第 3 章 凹凸平板間の熱伝達・圧力損失特性に関する研究
3.2 熱伝達・圧力損失に関する実験研究
本節では,凹凸平板間を通過する空気流れを対象として,凹凸形状と熱伝達,圧力損失 特性との関係について述べる.
3.2.1 実験装置及び実験方法
実験装置は第2章で述べたコルゲートルーバフィンに関する実験で用いた装置の構成と 同様であり,テストセクション部分のみ入れ替えた構造とした.実験対象となる凹凸流路
部が対向する形状となっており,空気流れ方向に等ピッチで凹凸が配列されている.凹凸 形状を決める設計パラメータとして,①凹部深さ,②凸部高さ,③凹部幅,④凹凸ピッチ,
⑤テーパ角度,⑥凹凸数の6つを設定した.なお各パラメータの詳細に関しては後述する こととする.
また,テストセクションとなる凹凸流路には図3.2.1に示すように各プレートの背面にそ れぞれ9点の熱電対を取り付けプレートの温度を計測した.実験では後述する実験条件の 基で 2.2 節と同様にテストセクション前後の空気温度・湿度及び差圧を計測し,伝熱量,
圧力損失等を算出した.
20mm
=
=
=
= 20mm
10mm 10mm
160mm
56~144mm
20mm
=
=
=
= 20mm
10mm 10mm
160mm
56~144mm
2hh 2
凹部深さ 凸部高さ
凹凸部幅 凹凸ピッチ テーパ角度 流路間距離
凹部深さ 凸部高さ
凹凸部幅 凹凸ピッチ テーパ角度 流路間距離
熱電対
図3.2.1 凹凸流路概略図
3.2.2 実験条件
本節では,各設計因子と伝熱・圧力損失との関係及びその最適形状を把握するため,品 質工学を用いたパラメータスタディを行った.本研究で対象としている凹凸平板間流路で は,3.2.1で述べたように6つの設計パラメータが考えられるため,ここでは表3.2.1に示 すL18直交表を用いた.
品質工学では,制御因子と誤差因子をそれぞれ設定し,誤差因子によるデータのばらつ きをSN 比で評価することで,ロバスト性の高いシステムを構築することを目標としてい る.本研究では流路形状を制御因子,空気条件(相対湿度)を誤差因子としてL18直交表
表 3.2.2 に設計パラメータの水準,表 3.2.3 に流入空気条件を示す.なお平板間距離 2h
の半値はh=2.0mmに統一しており,これを代表長さとして用いた.各設計パラメータを表
3.2.1の直交表に割り付けると表3.2.4に示す18個のテストセクションとなり,各テストセ クションに対して熱伝達・圧力損失特性に関する実験を行った.
表3.2.1 L18直交実験表
実験No. 第1列 第2列 第3列 第4列 第5列 第6列 第7列 第8列 1 水準1 水準1 水準1 水準1 水準1 水準1 水準1 水準1 2 水準1 水準1 水準2 水準2 水準2 水準2 水準2 水準2 3 水準1 水準1 水準3 水準3 水準3 水準3 水準3 水準3 4 水準1 水準2 水準1 水準1 水準2 水準2 水準3 水準3 5 水準1 水準2 水準2 水準2 水準3 水準3 水準1 水準1 6 水準1 水準2 水準3 水準3 水準1 水準1 水準2 水準2 7 水準1 水準3 水準1 水準2 水準1 水準3 水準2 水準3 8 水準1 水準3 水準2 水準3 水準2 水準1 水準3 水準1 9 水準1 水準3 水準3 水準1 水準3 水準2 水準1 水準2 10 水準2 水準1 水準1 水準3 水準3 水準2 水準2 水準1 11 水準2 水準1 水準2 水準1 水準1 水準3 水準3 水準2 12 水準2 水準1 水準3 水準2 水準2 水準1 水準1 水準3 13 水準2 水準2 水準1 水準2 水準3 水準1 水準3 水準2 14 水準2 水準2 水準2 水準3 水準1 水準2 水準1 水準3 15 水準2 水準2 水準3 水準1 水準2 水準3 水準2 水準1 16 水準2 水準3 水準1 水準3 水準2 水準3 水準1 水準2 17 水準2 水準3 水準2 水準1 水準3 水準1 水準2 水準3 18 水準2 水準3 水準3 水準2 水準1 水準2 水準3 水準1
表3.2.2 設計因子水準設定
水準1 水準2 水準3 凹部深さ mm 2.0 2.8 3.6 凸部高さ mm 1.2 2.0 2.8
凹部幅 mm 6.0 8.0 10.0
凹凸ピッチ mm 14.0 16.0 18.0
凹凸数 4 6 8
テーパ角度 deg 0.0 5.0 10.0
表3.2.3 空気条件水準設定 流入空気乾球温度 ℃ 27.0 流入空気相対湿度 R.H.% 50.0, 60.0, 70.0 流入空気風速 m/s 1.0, 1.5, 2.0, 3.0, 4.0 プレート温度 ℃ 5.0
表3.2.4 設計パラメータ組合せ
Test No. 凹部深さ 凸部高さ 凹部幅 凹凸ピッチ 凹凸数 テーパ角度 mm mm mm mm - deg
1 2.0 2.8 6.0 14.0 4 0
2 2.0 2.0 8.0 16.0 6 5
3 2.0 1.2 10.0 18.0 8 10
4 2.8 2.8 6.0 16.0 6 10
5 2.8 2.0 8.0 18.0 8 0
6 2.8 1.2 10.0 14.0 4 5
7 3.6 2.8 8.0 14.0 8 5
8 3.6 2.0 10.0 16.0 4 10
9 3.6 1.2 6.0 18.0 6 0
10 2.0 2.8 10.0 18.0 6 5
11 2.0 2.0 6.0 14.0 8 10 12 2.0 1.2 8.0 16.0 4 0 13 2.8 2.8 8.0 18.0 4 10
14 2.8 2.0 10.0 14.0 6 0
15 2.8 1.2 6.0 16.0 8 5
16 3.6 2.8 10.0 16.0 8 0
17 3.6 2.0 6.0 18.0 4 5 18 3.6 1.2 8.0 14.0 6 10
3.2.3 熱伝達率,圧力損失の無次元化
実験から得られたデータを用いて,各実験における熱伝達率及び摩擦係数を以下に示す 方法で算出した.各テストセクションにおける空気流れと流路壁面での熱移動は,顕熱と 潜熱に分けられる.つまり伝熱面における伝熱量Qは式(3.2.1)で表される.
l
s
Q
Q
Q
(3.2.1)
airin airout
air air p