LMTDA
4.3 実機検証(従来熱交換器)
4.3.2 検証結果
相対的に大きくなっていることが分る.表 4.3.1 に示した通り,HTR-B のチューブ本数は
HTR-A よりも多く,管内を流れる冷媒の流速が相対的に小さくなるため,その分熱伝達率
も低くなる.その結果,冷媒側の熱抵抗が相対的に増加していると考えられる.従って,
本解析で用いた室内凝縮器では,冷媒側の熱抵抗低減により,更なる性能改善が期待でき るといえる.
air air t
air A
R ,
1 (4.3.1)
ref ref t
ref A
R ,
1 (4.3.2)
ref air
R
r R (4.3.3)
1.0 1.1 1.2 1.3
0 100 200 300 400 500
空気風量 m3/h
空気側放熱能力比率
HTR_A/HTR_B Exp.
HTR_A/HTR_B Calc.
(a) HTR-Bに対するHTR-Aの比率
1.0 1.1 1.2 1.3 1.4
0 200 400 600 800
空気風量 m3/h
空気側放熱能力誤差
HTR_A Calc./Exp.
HTR_B Calc./Exp.
+25%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.5 室内凝縮器性能比較(放熱能力)
0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
0 100 200 300 400 500
空気風量 m3/h
通風抵抗比率
HTR_A/HTR_B Exp.
HTR_A/HTR_B Calc.
(a) HTR-Bに対するHTR-Aの比率
0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4
0 200 400 600 800
空気風量 m3/h
通風抵抗誤差
HTR_A Calc./Exp.
HTR_B Calc./Exp.
+15%
-15%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.6 室内凝縮器性能比較(通風抵抗)
0 5 10 15 20 25 30
0 50 100 150
冷媒循環量 kg/h
冷媒側圧力損失 kPa
HTR-A Calc.
HTR-B Calc.
HTR-A Exp.
HTR-B Exp.
図4.3.7 室内凝縮器性能比較(圧力損失)
0.0 2.0 4.0 6.0
0 200 400 600 800
空気風量 m3/h
熱抵抗比
HTR-A Calc.
HTR-B Calc.
図4.3.8 室内凝縮器熱抵抗比
(2) 室内蒸発試験
図4.3.9~図4.3.11にそれぞれ室内蒸発器の冷凍能力,通風抵抗,冷媒側圧力損失の試験 結果とシミュレーション結果の比較を示す.EVA-AとEVA-Bは,表 4.3.2に示すようにチ ューブ,フィンともに仕様が異なるものである.
図4.3.9及び図4.3.10から冷凍能力,通風抵抗は熱交換器の構造の異なる性能相違を定性 的に予測できていることが分る.また冷凍能力の誤差はほぼ±5%以内と非常に高い予測精
め,フィンやチューブの表面に凝縮水の滞留が生じる.蒸発器表面には親水性処理が施し てあり,膜状となり流下する構造となっているが,フィン根元部等に滞留する液滴も存在 する.通風抵抗については,CFD解析から得られた相関式を用いて予測を行っているため,
滞留水による通風面積の減少が通風抵抗を増加させていると考えられる.また,冷媒側の 圧力損失については,図4.3.11から定性的にも定量的にも高い精度が得られていることが分 る.なお実験で用いた圧力センサーの精度は±0.25%F.S(F.S=2MPa)であり,±5kPa の測 定誤差が生じるため,圧力損失の測定誤差としては,最大で±10kPaである.
また,図 4.3.12 に各熱交換器の熱抵抗比の比較を示す.各熱交換器の熱抵抗比の値は,
おおよそ7~8程度であり,先述の室内凝縮器の結果と比較して,高い値となっていること が分る.従って,本解析で用いた室内蒸発器では,冷媒側の伝熱面積の増加あるいは熱伝 達率の向上による性能改善への寄与度は低く,空気側の熱抵抗軽減が有効であるといえる.
0.70 0.75 0.80 0.85 0.90 0.95 1.00
0 100 200 300 400 500
空気風量 m3/h
空気側冷凍能力比率
EVA_A/EVA_B Exp.
EVA_A/EVA_B Calc.
