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3.3.2 解析結果

3.3 CFD 解析

る.また,図3.3.5には各Case No.の等圧線及び等温線を示す.

下面の熱流束分布をみると,Re 数によらず,凸部の開始点では熱流束が急激に上昇して いることが分る.等圧線をみると凸部角部において等圧線が密になっており,凸部開始点 付近における縮流による流速の増加が見られ,凸部壁面への衝突流による境界層の乱れに よって凸部開始点での熱流束が上昇していると考えられる.凸部開始点を過ぎると熱流束 は低下し,Re=63の場合には凸部終了点までほぼ一定値となる.一方で,Re=1265の場合に は,凸部開始点を過ぎると熱流束は急激に低下した後,上昇する傾向が見られる.凸部開 始点付近では,流路形状がオリフィスのような絞り形状となっており,凸部開始点を過ぎ た後の急拡大により流れの剥離が生じるため,熱流束の低下が生じたと考えられる.その 後,流れが再付着することで,その近傍における温度境界層が密になるために,温度勾配 が大きくなっていると考えられる.

上面の熱流束分布をみると,Re 数によらず,凹部開始点では熱流束が急激に低下してい ることが分る.凹部開始点では縮流による流速増加及びバックステップ流れとなることに よる流れの剥離によって熱流束が低下していると考えられる.その後は下面と同様に流れ の再付着により,温度勾配が大きくなり,熱流束が高くなっていると考えられる.

また,等圧線,等温線から分るように,Re数に関わらず凸部高さが低いほど流れは凹凸 に沿った流れとなっている一方,凸部高さが高くなるほど,流れが複雑化していることが 分る.乱流遷移はこのような流れの不安定性によって引き起こされると考えられるため,

凸部高さが高いほど臨界Re数の値は小さくなっていくと考えられる.

0 200 400 600 800

66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 x軸 mm

熱流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm 上面

下面

凸部 凹部 基準面

(a) Re=63

0 2000 4000 6000

66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 x軸 mm

流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm

上面

下面 凸部

凹部 基準面

(b) Re=633 図3.3.2 凹凸内部熱流束分布(case No.3)

0 200 400 600 800

66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 x軸 mm

熱流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm

上面

下面 凸部

凹部 基準面

(a) Re=63

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 x軸 mm

熱流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm

上面

下面 凸部

基準面 凹部

(b) Re=633 図3.3.3 凹凸内部熱流束分布(case No.5)

0 200 400 600 800

66 68 70 72 74 76 78 80 82

x軸 mm

流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm

上面

下面 凹部 凸部

基準面

(a) Re=63

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

66 68 70 72 74 76 78 80 82

x軸 mm

流束 W/m2

-15 -10 -5 0 5 10 15

y軸 mm

上面

下面 凹部 凸部

基準面

(a) Re=633 図3.3.4 凹凸内部熱流束分布(case No.7)

Re=63 Case No.5

Re=633 Re=63 Case No.3

Re=633 Re=63 Case No.7

Re=633

等温線 等圧線

Re=63 Case No.5

Re=633 Re=63 Case No.3

Re=633 Re=63 Case No.7

Re=633

等温線 等圧線

図3.3.5 各解析モデルにおける等圧線,等温線

(2) 熱伝達率,圧力損失

図3.3.6~図3.3.8に各解析結果から得られたRe数とjファクターの関係を示す.同様に 図3.3.9~図3.3.11はRe数とfファクターの関係を示したものである.ここで,jファクタ ー,fファクターは3.2節で示した式(3.2.5)及び式(3.2.9)を用いて算出した.また,図中の実 線は平行平板間の流れについて,同様の解析を行った結果である.本解析は平板入口から の助走区間を含んでいるため,実線は平行平板間流路における理論値よりもやや大きな値 となる.

jファクター及びfファクターの解析結果をみると,凸部高さの大きい流路ほど値が高く なることが分る.この傾向は前述の実験結果と同様である.一方,同じ凸部高さであれば,

jファクターはほぼ同等の値となり,凸部高さ以外のパラメータがjファクターに与える影 響はそれほど大きくない結果となっているが,各パラメータは直交表に則って各々ばらば

凹凸をつけたことによる影響が小さくなっていることが分る.これは特に凸部高さが小さ い場合に顕著であり,そのような条件では,低Re数域でjファクターの値は平行平板とほ ぼ一致する.また,凸部高さの大きな条件においてもさらにRe数の低い条件では同様に平 行平板と一致すると考えられる.一方で,fファクターについて同様の観点でみると,定性 的にはjファクターと同様の傾向を示すが,低Re数域においてもその絶対値は全体的に平 行平板間流路よりも高い傾向となっていることが分る.これは凹凸部での流れの剥離が原 因であると考えられる.

