4.4 高速ロータの磁石配列の検討 高速ロータの磁石配列の検討 高速ロータの磁石配列の検討 高速ロータの磁石配列の検討
4.4.3 解析結果 解析結果 解析結果 解析結果
磁石の角度を種々に変更したHPM型およびSPM型のモデルに対し、二次元 有限要素法により非線形磁界解析を行い、伝達トルクを算出した結果を図4-12 に示す。また、図4-12の一部を拡大したものを図4-13に示す。解析では低速 ロータを固定した状態で、高速ロータの回転角度を変化させたときに発生する 低速ロータの静的な伝達トルクを計算しており、低速ロータにより発生する最
表4-3 表面磁石型磁気歯車の解析緒言
SPM型 HPM型
磁気歯車直径(mm) 90 磁気歯車長さ(mm) 40 低速ロータ
内径:72mm
磁石数:44個
磁極数:44極(22極対)
高速ロータ 外径:52mm
磁極数:8極(4極対)
高速ロータの磁石数 8個 16個
各ロータのヨーク 材質:SS400
減速比 5.5
ステータ歯車
外径:70mm
内径:54mm
磁極片数:26 材質:電磁鋼板
形状:ST-1
永久磁石 NdFeB希土類磁石
残留磁束密度:1.31T ステータ歯車と各ロータの
ギャップ距離 1mm
磁石の角度 - 20、25、30 35、40度
図4-12 HPM型の伝達トルク
図4-13 HPM型の伝達トルクの一部拡大図
大伝達トルクが、対象の磁気歯車の伝達できる最大トルクとなる。そこで、図 4-14に磁石の角度を変えたHPM型の最大伝達トルクと標準モデルであるSPM 型の最大伝達トルクの比率を示す。図 4-14 より、HPM 型の磁石角度が 25 度 のとき最大伝達トルクは、SPM型と比較して6.9%向上することが確認できる。
他の角度の場合においても、SPM 型よりも最大伝達トルクが高くなっている ことから、高速ロータ側にHPM型の構造を用いることは磁気歯車の高伝達ト ルク化に有効であると考えられる。この理由について、以下に検討を行う。
図4-15および図4-16に角度を種々に変更したHPM型およびSPM型それぞ れの高速ロータとステータ歯車間のエアーギャップ中の磁束密度を比較した 結果を示す。図4-16より、全ての角度におけるHPM型の高速ロータとステー タ歯車間のエアーギャップ中の磁束密度は、SPM 型と比較して、高いことが 確認できた。また、図4-17に最大伝達トルクが最大であった磁石角度25度の HPM型およびSPM 型の各磁束密度ベクトル分布を示す。図4-17 より、HPM 型は、CSPM型のように磁束収束部で大きな磁束密度となる突極性を持ったよ
図4-14 HPM型の最大伝達トルク解析結果
図4-15 エアーギャップ中の磁束密度
図4-16 エアーギャップ中の磁束密度の一部拡大図
(a) SPM型
(b) HPM型
図4-17 磁束密度ベクトル分布
うな磁場分布ではなく、SPM 型に近い磁場分布となっていることが確認でき る。HPM型の磁場分布がSPM型に近い磁場分布となっていることから、HPM 型の高速ロータよりの磁束が、複数の磁極片に通っている。その結果、SPM 型に対し、HPM 型は磁極片と低速ロータの間に働くトルクが上昇し、最大伝 達トルクが上昇したと考えられる。HPM 型では、磁石の角度により磁場分布 が変わり、角度が小さいほど磁束集束効果の高い急峻な分布になるのに対して、
角度が大きいと磁束密度の最大値は下がるものの、広い範囲で高い磁束密度を 発揮できる。磁束集束効果と対向する磁極片の数との関係により、各角度にお ける伝達トルクに変化があったと考えられる。