設計層
設計層とは、アプリケーション開発プロセスにおける特定目的のために使用される、
単一のデータ モデルまたは複数のデータ モデルのセットです。各設計層は、複数 の設計層からなる階層構造の一部となります。
最もシンプルな形の設計層構造の場合、第 1 設計層は、アプリケーションに対する ビジネス要件を捕捉した論理データ モデルです。第2設計層では、物理データ モ デルの中で、これらのビジネス要件がデータベース実装ルールに変換されます。汎 用 ODBC を対象データベースとして使うことにより、汎用物理モデルを作成できま す。第 3 設計層では、データ モデルは同じだが対象サーバ プラットフォームが異 なる、さまざまな実装形態を表すことができます。
設計層の利用
設計層の利用
一般に設計層の階層構造の中では、アプリケーション開発ライフサイクルにおけ るさまざまな目的に合わせて、異なるモデル タイプが使用されます。したがって、
さまざまな設計層で相関性のあるモデルを作成し、リンクできるようにする必要が あります。また、各設計層において、ある設計層から別の設計層へ構造を変換す る設計層の意志決定を、実行および記録できるようにする必要があります。最終 的に、異なる設計層にあるモデル間のリンクを維持できるようにすること、および異 なる設計層における変更点を同期させ、適切な構造をそれぞれ維持できるように する必要があります。AllFusion ERwin DM では、モデル ソースを使用して各設 計層のモデルをリンクし、モデル内で変換を適用することによって、このような機能 を実現しています。
たとえば論理モデルは、ビジネス要件とビジネス ルールを表現することができます。
その論理モデルから、汎用物理モデルを導出でき、汎用物理モデルの中で、汎用 データベースに対する物理構造が構築されます。汎用物理モデルが確定したら、
その物理モデルから複数のデータベース固有モデルを導出できます。このように、
汎用物理モデルは基準モデルとなります。
モデル タイプを分離したり、関連モデル同士のリンクや同期を維持するためにも、
AllFusion ERwin DMの多様な機能は不可欠なものです。
設計層の作成者
通常、アプリケーション開発プロセスには、基準管理者、業務分析者、データ モデ ル作成者、データ管理者、データベース管理者(DBA)など組織内の多くのグルー プが関わっており、DBAが設計層の作成を担当します。
アプリケーション開発要件や方法論により、組織でどれだけの人やグループがアプ リケーション開発プロセスに関わるかが決まります。
第 1 設計層: 概念論理データ モデル
AllFusion ERwin DMは、データベース構造を視覚化し、論理データ モデルと物理
データモデルの設計を容易にするための、優れたアプローチを備えています。この 構造化された体系的アプローチは、情報管理およびアプリケーション開発のために 構築されたものであり、その第 1設計層である概念論理モデルは、具体的なビジネ ス要件(一般的なエンティティやスーパータイプ/サブタイプ構造など)を捕捉します。
第 2 設計層: 汎用物理モデル
汎用物理モデルを使用して、テーブルやカラムの構造を確立し、ビジネス アプリ ケーションを表すのに必要な汎用の名前付けを作成します。ただし、汎用物理デー タ モデルでは、オブジェクトとプロパティは個々のデータベースに依存したものでは ありません。汎用物理データ モデルから、他のデータベース固有のデータ モデル を導出することができます。
8–2 AllFusion ERwin Data Modeler導入ガイド
設計層の利用
第 3 設計層: データベース固有の物理モデル
AllFusion ERwin DMを使用して、データベース実装に使用できるデータベース固
有の物理設計層を作成できます。各アプリケーションは複数のデータベース プラッ トフォーム上で動作する可能性があるので、データベース固有のデータ モデルを 作成するための設計層が必要になります。
エンタープライズ モデル階層
場合によっては、概念データ モデルに似たものとして、企業レベルのデータ モデ ルを設け、これでその組織内の全アプリケーションに共通な基準を定めます。企業 レベルのデータ モデルは、論理モデルであり、その組織が扱うエンティティと属性 への公式な基準すべてを記録します。その次の設計層では、複数のビジネス アプ リケーション(注文入力アプリケーションや販売手数料アプリケーションなど)に対応 した複数の論理データモデルを作成できます。
これらのアプリケーションの種類は多岐にわたっていますが、一部のエンティティ
(「従業員」や「顧客」など)を共有している可能性はあります。企業レベルのモデル には、これらの共有エンティティ、またいずれのアプリケーション固有モデルに対し ても選択されないエンティティの両方を含めることができます。この階層構造におけ る次の設計層は、各アプリケーションに対する汎用物理モデルです。前述の例のよ うに、各アプリケーションが複数のデータベース プラットフォーム上で動作する場合、