(a) EVA-Bに対するEVA-Aの比率
0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
0 200 400 600
空気風量 m3/h
空気側冷凍能力誤差
EVA_A Calc./Exp.
EVA_B Calc./Exp.
-5%
+5%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.9 室内蒸発器性能比較(冷却能力)
1.0 1.5 2.0 2.5
0 100 200 300 400 500
空気風量 m3/h
通風抵抗比率
EVA_A/EVA_B Exp.
EVA_A/EVA_B Calc.
(a) EVA-Bに対するEVA-Aの比率
0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
0 200 400 600
空気風量 m3/h
通風抵抗誤差
EVA_A Calc./Exp.
EVA_B Calc./Exp.
-25%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.10 室内蒸発器性能比較(通風抵抗)
0 20 40 60 80 100
0 50 100 150 200
冷媒循環量 kg/h
冷媒側圧力損失 kPa
EVA-A Calc.
EVA-B Calc.
EVA-A Exp.
EVA-B Exp.
図4.3.11 室内蒸発器性能比較(圧力損失)
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
0 200 400 600
空気風量 m3/h
熱抵抗比
EVA-A Calc.
EVA-B Calc.
図4.3.12 室内蒸発器熱抵抗比
(3) 室外凝縮試験
図4.3.13~図4.3.15にそれぞれ室外凝縮器の放熱能力,通風抵抗,冷媒側圧力損失の試験 結果とシミュレーション結果の比較を示す.OHX-AとOHX-Bは,表4.3.3に示すようにチ ューブ,フィンともに仕様が異なるものである.
放熱能力については,定性的な傾向としては実験値と予測値はほぼ一致しており,定量
小さな値となっており,定量的には大きく乖離していることが分る.これは,第 2 章で述 べたCFD解析結果から作成した相関式の推定誤差が影響しているといえる.また,冷媒側 の圧力損失についても定性的な傾向は一致しているが,実験値は予測値よりも小さな値と なっていることが確認できる.先述した室内凝縮器についての結果では,圧力損失の予測 値は実験値よりも小さくなっていたことから,チューブにおける摩擦抵抗の影響ではなく,
ヘッダ部での圧力損失が大きく影響していると考えられる.
また,図 4.3.16 に各熱交換器の熱抵抗比の比較を示す.各熱交換器の熱抵抗比の値は,
おおよそ10~17程度であり,空気側の熱抵抗が非常に大きくなっていることが分る.従っ
て,本解析で用いた室内蒸発器では,冷媒側の伝熱面積の増加あるいは熱伝達率の向上に よる性能改善への寄与度は低く,空気側の熱抵抗低減が有効であるといえる.また同時に,
放熱能力の予測精度に与える空気側の熱伝達率の予測精度の影響も非常に大きいといえる.
0.7 0.8 0.9 1.0
0.0 1.0 2.0 3.0
前面風速 m/s
空気側放熱能力比率
OHXc_A/OHXc_B Exp.
OHXe_A/OHXe_B Calc.
(a) OHXc-Bに対するOHXc-Aの比率
0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0
前面風速 m/s
空気側放熱能力誤差
OHXc_A Calc./Exp.
OHXc_B Calc./Exp.
-20%
+20%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.13 室外凝縮性能比較(放熱能力)
1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
前面風速 m/s
通風抵抗比率
OHXc_A/OHXc_B Exp.
OHXe_A/OHXe_B Calc.
(a) OHXc-Bに対するOHXc-Aの比率
0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0
前面風速 m/s
通風抵抗誤差
OHXc_A Calc./Exp.
OHXc_B Calc./Exp.
-60%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.14 室外凝縮性能比較(通風抵抗)
0 50 100 150 200
0 50 100 150 200 250
冷媒循環量 kg/h
冷媒側圧力損失 kPa
OHXc-A Calc.
OHXc-B Calc.
OHXc-A Exp.
OHXc-B Exp.
図4.3.15 室外凝縮器性能比較(圧力損失)
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0
0.00 1.00 2.00 3.00
前面風速 [m/s]
熱抵抗比 [-]
OHXc-A Calc.
OHXc-B Calc.
