の各号に掲げる住宅の建築の区分に応じ、当該各号に定める住 宅の建築とする。(令37の16)
(一)
共同住宅等(イに規定する共同住 宅等をいう。(二)並びに第四節一 の1の①の(2)、(4)及び(5)に おいて同じ。)以外の住宅の建築
(新築された住宅でまだ人の居住 の用に供されたことのないものの 購入を含む。以下(1)及び第四節 一の1の①の(4)及び(5)におい て同じ。)
当該建築に係る住宅(当該建築が住宅と一構となるべき住宅の新築である 場合にあっては一構をなすこれらの住宅とし、当該建築が住宅の増築又は 改築である場合にあっては当該増築又は改築がされた後の住宅とする。以 下(2)までにおいて同じ。)の床面積(区分所有される住宅にあっては、居 住の用に供する専有部分の床面積とし、当該専有部分の属する建物に共用 部分があるときは、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の 割合により当該共用部分の床面積を按分して得た面積を当該専有部分の床 面積に算入するものとする。ハの(1)《新築された住宅でまだ人の居住の 用に供されたことのないもの以外の住宅》及び第四節一の1の①の(2)《特 例適用住宅の要件》の(一)において同じ。)が50平方メートル(当該専有部 分が貸家の用に供されるものである場合にあっては、40平方メートル)以 上240平方メートル以下の住宅の建築
(二) 共同住宅等の住宅の建築 当該建築に係る住宅の居住の用に供するために独立的に区画された一の部
分のいずれかの床面積(当該住宅に共同の用に供される部分(当該住宅が 区分所有される住宅である場合には、当該住宅に係る共用部分を含む。)が あるときは、これを共用すべき独立的に区画された各部分の床面積の割合 により当該共同の用に供される部分の床面積を配分して、それぞれその各 部分の床面積に算入するものとする。(2)及び第四節一の1の①の(2)の (二)において同じ。)が、50平方メートル(当該独立的に区画された一の部 分が貸家の用に供されるものである場合にあっては、40平方メートル)以 上240平方メートル以下の住宅の建築
(居住の用に供するために独立的に区画された一の部分)
(2) イに規定する居住の用に供するために独立的に区画された一の部分は、当該建築に係る住宅の居住の用に供する ために独立的に区画された一の部分でその床面積が50平方メートル(当該独立的に区画された一の部分が貸家の用に 供されるものである場合にあっては、40平方メートル)以上240平方メートル以下のものとする。(令37の17)
(建築後1年以内に行われた増築等への適用関係)
(3) 共同住宅等以外の住宅の建築(新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入を含む。以 下(3)及びニにおいて同じ。)をした者が、当該住宅の建築後1年以内にその住宅と一構となるべき住宅を新築し、又 はその住宅に増築した場合にあっては、前後の住宅の建築をもって1戸の住宅の建築とみなしてイの規定を適用する。
(法73の14②)
(公営住宅の譲受け等による取得への適用)
(4) 公営住宅及びこれに準ずる住宅(以下(4)において「公営住宅等」という。)を地方公共団体から当該公営住宅等 の入居者又は入居者の組織する団体が譲渡を受けた場合における当該公営住宅等の取得に対して課する不動産取得税 の課税標準の算定については、当該譲渡に係る住宅をもって建築に係る住宅とみなしてイの規定を適用する。(法73 の14⑤)
(店舗等併用住宅の住宅部分)
(5) 家屋のうちに住宅部分とそれ以外の部分とがある場合における家屋の価格の算定については、住宅部分とそれ以 外の部分とに区分してそれぞれ算定するものとし、区分の困難な共用部分については、住宅部分とそれ以外の部分と のそれぞれの床面積等により按分して算定するのが適当であること。この場合において、住宅部分とそれ以外の部分 とに区分して価格を算定することが困難である家屋については、当該家屋の価格をそれぞれの床面積等により按分し て算定することが適当であること。(県通5-17)
(「一定の要件を満たす住宅の建築」の取扱い)
(6) 一定の要件を満たす住宅の建築(新築建売住宅の購入を含む。(7)及び第四節一の1の①の(8)《住宅を新築す る土地の取得に対する減額等の留意事項》の(六)において同じ。)をした場合には、価格から1戸につき1,200万円を 控除するものとされているが、一定の要件を満たす住宅の建築であるかどうかは、当該建築が住宅と一構となるべき 住宅の新築である場合にあっては一構をなすこれらの住宅により、当該建築が住宅の増築又は改築である場合にあっ ては、当該増築又は改築がされた後の住宅により判断するものであること。この場合「一構となるべき住宅」とは、
母屋と附属家屋との関係にあるもので、その建築の順序を問わず、不動産登記法上一個の建物(第一節一の(三)《家 屋》の(1)の留意事項中かっこ書参照)とみられるべきものをいうものであること。(県通5-7)
((3)の規定の趣旨)
(7) 共同住宅等以外の住宅の建築をした者が、当該住宅の建築後1年以内にその住宅と一構となるべき住宅を新築し、
又はその住宅に増築した場合には、前後の住宅の建築をもって1戸の住宅の建築とみなすこととされているが、この 規定は、取得の時期を区分して課税を免れようとする脱法的行為を防止する趣旨であること。
なお、この規定が適用される結果、前の建築に係る住宅についても、イの規定に基づく控除が受けられなくなる場 合があり、この場合においては、不足税額を直ちに追徴しなければならないものであること。(県通5-8)