またRe数が100~200付近においてjファクター,fファクターともに変極点が見られ,

平行平板間の流れにおける値を大きく上回るが,これは前述のようにRe数の高い領域では 層流から乱流への遷移が生じているためと考えられる.平行平板間の流れでは平板間距離 を代表長さとして,Re~3000 程度で遷移が生じるが,凹凸をつけることで,より低い Re 数で遷移が生じることが分る.

また,図3.4.12はjファクターとfファクターのアナロジー値η(=j / f)をまとめたもので あるが,ηは凸部高さにより大きく影響を受け,凸部高さが小さいほど高くなる傾向にあ ることが分る.凸部高さを高くすることでjファクター,fファクターともに増加すること を示したが,この図から凸部高さが高くなるほどfファクターの増加率が大きくなることが 確認できる.従って,熱伝達と圧力損失のバランスの観点からは凸部高さは低い方が良い と言える.一方で,凸部高さが低いほどjファクターの値は小さくなるため,実際の熱交換 器を考えた場合,チューブピッチが密になる傾向になると考えられる.逆に凸部高さが大 きい場合にはチューブピッチは疎とできる傾向となるため,通風抵抗が低減できる可能性 がある.また重量や製造面でもチューブピッチが疎であるほうが有利であるため,一概にj / fのアナロジー値だけで比較することは困難であり熱交換器全体としての比較が重要であ る.

0.001 0.010 0.100 1.000

10 100 1000 10000

Re

j factor

Test NO.3 Test NO.6 Test NO.9 Test NO.12 Test NO.15 Test NO.18 平行平板

図3.3.6 jファクターとRe数の関係(凸部高さ1.2mm)

0.001 0.010 0.100 1.000

10 100 1000

Re

j factor

Test NO.2 Test NO.5 Test NO.8 Test NO.11 Test NO.14 Test NO.17 平行平板

図3.3.7 jファクターとRe数の関係(凸部高さ2.0mm)

0.001 0.010 0.100 1.000

10 100 1000

Re

j factor

Test NO.1 Test NO.4 Test NO.7 Test NO.10 Test NO.13 Test NO.16 平行平板

図3.3.8 jファクターとRe数の関係(凸部高さ2.8mm)

0.01 0.10 1.00 10.00

10 100 1000

Re

f factor

Test NO.3 Test NO.6 Test NO.9 Test NO.12 Test NO.15 Test NO.18 平行平板

図3.3.9 fファクターとRe数の関係(凸部高さ1.2mm)

0.01 0.10 1.00 10.00

10 100 1000

Re

f factor

Test NO.2 Test NO.5 Test NO.8 Test NO.11 Test NO.14 Test NO.17 平行平板

図3.3.10 fファクターとRe数の関係(凸部高さ2.0mm)

0.01 0.10 1.00 10.00

10 100 1000

Re

f factor

Test NO.1 Test NO.4 Test NO.7 Test NO.10 Test NO.13 Test NO.16 平行平板

図3.3.11 fファクターとRe数の関係(凸部高さ2.8mm)

0.001 0.010 0.100 1.000

10 100 1000

Re

j / f

Test NO.1 Test NO.2 Test NO.3 Test NO.4 Test NO.5 Test NO.6 Test NO.7 Test NO.8 Test NO.9 Test NO.10 Test NO.11 Test NO.12 Test NO.13 Test NO.14 Test NO.15 Test NO.16 Test NO.17 Test NO.18 平行平板 凸部高さ1.2mm

凸部高さ2.0mm 凸部高さ2.8mm

図3.3.12 j/fとRe数の関係