図4.3.16 室外凝縮器熱抵抗比
(4) 室外蒸発試験
図4.3.17~図4.3.19にそれぞれ室外凝縮器の放熱能力,通風抵抗,冷媒側圧力損失の試験 結果と予測結果の比較を示す.OHX-AとOHX-Bは,表4.3.3に示すようにチューブ,フィ ンともに仕様が異なるものである.
冷凍能力については,定性的な傾向は一致しており,定量的にも±10%以内で予測でき ていることが分る.通風抵抗については定性的な一致は確認できるが,予測値は実験値よ
率や圧力損失の予測値の精度によって,このような結果となっていると考えられる.また,
図 4.3.19 から冷媒側の圧力損失に関しては,実験値と予測値は,定性的にも定量的にもほ
ぼ一致した結果が得られていることが確認できる.
また,図 4.3.20 に各熱交換器の熱抵抗比の比較を示す.各熱交換器の熱抵抗比の値は,
おおよそ2~4程度であり,凝縮条件に比べて冷媒側の熱抵抗が支配的となっていることが 分る.また,前面風速が増加するほど熱抵抗比は小さくなっていることが分る.前面風速 が増加することで空気側の熱伝達率は増加するが,冷媒側は熱伝達率があまり増加してい ないということを示している.従って,室外蒸発器の性能改善への冷媒熱伝達率の寄与度 は比較的高くなる.
一方で,蒸発器では圧力損失も性能に大きく影響を与える因子となる.図 4.3.21 は
HFO1234yfの飽和圧力-温度曲線を示したものであるが,この図から分るように,飽和温度
が下がるほど,飽和圧力の低下率は小さくなる.つまり,飽和温度が低いほど圧力損失に よる温度降下が大きいということが分る.例として,10kPaの圧力損失に対応する温度降下 は飽和温度0℃の場合は約1℃,飽和温度60℃の場合は約0.3℃である.本解析で用いた蒸 発器の境界条件では,蒸発器出口圧力を固定しているため,圧力損失による温度降下分だ け空気との温度差が小さくなる.特に室外熱交換器が蒸発器として使われる場合には,熱 負荷が非常に低く,冷媒循環量も小さくなるため,空気との温度差が小さい状態で運転さ れる.従って,圧力損失による温度降下の影響が相対的に大きくなるため,冷凍能力に対 しても大きく影響を与える.
熱抵抗比の観点からは冷媒側の熱伝達率を向上させることが比較的有効であると述べた が,熱伝達率の向上は圧力損失の増加の原因となるため,熱伝達率の増加と圧力損失の低 減を両立させる構造が必要であるといえる.
1.0 1.1 1.2 1.3
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
前面風速 m/s
空気側冷凍能力比率
OHXe_A/OHXe_B Exp.
OHXe_A/OHXe_B Calc.
(a) OHXe-Bに対するOHXe-Aの比率
0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0
前面風速 m/s
空気側冷凍能力誤差
OHXe_A Calc./Exp.
OHXe_B Calc./Exp.
-10%
+10%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.17 室外蒸発器性能比較(吸熱能力)
1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
前面風速 m/s
通風抵抗比率
OHXe_A/OHXe_B Exp.
OHXe_A/OHXe_B Calc.
(a) OHXe-Bに対するOHXe-Aの比率
0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0
前面風速 m/s
通風抵抗誤差
OHXe_A Calc./Exp.
OHXe_B Calc./Exp.
-50%
(b) 実験値に対する計算値の誤差 図4.3.18 室外蒸発器性能比較(通風抵抗)
0 20 40 60 80 100
0 20 40 60 80 100
冷媒循環量 kg/h
冷媒側圧力損失 kPa
OHXe-A Calc.
OHXe-B Calc.
OHXe-A Exp.
OHXe-B Exp.
図4.3.19 室外蒸発器性能比較(圧力損失)
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0
前面風速 m/s
熱抵抗比
OHXe-A Calc.
OHXe-B Calc.
図4.3.20 室外蒸発器熱抵抗比
-40 -20 0 20 40 60
0 500 1000 1500 2000
飽和圧力 kPa
飽和温度 ℃
図4.3.21 HFO1234yf 飽和圧力-温度曲線