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([i]i]))])i,i? {ii,一v,,
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Fig. W−3 音声の共 通語形と方濤形との対応
.(B)のグループは共通語形と方言形とが1対1に対応するグループであり,鐵 蓋化,有声化,唇音性II,鼻音化がそれに嶺たる。共通藷形と方言形が異なる
ところがら新しく共通語の音声を学習する必要がある。この点で仏)のグループ の音声よりも不利だと言える。ところが,一一度共通語の音声を学習しさえずれ ば,以後共通語の音声を用いるのに障害はない。前園調査で下位にあった唇音 性IIや鼻音化が今回調査でかなりの程度まで共通語の音声に変わってきており,
また口蓋化がほとんどの被調査老の聞で共通語の音声になっているのはこのた めであろう。
最後の(C)のグループは前二者とは異なってかなりやっかいなことになる。す なわち,共通語形と方言形とが2対1の対応を示すものである(中舌およびi/e が相当)。i/eを例に説明しよう。共通語ではヂイキ(息)」と「エキ(駅)」
はそれぞれ[i(ki).],[e(ki)〕と区別して発音されている。ところが鶴岡方書 では「イキ」も「エキ」も[i(gD]あるいは[e (gi )]と発音される。言いか えれば,鶴岡激雷ではこの二つの単語は同音語であり,共通語では別の音声の 語である。このような場合,共通語で発音しようとするとき,iをiあるいは
eのいずれの音声に変えればよいかという点で混乱が生じやすく,ときとして 119
逆の音声になりかねない。このことが,心門やi/eの共通語化を他の音声より も遅らせている理由であると思われる。(C)のグループについては次の3.2でよ り細かく吟味する。
3.2調査項自による共通語化の差異
Fig. Vl 一 2をもう一度見よう。同一の音声のものでも,項目によって共通語 化の程度に差の見られる項目と差の小さい項目とがある。それらを整理し,項 目間の差の出た理由を検討しよう。
億)両度の調査で項弓田の共通語化の程度にあまり差異の見られない音声は 有声化だけである。有声化は他の音声の項目より多い(8項目)にもかかわら ず,項目間の差が小さい。この音声はいわゆるfズーズー弁」の中核をなすも のだと言われている。それが,ほぼ一様の割合で共通語化しているのは非常に 興味深い現象だと言えよう。
〈2)唇音性1,口蓋化および鼻音化の三つの音声的特徴では早雪調査では項 目間の共通語化の程度に開きがある項9が見られたが,今國調査ではその差が ほとんどなくなっている。
(3)(1)および(2)の音声は前項で見たように共通語化が他より進んでいる音声 である。共通譜化が進んでいる音声で項軒間の差が小さいということは,これ
らの音声が量的な意味での共通語化をなしているとともに,内容的に安定した 音声となっているということができよう。すなわち,全体としてある程度共通 語化が進んだ音声では,その音声を含む他の語を発音する場合でも発音上のユ
レが小さいと書える。
(4)前回調査で唇音性1の「カヨウビ」の共通語化は92.5%であり, 「スイ カ」は70.4%であった。この差は一つには「カヨウビ」がやや公式的な語であ るのに対し, 「スイカ」がH常語であるという語の位梢の稲違に起因している と考えられる。すなわち,「カヨウビ」は初めから共通語の[k]の音声で発 音される割合が高かったのではなかろうか。また, 「スイカ」が「カヨウビ」
より共通語化が遅れている別の理由として,・この語の問題としている部分は語 末の音節であり,この音節はしばしば方言で[kaN]と発音される(15.6%)
12e
こともあげられる。
(5)it蓋化では「ゼイムショ(税務署)」の音声が前園調査で他の「セナカ
(背申)」や「アセ(汗)」よりも共通語化が遅れていた(共通語化の程度は,
・ゼイムショ48.5%,セナカ75.9%,アセ79.9%)。 rゼイムショ」は「カヨウ ビ」同様公式的な語であり,共通語化が他より高いことが予想されるにもかか わらず,その程度がいちじるしく低い。その理由を前回調査の報告書では1こ の語の問題となる部分が他より長い音節で構成されているからであると推測し ているが,今回の調査結果で他の2項匿との聞にほとんど差が見られなくなっ ているところがら,これは必ずしも適切な解釈だとは言えないかのように思わ れる。「ゼイムショ」は公式的な語ではあるが,前回調査当時では日常の言語 生活の中で爾いられる頻度が極端に少ないため,いざそれを実際に共通語の音 声で発音しようどする場合に困難さの度合が高かったのではなかろうか。一「ゼ イムショ」が長音節「ゼイ」を持つことが,困難さをより一層高めたことは予 想される。
(6)心音化では「スズ(鈴)」が「オビ(帯)」や「マド(窓)」より共通語化 の程度が劣っていた(それぞれ,24.0%,42.0%,45.2%)。これは前記の前 回調査の報告書の中で指摘されているように「スズ」の音声が「ス」と「ズ」
