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図4−4
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図4−5
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図4−6
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(図4−3〜図4−6はすべて,大阪書籍2006,pp.12H23)
この授業において,前節で述べたような教授学的契約の問題が生じる場面としては,
以下に挙げるようなことが想定される。
一71一
・④の証明において,「幾何学的な対象を量的言語(代数的)に表し,代数的に処理 する」こと
Herbst(2002)の事例と同様,図形の証明の問題において角の大きさをx, yとい う文字を用いて代数的に表すことや代数的に処理をする証明を行うことは難しいこと であると想定される。
・④の証明において,「新たに点や線分(補助線)を加える」こと
補助線を引き,新たに交点に記号をつける証明については,二等辺三角形の時に二 度例題として示されているが,生徒自身がこの補助線を思いつくことは難しいことで あると想定される。
・④の証明において,「(定理として示されてはいないが,)以前に証明した命題を用 いる」こと
同じ図を用いての連続した証明問題において,直前に証明された命題を用いる問題 は既に行っているが,定理とされていない命題(この場合は,図4−3における②の 命題)を最初に証明した図(図4−3)とは違う図(図4−5)に適用することは難
しいことであると想定される。
・②,④の証明において,「三角形の合同条件を用いた証明以外の証明を書く」こと
この問題に取り組む前の証明問題は,今回用いた教科書において22問(内6問が 例として)提示されているが,そのうち三角形の合同条件を用いない証明問題は3問 のみである。前節でも述べたように,それまでの教授・学習の方法によっては,「証 明をするということは,三角形の合同条件を用いて証明を書くことである」と感じて いた生徒がいたかもしれない。そのような生徒にとっては,この問題で記述したこと を証明として受容することは難しいことであると想定される。
・②,④,⑤の証明において,一つの命題を「場合分けして証明する」こと
これまでの証明問題では,ある一つの図をかいて証明すれば,その図のもつ一般性 や証明のもつ一般1生によって,命題が正当化された。すなわち,一つの図やそれに対 する証明によって命題が一般化される,と感じていた生徒がほとんどであろう。円周 角の定理の証明において,一つの命題を証明するために場合分けをしなければならな いという場面に初めて出会うが,その証明を行うことには困難さをともなうと想定さ
れる。
これらの生徒の困難さが,教授学的契約の問題として生じている場合には,その困 難さの解消を目指す方法として,教授学的契約のネゴシエーションを行う活動を意図 的に設定することが大切であると考える。次小節では,その具体的な学習場面を一つ の例を用いて提案する。
一73一
2.事例における教授学的契約のネゴシエーション
前節で述べたように,問題の委譲を行うためには,生徒自身がその問題を自分自身 で意識するために,フィードバックが可能なmilieuを構成したり,オープンエンド な課題を設定することが重要である。
そこで,これらの条件をもとに次のような課題4−1,4−2を設定する。
課題4−1 右の図4−7で,点Pが円周上を動くと き,∠Pと∠AOBの間にはどのような関
係があるでしょうか。
「P
01
課題4−2 また,課題4−1で気づいたことは,ど
のようにして証明することができるでしょ うか。A
図4−7
ここでは,生徒の推測や推論をフォローするため,作図ツールなどの動的ソフトウ ェア19を用いることが有効であろう。動的ソフトウェアは,生徒自身が操作するこ 爵、とによって,生徒の予想に反するフィードバックを与
える一つのよい手段である。さらに,課題4−1にお
いて推測をすることが難しい生徒に対しては,例えば, 評 」 。 図4−8のような角度表示を行うことで,教師の指図
なく推測を支援する手段になりうる。また,課題4− A
2への導入として,点Pを動的に動かすことによって,1、=4APB: 40,
前小節で掲げた図4−8のような特殊な場合には推論 2=∠AOBと80 を行うのが簡単であろうということを見いだす生徒が 図4−8 生じてくることが期待できる。
次に,課題4−2によって,実際の証明を行う場面になる。この場面において,生
19 アこで用いた動的ソフトウェアは,飯島康之が開発したGeometric Constructer Win