データベース固有のデータ モデルを作成するための設計層が最後に必要になりま す。
新規設計層
データ ウェアハウス階層
データ ウェアハウスの場合、データ ウェアハウス全体のモデルに対する設計層と データ マートのモデルに対する設計層を追加する必要があります。AllFusion
ERwin DM の物理モデルには、多次元表記法に関するオプションとデータ移動関
連機能(データ ソース情報およびデータ変換ルール)に関するオプションがありま す。これらのオプションを利用して、データ ウェアハウス モデルを最適化できます。
新規設計層
AllFusion ERwin DM の多くの機能で、[論理/物理モデルの分割]、[新規モデル
の導出]、[モデル ソースの追加]、[モデル ソースのリンク]、[モデル ソースとシン クロ]などの設計層アーキテクチャをサポートしています。
すべての設計層機能は、ウィザードを使用します。つまり、一連のダイアログ ボック スに従って、適切なオプションを選択したり必要な情報を入力します。
モデルの分割オプション
論理/物理モデルを 2つのモデル(論理モデルと物理モデル)に分割したい場合は、
[ツール]メニューから[論理/物理モデルの分割]を選択します。
モデルを分割すると、論理データモデルと物理データモデルをそれぞれ別の名前 で保存する指示のメッセージが表示されます。新規モデルを保存すると、論理モデ ルは物理モデルのソースになります。このソースは、両方のモデル タイプ間の変更 点を同期させるために必要なものです。分割前の論理/物理モデルは、元の名前の まま保存されます。
8–4 AllFusion ERwin Data Modeler導入ガイド
新規設計層
論理/物理データ モデルの分割
単体の論理/物理モデルを2つのモデル(論理のみおよび物理のみ)に分割するに は、次の手順に従います。
1. Emovies.erwinモデルを開きます。このモデルは AllFusion ERwin DMのイン
ストール先の \samples\standardディレクトリにあります。
2. [ツール]メニューの[論理/物理モデルの分割]をクリックします。
モデル分割プロセスが開始し、完了するとプロンプトが表示されます。
3. 論 理 モ デ ル の 名 前 を emovies-L1.erwin、 物 理 モ デ ル の 名 前 を emovies-P1.erwinにして保存します。
注: AllFusion Model Manager を同じコンピュータで使用していて、AllFusion
MM へ の 接 続 を 確 立 し て い る 場 合 は 、 新 規 モ デ ル を AllFusion Model
Managerデータベースに保存することもできます。
4. emovies-P1.erwin 以外のすべてのモデルを閉じます。emovies-P1.erwin は次
の演習で使用します。
新規モデルの導出ウィザード
論理/物理モデル、論理モデル、物理モデルのいずれにおいても、AllFusion
ERwin DM では新規モデルを簡単に作成できます。新規モデル導出ウィザードで
は、あるモデルから別のモデルにオブジェクトをコピーしたり、すべて最初から作業 を行うのではなく、段階的アプローチによってモデル ソースから新規モデルを導出 します。元のモデルは、新規モデルのソースとして使用されます。この結果、複数の ユーザが別々のモデルを利用しながら、各モデルに対する変更点を随時同期させ
新規設計層
新規モデルの導出
モデル導出ウィザードを使用すると、新規のAllFusion ERwin DMモデルを既存の
AllFusion ERwin DM モデルから導出したり、ある設計層から別の設計層に移行し
たりできます。次の例では、新規の物理モデルを既存の物理モデルから導出します。
注:新規モデルを導出する前に、モデルを保存する必要があります。
新規モデルを導出するには、次の手順に従います。
1. emovies-P1.erwin が開いている状態で、[ツール]メニューから[新規モデルの
導出]を選択します。
新規モデルの導出ウィザードがターゲット モデル選択ペインで開きます。現在 のモデルが導出操作のソース モデルとして指定されています。
2. 次のオプションを選択します。
■ [新規モデル タイプ]グループ ボックスで[物理]ボタンを選択します。
■ [作成に使用するテンプレート]ボックスでは、デフォルトのテンプレートで ある[ブランク物理モデル]をそのまま使います。
■ [対象データベース]リストでは、Oracle version 10.xを選択します。
3. [次へ]をクリックします。
注: ウィザードはシーケンシャルではないため、[完了]をクリックした時点でい つでも導出プロセスを開始できます。また、他のペインの機能を使用して、導出 プロセスをカスタマイズできます。
8–6 AllFusion ERwin Data Modeler導入ガイド