の二つの類音語で構成されているからであろう。
(7)唇音性IIでは両度の調査とも「ヒゲ(髭)」が他の「ヘビ(蛇月や「ヒ ャク(百)」よりも共通語化が劣っている。その理由も前回調査の報告書で示 されている解釈が妥当であろう。すなわち,「ヒゲ」の[fPgi]の音声は鶴岡方 言では両唇音と同時に硬口蓋音の両方で同時に摩擦する音[¢g]と [i]とで 構成されており,したがって,他の唇音性IIの音声とは異なって子音と母音と の双方を同時に矯正する必要があることから,他の音声より共通語化が遅れる 傾向にあると言えよう。
(8)中舌およびi/eは他の音声に比べて項目間のズレがいちじるしい。この 二つの音声は全般的に共通語化が遅れているものである。
(9)(3)および(8)から総合して書えることは,共通語化の程度の高い音声はそ れ自体安定しており,その音声を含む単語間の発音のユレが小さいのに対し,
!21
共通語化が遅れている音声では項類ごとの共通語化の程度の差が大きい一つ まり,不安定である,と言えよっ。
(1e)i/e王で「エキ」の共通語化は前測調査で38.6%,今回調査で72.0%で あ}),「エントツ(煙突)」(前回78.2,今回83.4)に対して非常に劣っている。
⑳ また,i/e IIでは「イキ」が「イト(糸)」よりも劣っている(前回調査 は30.3%対61.2%,今回調査は65.9%対80.7%)。
⑫ 「エキ」と「イキ」とは前項で述べたように,鶴岡方琶で同音語となっ ているものである。三/eの4項目を2項目ずつ組みにし,問一の被調査者がそれ ぞれどの音声で反応したかを見てみよう。今回調査の結果がTable W−1〜6 に示されている。たとえばTableでe,iは共通語の音声で反応したものであ
り,6,iは方言の音声による反応であることを示す。これらのTableから,
TableVl−1 エキとエントツ エントツ
Gキ e
さ
計
e 322 7 329
● ,
?, … 59 69 128
計 38エ 76 457
TableVl−2 イキとイト
\ イ ト\
C キ
圭 電 ●
c,e 計
i 290 11 301
曹 o
c, e 79 77 156
計 369 88 457
TableV正一3 エキとイキ
\イ キ G キ
i ■ .
c,e 計
e 272 57 329
「● ●
?, … 29 99 128
計 301 156 457
Tab茎eV[E 一4 エキとイト イ ト
G キ
圭
● o
p,e 計
e 301 28 369
● ,
?, 壬 68 60 88
計 369 88 457
TableVI−5 イキ・とエントツ エントツ
Cキ e
6 計
茎 288 13 301
1.6計 93 63 156
381 76 457
TableVI 一6 イトとエントツ エントツ
Cト e
芭
計
圭 341 28 369
. ・
m, e 40 48 88
計 381 76 457
122
「エキ」と「イキ」の組み合わせの場合がもっとも共通語化が低い(59.5%),
すなわち「エキ」と「イキ」とでともに共通語の音声で発音し分けるのが溺難 であることがわかる。
⑬這出に,中舌においても「カラス」と「カラシ」あるいは「チズ」と fチジ」のように同音語の関係になっている項9の共通語化の程度は他の項目 よりもLkい。
⑭ なお,「エントツ」の共通語化の程度は前回調査の78.2%に対し,今回 調査は83.4%であり,両度の調査間の差は他の30の項穏に比べていちじるしく 小さい。この話中の共通語化が遅々として進まなかったという現象には調査法 の問題や種々の二曲が考えられるが,第一章で検討することにしよう。
3.3性による共通語化の差異
全般的に女性の方が男性よりも(統計的に)共通語化の高い音声がいくつか 見られるが,その逆のケースは見られない。性による差の見られた音声は前回 調査では唇音性II,有声化, i/eの1,IIおよび中舌IIの五つの音声の部類で あった。今回調査では唇音性II,有声化,圭ノeIの三つの音声の部類に差が見 られている。これらの音声でなぜ女性の方が共通語化しているかについての理 由は明らかでない。しかし,第顎章で述べるように31の項§を全体として見る かぎりでは性による共通語化の差は見られない。
3.4 年齢による共通語化の差異
年齢の音声の共通語化に与える影響は非常に大きい。各音声の共通語化の程 度を年齢階層別に示したものがFig.VI−4からW−12である。これらの図から 全般的に言える主な結果は次のとおりである。
(1)一般的に,若い年齢層のものは高年齢層のものよりも共通語化している。
この傾向は今回調査に顕著である。
(2)今園調査では,共通語化が100%に近い,唇音性1および[]二化のように 年齢差のほとんど見られない,いわばr平板型」の年齢曲線をなす音声の部類.
と年齢が高くなるにつれて共通語化の程度が減少する「下降型」の麟線を示す 123