第 2 章 計算方法 47
2.1.2 計算領域と算出を行う分布の断面
方向50 mm,Z方向30 mmの3次元直交座標系で構築し,シールドガスを流すノズル内の直径 は8 mmとした。
表1に,各節の計算領域の条件を示す。3.5―3.6節,並びに,4.1―4.3,5.1 節の横磁界印加 時の計算では,陰極径と陰極角度を1.2.3項で示したチャンバー内の大気圧アーク発生装置のも のと合わせた。また,X-Z平面(y = 0 mm)の陽極上の中心から30 mm× 10 mmの横風ノズ ル面を設定した。次に,3.3―3.4と,3.7節,並びに,4.4節以降における縦磁界印加時の計算 では,陰極径と陰極角度を実溶接で用いられるTIG溶接装置のものと合わせた。縦磁界印加時 の計算においては,X-Z平面(y= 0 mm)の全体を横風ノズル面とし,一様に横風が吹付けら れるように設定した。なお,5.1 節では,横磁界と縦磁界を印加した各手法の優位性に関して 検証を行うために,2つの計算領域を用いて解析し,比較を行った。
図39に,3次元の計算領域の分布の断面を示す。アークの分布は,横から見た分布である Y-Z断面や,上から見たX-Y断面で表示した。ここで,Y-Z断面の分布は,X軸の中心であるx
= 25 mmの位置の断面で統一している。また,z = 10 mmは,陽極表面であり,z = 0―10 mm
は陽極内を表す。
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Iron vapor
01.6 6.4 30
0
30 35
45 r
z Nozzle 30 01.6 6.4
Radial distance r [mm]
Inflow 10 [slm]
Cathode W
Outflow 0
35 30
45
Anode SUS304
Axial distance z [mm]
30°
A B C D
E
G F
Arc
H
Pressure 0.1 MPa
Weld pool (over 1750 K)
Arc
Anode SUS304 φd
図 37 2次元軸対称円筒座標系の計算領域
Fig.37 Calculation area in two-dimensional axisymmetric cylindrical coordinate system.
50 mm 50 m
m
Cathode W (φd6 mm)
x y
z
Nozzle (φd8 mm)
10 mm 30 mm
Anode SUS304
Ar
Anode SUS304 Arc
Arc
50 mm
50 m m
Apply magnetic flux density 5 mm
in +X or -X direction -Bx
y z
10 mm
30 m m
50 mm 50 m
m
Cathode W (φd3.2 mm) Nozzle
(φd8 mm)
10 mm 30 mm
Anode SUS304
Ar
Anode SUS304 Arc
Bamf Lateral gas flow
Arc
+Bx
図 38 3次元直交座標系の計算領域
Fig.38 Calculation area in three-dimensional rectangular coordinate system.
50
x y
z
Anode z = 10 mm
x = 25 m m (X
axis center)
Y-Z pl ane (S
ide vi ew)
X-Y plane (T op vi
ew) z = 15 mm
Cathode
図 39 3次元の計算領域の分布の断面
Fig.39 Cross-section of distribution in three-dimensional calculation area.
表 1 各節の計算領域の条件
Table 1. Conditions of calculation area at each sections, respectively.
Cathode radius [mm] Cathode tip angle◦ Interelectrode distance [mm]
Section 3.3―3.4 1.6 60 5
Section 3.5―3.6 3.0 120 5
Section 4.1―4.3, 5.1 3.0 120 10
Section 3.7, 4.4―5.2 1.6 60 5
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2.1.3 2次元軸対称円筒座標系の TIG アークの計算条件
図40に,パルスアークの電流波形を示す。パルス運転開始の1周期分の電流波形を用いて解 析を行った。これは,1周期におけるパルス電流が及ぼす電流密度や電磁力の増加を理論的に 解明するためである。TIG溶接では小電流であると溶融不良が生じてしまう。また,非溶極式 であるため,電極保護を理由に電流が200 A以下に制限される。このため,パルス電流の条件 は,ベース電流は100 A,ピーク電流は200 Aとした。また,電流遷移時間dtは,電源性能の 観点からパルス電流1波長の1/10の時間が設定可能である。この電流遷移時間は,短時間であ るとアークの過渡応答が顕著に発生するため,0.1 msに設定し,実際に用いる周波数帯域を設 定するため,ピークとベース電流時間をtpeak=tbase= 0.15―9.9 ms(f= 50―2,000 Hz)とし た。この時,ピークとベース電流時間の割合であるデューティー比は0.5とした。計算開始時の 初期値は,100 Aにおける全計算領域の温度と圧力,流速,電位,金属蒸気濃度を初期値とし て読み込み,計算を行った。雰囲気ガスの種類は,アルゴン,シールドガス流量は,10 L/min,
圧力を0.1 MPaと設定し,電極間に発生したアークからの入熱によって陽極から発生した鉄蒸
気がアーク内へ混入することを考慮して解析を行った。アーク内への鉄蒸気の混入現象の解析 手法は,2.3.1項で示す。
100 200
0 Time t [ms]
Current I [A]
Peak and base time tpeak, tbase 0.15 ms (2000 Hz) 9.9 ms (50 Hz)
㹼
Current transition time dt 0.1 ms
図 40 パルスアークの電流波形 Fig.40 Current waveform.
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2.1.4 3次元直交座標系の TIG アークの計算条件
表2に,各節の計算条件を示す。雰囲気ガスと横風ガスの種類は,アルゴンとした。3.5―3.6 節では,横風流速は,0―4.0 m/sまでとし,0.5 m/s刻みで設定した。4.1―4.3節では,50 mm
× 50 mm× 5 mmの空間の領域に均一な横磁束密度を設定した。4.1節では,+X方向の横磁束
密度Bexを,0,1.0,2.0 mTとして領域内に与えた解析結果を基に妥当性の検証を行った。次 に,4.2節からは,横風に対して逆方向のローレンツ力を印加するために,+X方向の横磁束密 度−Bexを0,0.3,0.5,0.7,1.0,2.0 mTとして領域内に与えた。
4.4節以降の縦磁界印加時の計算では,ノズルの周りに,縦磁界発生用のコイルを配置したこ とを模擬するため,ノズル直径の範囲内の電極間に電流と平行な+Z方向の磁束密度を設定し た。横風流速は,2.1.2項で記載した横風ノズル面に,直交な流速を与えることで模擬した。
表 2 各節の計算条件
Table 2 Calculation conditions at each sections, respectively.
I[A] FL[L/min] p[MPa] vL[m/s] B[mT]
Section 3.5―3.6 100 3 0.1 0― 4.0 0
Section 3.7 100 6 0.1 0, 3.0 0
Section 4.1―4.3, 5.1 100 3 0.1 3.0 0, 0.3, 0.5, 0.7, 1.0, 2.0 Section 4.4―5.2 100 6 0.1 0, 1.0, 2.0, 3.0 0, 10, 20