第 3 章 筋電義手制御班課題解決過程の詳細 14
3.4 計測用電極付きサポーター
中間では,筋電位計測のため5ch分(計10個)の電極を医療用テープで腕に貼り付けていた. し かし,最終では16ch分(計32個)の電極で計測を行うため, 32個の電極を腕に貼り付けなければ ならない. これをすべて医療用テープで貼るのは困難であり, 手間もかかってしまう. このことか ら今回,計測用電極付きサポータを製作することで,すぐに計測が行えるようにした.
使用した材料
• 電極
直径10mmのアクティブ電極を使用した.
• スナップボタン
8mmの打具を使用し取り付けるタイプのスナップボタンを使用した.
• ケーブルスパイラルカバー
半透明の1mサイズのケーブルスパイラルカバーを3本使用した.
• ゴム
直径1.5cmのビニール製のゴムを使用した.
• サポーター
白色の膝用サポーターLサイズを使用した.
• 導電布
縦24cm横26cmの導電布を使用した.
• 布
縦25cm横18cmの綿の布を使用した.
• ファスナー
白を基調とした20cmのファスナーで,ムシ(ファスナーのかみ合わせ部分のギザギザ)と スライダー(引き手)が金属のものを使用した.
(※文責:玉川佳奈)
3.4.1 ボタン付き電極
ボタン付けについて
スナップボタンの凸パーツを電極(図3.20)の上部側に取り付けた. これは,電極をスナップボタ ンによりサポーターに固定させるためである. また, スナップボタンを貼り付けるために電極作り で使用したボンドと同じものを使用した.
図3.20 ボタンを付けた電極
電極の配線について
32個すべての電極には, 1本ずつ配線が繋げられている. すべての電極をサポーター内に取り付 けた際,配線がいずれかの電極の銀板に重なってしまうと,計測が正確に行えなくなってしまう. こ の問題を解決するため, それぞれの配線と電極の銀板とが重ならないよう, ゴムを使用しまとめた. また, サポーター外にはみ出た32本の配線は,ケーブルスパイラルカバー(図 3.21)を用いて絡ま らないようにまとめた.
図3.21 ケーブルスパイラルカバーでまとめた配線
(※文責:玉川佳奈)
3.4.2 サポーターの設計・製作
サポーターは, 最終発表で被験者となるプロジェクトメンバーの腕を元に設計し, 被験者専用サ ポーターとして製作した.
サイズについて
筋電位を計測する際,腕と電極の間に隙間があると正確に計測が行えない. このことから,電極と 腕の間に隙間ができるのを防ぐために,サポーターのサイズは,被験者の実際の腕の太さより小さ めに設計した.
膝用サポーターの加工
サポーターは, 加工しやすいよう膝用Lサイズの大き目のものを使用した. 膝用サポーターを一 旦切り開き,設計した形通りに型を抜いた.
導電布について
型を 抜 い た サ ポ ー タ の 内 側 に 図 3.22の導 電 布 を 縫 い 付 け た. 導電 布 は 銀 を 蒸 着 さ せ た 柔 軟 性 、 伸張性のある布である. 電極を配置した位置を導電布で覆うことで,皮膚との基準電位を合わせ,ハ ムノイズを遮蔽することを可能とする[8].
図3.22 導電布
縫い方について
サポーターは小さめな設計のため,装着する際,生地が伸縮しなければならない. 縫い目の間を空 けずにかっちり縫う方法をとると, 生地が伸縮しづらくなるだけでなく, 生地が伸びた際に糸が切 れてしまう恐れもある. そこで,並縫いを使用することで縫い目に間ができ,ある程度の伸縮性がう まれ,糸が切れるリスクを緩和させることができた.
スナップボタンの取り付け
電極を付ける位置を16ch分(16箇所)決定し, サポーターと導電布が縫い合わされた布に, 印 をつけた. その印を元に,スナップボタンの凹パーツを打具と金槌を用いて取り付けた. このとき, 互いの電極が近くなりすぎて接触しないよう, 1.5cm以上の距離をとるようにした.
ファスナーの利用
ファスナーを使用し,サポーターの内側(図 3.24)を広げられるようにした. これにより,電極が 壊れた際のメンテナンスが容易になった. また,ムシとスライダー部分がプラスチックではなく金 属のものを使用した. これは,小さめに設計されたサポータを装着する際に,ファスナーが壊れてし まうことを防ぐためである. ファスナーは,手首から肘方向へと閉まるようにサポーターに縫い付 けた. これは,装着者が手首部分を自分で抑えながらファスナーを閉められるようにするためであ
る. これにより,装着者1人でサポーターを装着できるようにした. ファスナーの色は,サポーター の色と合わせるため白にした.
電極周りの布について
実際に完成した「計測用電極付きサポーター」(図 3.23)装着し, 計測を行ったところ,電極の銀 板と導電布が触れあってしまい,正確に計測が行えなかった. この問題を解決するために,各電極と 導電布の間に,布をはさんだ. これにより,銀板が導電布に直接触れることはなくなり,正確に計測 が行えるようになった.
図3.23 完成したサポーターの外観 図3.24 完成したサポーターの内観
(※文責:玉川佳奈)